丹後の海の恵みを生かすアクションプラン第1回政策検討会議事録
開催日時
平成17年8月5日(金曜日)
10時15分から12時
開催場所
京都府福利厚生センター第3会議室
検討委員
荒井委員、池田委員、倉委員、桑村委員、中江委員、滑田委員、西川委員、宮崎委員、森田委員、鷲尾委員
座長
鷲尾委員
会議の様子(左:検討委員、右:検討委員の発言に耳を傾ける関係者)
各委員の発言内容
- アクションプランを作成するためにはその実現を支える技術的背景を的確に評価する必要がある。
- アクションプランは限られた資源をいかに付加価値を付けて売れるものにするかというアイデアを出していく作業となろう。
- いままで京都府の食に関する調査に携わってきた。「きょうと健やか21」の資料作成のための調査では若年成人層で魚の摂取量が最も少ないことを見いだし、他方、若い人達の食生活を長期間にわたり調査しているが、約20年前に比べ魚の摂取量が約60%に低下している事実を見いだしている。
- これからの社会を担っていく若い人達の食生活の中に魚を浸透させるには実際に食べてもらい、美味しいと実感してもらう機会を設定していくことが必要かと思う。
- 将来の漁業を考えると、おいしく食べる対象者がいて成り立つものと考えている。
- これからは、生産者は漁獲して市場に出荷するだけでなく、少ない資源を少しでも価値あるものにしていくことを考える必要がある。
- 漁業振興のためには、トリガイ養殖のように漁業者に画期的な成果を見せることも必要。
- 収入が安定しないと後継者は育ちにくい。
- 今まで取組が低かったものをあげていく考えが必要である。
- 海業を適切に進めれば漁村がもっと良くなる可能性を持っている。
- 丹後のもの、京都の北のものとしてカニを特徴としてやってきたが、これまではカニが終わったら「これが丹後」というものがなかった。最近、やっとトリガイがそうと言えるようになった。
- このアクションプランは、京野菜のような方向性のものではないかと考えている。
- このアクションプランに参加するにあたり、京都の魚について板長と意見交換をした結果を受けて、次の提案をさせていただきたい。
(1)丹後の海のものを直販で京都まで届けるシステムはできないか。
(2)消費者に丹後の魚介類をもっと知ってもらえないか。
(3)良いものを良いものとするために、採る人、売る人、利用する人が接点を持てるようにできないか。
- ブランドにのみこだわる必要はないのではないか。
- カニ以外に何があるかを考えているが、これからの丹後は魚でアピールしていく必要があるのではないか。
- 観光客がサザエやアワビを採ったらだめ(漁業権があるので)というのは、丹後の雰囲気をこわす。採って楽しめるような仕組みづくりが必要。
- 海業(観光船業等)を含めた地域づくりが、ひいては観光客を丹後に呼び込むことに繋がる。
- 丹後は冬のカニに甘えすぎており、通年観光に目を向けるべき。
- 丹後の海は繋がっているので、枠組みをしないで橋立から城崎の手前まで、舞鶴も含めて、まとめて何か感じてもらえたらと思って仕事をしている。
- 水産と宿泊を繋ぐコーディネーター、プロデューサーが全般的に欠けていると思う。
- いろいろなプロジェクトに参加しているが、つい最近、丹後の海で定置網体験等ができることを知った。
- 丹後は京都市から非常に遠い。
- 修学旅行で来たときに体験学習を求めている学校が多い。
- 水産資源で教育旅行のプログラムをつくって誘致をしてはどうか。
- 水産資源をどのように販促にかけていくのかを考えるプロジェクト的なものが必要だと感じている。
- 舞鶴漁業協同組合は、京都府で行われている漁業の全てが行われている。潜水についても京都府でいち早く30年前から行われている。
- 採っているだけではだめということは認識しているので、このアクションプランには採る側として参加したい。
- カニがブランド化されたことにより、カニが高くなりすぎて売りようがなくなったり、入手が困難になったことを考えると、果たしてブランド化というものが良いのかと思う。
- これまでは同じ種類の魚を同じ大きさに揃えて提供するという考え方でやってきたが、
結果的に原価が高くなることに繋がることから、これは間違いではないかと考える。
- 宮津を訪れる観光客は秋が最も多く、春が最も少ない。夏は海水浴客の減少で最近は少なくなっている。
- トリガイについては今年は天然物が多い。養殖物は天然物と比べて厚みが薄く、甘味が違う。その点から考えると、うまく使い分ける必要がある。
- 福知山に住んでいるが丹後の海のことについて知らないことが多かった。
- 日本人の食で大切なことは魚を食べることではないだろうか。
- 農村でもスローフードの見直しが進んでいる。
- 消費者は実体験することで魚のおいしさや必要性がわかる。
- 皆さんの報告を聞いていて、魚を採ってくるだけで済んでいた今までの漁業とは違うものの見方、最終的に使っていただく人にどう見えるかということが大切であるという意見には共感する。
- 今回は現場の方、消費する側、そしてそれらを繋げる立場の方が参画しているので、アクションプランを考えていく良い機会になると考える。
- 次回は具体的に内容を詰めていくこととしたい。