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京都府総合計画詳細版【基本計画】(音声読み上げ14)について

12.産業の創出・成長・発展と継承

20年後に実現したい姿

世界のオンリーワン企業が輩出

  • 新たに創業した企業の中から「世界のオンリーワン企業」に成長する企業が輩出されるとともに、グローバル企業、オンリーワン企業、スタートアップ企業及びそれらを支える関連企業等、多様な企業が集積しています。

「Made in Kyoto」が世界ブランドとして確立

  • 伝統技術・素材を基礎に新しい技術と素材を融合して製造する工芸品(NEO KOUGEI(ネオ・コウゲイ))など、ジャンルを超えたものづくりにより、京都産品のブランド化を進め「Made in Kyoto」が世界ブランドとして確固たる地位を確立しています。

関西文化学術研究都市が人類的課題の解決に大きく貢献

  • 関西文化学術研究都市において、トップレベルの研究者や優れたアイデア・技術が世界から集まり、新たな価値が創造される科学技術イノベーションが生み出され、人類的課題の解決に大きく貢献する都市が実現するとともに、その成果が府全域に広がっています。

商店街が地域コミュニティの中核を構成

  • 商店街が、地域経済活動の場であるだけでなく、地域の歴史・文化の情報発信、観光や地域コミュニティの場となっています。

現状分析・課題

  • 南部地域では、イノベーション創出拠点やAI・IoT関連企業が集積しつつありますが、中小企業と研究機関や大学との連携を更に進める必要があります。
  • 開業率(4.3%)が全国平均(5.0%)を下回っており、創業に向けたスタートアップ支援の強化が必要であるとともに、後継者の不在により増加している不本意廃業を減少させるため、多様な承継により事業継続を支援する必要があります。
  • AIやIoT関連技術が急速に進展しており、中小企業に一層普及させ経営革新を進める必要があります。
  • 物産展等により海外販路開拓は進んでいますが、更なる輸出拡大に向けた企業のチーム化、海外用商品開発の推進、各支援組織の一体化が必要です。(平成30年(2018年)の物産展・展示会等販売・成約額は10億5,180万円)また、丹後織物については、パリやニューヨークなど世界の有名ブランドや、首都圏小売店、百貨店バイヤーなどに素材のクオリティーの高さが認められつつあります。(平成30年(2018年)の出荷額は1億1,170万円)
  • 「西陣織帯地」、「京友禅・京小紋」及び「丹後ちりめん白生地」等の生産高は、ピーク時の5%程度となっており、生活に溶け込むことのできる商品の提供が少ない一方で、消費者ニーズを踏まえた「マーケットイン」型の生産を意識している事例も出始めています。
  • 関西文化学術研究都市において、新名神高速道路や北陸新幹線等、地域のポテンシャルを生かした新たなまちづくりを推進するため、線引きや用途地域等の見直し等、都市計画変更とアクセス向上のための鉄道等の整備が必要です。
  • 産業集積が進んだ結果、府域全域で工業団地の用地や、京都市内のオフィス不足の傾向が見られ、更なる集積の阻害要因となっています。(活用可能事業用地は45.1ha(令和元年(2019年)5月末現在)
  • Eコマースの進展で購買方法が多様化する一方、経営者の高齢化や後継者不足などにより魅力的な店舗が減少し、消費者の商店街離れが進んでおり、42%の商店街が店舗数及び来街者数が減少している状態が長期間続き、地域コミュニティ維持の面からも課題となっています。

4年間の対応方向・具体方策

京都経済センターを核として、オール京都体制で中小企業の成長やスタートアップ企業の育成を進めます。

1.「起業するなら京都・プロジェクト」を創設し、

  • スタートアップ企業が単独では実現困難なビジネスアイデアを実現するアクセラレーションプログラムの取組(世界中の有能な人材が京都に3箇月程度滞在し、ピッチ会やアイデアソンの実施により投資を集める)を推進し、世界中から有能な人材や企業が集う仕組みをつくります。(重点・新規方策)
  • 多様なニーズに対応したインキュベート施設を供給します。(重点・新規方策)
  • 創業支援、経営革新、販路開拓など、中小企業応援センターでトータルサポートします。(重点・新規方策)
  • 小中学生がものづくり体験や科学技術に身近に触れることのできる機会の提供や、高校生を対象にした「ベンチャー講座」を開設します。(重点・新規方策)

2.今後、産業・教育分野において需要拡大が見込まれるVR・AR技術等について、企業活動の積極的な支援や「京都VR・AR拠点」の形成を行います。(重点・新規方策)

3.シェアリングエコノミーについて、音楽等のサービスから自動車、衣服など、物の利用サービスへと広がりつつあるサブスクリプション(定額)ビジネス分野も見据え、地域資源を生かした京都独自のビジネス展開を「シェアリングエコノミー促進プロジェクト」として、取組を進めます。(重点・新規方策)

4.オール京都の「高度人材育成プログラム」を策定し、ものづくりをはじめ各産業における研究開発人材などの育成、新卒者から管理職、経営者までのシームレスな研修をオール京都体制で実施するとともに、中小企業大学校と連携し、高度人材を育成します。(重点・新規方策)

5.「地域の働く場創出・育成プロジェクト」を創設し、アクセラレーションプログラムのほか、

  • 地域資源を生かした商品づくりや農家民宿・農家レストランなどの小さな仕事興しをはじめ、伝統産業の商品開発力向上に向けた「NEO KOUGEI(ネオ・コウゲイ)」の製造など、地場産業の成長を支援します。(重点・新規方策)
  • 子どもが元気に遊び回れる公園や子育て中の方がテレワークできる機能を有した「子育てにやさしい企業団地」の整備を促進し、企業立地を進めます。(重点・新規方策)

6.京都経済センターを核に、支援拠点や大学、関西文化学術研究都市の研究機関などをネットワーク化することで、世界的オンリーワン企業、国内外の多様な企業が有する知見を府域全域で共有するとともに、京都経済センター内のオープンイノベーションカフェの活用や「中小企業応援センター」に配置するコンシェルジュによる支援により、イノベーションが起こり続ける環境づくりを進めます。

7.AI・IoT等を活用して様々な課題を解決するため、支援機関のITリテラシーを向上させるとともに、小規模事業者についても、AI・IoTを活用した経営革新が進められるよう、大学やAIベンチャー等の事業者、支援機関と連携して、伴走支援を行います。

8.中高年経営者に対する多様な事業承継セミナーを開催し、後継者不在等により、事業継続が困難となる前に早めの準備を意識付ける「プレ承継」を進めるとともに、創業希望者と後継者不在企業とのマッチングのほか、M&A手法の活用などにより、中小企業の事業承継を支援します。

9.ジェトロ京都とともに「京都海外ビジネスセンター」を設立し、「Made in Kyoto」をコンセプトとしたブランドを構築することにより、越境EC・「京もの」海外常設店の民営による永続的な展開を促進するとともに、事業者、商社、職人、支援機関等が幅広く参加するネットワーキング交流会を開催するなど、海外ビジネスに進出しやすい環境を整備し、輸出拡大を進めます。

10.京都先端科学大学等の高等教育機関や企業との産学公連携により、次世代モビリティなどの研究開発・実証実験を促進します。

11.北部産業創造センターにおいて、技術の高度化に対応するための「ネットワーク型設計開発支援システム(CAE)」などのデジタル開発支援ツールの活用や、産学公の連携による人材育成などを通じて、中小企業の開発試作の高速化や新事業展開を進めます。

12.丹後・知恵のものづくりパークにおいて、ものづくり産業での就労者数が少ない女性やものづくりの未経験者、企業の新任者などに対して、VR技術を活用した効率的な先端的疑似操作体験研修などによる人材確保・育成を行うとともに、新産業の創出に向けたオープンイノベーションを促進し、地域の中小企業が持つ課題解決や技術の高度化を進めます。

13.中小企業と理化学研究所等研究機関や関西文化学術研究都市に立地する企業との連携や、中小企業技術センター等への計画的な最先端機器の導入等による機能強化により、中小企業の基礎研究力向上を支援します。

14.企業が機械のデータ、技術、ヒト、組織など様々なものとつながることで、新たな付加価値の創出や社会課題の解決をめざす「Connected Industries」を実現します。

15.「知恵の経営」実践モデル企業認証制度により、企業が持つ強みである知的財産等を生かした事業展開を支援するとともに、京都ならではの伝統産業の振興と先端産業の融合や新産業の創出など、日本のモデルとなる京都産業の育成を進めます。

16.映画・映像、ゲーム、eスポーツ、マンガ、アニメなどのコンテンツ産業を育成するとともに、産学公で設置した「京都クロスメディアパーク推進会議」を活用し、観光など、多様な分野とのコラボレーションにより、新しいビジネスを創出します。

17.留学生をモニターとした「京都産商品技術品評会」を開催するなど、海外消費者ニーズを踏まえた商品開発を支援します。

18.ジェトロ海外事務所等を活用し、海外の主要企業とのネットワーク化を進め、外国企業のR&D拠点を誘致します。

19.府立図書館において、ビジネス支援等多様な生涯学習支援活動を進めます。

伝統産業について質の高い「NEO KOUGEI(ネオ・コウゲイ)」を製造するマーケットイン型の生産を進めます。

20.「堀川アート&クラフトセンター(仮称)」を活用したクオリティーの高い多様なイベントの展開により、アート&クラフトの創造・発信を強化します。(重点・新規方策)

21.令和元年(2019年)9月に開催される第25回国際博物館会議京都大会を契機に、従来の伝統的な技術・素材により製造する工芸品や「NEO KOUGEI(ネオ・コウゲイ)」をはじめとするものづくり関係者が、相互交流を行う「KYOTO KOUGEI WEEK」を開催し、新商品開発や商談会、工房ツアーなどを実施します。

22.丹後織物について、丹後テキスタイル等「NEO KOUGEI(ネオ・コウゲイ)」の展示・紹介及び商談機会の創出や、プロダクトマネージャーの育成等を行うために織物関係事業者がめざす「TANGO OPEN CENTER(仮称)」の整備に向けた取組を支援します。

23.商品プロデュース力養成研修により、質の高い商品開発や商談ができる人材を育成します。

関西文化学術研究都市について、「研究開発・産業の推進」「文化・学術・芸術・教育の振興」等を行い、「超快適スマート社会」の実現による持続可能な発展をめざす都市づくりを進めます。

24.「MaaS・α(マース・アルファ)促進プロジェクト」を創設し、クラウドサービスの新たな展開について「Mobility(交通利用のスマート化)」だけでなく、「Communication(テレビ・Web会議)」や「Factory(工場)」などのあらゆる分野においても、こうしたサービスを活用し、新たなビジネスを創出します。(重点・新規方策)

25.「けいはんなロボット技術センター」等を活用し、次世代ロボット技術の研究開発を推進するとともに、研究機関や大学等との連携により、AI・IoT、iPS等先端技術を活用して、健康・医療、環境・エネルギー、スマート農業等、新産業創出や中小企業の支援を強化します。

26.AIやIoTを活用し、都市内の移動交通の利便性、快適性を一層高めるため、デジタルサイネージを活用したバスロケーションシステムの充実やEVカーシェアの導入など、新たな交通システムやサービスを展開し、スマートな暮らしの実現に向けた取組を進めます。

27.2025年日本国際博覧会(略称「大阪・関西万博」)の開催に合わせ、科学や文化学術の体験型イベントを一体的に実施し、暮らしの中で文化・学術・研究の成果を感じられる機会を創出します。

28.けいはんなオープンイノベーションセンター(KICK)において、国家戦略特区の中核として、関西文化学術研究都市の研究開発・社会実証フィールドとしてのポテンシャルを生かした産学公連携によるオープンイノベーションの取組を進めます。

29.関西文化学術研究都市の主要駅からの二次交通や近隣都市、関西国際空港とを結ぶ公共交通サービスを充実させます。

30.関西文化学術研究都市に立地する大学や学術研究機関等が連携し、外国人研究者との交流など、様々な学術分野の融合などを通じて、新たな学術領域を生み出します。

31.京都大学附属農場における自然エネルギー利用型農業モデルの構築や府立大学精華キャンパスにおけるエコタイプ次世代植物工場など、グリーンイノベーションの取組を進めます。

32.南田辺・狛田地区、木津東地区等の都市計画変更を行い、早期に事業化を図り、海外企業も含めた新たな研究機関や企業等の立地を進めます。

府内総生産を向上させるため、事業用地の確保と活力、魅力あふれた産業集積を進めます。

33.「京都府用地バンク」の活用による民有地の紹介機能の強化や市町村と連携した土地利用計画の見直しなどにより、新たな事業用地を創出し、魅力ある企業の立地を進めます。

34.高速道路網の整備が進展している府南部地域に、IoT等の先端技術を活用した物流の効率化・高度化に資する新たな物流産業集積拠点を形成するとともに、北部地域においても京都舞鶴港を核として、物流関連企業の誘致を促進します。

地域、福祉団体、企業、大学生など多様な主体のネットワーク化により、商店街やコミュニティ等の活性化を進めます。

35.商店街と地域活性化やまちづくりに関わる団体、企業及び大学生等との連携による個々の商店街の強みを生かしたオーダーメイド型の伴走支援を行うとともに、EコマースやAI・IoT等の先端技術の導入、高齢者・子育て家庭への支援等、独自の取組を行う商店街を支援します。

36.地域の資源を生かした、そこにしかない商品・サービスを温かみのある対面販売で提供する商店街を支援するとともに、話題性や集客力のある店舗を商店街が自ら空き店舗に誘致する取組を支援します。

 

基本計画(音声読み上げ15)に続く

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