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四月の初旬に飛来した「ツバメ」も最初は群れて川面を飛び回っていましたが、それぞれがパートナーを見つけて”ペア”で行動する姿を見ることができる様になりました。
鴨川では餌も採っていますが、巣作りの為の泥も採取している様子で、仲良く2羽で行動しています。
「ツバメ」の魅力はなんと言ってもその飛行の様子です。「ツバメ返し」の言葉どおり身を素早くひるがえし、予測不能な方向に踊るように舞います。見ていて飽きません。
あまりの早さに素人カメラでは容易に捕らえることができません。
<ツバメ>
こちらは愛の結晶を引き連れての「カルガモ」の親子です。
小さな雛も親鳥のスピードに必死に付いて行く姿には「可愛い」とつぶやいてしまいます。
それにしても、誰に教えられた訳でもないと思いますが、きれいに整列して泳ぐ姿は兄弟姉妹間の秩序なのか「見習うべきこと」もあるのではないでしょうか。
<カルガモの親子>
次に登場は、「ハト」です。最初は「ドバト」と呼ばれるオーソドックスな「ハト」です。意外なことに「ドバト」は日本古来のハトではなく外来種とのことです。
この度見かけたのは、ハトの口づけシーン。あまりの完璧なキスシーンに思わずパチリと撮影してしまいました。「くちばし」と「くちばし」どうなっているのでしょうか。昔飼っていた「インコ」のキスシーンを思い出しました。
<ハトのキスシーン>
「ドバト」が外来種ならば、日本在来種はというと「キジバト」です。魚のウロコの様な模様が特徴で、ドバトの様な交配による様々な模様は見受けません。
この日のキジバトさんは、恋するあなたの為に巣作りの準備でしょうか。小枝をくわえてとことこ歩いておりました。
<小枝をくわえるキジバト>
カラスといえば、幼児程度の知能を持つ賢い鳥です。そんな「カラス」のカップル襲撃を目撃しました。
三条河原に面したとある飲食店にて食事をしていたところ、店内のお客さんが「なんやあれ。カラスに餌やってるで。」とのお言葉。一同そちらに目を移すと「カラス」が八羽程カップルの前に集合して昼食をつついています。「あれは襲われてるんやで」と他のお客さん。
「カラス」の話題をもう一つ。「カラスの行水」という言葉を耳にされたことが有る方も多いと思います。そのカラスの行水シーンを撮影しましたので紹介しておきます。
この日は4月なのに気温30度を越える真夏日でした。真っ黒な体に熱を吸収してよほど暑かったのか、バシャバシャと水浴びです。鴨川の水でクールダウンしてさっそうと飛び立って行きました。人間も川に浸かるような暑さでしたので、さぞ気持ちよかったでしょう。
ちなみに広辞苑で「カラスの行水」を引いて見ますと、「入浴をあわててすますこと」だそうで、確かに短時間でスッキリという感じでした。同じ黒の鳥でも「カワウ」は潜水するのでいつも水浴びしています。逆に羽を乾かす姿を見かけます。
ゴールデンウイークの話題は盛りだくさんなので、何回かに分けてお届けします。今回はこの辺で一旦筆を置かせていただいて、近日に続報をお届けします。
平成24年5月8日 (京都土木事務所Y)
<カラスの行水>
以前にも鴨川素人野鳥観察記で紹介しましたが、最近報道番組でも頻繁に取り上げられ、注意喚起されている「トビ被害」です。
本来は、小動物や魚を捕獲して食している彼等ですが、人間が持っている食べ物をすっかり「自分達の獲物」と認識してしまったようで、親から子へと受け継がれ、今では当たり前の様に掴み取ります。
この被害、映像や報告では目にしたことがありましたが、ゴールデンウイーク中に実際に目にすることとなりました。
鴨川も街中では上流の西賀茂橋付近(MKボール付近)でのことでした。人通りは少なくのんびりした時間が流れる中、カップルでお弁当を楽しんでいる人が見えました。
私は散歩中で、そのお二人に近づいていく方向に進んでおりますと、上空10m位の所で一羽のトビが旋回をしております。
徐徐に下降している様子です。「危険な予感」とつぶやいたその直後に「トビ」は急降下して男性がお箸でつまんでいた「おかず」をサッとつまんでトビ去りました。
男性は「わっ、びっくりした」と何が何だかの状態で驚いている間も、トビは再び頭上旋回を再開します。
男性は、大きな「おかず」を放り投げて、「これであっち行け」と追い払いました。
突然の大きな羽音と鋭い爪に驚いた男性の自衛策としての行動でいたしかたない思われますが、出町よりも下流域のトビが群れている場所では「エサやり」となってしまう事も考えられます。
河川敷で食事をされる場合は、頭上を確認する等の自衛策を心がけていただくことをお勧めいたします。
<びっくりのカップル>
そんなトビですが、カラスには分が悪いらしいそうです。
トビは通常しっかり掴んだ獲物を、安定した場所に運んで食べるそうですが、飛びながら食べる場合もあります。この時にカラスが追いかけ、こづいて獲物を落とさせます。そこをすかさず空中キャッチして「見事に横取り」するそうです。
人間から横取りした食べ物をカラスに横取りされる場面もありそうです。
この習慣から、カラスはトビが何も持っていなくても追いかけ回す習性があるとも言われています。実際にゴールデンウイーク中に「ピーひょろろー」「ガーガー」と頭上で騒いでいるのでよく見ると、一対一のトビとカラスで、執拗にトビが追いかけ回されていました。
トビとカラスが一対一なら、体も大きさもさることながら、猛禽類という獰猛な感じのあるトビが強いとイメージしますが、カラスの方が優位なのです。
どこの世界でもイメージだけで、本当の姿は見えていないことがまだまだあるのではないでしょうか。
<上がカラス、下がトビ。大きさの違いは歴然です。>
最近見かける、小ぶりで垢抜け無いというか、色合いがぼんやりしている「ダイサギ」「アオサギ」をあちらこちらで見かけます。
素人なので詳しくはわかりませんが、素人目にも最近まで雛という扱いの面々と察しました。
写真を並べて比べると明らかに違いがわかります。次の機会に専門家の方にお話しを聞いて確認しておきたいと思っていますので、詳しくはその折にご紹介させていただきたいと思います。
何はともあれ、鴨川にニューフェイスデビューとお祝い申し上げます。
<最近まで巣の中にいたのかな>
<こちらは少し兄さんか姉さんかな?>
<貫禄溢れるお姿です>
ダイサギは、真っ白で色合いから見分けは出来ませんが、餌を採る様子を見ていると「こいつ鳥のくせに素人やん」と思わせるほどの「へたくそ」。むやみに頭を水に突っ込んでは”ぶるぶる”と頭を振っているのでした。
「誰でも最初は素人」努力あるのみ。何処でも新人には試練が待っているのでしょう。
平成24年5月16日 (京都土木事務所Y)
平安時代以来とも言われる金環日食の時を迎えた鴨川の朝が来ました。上司のお誘いにより「鴨川の河川敷き」で日食観察となりました。
専用グラスを手に入れ損なった私は、四条から北上中の上司のグラスをあてにして、7時過ぎに北大路の高野川から南下していきました。
金環日食となるのは、ここ京都では午前7時30分から31分9秒までの約一分間。
高野川には既にスタンバイして熱心に空を仰いでいる人がちらほら。高野川沿いの住宅の二階からは「欠けてる。凄い」の声も聞こえて、内心では「見たい。誰かグラスを貸して」と思いつつ、先を急ぎました。
金環日食の時間が近づくにつれ、まるでサングラスを掛けているかの様に辺りがセピア色に包まれて不思議な感覚となりました。
ラジオからは「今、金環日食となりました」と告げられ、程なく「あと6秒」「京都での金環日食は終了しました。引き続き部分日食を観測ください」とのアナウンス。
そうです。私は「金環日食」に間に合いませんでした。その後5分程南下してやっと上司と合流し、三日月型の日食を見ることができました。
鴨川の出町三角地帯から北大路橋までの西側では多数の観測者が並んで一様に空を見上げています。こんなに大勢の人が一斉に空を見上げるのはマレなこと。金環日食を観測するよりも
”そんな人々を眺める方に更なる興味を持ってしまいました”
<金環日食直前の様子:少しセピア色>
<朝日なので仰ぐ角度は首にやさしいです>
<ズラリと並んだ観測者>
<でもゴミが気になりますね>
金環日食が完全なリングとして観測出来る鴨川の北限は、事前の情報では御薗橋(上賀茂神社)という説と、北大路橋という説が新聞報道されていました。
当日は何メートルかの間隔で人が並び、見えた人は赤色のサインを上げるという方法で検証されていました。
その参加者にお話しを聞くと、「私の場所は完全なリングになりませんでした」とのこと。
その北限は、その方から2ポイント南の地点だそうで「出雲路橋下流20m付近」でそれより北に並んだ皆様は世紀の天体ショー「金環日食」を見逃したということですね。
早朝から鴨川でスタンバイした人にも「金環日食」を見ることが出来なかった人に少しの親近感を持ちながら出勤となりました。
それにしても、凄い天体望遠鏡がズラリと並びました。
金環日食の様子は各方面の報道で御覧ください。
平成24年5月22日 (京都土木事務所Y)
金環日食を体感した影響なのか、妙に太陽が気になる今日この頃です。
金環日食から2日後、この日は夜明け前に玄関を開けて出しました。
高野川に架かる御蔭橋の灯りがぼんやり見える中、徐徐に辺りが白み始めました。辺りが見えはじめると一番に目に止まったのは、いつもの野鳥ではなく、食べてくださいと言わんばかりに地面を這い回るミミズです。
河川敷に整備された土系舗装の園路のあちこちにミミズが這っています。そのゆっくりとした歩みの後に足跡(足は無いのですが)が線状に付いています。これを見て「なるほど」と思う言葉を思い出しました。「あなたの字はミミズの這ったような字で読めない」という言葉。
昔の人は良く観察して例えたものです。
そんな事を考えながら歩いているうちに、「日の出」の時間となりました。比叡山の南の空が赤く色付き、「朝焼け」を伴って太陽が顔を出しました。
「初日の出」は元旦ですが、その営みは365日休まず続いています。金環日食は残念ながら見ることが出来ませんでしたが、この「日の出」を見ることが出来た事で充分満足と自分に言い聞かせて納得するのでした。
夕方になり再度鴨川で沈み行く太陽を眺めてみました。朝日にも増して真っ赤に空を染める「夕焼け」をまとって去りゆくといったところでしょうか。
「朝に礼拝」「夕べに感謝」という太陽信仰を思い浮かべながら「僕らはみんな生きている」「ミミズだって・・・・・」と口ずさんでみるのでした。
平成24年5月28日 (京都土木事務所Y)
人類の科学が進んだ21世紀に入っても人間は何も道具なしで空を飛ぶという夢は叶っていません。鳥人間コンテストも小道具なしでは飛べません。
鴨川の上空や水面スレスレを自由に飛び回るのは野鳥達の特権です。2羽がペアで飛んでいたり、数羽が群れ飛んだり、こちらでは集団で飛行、一羽で気持ちよく単独飛行と気の向くままにという感じです。
「飛ぶ鳥を落とす勢い」を広辞苑で引くと「威勢の盛んなさまにいう。飛ぶ鳥も落ちる」とありますが、そんな勢いは存在するのでしょうかと思ってしまいます。
鳥の飛ぶ姿を見るとついついその行方を追う癖がついてしまいました。
<曇り空には映えませんが、これもまた白黒の趣>
ユリカモメ、ハト、サギ、カモ、スズメ、ツバメとそれぞれの飛び方に特徴があるものもあり、次第に飛んでいる姿で野鳥の種類が少しは判別できるようになってきました。
<ハト整列>
<ハト群れ飛ぶ>
<ムクドリシルエット>
4月上旬のある日、野鳥とは違う飛行物体を目撃しました。
鴨川沿いを通勤している時のこと、上流からエンジン音が響いてきます。周辺に居た人が空を見上げました。
つられて見上げると、パラグライダーにエンジンプロペラを背負った人が飛んでくるではないですか。後でモーターパラグライダーと呼ばれていると知りました。
<モーターパラグライダー>
飛行許可も不要だそうで飛行禁止区域以外は自由に飛行可能だそうですが、様々な配慮が必要だとか。テレビ番組でカメラマンが断崖絶壁をこのモーターパラグライダーを使用して撮影した映像を見ましたが大変迫力があるものでした。
この方が映像撮影の為に飛行されていたのなら、「鴨川を管理する者」としては是非その映像を見てみたいものです。
平成24年5月31日 (京都土木事務所Y)
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