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令和3年7月30日(金曜日) 午前10時~正午
対面とオンライン(zoom)
大野照文、木原由佳里、佐野泰博、清水範子、杉井潤子、築山崇、寺田浩作、
遠山秀史、西村惠美子、能勢ゆき、平塚靖規、舩川昇、前野あゆみ、村井琢哉
計14名
京都府教育委員会 橋本教育長
京都府教育庁指導部 吉村指導部長
京都府教育庁指導部社会教育課 片山課長 他12名
京都府立図書館 山口館長、常田副館長
計17名
0名
1.報告
ア京都府立図書館の運営等について
イ「令和2年度社会教育事業のまとめ」及び「令和3年度社会教育事業」について
2.協議
「人がつながる地域づくり」の推進について
3.その他
京都府立るり渓少年自然の家の指定管理者の選定について
開会あいさつ(橋本教育長)
築山議長・猿山副議長が選出された。
1.報告
ア京都府立図書館の運営等について
説明(山口館長)
「京都府立図書館の令和2年度事業の評価について」
「令和2年度京都府立図書館 事業概要(令和2年度のまとめ)」
「京都府立図書館サービス計画(令和3年度~令和7年度)」
「令和3年度京都府立図書館事業計画」
質疑応答(○委員、●事務局)
○多岐にわたる活動、府民の幅広い利用を促す様々な工夫がされている。昨年、改めて利用者登録をし、活用しているがインターネットで貸出期間の延長ができるなどスムーズに使えるように工夫いただいている。
「オープンデータの活用」とあったが、どのような利用ができるのか具体的に説明いただきたい。
今まで府立図書館のオープンデータは、テーマ展示を行ったときの図書リストを京都府のWebサイトに掲載するなどの取組があったが、昨年はコロナ禍で展示等の取組ができなかったため、掲載するデータそのものがなかった。
今後、資料のデジタル化が進めばそれも掲載することができると考えている。本府では、まだオープンデータを広範に行ってはおらず、図書館事業の中で取り組んだものをデジタル化して掲載しているのが現状である。
○ニーズがあるところから徐々に広げてもらえればと思う。
昨年は、臨時休館されている時期もあった。今年度、感染防止として広範な図書にフィルムを貼られるなど大変な作業をされながら運営されている。
イ令和2年度社会教育事業のまとめ及び令和3年度社会教育事業について
◇説明(片山課長)
家庭教育支援の充実について
地域学校協働活動の推進について
〈新規〉地域交響プロジェクト「協働教育」について
質疑応答(○委員、●事務局)
○地域交響プロジェクトについて、26団体から申請があったということだが、どのような地域や団体から申請があったのか。
●26団体の内訳は、京都市7団体、乙訓2団体、山城8団体、南丹3団体、中丹3団体、丹後3団体。団体の種別は、NPO法人、総合型地域スポーツクラブ、その他地域の中で活動されている団体等から申請があった。
○行政主導ではなく、地域の方が主導というところがこのプロジェクトのよさだと思う。非営利団体にとって資金面の支援も重要だと思う。交付金の支援が終了した後も非営利団体が継続して取り組むことができるような工夫はどのようにされているか。
●団体には当初から支援終了後を見通した取組をお願いしている。例えば、地域住民の参画、参加費の徴収などに工夫をしていただきながら、継続して取り組むことができるように考えていただいている。
事業計画では3箇年の計画書を御提出いただくこととしており、3年後を見通して計画的にお取り組みいただけるように支援をしていきたい。
○このプロジェクトの交付金の交付率は、3分の1ということであったが、三重県内の団体を見ていても「地域のためにやりたい。」という気持ちがあるが、原資がないというところも多くあり、団体にとって10万円出資するというのは、難しいことだと感じている。
地域における少子高齢化などの課題を抱えながら、小さな団体が取り組むには額が小さくても100%支援することで、そのチャレンジを応援するというようなそういう取り組みもあってもよいのではないかと思う。
●団体の話を伺っていると、確かにその3分の1の負担というのが大変課題になっているとお聞きをしている。
しかしながら、今まで何も地域の団体に対して支援ができていなかったところを、3分の1の交付金を御活用いただくことにより、地域における子どもの学びや活動の場をさらに充実させていただけると考えている。
○自己資金がハードルとなって団体の参入が困難になっているのであれば、次年度以降は、団体が取り組み始める前に、資金援助はできなくても、団体間の交流や情報提供をするなどの支援をするような工夫も必要かと思う。
今年度、取り組まれている団体の様子も見ながら検討いただきたい。
○現在、子ども食堂が地域で広く運営されている。子どもの貧困は、地域で見えているようで見えにくい問題であると感じている。子ども食堂などの取組が活発な地域は、子どもを広く地域で見守ることができていると思う。
先ほど説明があった「家庭教育支援事業」のように、地域で保護者が相談できる仕組みを作られてきていると思うが、府内の子どもの貧困に関する状況はどうか。深刻な状況か改善方向にあるのか。
●子どもの貧困に関しては、子ども食堂等の様々な取組をしている団体がある。また、知事部局では、「きょうとこどもの城づくり事業」に取り組んでおり、南丹保健所管内で福祉と教育が連携して子ども食堂を実施している。
府教育委員会の取組としては、「地域未来塾」で、家庭で学習をすることが難しい環境にある子どもに対する学習支援を実施している。これら様々な貧困対策の取組を行っているが、家庭教育に関しては、子育ての悩みやその他の様々な悩みについて支援者が出向いていく形で、保護者に相談支援を行う取組を行っている。主たる目的は貧困対策ではないが、こうした取組もリンクさせながら取り組んでいきたいと考えている。
○京都府は、「きょうとこどもの城づくり事業」を含め、独自予算をつけて地域における民間の活動を支える取組を行っており、その他にも「まなび・生活アドバイザー」の取組等、様々な取組が広がっている。
貧困が広がっているとか、困難な環境の家庭が増加しているのではなく、これらの支援を充実させることで、見えにくくなっていた貧困家庭の発掘が進んでいると捉えている。
貧困に関して、データで把握していた層の人たちが抱えている困難の現状が、これら支援が充実することで実態がより具体的にわかってきており、その個別的な対応が必要となってきている。
「きょうとこどもの城づくり事業」で行っている生活支援・学習支援も複雑な個別対応を求められるようになっている。受け入れ人数の変化はないが、より専門的な支援が必要となっており、より一層それぞれの自治体との連携が今後、必要であると考えている。
府内のある市では、子育て世代包括支援センターの取組として、保健師による訪問を実施されており、学校とのコラボがうまくいくとさらに貧困家庭への支援が進んでいくと思う。また、放課後児童クラブが教育委員会所管で、学校が連携しやすい形になっている。また、保健師も関わっているので、家庭への支援が届けやすいと思う。そうした支援を行っていく中で、虐待等の複雑な問題を把握することもあると思うが、教育と福祉の役割を知事部局とも整理する必要があるだろう。
○府内の例も挙げていただいたが、様々な例を参考にしながら、地域の実態に合わせた形で実施していくことができるよう、この会議でも考えていければと思う。
2.協議
「人がつながる地域づくり」の推進について
発表(能勢委員)
「探求学習と地域~学びのフィールドとしての地域~」
高校生と地域をつなぐ架け橋となるコーディネーターとして、探求学習に学校の先生とは違う立場で、関わっている。
これからの社会を生きていくには、「自分らしく生きる力」「自分の未来を自分で切り開く力」が重要となる。自分の生き方を決めるには、人と関わりながら「問い」「答え」を見つけていくことが必要で、そのため探求学習において、「自ら課題を見つけ、解決する資質能力を育てる。」ことを大切にしている。
学校だけでは、それらの力を身につけさせることは難しい。学びを深めるためのフィールドとしての「地域」と生徒をつなぐ手伝いをしている。
日常生活の中では、出会うことができない人たちと出会わせることで、「知りたい」という意欲が沸いてくる。
高校生にとっては、「探求」のためのインプットがまず必要。そのために様々な人と関わる機会を設けて話が聞けるようにした。感染防止からオンラインで行うことも多かった。地域の人、全国の様々な方と出会えるのは、大きなメリットであった。
「なぜそれが好きか」「なぜ知りたいのか」を深めるために、言語化するワークを行った。
発表することよりも「深める・掘り下げる」過程を大切にしている。高校生と大学生や専門家、地域の方とテーマについて議論した。
探求学習に熱心に取り組んだ3年生の生徒が、2年生のサポートを自発的にする姿も見られるようになった。学年を超えた仲間を集め、動画作成に取り組んでいる。こうした動きは理想的だと思っている。
課題は、教員による探求学習のカリキュラム作成が難しいこと。また、生徒各々にテーマが違うことから、指導する教員に負担がかかること。授業時数が足りないこと等が挙げられる。
その解決策の一つとして、「京丹後市未来チャレンジ交流センター」での活動が挙げられる。地域住民と高校生の交流の場として、「その人自身でいられること」「主体的であること」を大切に取り組んでいる。
「やってみたい」を言語化すると自分の本当にやりたいことがはっきりしてくる。高校生が付箋に書き、掲示板に貼っておくと、それを見た地域の人が、高校生のためにできることを考えてくれて、いろいろな人を紹介してくれる。
地域の人から「自分が高校生の時に読みたかった」「高校生に今読んでほしい本」を寄贈していただいて本棚に置き、「知恵に触れる」ことを大切にしている。
進路相談として、地域の大人に自分の仕事について高校生に語ってもらう機会をつくっている。
高校生が赤ちゃんとふれあいながら保護者にインタビューする活動を行った。
地域の人とコラボしてダンスのイベントを企画した。ダンスを教えてくれた地域の若者が「自分も地域を元気にしたい」「自分が地域に何かできるかもしれない。」という思いから、大学進学し地域学を学ぶことになった。
「やりたいこと」とその「実現性」を考えると、地方の子はなかなか「やりたい」と言いにくい環境にあると感じている。ハンドメイドが好きな生徒が、なかなか家族にその気持ちを言えずにいた。生徒自身が作ったものを販売する体験をさせ、実践から学ぶ機会をつくった。
大切にしていることは、失敗したりできなかったりしたときも「じゃあ、次どうする?」と問うこと。次につながる声かけをすること。成長や変化の過程を見守りながら、大人も子どももみんなで育っていく。そんな地域を目指していきたい。
質疑応答・意見交流
【質問】
楽しそうで、魅力的な活動だった。
大学が、このプロジェクトに関わっていることはあるか。また、今までで一番印象に残っている場面は何か。
行政はどのように関わっているか。昔は、このような未来を語り合いながら、地域おこしを行うような活動は、青年団が行っていた。
高校生の時期にこのような活動をすることは、その後の成長に大いに影響があるよいことだと思うので、今後もがんばっていただきたい。
素晴らしい活動だった。本来、地域づくりは地域や保護者や学校関係者が行うものだと思うが、足りない部分を補っていただいていると感じた。能勢委員から見ると本来的には、どこが担う役割だと感じておられるか。どこが足りていないと思われるか。
【回答】能勢委員
「京丹後市未来チャレンジ交流センター」は、行政の予算が3年間付き、民間の会社に委託され運営しているもの。京丹後市では、地域活動に積極的な住民がたくさんおられるが、市の範囲が広域なので、地域間の交流がしにくい状況にあった。さらに地域活動が継続的に活発にできるようにつくられたのが、「京丹後市未来チャレンジ交流センター」である。
探求は、学校の授業だけだと生徒の受験勉強のタイミングや学校の先生が多忙であることからじっくりと取り組むことが難しいが、補う形で交流センターの活動がある。コーディネーターが各学校にいて、交流センターとオンラインでつながり、地域の事業者と高校生がつながるようにしている。
都市部は、文化施設などの文化資本に触れる機会が多くあるが、丹後では少ない。
どう補うかも今後考えていきたい。京都府内の同世代や他府県とも関わっていけたらと思う。
このような高校生の探求活動を進めていくにあたり、学校の理解と協力を得ることはなかなか難しいと実感している。まず行政としっかりと連携しながら進めていきたい。
中学校の時に悩んでいる時期に観た動画に励まされた経験から、自分もそんな動画を作ってみたい。どうしたらそんなことができるかと相談があった。そこが始まりで、様々な人と関わりながら動画を作りあげた。そうした生徒が他学年にも現れ、プロジェクトを通して成長している姿が見られたことが印象に残っている。
3.その他
京都府立るり渓少年自然の家の指定管理者の選定について
説明(藤本課長補佐兼係長)
施設概要
指定管理者の選定スケジュールについて
閉会あいさつ(吉村指導部長)
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