ここから本文です。
1 開催日時
令和2年2月14日(金曜日) 午後2時30分~午後4時30分
ルビノ京都堀川3階 アムールの間
築山議長、猿山副議長、磯田委員、大野委員、木原委員、工藤委員、
黒岡委員、谷委員、中山委員、樋口委員、平塚委員 (計11名)
京都府教育庁指導部 山口指導部長
京都府教育庁指導部社会教育課 片山課長 他9名
計11名
0名
山口指導部長挨拶
(1) 「令和2年度京都府社会教育関係団体補助金予算(案)及び「令和2年度社会教育課主要事項予算」について(報告)
ア 家庭教育アドバイザーについて
○ どのような内容の事業なのか。
● 子育てに悩みや困り感を持っておられる保護者に対して、家庭教育アドバイザーが訪問相談等を行い、必要に応じて福祉につないでいる。保護者が安心して家庭教育を行うことができるよう、地域ぐるみで保護者を見守る環境づくりを目指すものである。
久御山町・精華町・亀岡市のそれぞれ1小学校に1名家庭教育アドバイザーを配置している。子どもの様子を見取ることで、課題を把握し保護者を支援している。社会福祉士有資格者のまなび・生活アドバイザーも配置されており、家庭教育アドバイザーと役割分担することにより、教育・福祉の両面からの支援を可能にしている。家庭教育アドバイザーは、つなぎ役として、こども園・幼稚園や市町の子育てピアと連携し、就学前後の切れ目のない支援を行うこととしている。
○ 来年度は、3市町とも継続されるのか。また、今後はどのように展開するのか。
● 3市町とも継続される見通しである。 家庭教育アドバイザーの配置は今年度から3年間行う予定で、3校に1名ずつ配置しているが、来年度は事業2年目として、普及に向けて他市町にも発信していきたい。様々な形で取り組めると考えている。
○ 課題を抱えているお子さんに対する支援等、内容が多岐にわたるので、家庭教育アドバイザーが一人でできるのかは疑問だが、周りの方ともつながりながら様々な形で支援を実施されるとよい。
○ 家庭教育支援事業費も国庫の減額に伴いマイナスということであったが、内訳はどのようになっているか。
● 家庭教育支援事業費は、一部国庫を財源としたものになっており、家庭教育支援基盤構築事業費が今年度よりも減額となっている。
イ 子どものための地域連携事業費について
○ 事業費の活用状況はどうか。
● 年々、取り組まれるところは増加しているが、学校や市町で取り組み方に違いがある。「事業」としてではなく、従来からの学校と地域のつながりの中で地域と学校が様々な取組を実施されているところもある。主に、学校支援となるような内容が多い。
○ 取組を行う上では、人が動くとそれに対する謝金を支払う等、必ず何らかの費用が発生する。「事業」とすることで、持続可能なシステムとなりそれが子どもたちのためにもなる。事業として補助金ができるだけ活用されるようにすることが重要である。
○ ニーズには対応しきれているのか。
● 国の予算は2年連続カットとなっており、本年度も20%程度のカットであった。その分、減額して市町に補助金を配当している。
ウ 子育て環境日本一推進戦略事業について
○ 「子育て環境日本一」は府の施策のポイントとなっているが、マイナス100万円になっているのは、なぜか。
● 府全体としてマイナスなのではなく、社会教育課として取り組む子育て学習プログラム等の事業費が減額となっている。
○ 社会教育事業に関しては減額ということであったが、「子育て環境日本一」について府全体の予算が分かるものがあればまた提供していただきたい。
(3) 「人がつながる地域づくり」について
ア 「令和2年度社会教育を推進するために」(報告)
○ 裏表紙の図で示すのは、「コミュニティスクールと地域学校協働活動の一体的推進」なので、「コミュニティスクール」「地域学校協働活動」を同じ大きさで示すとよい。
○ 「人がつながる地域づくり」について、「根」が重要な役割を示すので、目立つようにするとよい。
この資料は、社会教育・学校教育の関係者用ということであったが、その趣旨を踏まえてみるとイラストが多すぎる。
○ 表紙の写真について、社会教育事業の報告であるならばこれでよいが、何を重点的に行っているかが分かりづらい。
○ 表紙のレイアウトについては、9枚の写真にストーリー性があるといいと思うので、来年度に向けて検討いただきたい。
○ コミュニティスクールの図等、赤字が使用されているが色弱の人には見づらいので、色を変更されるとよい。● 見やすくわかりやすい資料になるよう、印刷校正で調整する。
イ 「中高生が地域づくりに参画し、地域の一員として活躍するには、どのような取組が考えられるか。」(協議)
○ (議長)委員の皆さんが日常的に関わられている事例等についてお話しいただき、イメージを共有できればと思う。
○ 三重県のある市では、高校生が指導者となり小学生・中学生に様々なことを教える取組を行っている。京都大学、三重大学、行政も関わって開催し、地域のシンボル的な行事となっている。
ある県立高校の生徒が学校の課題探求型学習で「自分の地域に他市から移住してきてもらうためにはどうすればよいか。」という課題設定をし、町のネットワークに登録し、空き家の整備を行った例がある。この学習を活かし、今後は大学で地域づくりについて学んでいくそうだ。
別の高校では、生徒が自分たちの地域について、30秒のCMを作る学習を1・2年生全員が行っている。自分の地域の課題について、自分たちの問題として主体的に考える力が付く。
今後、学校と市町をどうつないでいくかが、中高生が地域づくりに参画するためのポイントになる。事例は京都府にもたくさんあると思う。
○ 高校生が小・中学生にどんなことを教えているのか。
○ 理科や工作等である。京大生が大きなバルーン型スクリーンにいろんな情報を映し出して見せるようなことをしている。
津市では、カヤックに乗る自然体験も行っている。このような取組を行うには、ネットワーキングが重要となる。人をつなぐために汗をかかないといけない。
○ 私たちの地域では、幅広い世代の住民が参加できるような運動会を開催している。幼児から高齢者までみんなが楽しめる種目を高校生と一緒に考えている。その他、旧三上家住宅について歴史の専門家に教えてもらう取組、老人会等のイベントにおける吹奏楽演奏、自転車教室、灯篭をまちに並べるイベント、地域のお祭り等、様々な取組に中高生が関わってくれている。
このように、中高生が地域の中で活躍するには、日常的な「こんにちは」の声かけ、小さい頃からの地域とのつながりづくりがなくてはならない。
○ 中高生に、どのようにして声をかけているのか。
○ 学校に足を運び、校長先生にお願いすると快く応じてもらえる。様々な機会を通して足繁く通ってつながりを作っている。
○ 京丹波町の旧質美小学校は、9年前に閉校したが学校施設を活用し地域振興の拠点となっている。
以前、府立高校の2・3年生がフィールドワークに来たことがある。施設の掃除をしたが、みんな楽しみながら一生懸命やってくれて、利用者もスタッフも喜んでいた。若者が大勢来てくれるだけで活気が出て、地域の人たちが元気になる。お金のためだけでなく地域振興について学んでもらう機会になったと思う。
高校生の感想文を読んでいると、それぞれに将来に向けて課題を発見したようで、たった一日のことでも有意義な経験となったようである。それは、高校生だけでなく地域の人たちにとっても同じことなので、今後もこのような人と人とがふれあい、学び合うことができればと思っている。
○ 中学生は難しい年頃で、高校生とは違った関わり方が必要である。
今は、昔と違って地域の人が学校に入ってくることが当たり前になっている。大人が楽しそうにボランティアをしている姿を見て、中学生はいろいろ感じ取ってくれていると思う。
私の地域の中学校には、ちょっとしたボランティアをする「チョボラクラブ」があり、エコキャップ、図書室の整備、園芸等を行っている。その取組に中学生が関わってほしいと思い、クラブ単位で声掛けをしたところ、中学生が参加してくれるようになり、今では100人規模で花壇の植え替え等をして、育てた花を地域に届けている。
このような取組を行うには、コーディネーターがいていつでもボランティアを受け入れられることと、予算をつけて仕組みを作ることが必要である。
また、授業の中に地域の人と一緒になって取り組めることを位置づけることも地域とのつながりづくりには効果的である。赤ちゃんと中学生がふれあう機会を授業の中で作り、事前学習、本番、事後学習と計画的に行うことで、学びを深めている。素直に気持ちを表すことが難しい年頃の生徒も多いが、授業の中で機会をつくり、赤ちゃんとふれあうと優しい表情になる。市内の1中学校で校長先生や社会福祉協議会と連携して始まった取組が、今では他校にも広がり、4つくらいの学校で実施されている。
地域と若者がつながるには、まず、学校がきっかけを作り、中心になってつないでくれるコーディネーターがいて、学校と地域が連携してこそ取組が続けていける。さらに、中学生を地域の大人が褒めて認めることで、自主性や意欲が向上する。
● 本日欠席の委員より、中学校における「赤ちゃんふれあい教室」の事例をお聞かせいただいた。地域の保育所・幼稚園、主任児童委員さんの協力のもと、地域の乳幼児と保護者を中学校に招いて、2年生対象に交流する学習を実施されている。
中学生に地域の方々とのつながりをつくる中で、ミドルリーダーとして育ってほしいという思いで取り組まれている。
○ 赤ちゃんはどんな人も優しい気持ちにさせるような力を持っている。中学生は、思春期で恥じらう気持ちを持つ時期なので、このようなふれあいの機会は地域とつながるきっかけづくりとして、よい仕掛けができていると思う。
特にPTA役員をされている委員にお聞きしたいが、地域と中高生をつなぐ大人の役割についてどのように考えられるか。
○ 府立高校には、ボランティア委員会があるところもあり、委員の生徒たちと小学校の自転車教室、地域の祭りなどにボランティアとして関わっている取組がある。
行政との調整が難しいと感じたこともあったが、地域で様々な役をしていることから、普段からのつながりがあり、学校と地域や行政をつなぐことができた。
地域のイベントで高校生が司会をしたり、地域の掃除をしたりと様々な形でつながりを持っている。学区制ではないので、「校区=自分の地域」ではないが、今後はさらに地域を防災でつないでいきたいと思っている。地域の防災訓練では、中学生が活躍しており、炊き出しをして地域の人に配ってくれている。中学生が手渡すと受け取る地域の人たちも喜ぶ。
○ 中学生は部活動等のため、なかなか地域の催し等に参加できないのが現状である。中学校にボランティア部があるが、それ以外の子は地域でボランティアをする機会がない。中学生が地域づくりに参加するには、きっかけをつくることが必要だと思う。
昔は、子供会に高校生が関わることでリーダーとして育成する取組があったが、予算がつかなくなり継続はしていない。教職員の働き方改革は重要だが、学校と行政の協力なしでは、地域の活性化は難しい。
○ 中高生と地域をつないでいく上で、課題を明らかにするためによい意見をいただいた。授業での取組が難しい場合は、部活動でつながりを持つのも有効な方法である。
○ 福知山では、中学校区単位で公民館があり、それぞれに公民館祭りを実施している。山間部の小さなまちが多く、地域と学校つながりが強い。公民館でパソコン講座を行うときには、学校のパソコンを借りている。
福知山には、まちづくりの協議会があり、市から1,000万円の補助金を得ている。
夜久野では、100人ミーティングが開催され、地域の団体や中学生が地域課題について話し合った。「地域がどうすればよくなるのか」をテーマに話し合う中で、文化財をはじめとする観光資源を活かすアイデアなどが出された。
小さい頃から地域の大人とふれあうことが大切だと思う。小さい町だからこそできることもある。
○ 京都府全域の南から北まで、それぞれの地域の違いがある。丹後では、地域の運動会が行われているということであったが、京都市でも「区民運動会」というかたちで行われており、子どもから高齢者まで幅広い世代が参加できる取組である。これは全国的に珍しいとテレビで取り上げられていた。
丹後の宮津市は、観光が盛んで元伊勢神社を中高生がガイドとして観光客を案内する取組が行われている。
また、高齢者介護施設との交流を行われているところもあり、高齢者の方は若者と交流することで元気をもらっている。これらの取組は、中高生にとっては学びを深める機会となっている。
若者の人材育成として、中高生が地域の企業や工場に見学に行き、職業体験をする取組も行われている。地域とのつながりをつくりながら将来を見通すことができる。
これらの取組を進める上では、校長からのトップダウンも必要だと思う。そうするとPTA会長はじめ地域の人も動きやすくなる。
○ 世代を超えて交流できるようなしかけが必要となる。京都市の社会福祉協議会と世代間交流ができるようなことに取り組んだことがある。
○ 学校の協力を得ることが難しい場合は、校長会等で集まられる機会を活用するとよい。行政と調整の上、理解を得るとよい。
○ 中学生と赤ちゃんとの交流について、長く続けることができた秘訣を教えていただきたい。
○ 市の予算をうまく活用している。以前、学校支援地域本部事業のコーディネーターをしてくれていた人が、現在は、サポーターとして続けてくれていて、いくらか予算がついている。
○ 心意気もあるのではないかと思うがどうか。
○ 中学生はとてもパワーがあり、見ていると「やらなきゃ」という気持ちになってわくわくしてくる。
○ 京都大学では、小中学生を対象に科学体験ができるイベントを行っている。特別なことはしていないので、中高生がリーダーとなって、このような取組に参画することもできると思う。計画する力や調整する力、人と関わる力等が付くと思う。
子ども・中高生が関わる取組を行う際の大人の役割の一つとして、「悪い大人から守る」ということが挙げられる。スタッフを怒鳴ったり文句を言ったりする人もいる。そうした時に、大人が助けてフォローすることが必要。
○ (議長)協議についてまとめをする。
テーマに「中高生」とあるが、中学生と高校生では、違ったアプローチが必要となる。
高校生の場合、課題探究型学習やビジネス科等の学習内容と結びつけた活動が以前の教育課程よりもやりやすくなっている。学習活動をとおして高校生が地域の人々をつないでいく役割を担うことができるのではないか。
中学生の場合、部活動等をとおして地域の方と交流することも効果的である。思春期で素直になれない発達段階であることからも、大人がきっかけをつくって地域とつないであげることが必要ではないか。きっかけさえあれば、エネルギーがあって地域で活躍できる世代だと言える。
世代間交流・多世代交流を地域の特色・地域資源を活かしながら、地域の団体とも連携して、行政が後押しすることが重要なのではないか。
(4) その他
ア 「京都府子どもの読書活動推進計画(第四次推進計画)」について
イ 「京都府教育振興プラン」について
(5) 閉会 あいさつ(片山社会教育課長)
お問い合わせ