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平成17年3月2日(水曜日)午後1時30分から午後3時15分まで
平安会館「平安の間」
【委員】
吉川委員長、青山委員、加賀山委員、西園寺委員、芝池委員、瀧委員 (宇戸委員は欠席)
【事務局】(土木建築部)部長、担当課(室)長ほか、(京丹後市)上下水道部長ほか
【傍聴者】3名
事業種別 | 事業主体 | 対象事業 | 市町村名 |
土木事業 | 京都府 | 福田川ダム 河川総合開発事業 | 京丹後市 |
事業種別 | 事業主体 | 対象事業 | 市町村名 |
土木事業 | 京都府 | 国道312号(比治山(ひじやま)バイパス)道路新設改良事業 | 京丹後市 |
事業種別 | 事業主体 | 対象事業 | 市町村名 |
土木事業 | 京都府 | 大手川 河川激甚災害対策特別緊急事業 | 宮津市 |
土木事業 | 京都府 | 野田川 災害復旧助成事業 | 加悦町 |
○ 福田川ダム河川総合開発事業の再評価は、委員会に提出された資料、説明の範囲において、その手続きがおおむね適切に進められており、京都府から提出された対応方針案(「中止」)のとおりでよいと判断される。なお、沿川の深刻な浸水被害の状況に鑑み、喫緊の課題である福田川の治水対策については、河川改修により、一刻も早い完成を目指し、着実に進めることとされたい。
○ 国道312号(比治山バイパス)道路新設改良事業の事後評価は、委員会に提出された資料、説明の範囲において、その手続きがおおむね適切に進められており、京都府から提出された評価案(「事業目的は達成」)のとおりでよいと判断される。なお、今回の事後評価を踏まえ、今後、より適切な事業計画の立案が行われるよう努められたい。
○ 災害改良復旧の2事業については、再度災害防止のために緊急を要する事業であり、京都府の対応方針のとおり事業着手されるとともに、最近の異常とも思われる豪雨を鑑み、流域住民の安心・安全のため、早期の完成に努められたい。
○ 福田川ダム河川総合開発事業の再評価審査について旧網野町における水需要量予測の変化、平成16年4月に発足した京丹後市全体における水融通の計画、ダムを中止した場合の治水事業案、これまでの地元対応状況などを参考に、京都府の対応方針案について審査された。審査の中で、事業着手時点で隣接町間における水融通の調整ができなかったのかなどの質疑があり、今後、同様の計画策定においては、広域行政機関として京都府がリーダーシップを発揮するよう求められた。
○ 国道312号(比治山バイパス)道路新設改良事業の事後評価審査について 良好な事業効果を評価された上で、今後の課題解消の見通し等について審査された。
○ 災害改良復旧事業の着手報告について迅速な事業着手を評価された上で、平成16年台風23号による洪水の水位と改良計画の関係、用地買収の見込みについて質疑応答がなされた。
・(委員)水道事業は市町村が実施するのか京都府が実施するのか。
→(河川課)ダム事業自体は府が実施するが、水道事業は市町村が実施する。本ダム事業は治水・利水の共同事業であり、水道事業者の負担を得て実施する。
・(委員)福田川ダムの建設は網野町が要請し、実施するところとなったのか。
→(河川課)平成5年当時の網野町の水道施設能力は約5,000m3/日であったが、丹後リゾート構想や町の振興計画を踏まえて、平成19年度には約9,000m3/日の水需要が予測され、その時点では水不足が生じることから、網野町がダム事業に参画された。
・(委員)ダムに参画と言われたが、網野町の要請によりダム事業がスタートしたのか、その前にダム計画があったのか。
→(河川課)網野町が参画してからダム事業がスタートしている。
・(委員)網野町の水事情があり、要請を受け、ダム事業がスタートしたということでよいのか。
→(河川課)治水事業として、河川改修で行うかダムで行うかを検討していたところ、網野町の利水要望があったのでダムとした経過があり、そのように理解していただいてよい。
・(委員)今回のように、その時点で水融通が考えられなかったのか。網野町の要望を鵜呑みにしたのか。京都府に対して、要請があったのなら、府としては、広域的に考えるべきではないのか。平成5年時点でも考えられたのではないのか。
→(土木建築部長)平成5年から平成10年の時点では、昭和63年にリゾート法ができ、地域の活性化を各市町村が考えていたことから、さまざまな地域で人口増や事業拡大計画があり、水融通ができなかった。平成10年以降は社会情勢が変化してきたが、地域全体としては、まだ各町の水源に余裕があるという状況ではなかったことから、離湖に替わるものとして、ダム事業を急ぐ必要があると考えた。平成15年は、市町村合併により水道事業計画の見直しが必要と考えた。結果として、一つの自治体となったので、水融通が可能となった。
・(委員)市町村が考えたものを府としては大局的に判断をする必要がある。京丹後市ができたから水融通ができたというのは安易である。このような問題は他の事業でもあるのではないか。
→(河川課)網野町は、当時約9,000m3/日の水を必要としており、不足量は水融通が可能としてもまかなえるものではない。府県ダムのダム事業は、共同事業者である利水者が参画してはじめて行う事業である。両者の目的が合致しないと成立しない。委員の言われるように、市町村間調整に課題があることは否定しないが、当時はそういった状況にあり、水融通は困難であったと考える。
・(委員)市町村合併により、水融通ができるようになったのは評価できるが、当時からしっかりと考えておく必要があった。府道、市道の整備は続けるということだが、切畑地域はダムを中止することによって、地域の発展等にデメリットはないのか。
→(丹後土木事務所)ダムを設置する際の条件として、周辺環境、生活環境の向上を約束していた。切畑区の周辺道路は幅員約3mと狭小で不便な状況にあることから、切畑区の願いは、周辺整備の向上として道路を拡幅することである。地元説明の際にも、ダム建設中止はやむを得ないとのことであったが、道路事業の継続を要望されていることから、全てを一時に整備することはできないが、道路事業について引き続き実施していくこととしている。
・(委員)網野町に対して、丹後町、峰山町、大宮町から水融通するということであるが、平成5年以降余裕ができたということか。
→(京丹後市)京丹後市には4つの浄水場があり、昔は各町において管理していた。現在は1事業者で4つの浄水場を管理しており、将来災害に強い施設づくりとして、旧町間の水融通を考えた。市町村合併後に水需要の将来予測を行い、網野町の離湖の代替水源として水融通で対応が可能となったため、今回の結論に至っている。
・(委員)ネットワークの考えに基づき判断したのはわかる。各上水道の連絡管を設置するのはだれか?
→(京丹後市)京丹後市である。
・(委員)現在、離湖の水を希釈して使用しているということであるが、希釈に必要な水量は分かっているのか。融通の水は、離湖の希釈のために使うのか。
→(京丹後市)現状においては、離湖の水を希釈し使用しているが、融通の水は上水として利用する。水を直接供給する考えである。
・(委員)ダムを建設しないで水融通で対応するということであるが、他町には水量の余裕があったのか。水融通による提供元の町の水不足はないのか。
→(京丹後市)確かに不安定要素はあるが、将来予測を行った中で可能と判断したもので、京丹後市としてはこれで進めたい。
・(委員)時代の流れにより、ダムから各町間の水融通に方法を変えるのは勇気がいることである。その結果、コスト縮減となるのは評価できる。しかし、実施経過を見ると平成10年度に再評価を行っており、その際に見直せたかもしれない。今後のことになるが、少しでも無駄な経費を使わないように、その都度シビアに評価を行って欲しい。
・(委員)治水のことであるが、下流の暫定河川改修は10年確率で行っていると聞いているが、それでよいのか。
→(河川課)下流部は、他河川同様、暫定改修として10年確率で改修を進めているが、用地買収は30年確率で行っている。
・(委員長)ある自治体で水が不足している。その自治体だけで解消しようと思ったら、利水としてはダムしかない。だからダムを造る。しかし、隣の町で水に余裕があるのであれば、そこからの融通も考えるべきである。府にはその調整の役割があると考える。今後は府において指導していただきたい。丹後リゾート構想や第3次網野町振興計画により、平成5年度時点の水需要予測が約9,000m3/日となっていたが、当時は周りの町でも同構想により将来水が不足すると予測されていた。このため、当初計画の不足量を水融通では対応できず、ダムによるものとした府の判断は、やむを得ないと考える。昔は、水問題はへたをすれば血の雨が降るような熾烈なものであったが、今後は歴史や風土にとらわれず、合理的に水問題を考えるべきであり、府がリーダーシップを発揮して調整していくよう努力してほしい。個人的には今回の府の判断は結構ではないかと考える。また、ダムの前提条件として道路を付けるといっておきながら、ダムをやめたら道路もやめるというのは問題である。地域のことも考えていくべきである。
・(委員)非常に効果があって、事故も減っており、有効な事業であった。
・(委員)国道312号の、今後改善が必要な箇所とは具体的にどこか。
→(道路建設室)<図面上で、京丹後市峰山町二箇、五箇周辺を示す。>
・(委員)その箇所の事業予定はどうか。
→(道路建設室)整備の必要性は認識しているが、道路事業費が限られている中、丹後土木事務所管内では、鳥取豊岡宮津自動車道など、この箇所より優先的に整備が必要な箇所もあり、事業時期は今後の検討課題である。
・(委員長)県土の骨格道路をどう整備していくかについて、府の道路事業はうまくいっていると、各先生から高い評価を得たと思う。しかし、最も重要なことは、事後評価の結果を今後の道路計画にどう活かしていくかということである。費用対効果(B/C)は、当初計画、事後評価時ともほぼ同じという説明だったが、これは費用、効果とも増加した結果、そうなったものであり、新たな道路計画に活かしていくには、これらを精査していく必要がある。
・(委員)横断図にある最高水位とは何か。
→(河川課)出水時の最高水位を示しており、今回の改修事業で河道拡幅することにより、水位が下がるということを示している。
・(委員)事業費に用地買収費が含まれているのか。
→(河川課)事業費一覧のとおり、含まれている。
・(委員長)用地買収に反対者はいないのか。
→(河川課)おられない。
・(委員)台風23号時の対応で大変だったかと思う。次の災害に備えてがんばっていただきたい。
・(委員長)(大手川激特、野田川助成併せて)災害復旧ということで、事業採択の意志決定を早くされたことは府民にとっていいことである。
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