平成19年度第4回京都府公共事業評価審査委員会の開催概要について
平成19年12月12日
京都府土木建築部指導検査課
(075-414-5221)
平成19年11月27日に開催された第4回京都府公共事業評価審査委員会の概要は下記のとおりでした。
1 日時
平成19年11月27日(火曜) 午前9時30分から11時30分まで
2 場所
平安会館「朱雀の間」
3 出席者
京都府公共事業評価審査委員会委員(五十音順、敬称略)
委員長
吉川 和広(京都大学名誉教授)
委員
河地 利彦(京都大学農学研究科教授)
佐藤 紀子(公募委員)
芝池 義一(京都大学法学研究科教授)
中西 たえ子(京都商工会議所女性会副会長)
森田 宏明(NHK京都放送局副局長)
(深町 加津枝 委員は欠席)
事務局
(土木建築部)部長、技監、理事、担当室長ほか
4 議事内容
(1) 事前評価
- 府営住宅桃山日向団地 府営住宅整備事業 (事業主体:京都府、事業箇所:京都市)
ア 審査の結果
今回審査した事業の事前評価は、委員会に提出された資料、説明の範囲において、新規着手の必要性が認められることから、府から提出された対応方針案のとおりでよいと判断される。
(2) 再評価
- 黄檗停車場線 地方道路交付金事業 (事業主体:京都府、事業箇所:宇治市)
- 山手幹線(多々羅工区) 街路整備事業 (事業主体:京都府、事業箇所:京田辺市)
- 外環状線(第5工区) 街路整備事業 (事業主体:京都府、事業箇所:長岡京市)
- 久美浜海岸 海岸侵食対策事業 (事業主体:京都府、事業箇所:京丹後市)
ア 審査の結果
今回審査した各事業の再評価は、委員会に提出された資料、説明の範囲において、おおむね適切に進められており、京都府から提出された対応方針案(山手幹線(多々羅工区)は「見直し継続」、他の3件は「継続」)のとおりでよいと判断される。
5 審査における主な意見
府営住宅桃山日向団地 府営住宅整備事業
- (委員)現状計318戸の住宅を建て替えると180戸分しか確保できないのはなぜか。
(住宅課)約1万8千平方メートルの敷地の内、斜面を除いた建築可能な面積は約1万平方メートル程度しかないため、平面図で見るほど敷地に余裕は無い。京都市の「眺望景観創生条例」により高さが規制され高層化ができない条件のもとで、全体的に戸当たり面積を広くし、駐車場を新たに確保するため、このような計画になった。
(委員)桃山日向団地建替えによって現在より減少する戸数を、槇島団地を整備することで確保する計画になっているが、槇島団地整備計画の進捗状況はどうか。
(住宅課)地元説明を行い、今年度に周辺の下水道及び道路整備に着手する予定である。また、来年度以降にPFI手法により府営住宅の建設を行うこととしている。
- (委員)現在の入居戸数はどれだけか。また、入居者に建替え計画に対する理解を得ているか。
(住宅課)建替えをスムーズに行うため平成9年度から空家募集を止めており、現在173世帯である。また、入居者で組織されている自治会からは早期建替えの要望を受けている。
- (委員)計画されている棟数は3~4棟と資料に記載されているが、戸数と制限高さが決まっているので、棟数は確定できるのではないか。
(住宅課)戸数と高さは決定しているが、配置計画が確定していないため、棟数が決まっていない。3棟の計画の場合には、建物の幅が広がることとなる。
- (委員)集会所も建て替える計画となっているが、規模はどのくらいか。
(住宅課)規模は70平方メートル程度と考えている。
- (委員)近年、建物の耐震強度が不足している建物が多いことが社会問題となっているが、現在の建物は耐震診断を行っているか。
(住宅課)京都府においては昭和40~50年代に建設された団地について平成7年度に抽出検査を行い、阪神・淡路大震災規模の地震にも耐えられる設計となっているとの結果を得ている。しかし、本住宅は府営住宅の中で建設年度が最も古く老朽化しているため、建替えを計画している。
- (委員)産業廃棄物の処分が社会問題となっているが、建て替えるのではなく、現在の建物を活用することはできなかったか。
(技監(住宅建築担当))活用できる物件についてはトータルリモデル事業と名付けて全面改修を行っているが、当物件については耐用年数等を考慮すると建て替えるしかないと判断した。コンクリート廃材等の廃棄物については再資源化に努める。
- (委員)府営住宅の募集と応募の現状はどのようになっているか。
(住宅課)全戸数15,232戸の内、約1,000戸を建替え計画等に伴う政策空家とし、残りの約14,000戸を稼動させている。また、年間の空家募集件数は約600戸程度で、約500戸程度を一般募集し、100戸程度を高齢者世帯や母子・父子世帯などの優先募集としている。なお、募集倍率については団地により異なるが、平均すると約9倍程度となっている。
黄檗停車場線 地方道路交付金事業
- (委員)来年度は西側の交差点取付部を施工するとの説明だったが、平面図を見ると買収予定地の形状がいびつに感じる。どのような工事を行うのか。
(道路建設室)交差点の安全性を確保するため、交差点を十字の形状にして現道に取り付ける工事を行う。
- (委員)現在信号機が設置されていないとのことだったが、信号機はどのような基準で設置するのか。
(道路建設室)信号機設置の判断は公安委員会の所管であるが、本箇所では右岸左岸の両交差点とも信号機が設置されることで協議済みである。
- (委員)景観に配慮し塗装を行ったという記述と、維持管理費を縮減するため塗装が不要な材料を採用しているという説明とは、矛盾しないのか。
(道路建設室)材料(耐候性鋼材)としては塗装不要であるが、長年親しまれてきた旧橋のイメージを残すため、周辺から見える部分のみ旧橋と同じ色で塗装している。表面積で言えば2割程度が塗装、残りが塗装なしとなっている。なお、資料の記述については、誤解されないよう修正する。
山手幹線(多々羅工区) 街路整備事業
- (委員)三山木普賢寺線の整備を事業に追加したのはなぜか。また、整備範囲はどのような理由で決めたのか。
(道路計画室)現在は山手幹線が本事業区域の南端で行止りであるため、三山木普賢寺線との交差点から南側の交通量は少ない。そのため、走行速度を抑え暫定的に急な勾配で三山木普賢寺線に接続して供用している。しかし、今回整備した山手幹線の先線を整備すると交通量が増えるため、早い走行速度で走行させる必要が生じる。したがって、将来の安全性を確保するには、交差点部を約1.5m嵩上げして緩い勾配にしておく必要があり、今回追加した範囲は交差点嵩上げ工事の三山木普賢寺線への影響区間である。
- (委員)今回追加した範囲の整備費用は、山手幹線の事業費の一部ということになるのか。
(道路建設室)そのとおりである。
(委員)前回再評価時と比較して増加した事業費は、追加した範囲の整備費用か。
(道路建設室)概ねそのとおりである。
外環状線(第5工区) 街路整備事業
- (委員)事業が長期間を要している理由に、農地に係る相続税の納税猶予制度に関する問題が挙げられていたが、詳しく説明願う。
(道路計画室)都市内の農地の保護を目的に、営農期間中は相続税の納税を猶予する制度があるが、この農地を買収するとその部分の営農ができなくなることから、猶予分の税を一時に支払う義務が発生するので、代替地提供による対応を検討中である。
- (委員)本路線が接続予定である、伏見向日町線は説明どおり平成22年度に完成する見込みか。
(道路計画室)伏見向日町線は京都市が事業主体であるが、市からは平成22年度に完成する予定と聞いている。
久美浜海岸 海岸侵食対策事業
- (委員)葛野地区と箱石地区の中間部の6基については、施工計画が明記されていないが、全体事業費や、工事完成時期の見込みには含まれているのか。
(河川整備管理室)全体事業費や、工事完成時期の見込みには、当該部分に計画されている施設6基の施工を含んでいる。しかし、当面は侵食被害が発生している区間の施設整備を行いながら、引き続き観測を行い施設の効果を検証していきたい。また、十分に施設の効果が発現できていると確認されれば、事業の中止も検討したい。なお、施工計画の記述については、わかり易くなるように修正する。
- (委員)部分施工のされた施設の形状が、箱石地区と湊宮・葛野地区では異なっているのは、地形や潮流の状況が異なっているためか。
(河川整備管理室)箱石地区は岩礁のある浜、湊宮・葛野地区は砂浜と地形が異なっており、潮流の状況も異なっている。本事業では、施工箇所に適した手順で施工を進め、部分施工により効果が確認できれば、次箇所の施工に移ることとしているため、結果としてこのような形状の違いが生じている。
- (委員)人工リーフを造る工事は、通年で施工できるのか。
(河川整備管理室)冬季は風が強く波も高いため、施工できない。また、夏には、海水浴客が多いため、工事を控えている。
6 その他
平成20年1月25日(金曜)13時30分から第5回委員会を開催することとなった。