平成19年度第2回京都府中山間地域等直接支払制度委員会の議事要旨
1 開催日時
平成20年3月18日火曜日午後2時00分から4時30分まで
2 場所
平安会館 瑞鳳
3 出席者
【委員会】
稲本 志良会長、野寺 夕子委員、東田 文男委員、宮崎 猛委員、(小林智子委員は欠席)
【市町】
京田辺市 今村課長補佐、京丹波町 橋本主査、福知山市 浪江主査、与謝野町 井上主事
【広域振興局】
山城 新居専門員、南丹 志方担当係長 、中丹 河北主任、丹後 河邉専門員
【事務局】
農村振興課 中村参事(担い手支援室長)、小瀬担当係長、田淵主任
【傍聴者】
2名
4 次第
(1)開会
(2)平成19年度の取組実績について
(3)制度の中間年評価について
ア 京都府評価案の検討について
イ 府内4市町担当者からの事例報告
(4)閉会
5 審議内容(報告内容及び主な意見)
(1)「平成19年度の取組実績について」及び「制度の中間年評価(京都府評価案の検討)について」
<事務局から配付資料に沿って報告>
ア 平成19年度の取組実績について
イ 中山間地域等直接支払制度中間年評価(交付金交付の評価、制度の成果)
参考資料1 制度の実施状況(平成19年度)
参考資料2 集落協定の市町村評価
参考資料3 市町村アンケート結果
参考資料4 集落協定アンケート結果
<委員からの質疑・意見>
- 集落協定アンケート結果では、女性役員の割合が1.2%と極めて少ないが、他の事業ではどうか伺いたい。
- アンケート結果と実際に受ける感覚が違うことがよく分かった。役員は男性という事実は分かる。役をやることと、現場で活躍することは必ずしも一致しない。
(2)府内4市町担当者からの事例報告
「集落段階の協定の取組について-取り組みに至る発想とプロセスに視点を当てて-」
ア 京田辺市
イ 京丹波町
ウ 福知山市
エ 与謝野町
<委員からの質疑・意見>
- 京都府では従来から地域農場づくりが進められてきたが、実態として集落を越えた広域化の取り組みができた地域は少ない。ところが、本日の事例報告から、本制度では複数集落の取り組みが進んでいることに強い印象を受けた。背景には、本制度では、多目的な取り組みが進められており、営農面だけでなく、非農家も含めた幅広い層での取り組みが進められていることが効果を生んでいると感じた。
地域農場づくり事業では、必ずしも営農の範囲を越えられなかった面もあるかもしれない。京都府としてどのように感じているか伺いたい。
- 三岳集落協定では、小学校が活動に参加しているのか、活動内容と交付金の活用の観点からも教えて頂きたい。
- 広域化の取り組みを考えるに当たり、旧村には伝達組織があるのか伺いたい。
- 最近「緩やかなネットワーク組織」について注目している。集落活動の崩壊が見られる中、最近の若者の感覚では、緩やかな組織でネットワークを作る傾向にある。住民の意識面でのつながりを高めることが肝心。
- 農村部は確かに男性社会的な雰囲気が色濃い。しかし、女性でも活躍している人は多い。女性役員が少ないことに悲観している訳ではない。活躍している女性の実態をみてみたい。
- アンケート結果を見ると、交付金に自由度が高いと評価する意見があった一方で、制度のマンネリ化を感じ初期の段階に戻るべきと感じたり、事務の簡略化を求める意見もあった。地域では兼業農家が入ることで新しいアイデアが入ってくるが、多様だからこそ意志疎通の難しさを感じたり、若い世代に営農意欲がないとの意見もあった。
- 今年度からスタートした「農地・水・環境保全向上対策」と一体的な制度とすべきとの意見もある。広域振興局の立場でその可能性と将来性をどのように感じられているか伺いたい。
(3)「京都府評価案の検討(制度の課題と対応)について」
<事務局から別添資料に沿って説明>
中山間地域等直接支払制度中間年評価(制度の課題と対応)
<委員からの質疑・意見>
- 事例報告を聞き、地域の農地をここまでよく守って頂いたと感じた。30年前を思い浮かべると、もっと農地は荒れると感じていたのが正直なところ。
- 事務局の評価案はよくまとめてある。分析もきっちりできている。どういうコンセプトで何をやっていくべきかについての課題と対応は出尽くしている。
- 現地にいいリーダーがいれば伸びる。如何にリーダーを見つけられるかが肝心。自治体職員の熱意とプライドが非常に大事。地元に口うるさくお願いしてでも中山間地域を守るという熱意が大事。その熱意がいい地域づくりを行う対応そのものになる。
- 私も事務局の評価案は的確と思う。後は、着実に実践されることを期待する。
- 女性だから加工分野にという視点で決めつけない方がいい。女性向けに農業用機械のオペレータ研修会をされたらおもしろいと思う。最近は、息子よりも娘にUターンを期待するケースが増えている。アンケートには現れない、地域で頑張っている女性探しも必要ではないか。
- これまで公的な補助金の使い方は国や府などが決めてきた。しかし、最近では、農業者・地域が選択するチャンスが出てきている。農業者・地域にはその使い方に対する責任感と意欲が求められる。
- 複数集落が集まる旧村ではインフラ整備が一定程度なされているが、集落単位では整っていないケースが多い。集落間を繋ぐ意志決定メカニズムがない。それをどうしていくかを考えていくことが大事なことである。
- 事務局の作成された中間年評価案は論点の整理も適切であった。
(4)閉会(事務局)
本日頂いた意見を踏まえて中間年評価書を取りまとめ、引き続き制度の推進に努めて参りたい。