平成30年度京都府産業教育審議会の議事要旨
1 開催日時
平成30年9月5日(水曜日) 午後1時半から同3時まで
2 場所
ルビノ京都堀川
3 出席者
【委員】
上田 雅弘 会長、大里 茂美 委員、牧 克昌 委員、榊原 典子 委員、
金丸 京子 委員、野崎 治子 委員、田村 真二 委員、木村 久美子 委員
代理出席(括弧内は代理出席者氏名)
鈴木 一弥 委員(小山 哲史 商工労働観光部雇用政策監)
綾城 義治 委員(室田 和彦 京都府農林水産部経営支援・担い手育成課 人材育成担当課長)
(5名欠席)
4 議題
(1) 開会
(2) あいさつ
(3) 審議
ア 府立高校における職業教育の在り方について
イ その他
(4) 閉会
5 審議内容(結果及び主な意見)
- 職業学科を卒業した時に、高等専門学校卒業レベルの学力が身に付くカリキュラムを検討していただきたい。高等専門学校では、実技を中心に専門の勉強をしてきていること、16歳から20歳まで多様な世代に囲まれて育っていること、その経験が強みとなって就職も引く手あまたである。5年に相当する密度の濃い職業教育を実施し、やる気や探求心、問題意識を涵養できればブランド力が向上する。気概をもって実現していただきたい。
- 高校卒業時のUターン等の就職情報の提供は非常にありがたい。しかし、実際に丹後地域へUターン就職する者は2割程度にとどまっているため、さらに登録者数が増えるようお願いしたい。
- 高校卒業後に就職するか、大学に進学してから進学するかは、職業学科の高校生にとって切実な問題である。個人の進路設計によるところも大きいが、一方で、企業の採用担当者からは、高校の職業学科を卒業後、目的意識を持って就職した人材は、より伸びしろがあるという声も聞く。
- 職業学科の改編については、産業構造の変化や地元のニーズに応じたものであり高く評価でき、また期待できるものである。
- 他府県においては、女子生徒の割合が7割を超える農業系高校がある。一方、京都府立高校の職業学科においては、女子生徒の割合は高くない。労働行政としては女性の採用を推し進めているところであり、職業学科の女子生徒の割合が増加することを望む。
〈事務局回答〉
農芸高校においては、寮が男子生徒のみのものとなっており、女子生徒の割合が低くなっている現状がある。また、工業系の学科については、「油を使った作業」といったイメージをもっている中学生が多い。そのため、各高校においては、実際に学校の授業の様子を見ていただき、工業にもいろいろな分野があることを理解していただく機会を設けている。また、IoTなどの開発にも力を入れていることをPRすることで、女子生徒への理解・関心に向けて努力をしているところである。
- それぞれの学校が教育に必要な設備を希望しているが、予算が全く追い付いていない現状である。事務職よりも技術職の人材が求められているということであれば、職業学科の生徒は、京都府の将来を担う人材である。農林水産部、商工労働観光部は就職支援の取り組みだけでなく、予算の面でも教育に任せきりにせず応援をしてあげてほしい。
- 新しい教育課程が高校で始まり、これからは子どもたちに自分の将来像をはっきり持たせる必要があるといわれている。「高校でこういう課程を用意しているから、この課程に合う人はどうぞ」ではなく、子どもたちがどういうニーズを持って、どういう道を歩きたいかというのを学校側がしっかり把握しなければならない。そのためには子どもたちがどういうふうな将来像のモデルを持つか、ということが非常に大切である。生身の先輩と直に話し合ったり、その職場に行ってその姿を見るということが、就職を明確に意識し自分の将来を考えることにつながる。
- 中学校段階のキャリア教育の大切さについては、長年注目されているところである。自分たちの将来の職業、あるいは生き方そのものを中学校の段階でどれだけ考えられるかによって、今後の進んでいく道が決まってくるだろう。今の中学生や小学生が大人になる頃には無くなる職業や、これから発展していく職業がいくつも挙げられており、そういうような中で、子どもたちにどんな力をつけていくかを考え育てていかなければならない。
- 中学校卒業時の進路選択として、口丹波の中では農芸高校、南丹高校のテクニカル工学の系列、須知高校の食品科学、北桑田高校の林業系列など、幅広い職業学科の選択肢がある。自分の未来をしっかり考えている中学生たちは、これらの高校を選んでいく者も多い。そのような目的意識を持って職業学科を選択した子どもたちをどんなふうに高校で育てていただけるのかということが、大変重要だと考える。