第3回新総合計画策定懇話会の開催結果
日時
平成31年1月19日(土曜日)午後0時15分から午後1時30分まで
場所
出席者
委員
松本座長、淺井委員、池坊委員、伊豆田委員、稲垣委員、伊庭委員、奥野委員、櫛田委員、郡嶌委員、齋藤委員、徳岡委員、鳥屋尾委員、中川委員、錦織委員、布部委員、原委員、久本委員、牧委員、松井委員
事務局
西脇知事、松本企画理事、川口政策企画部長、勝目総務部長、稲垣政策企画部副部長、田中政策企画部企画参事、石澤計画推進課長
配布資料
議事内容
生活・経済・文教部会の検討状況についての主な意見
- 京都において、観光は経済に大きな影響を占めると思います。しかし、観光振興の内容が薄いように感じますが、「海の京都」、「森の京都」、「お茶の京都」の取組みなどについての議論はあったのでしょうか。
- 観光については、京都市だけではなく府域全域に広げていくことが重要だとの議論があり、例えば、京都舞鶴港にクルーズ船が多く寄港していますが、このクルーズ利用客を京都市内ではなく、京都の北部に滞在してもらえるような取組みにより、京都北部の魅力を知っていただくことが必要だといった議論がありました。
- 大阪・関西万博について、開催が決定したのが昨年11月末でしたので、部会での議論が出来ていないことから、これについても総合計画に盛り込む必要があると思います。2025年大阪・関西万博は20年、30年後の未来社会のデザインを示していくということになりますので、関西文化学術研究都市での研究開発成果や、目指している方向性など、京都としての位置付けを示す必要があると思っております。
- 大阪・関西万博については、大阪だけでなく関西が一体となり、協力して成功させる必要があるため、京都は文化などについて、関西全体を活性化させるという視点で考える必要があると思います。
- 2025年は団塊の世代が75歳に達します。京都府だけでなく全国的なことですが、医療制度は2025年をターゲットイヤーに、新しい医療の取組みや提言、提案することを目指して様々な整備を進めており、広域的に取り組む傾向にあるので、大阪・関西万博についても、京都府にも積極的に関わっていただきたいと思います。
- 大阪・関西万博について、多くの方が関西にいらっしゃるので、京都府の魅力を知っていただくことが重要だと思います。また、関西文化学術研究都市は大阪に近いということもあるので、連携していくことが重要ですし、インフラ整備についても、大阪・関西万博の開催を踏まえた形で進めていく必要があると思います。
- 今後、技術進歩の速度が非常に速くなる中で、どうしてもその進歩についていける人といけない人が出てくると思います。特に、1次産業においては重要な問題になると思いますし、また、技術の進歩に対応する上で、京都からどのような文化的な提案ができるか、検討することが必要ではないかと考えます。
- 商店街の者としては、消費者離れが進み消滅寸前の商店街をどう盛り立てるか迷っていますが、経済部会の報告の中に、「商店街が地域を支える大事な基盤であるということを明確にすべき」とあり、大変ありがたいです。加えて、京都の特徴であり文化を支える中小企業や伝統産業も大事な基盤であることを、大きく取り上げていただきたいと思います。
- 文教部会の報告の中で、大学のまち京都がありますが、京都市一極集中という現状がある中で、京都市内の留学生も含めた大学生が京都府全域に目を向け、実際に足を運び交流する、そのような仕組みを考える必要があると思います。
- 今、大学のあり方については、かなり変革期に来ていると思います。例えば、福知山公立大学はかなり地域づくりに貢献していますし、京都工業繊維大学も地域への様々な提案を行っています。文教部会の中でも、大学生が伝統産業の課題を考えるところから参画することができるのではないかといった提案もありましたので、大学のあり方を考える上では、地域とのつながりをもう少し強調すべきだろうと思います。
- これから外国人労働者が多く来日されることを想定したときに、それに対する施策を教育も含めて考えることが必要だと思います。
総合計画の骨子案についての主な意見
- 骨子案の京都の強みの観光資源の部分に、自然としての海のことが書かれていますが、「港である」ということが大きな強みだと思います。関西は全国的にも大きな経済拠点であり、日本海側に港があることは京都の強みです。港は物流拠点でもあり、海上保安庁や海上自衛隊もあり、防災面でも対応できます。観光資源だけではない魅力・強みがあることを伝えていただきたいと思います。
- 7本柱20戦略という表現は、府民が聞いた時にわかりやすいと思います。芯となるリーディングプロジェクトについても、例えば「3本串」と一言にするなど、誰にでも伝わりやすい表現にしたらいかがでしょうか。
- 京都らしさを意識した時に、3本串の一番目には文化を持ってくるべきではないかと思います。京都は伝統文化を含めた文化が基盤としてあり、それを共有する地域が生まれ、その地域が安心・安全な生活を守り、また産業を創造する。そういった流れで、文化からスタートする方が京都らしさを表現できるのではないかと思います。
- 20戦略ごとに20年後の未来像を提示するとされていますが、20個の項目全てについて20年後の未来を語るのは難しいのではないでしょうか。メリハリを効かせるのならば、7本柱で20年後の未来像を提示することで良いと思います。
- 生活部会では、「多様な価値観やその選択」ということがキーワードでした。2025年には団塊の世代が後期高齢者になりますが、20年後の2040年のその先は、すごく人口が減って大変な時代になっていくので、2040年以降のことも視野に入れないといけないと思います。
- 生活部会でも議論になりましたが、府内のすべての地域が同じ条件、同じ状況という考え方ではなく、地域の特性や個性を出していかざるを得ないと思います。経済部会でコンパクトシティの話もありましたが、人が少なくなる中で、どのように夢を実現し、どう支えていくのかということが大切だと思います。
- 時代の潮流の部分では、予想できることは予想しておき、そのような時代が来ても大丈夫、このような対策を進めていくという、勇気づけられるような、その時に慌てないように、少しシビアにこれらを見越したビジョンを示したほうが良いかと思います。
- 経済部会の報告の中で、「全て増やすというような数値目標の設定は現実的ではない」という記述がありました。従来、総合計画などでは、右肩上がりの社会を想定して、時には非現実的な数値目標を掲げるようなこともありましたが、人口減少社会を迎える現代においては、それは難しいので、記述はそのとおりだと思います。
- 経済部会の報告の「まとめ」に、様々な「連携」が重要だと書かれていますが、夢を実現するための手段として、「連携」が新たなキーワードとなると思います。文教部会でも、京都府が直接所管しているものでなくとも、京都の未来のために必要であれば積極的に連携してはどうかと申し上げました。7本柱20戦略の中に「京都市と連携する主要施策」とありますが、他の分野でも連携できるものがあれば、それを意識して盛り込むことが、限られた京都府内の資源を活かすために必要だと思います。
- 新しい総合計画の基本コンセプトに、「夢・実現型」と「未来指向型」とありますが、現状を踏まえて持続可能な社会へ対応するために、あまりにも現実とかけ離れた数値目標や連携ではなく、現実を見据えて実現可能なものを盛り込んではいかがでしょうか。
- 計画の進捗管理についてはPDCAサイクルによるフォローアップだけでなく、例えば、「地域コミュニティの再生」を支援するために京都府がどのような立ち位置で、何をするのかといったことを計画の進捗管理や手法において明確にするために、もう少しいろんな方に御意見を聞いて厚みをもたせていただければという感じを受けました。
- 時代の潮流に「高齢化」が記載されていますが、子供の数も減少しており、高齢化と併せて取り組むべき課題であることから、「少子高齢化」と表現するべきではないかと思います。
- 計画の7本柱20戦略は、色々な施策が出ています。例えば、コミュニティは色々な問題の共通した解決策になると考えると、1つの施策により、幾つかの課題が解決されることもあると思います。共通項として掲げる施策とそうでない施策を分けて立体的に書くなど、項目にこだわらない、伝わりやすい工夫があっても良いと思います。
- 20戦略について、コンセプトとしては良いと思いますが、抽象的な表現が多いため、これをどのように具体化して定量化、検証していくのか、計画の進捗管理のところで明確にしていただきたいと思います。
- 骨子案の部分は、京都の「強み」を記述し、それを踏まえた20年後に実現したい京都府の将来像の記述の流れは良いのですが、その強みを生かしたという便利な文言に逃げるのではなく、その強みをどのようにしてどのような形で反映していくのか、書き込んでみてはどうでしょうか。