平成28年度 京都府「明日の京都」第三者委員会の開催結果
日時
平成28年8月8日(月曜日) 午後1時から午後3時まで
場所
出席者
委員
井口座長、赤瀬委員、芦田委員、尾池委員、佐々木委員、澤井委員、西村委員、松下委員、宗田委員、山ノ内委員
事務局
畑村政策企画部長、田村政策企画部企画監、古澤計画推進課長、岩田明日の京都担当課長
議事内容
ベンチマークレポート(案)について
- 結婚・出産・子育て
- いろいろな指標が連動していることを指摘して欲しい。出生率は働き方と一本につながっている。
- 少子化と労働時間は切り離せない。まずは男性の働き方を変えるべきで、そうしないと女性の働き方も変わらない。
- 流通・サービス業は土日に働く方が多く、休日保育のニーズがある。
- 人づくり
- 「グローバル人材の育成」は確かに必要だが、価値観はそれだけではない。成長重視でなく、生活実感のモデルを京都から発信できないか。
- 府民総活躍
- 雇用については、今は人手不足が課題であり、これを迅速に解消する必要がある。人手不足を柱とした「明日の京都」の課題を立てていく必要がある。
- 「ワークライフバランス」に対し、「ライフワークバランス」という言い方がある。ライフ(生活)が先であり、これも新しい発想ではないか。
- 「希望に応じて個性や能力を発揮し」は女性だけでなく、男性も含めた話ではないか。人手不足なので女性に働いてもらおう、という流れに見える。
→(事務局)「一億総活躍」という視点の中で、女性の活躍を課題として指摘したが、誤解が生じないよう修正する。
- 地域経済活性化
- 伝統産業は文化芸術としても取り組んでいくべきではないか。先進国において重要な輸出資源となる。
- 魅力ある京都づくり
- 「地域の資源や個性を活かした魅力ある京都づくり」が地域の力に支えられるということを確認しておきたい。
- 暮らしの安心
- 人口当たりの人権侵犯事件数の中に、青少年がどれだけ含まれるかをデータとして見られないか。子どもが事件に巻き込まれる不安があり、社会が子育てを支えきれなくなっているのではないか。
- 持続可能な生活環境モデル
- 生物多様性に関する活動をしている方の温かい心が見えるようにできたら良い。
- 全般
- 市町村の数字を積み上げた指標もあるが、PDCAサイクルは府だけで進めるのではなく、市町村との連携が必要ではないか。
→(事務局)待機児童数などは市町村の数字を積み上げたものとなっている。しかし、積み上げて合計値としてしまうと焦点が定まらない場合もある。全体マネジメントでの連携はあっても、個々の事業について企画サイドでの連携体制づくりは難しいのではないか。
「京都府がめざす社会の姿」について
- 社会の様子が変わっていると感じる。平成生まれの世代にとってどのような形が幸せか、考える必要がある。
- 相模原の障害者施設で痛ましい事件があった。「ありがとう」「ごめんなさい」と言える心を育む教育が大切ではないか。
- 知識偏重でなく、コミュニケーションが主体のアクティブラーニングは、今の時代に合っていると思うが、今は二極化が進む時代である。この流れに乗れない子、コミュニケーションは苦手でも他に得意分野がある子を救っていく視点こそが、本当は必要ではないか。
- コミュニティの財産を値打ちあるものとして発信する「コミュニティデザイン」に取り組むと、おそらく「幸せ」になれる。
- 「幸福」の概念は移ろいやすいもの。お金で評価できないものをどう見つけるかを検討していただきたい。
- 「明日の京都」長期ビジョンには「京都府が目指す」とあるが、この主語自体もどうなっていくか分からない。しかし、住民がいて、地域があることは変わらない。「真の幸福社会」と言うとき、地域でどんな人たちがどんな暮らしをしているかが大切となる。
- 昭和期には家族の中で幸福が語られたが、その家族が今解体しつつある中、個人一人一人が幸福を感じることができるだろうか。家族から脱却し、一人でも幸せに暮らせる社会が求められている。
- 世界人類のあり方にも大きな転換が必要となっているのではないか。そのフレームの中で、日本の進路、文化首都京都のあり方について議論しつつ、そこに先ほどの個人としての幸せを結びつける必要がある。
- 計画の立案過程に市民の方々が入る仕組みはできてきたが、施策の担い手としても民間の力が必要な時代が来ているのではないか。