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平成25年度京都府「明日の京都」第三者委員会(第1回京都力の発揮部会)の開催結果について

日時

平成25年7月16日(火曜日)午前9時30分から午前11時30分まで

場所

京都府庁 1号館6階 政策企画部会議室

出席者

委員

青山部会長、片岡委員、羽田委員、槇村委員、山科委員

事務局(政策企画部)

本田政策企画部長、畑村政策企画部企画監、柴田計画推進課長、栗山明日の京都担当課長

 議事内容

主なやりとりは、次のとおり。

1 人づくり  2 環境の「みやこ」  3 文化創造  について  

・人づくりについて、近年、日本人の海外留学が減少している状況にあるが、この点について記載がないのはなぜか。日本人が海外で学び、知識や技術を身につけることによってレベルアップする、というのが「人づくり」の本来あるべき姿と考える。

(事務局)
御指摘のとおりであり、重要なことと認識しているが、日本から海外への留学者の数は全国規模での統計しかなく、府県別の統計がないため、他府県と比較して評価することができない。そのためベンチマークレポートには記載しづらい。

・日本人の場合には、海外で学んで帰ってくるのだから、確実に人材育成になる。「統計が無い」ということだが、大学に問い合わせれば留学した学生の数は分かるのではないか。

・語学留学は、そんなに減ってはいない感じがある。しかし、大事なのは学位を取る留学であり、これは大学を卒業してから…となるので、大学でも人数等を把握するのは難しいだろう。

・海外留学して帰国した人が企業に就職しようとするとき、日本では、新卒者として扱われない状況があるのではないか。もし、そのために学生が留学を敬遠しているのであれば、企業の採用時の扱いに工夫が必要かもしれない。

・就職についていえば、「就職先がないから大学に残る」のでは、結局また、(数年後の)就職のときにミスマッチが起こる。目標を持って大学に残ることが重要。

・日本から海外へ留学する人数の統計がないと分析もできず、ベンチマークレポートには記載しにくいだろうけれど、原案の記載では海外から日本に留学する人にばかり重点を置いているという誤解を生む可能性がある。

・「人づくり」は、まず、今いる人に対するもの、どれだけグローバルな人材になっていくかが大切。

(事務局)
「次代の京都を担う人や世界を舞台に活躍できる人づくり」との記載が、今いる人への支援を意味している。

・まさにその記述の背後にあるデータ、分析が必要ということ。

・海外留学の重要性について、その認識は高まっていると感じる。併せて、優れた京都の文化を世界に発信する視点も大切だと思う。

・京都文化の発信と人づくりは、繋がっている感じがする。

・府立高校で和歌や茶道をやっている様子を見学したことがある。生徒がこういった文化に触れることは大事であり、その機会を行政が作るのはよいことだ。

(事務局)
府立高校では、全生徒が茶道を体験する仕組みができた。

・「いいもの」を素直に「いいもの」と認めることができる「綺麗な目」を持っているのは小学5年生くらいまでだと実感する。できれば高校生よりももう少し早く、この「綺麗な目」を持っている間にそのような体験の機会を作ってほしい。

・町家が減少している実態があり、その保存に海外のファンドが資金を提供している。

・「価値のある文化があること」を海外に発信することが、文化の保存・維持に繋がるという面はある。

・植物園入園者数の数値目標に対する進捗率が0%とは、どういう意味なのか。国立の施設等では、指定管理者に替わってから入館者が増えているように思う。植物園もやり方次第で入園者数が増えるのではないか。

(事務局)
進捗率は、数値目標を、過去最高の入園者数を記録した大温室がオープンした年の144万人を目指して、当面100万人に設定しているため。

・カフェができたり、北山門が新しくできたり、ハード面の整備は進んでいるようだ。ソフト面もこれから進むのでは。

(事務局)
様々の視点から、普段なかなか見ることのできない植物の姿を見て貰うなどの工夫を現在、考えているところ。

・あまり文化に触れずにきた世代があるようだ。先ほど小学5年生の話が出たが、彼らが家に帰って「すごかったよ!」と親に話をすれば、それをきっかけに親たちも、一緒に見に行こう、やってみよう、…となる可能性がある。

・太陽光発電設備等の導入住宅が29.5%増とあるが、補助金制度があるから伸びている側面があると思う。補助金制度が終了する「2014年ショック」が懸念されている。補助金制度がなくなっても、緩やかに伸びていくことが必要。

(事務局)
補助金行政は、永遠に続くものではなく、いずれ終わりがあるもの。経産省も補助金制度が終了したときのショックを和らげる必要性を指摘しており、そうした背景をもって段階的な買電価格の見直し等もなされているところ。

・電気自動車のためのスタンド等、周辺環境が整う必要がある。

・京都は(スタンド等が)多い印象を受ける。スタンド数等のデータがあるとよい。

(事務局)
府内の(スタンド数等の)データはあるが、他府県のデータがない。ベンチマークレポートは、他府県のデータとの比較という思想があるので、現状では指標として取り入れづらい。

・電気自動車等の目標値5,000台が達成されると、環境にとって何がどうなるのか。どんなメリットがあるのか。節電が求められる一方で、電気自動車等が推奨されるのは、消費者感覚として違和感を覚える。 

・消費エネルギーの総体を考える必要がある。

(事務局)
この指標の作成時点では、CO2削減を念頭にしていたが、今日では消費エネルギーの削減を考える必要性がある。5,000台達成のメリットは、確認する。

・環境にやさしい商品が企業でどれだけ開発されたかを示す指標が必要ではないか。

(事務局)
そういった商品を認証する制度があれば数値を拾うことができるが、なければ難しい。認証制度の有無については、確認する。

・ISO14000を取得している企業の数であれば、分かるのではないか。

 

4 産業革新・中小企業育成  5 交流連帯  について  

・産学公連携において、府が果たしている役割は何か。

・個々の企業が、個別に個々の大学と連携を行っている。行政主催のフォーラム等では、産と学とのニーズが合いにくい。

・総じて、大学側の連携推進能力が低く、自らの持つ技術を正確に伝える人材が不足している。行政の役割は、産と学との出会いの場を創ること。個々の大学と個々の企業を結びつけることは行政にはできない。行政主催のフォーラム等で出会った産と学がセッションする必要があり、これによって連携が生まれる。そのためにも大学のコーディネート能力が必要。

・一人当たりの漁業生産額が全国ワースト3位とは意外な順位であるが、どういった背景が考えられるのか。

(事務局)
府内の漁港は小規模のものが多いため、遠洋漁業を行うような大型の漁船は府内の漁港には入れず、他府県の漁港で水揚げするという実態がある。

・京野菜について、ブランド化し、今や全国展開で販売しているにもかかわらず農業産出額は、全国32位か。

(事務局)
小規模農家が多いことが一因。

・京野菜は、ブランド力や話題性はあるが、生産量はさほどに多いわけではないようだ。希少性に価値があるとも言える。

・例えば農業産出額について、何を目指して何をするのか。戸数当たりの産出額を増やすのか、一人当たりの産出額を増やすのか。兼業農家も含めて考えるのか、専業農家だけなのか。「何を、どうしたいのか」によって、数値の見方、狙いや分析等が変わってくる。今後の施策に関わるものであることから、整理された方がよい。意図が伝わりにくい。

 

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