京都府環境影響評価専門委員会の結果概要(令和元年5月9日(木曜日))
1日時
令和元年5月9日(木曜日)午前10時から11時50分まで
2場所
御所西京都平安ホテル「羽衣の間」
(京都市上京区烏丸上長者町上ル)
3出席者
【委員会】
渡邉委員長、荒川委員、黒坂委員、佐古委員、清水委員、髙野委員、田中委員、布野委員、吉村委員
【事業者】
株式会社CSS、株式会社東洋設計
【関係機関】
京丹後市
【事務局】
環境技術専門監、その他関係職員
4公開・非公開の別
非公開
審議内容が京都府情報公開条例第6条第5号に該当する事項に係る審議
(附属機関及び懇談会等の会議の公開に関する指針の「3会議の公開の基準」による。)
5議題
(仮称)太鼓山ウインドファームに係る環境影響評価方法書について
6議事要旨
- 事前に委員から提出されていた質問事項について、事業者が回答内容を説明後、質疑応答が行われた。
- 答申案について、審議が行われた。
事業者による主な説明内容
- (委員の事前質問事項)
事業地を通過する鳥類の渡りに関する追加調査が必要ではないか。特に日本海側においては、秋季だけではなく春季の渡り行動も活発である。
(事業者の説明内容)
鳥類の追加調査については、必要と判断し、実施することとした。追加調査の手法について、定点カメラ調査は特定の注目種の事後モニタリングに適しているという専門家ヒアリング結果から、追加調査の目的である鳥類の飛翔状況の把握のためには、定点カメラではなく、目視による定点観察の方が望ましいと考えている。追加調査の時期について、日本海側の鳥取~福井間では春期・秋季ともに渡りが活発であることから、文献や専門家ヒアリング結果を勘案し、春期は4月下旬~5月上旬、秋季は10月下旬~11月上旬に各1回、5日程度の調査の実施を計画している。
- (委員の事前質問事項)
事業地周辺にアオバズクは生息していないのか。
(事業者の説明内容)
情報整備モデル事業における調査の結果、事業地周辺でアオバズクの生息は確認されていない。
- (委員の事前質問事項)
既存調査では事業地においてクマタカが確認されている。クマタカに係る追加調査が必要ではないか。
(事業者の説明内容)
専門家ヒアリング結果と、既存データを使った行動圏解析の結果を勘案し、対象事業実施区域内では既に風車が稼働している状況にも関わらずクマタカが確認されていること、対象事業実施区域は営巣が考えられるエリアから十分な離隔があると思われることから、本事業がクマタカに及ぼす影響は小さいと考え、新たな調査は実施しない方針とした。
答申案に係る主な審議結果
- 風車の影について、主に事業地の南側に位置する森林公園スイス村の施設への影響は考えにくいが、事業地北側等に集落は存在するため、シミュレーション等による調査・予測・評価の適切な実施を求めたい。
- クマタカは、環境省により絶滅危惧種に指定されており、十分な評価が必要な鳥である。事業者が示した行動圏解析の結果等は、詳細な調査と評価が必要であることを示すデータだと思われる。風車が大型化し、回転部の直径が50m程度大きくなることも踏まえ、今後機会があれば十分にデータを収集し、クマタカに対する影響を把握・評価した上で、保全対策を検討すべきである。
- 日本海側の沿岸部分は鳥の渡りのルートになっており、春・秋の渡り時期のうち、特に春には鳥取から福井の間をかなり大きな群れで移動しているというデータが示されている。事業者の提案どおり、春期・秋季に渡り鳥の追加調査を実施すべきである。
- 既存の風車よりも基礎が深くなる場合、水みちの変化により湿地が消失する可能性があることから、可能な範囲で影響の把握や回避又は低減を求めたい。また、事業地から発生する土の取扱いについて、準備書に示すことを求めたい。
- 本日の審議結果を踏まえて答申案を修正したものを答申とする。
7配付資料
次第・資料(希少動植物に係る情報を含む資料を除く)(PDF:850KB)