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令和元年9月11日(水曜日)午後1時30分から4時30分まで
場所:ホテルルビノ京都堀川 2階 加茂の間
住所:京都府京都市上京区東堀川通下長者町下ル3-7
【審議会委員】
浅岡委員、浅野委員、阿部委員、黒田委員、郡嶌委員、瀧澤委員、橋本委員、長谷川委員、平岩委員、増田委員、松原委員、村上委員、矢部委員、山崎委員、渡邉委員、阿部特別委員、井上特別委員、河本特別委員、瀧特別委員、米村特別委員
(五十音順)(計 委員15名、特別委員5名)
※上記のうち、次の委員は代理出席
長谷川委員(代理:板原 京都市環境政策局地球温暖化対策室長)
山崎委員(代理:寺井 京都府市長会事務局長)
阿部特別委員(代理:高須 近畿農政局課長補佐)
井上特別委員(代理:由井 近畿地方整備局環境調整官)
河本特別委員(代理:遊佐 近畿地方環境事務所環境対策課長)
米村特別委員(代理:中川 近畿経済産業局環境・リサイクル課課長補佐)
【事務局】
奥村府民環境部副部長、髙屋府民環境部副部長、松山環境技術専門監、北村エネルギー政策課長、久野地球温暖化対策課長、その他関係職員
【傍聴者】 4名
【報道機関】 2名
(1)京都府地球温暖化対策条例等の見直しについて
事務局より資料1に基づき説明
<委員からの主な意見>
ア 議論に必要となるデータ等に関すること
● 産業部門に関する業種ごとの細かなデータ、また、床面積に関するデータ(業務部門)や、世帯数及び人口統
計のデータ(家庭部門)は将来予測に有効と考える。可能な範囲で収集するべき。
● 事業者対策に関しては、温室効果ガス削減に係る費用等経済的な情報が重要。
● 家庭部門においては、世帯構成として単身者が増加すると、外食、宅配の不在が増えることが想定される。ま
た、住宅の断熱工事により、どのくらい経費がかかり、その際にどのような補助を行うかを計算することで、家庭
部門対策に要する経費を見積もることができる。
● 過去の温室効果ガス排出量の増減に係る要因を分析することで、今後の取組の方向性が見えるのではない
か。
イ 事業者対策の考え方について
● 温室効果ガス削減には、電力部門における再生可能エネルギー導入率を高くすることが必要。長期的には
2050年に実質排出量ゼロへの道をたどっていく必要があることも踏まえて対策を考えるべき。
● 建物、設備等の更新による高効率化は基本であり、それに加えて脱炭素電力に変えていくことも必要であり、コ
ストが高いからできないということではない。コストが高いのであればコストダウンを誘導する方策等も含めて
検討すべき。
● 事業者対策の中で、機器更新等の省エネ対策はそれなりに進んでいるが、今後、それは頭打ちになると予想さ
れる。民生部門での機器更新は経済的な問題があり、産業界よりも遅れている面があると思われる。コスト面
を勘案しながら、各主体に負担にならないような支援策も含めて考えるべき。
● 企業ではRE100※に向け、検討を開始している。特に大企業ほどRE100に向けて、取組を進めている状況。一
方で、中小企業までへの普及は至っていないため、サプライチェーン(原料の段階から製品やサービスが消費
者の手に届くまでの全プロセス)の中で温室効果ガス削減を進める必要がある。一方、コスト面での課題があ
ることが多く、行政側の支援等考えて計画に反映すると良いのではないか。
※「Renewable Energy 100%」の頭文字を取った言葉で、企業が自らの事業の使用電力を100%再エネで賄うこ
とを目指す国際的なイニシアティブ
● 温室効果ガスを排出しているという点では、中小企業にも“差異ある責任”※が存在する。サプライチェーンの
中で、企業が連携・協力して削減に取り組むことを評価する仕組みが必要。
※気候変動枠組条約における「共通だが差異ある責任等の原則のもとで締結国がそれぞれの約束を実施する
こととされている」
ウ 事業者計画書制度について
● 現状の制度においては、評価基準を達成したか否かだけで評価しているが、コスト面の情報も入れたもので評
価するとよいのではないか。
● 削減目標を達成できていない事業者に対しては、直ちに罰則をかけるというよりは、コスト面を勘案して、行政
と相談しながら再度計画書を書き直すという過程を組み込むことで、制度がより有効なものになると考える。
● 現在の制度では、努力をして対策をしても事業規模が大きくなると排出量が増え評価が低くなってしまう。逆
に、府内の温室効果ガス排出量を下げるために、企業が京都府から出て行くと評価が上がる(“グリーンウォッ
シュ”の一つ。)これらの動きを見分けられるような制度づくりが必要ではないか。
エ 次回審議会について
● 目標達成に向けて現在の取組の強化が必要という基本的なところは確認された。
● これまでの取組の中で、どういったものが結果につながっているのか、目標達成に向けてどういった取組が有
効でどの程度コストがかかるのかを整理の上、条例・計画改定に反映させていく。
(2)京都府環境基本計画の見直しについて
事務局より資料2に基づき説明
<委員からの主な意見>
ア 計画の内容に関すること
● 気候変動の観点からは(計画期間である)2030年までの10年間は非常に重要な時期。府民に危機感や切迫感
が伝わるように、現状と課題や施策の展開方向を記述すべき。
● 適応策の記載が不十分。「現状と課題」に気候変動適応計画が動いていることを追記すべき。また「分野横断
的・総合的施策」の一つとして適応策を盛り込むべき。
● 企業は環境についてよりシリアスに捉えている。気候変動により財務状況がどう変化するかを開示する手法に
も注目が集まっている。炭素税導入、再エネ100%、災害の頻度増加といったシナリオも検討している。
● 琵琶湖など「周辺との関係の中における京都府」という考え方、空間的・時間的にも広い視野を盛り込んではど
うか。
● 京都府における対策だけでなく、途上国への協力など世界の環境にも取り組むということを計画に書けない
か。
● 他国で温室効果ガス削減を進める取組を京都府の計画に書くことは賛成しかねる。
● 環境問題は既に暮らしのリスクとなっているが、リスク対策を講じることで経済や暮らしをよくするチャンスにも
なる。まずは京都府民、京都府で率先的に取り組むことが重要。その上で一緒に取り組もうと国際的に発信し、
身近なところでは観光客への呼びかけることが、国際的な協力にもつながる。
● 「将来像」については、暮らしと環境の調和を図るシステムが文化と認識。
● 「計画の基本となる考え方」におけるSDGsの書き方は精査する必要。環境×経済×社会の統合的向上=SDGs
ではない。
● 誰一人取り残さない、ということは非常に重い。取組を進めることでこのように社会が変わる、京都府に住んで
いてよかったと思ってもらえるようになるとよいと考える。
● 前回の意見を受け「分野横断的・統合的施策の展開方向」を新たに設けたことは評価。ただし、記載する施策
のレベルは揃えるべき。
イ わかりやすさや表現に関すること
● この計画が他人事ではなく、府民が自分たちのものとして共有できるよう、府民にわかりやすい言葉で書くべ
き。
● 正確に書くことも大事だが、言葉が多すぎるとインパクトが弱くなる。表現は端的に。
● SDGsの府民認知度は低い。理解を広げる工夫が必要。
● 概要版など、誰でも理解しやすいものを本体とは別に作成するのも一つの手法。
お問い合わせ
総合政策環境部政策環境総務課
京都市上京区下立売通新町西入薮ノ内町
電話番号:075-414-4336
ファックス:075-414-4389
総合政策部会については、府民環境総務課
地球環境部会については、地球温暖化対策課へ