平成18年度京都府男女共同参画審議会 第3回後期施策検討部会の議事要旨
1 開催日時
平成18年10月24日(火曜日) 午前10時から正午まで
2 場所
京都府自治会館 4階会議室(京都市上京区)
3 出席者
【委員】
伊藤委員、伊庭委員、中村委員、古橋委員、向井仲委員
【事務局】
京都府
八島女性政策監、長濵女性政策課長、浜野京都府女性総合センター館長、女性政策課職員、庁内関係課職員
【傍聴者】
なし
4 議題
新KYOのあけぼのプラン後期施策の検討
- 新たな分野への取組
- 男女の性差に応じた的確な医療の推進
- 男性にとっての男女共同参画社会
- 男女平等を推進する教育・学習の充実
5 審議内容(結果及び主な意見)
< 新たな分野への取組>
(科学技術)
- 女子高校生の理工分野への進学少ないことに関しては、進路指導担当教師の意識改革が重要。ちょっとした一言が大きな影響を与えてしまう。副読本などを作って担当教師の意識改革を行っている例がある。
- 男女が共に潜在的能力を発揮できるようにすることが大切。
- 本人、保護者、教師の三者面談の場では、保護者の側の意識も影響している。理系女子学生のモデル事例の紹介など、目に見える形で出していくべき。
- 女性研究者の育成も大切だが、裾野を広げる点では「サイエンスフェスティバル」など、高校生が興味を持つ楽しいイベントを開くのも良い。
- 重厚長大でなく、いわゆる環境や人に優しいソフトテクノロジーの分野やユニバーサルデザインでは女性の技術者が活躍している例がある。
- 企業の中でも、新しい技術分野では女性の技術職の参画が進みやすい傾向がある。
- 企業の技術職を増やすには、理系の学生を増やす、そのためには高校の進路指導を進める、その前には小・中学生の頃から家庭の意識改革、と言うように、当面の施策、数年後を目指した施策、長期的な展望を持った施策、のそれぞれで取り組んでいくべき。
- 京大が取り組む女性研究者の支援の目玉に大学病院と連携した病児保育の実施がある。突発的な出来事への対応は女性にしわ寄せがいく傾向があることからニーズもあり、これが成功すれば一つのモデルになると考えている。
- 病児保育については地域で小児科医と連携して活動するNPOもある。
(防災(災害復興を含む))
- 新潟中越地震等での経験から、災害復旧においては、男性はいち早く職場に出て、子どもや高齢者の介護は残された女性に集中し、物質面だけでなく精神面でも支えるものが無かった。
- 女性用防災服が作成されてなかったなど、これまで防災分野では女性の声を集約して生かすシステムが無かった。
- 地域によっては消防団や防災は男性の役割(仕事)との考えが強く、女性消防団員のいないところもある。府では人口の減少や高齢化に対応するため消防団への女性の参加を呼びかけているとのことだが、もっと市町村へ働きかけ、機運を盛り上げるべき。
- 女性の参加を増やすにあたって、男女の役割分担の再生産ではなく、男女共同参画をどう進めていくのかが大事。女性の潜在能力を眼に見える形で示せるようなしかけが必要。
- 役割分担について、悪い意味での再生産は確かにあるが、災害復興には瞬発的な取扱いが必要なときがある。緊急時、短期・中期、長期ごとに共通認識を持って臨機応変に対応すべきではないか。避難所のプライバシー問題や備蓄用品のリストアップなどは男性だけでは気付かない点があり、計画時の女性の参画は必要である。
(地域おこし、まちづくり、観光、環境)
- 地域の成功事例をどんどん紹介していくべき。
- 女性の観光客が増えている。長浜市など女性の意見をとりいれたところは成功している。
- まちづくりや環境に関する、勉強会や視察への助成事業があると良い。
- 地域における環境の取組については女性の参加は進んでいるが、女性の指導者づくりはこれからの課題
<男女の性差に応じた的確な医療の推進>
- 府内の女性外来の数がまだまだ少ない。
- 女性だけでなく男性の心身の健康保持のための施策も必要。
- 不妊治療の支援では、人権の観点にたったカウンセラーの配置も必要。
- 府の施策で前立腺がんの検診には補助制度があるが、乳がんや子宮がんはどうか。
- 学校における適切な性教育の推進では、子どもの発達段階に応じたものであることはもちろんだが、男女共同参画の視点に立った性教育が必要。女性が受け身的な態度ではなくきちんと自ら健康管理を行うことが大事。
<男性にとっての男女共同参画>
- 項目名がわかりにくい。再検討すべき。
- 男性の相談窓口開設は、男性も相談しても良い、というキャンペーン効果がある。
- 男性の相談事業は女性相談と同じノウハウではできない。
- 父子家庭の父親、再婚家庭の父親の役割、中高年の自殺など、葛藤が蓄積している。心の相談ではないアクティブなソーシャルワーク的対応が必要。どのような形で実施するのか府の誘導が必要。
- 男性には「相談」は抵抗感があるのではないか。相談ではない魅力的な「生き方の提案」をする、男性にとっても魅力的な形で作ってはどうか。
- 企業内でも産業カウンセラーがいるが事業主の義務以上のものは難しいのが実態。
- 工場保健会や、EAPにもカウンセラーがおり、府が直接相談を始めるのではなく、こうしたところへの間接支援という手法も考えられる。
- メンタル面での支援と老後の保障は、労働者側から企業に働きかけるべき大きな項目である。経営者側主導で進めるより社員も参加しやすくなる。
<男女平等を推進する教育・学習の充実>
- 学校における非暴力のトレーニングが必要。男性の論理だけで暴力をして良いのか、防ぐにはどうすれば良いのか、を解決するためのニーズがある。高校の先生は、非暴力についての関心が高い。
- 男女共同参画の視点に基づいた指導のためには、教育関係者の意識啓発が必要。
6 閉会
本日の意見は事務局において整理し、意見書案にまとめ次回、第4回部会において審議いただくこととした。
7 問合わせ先
府民労働部女性政策課 企画・推進担当
電話075(414)4291