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武田会長 挨拶
京都府部活動指導指針について
ア 京都府スポーツ推進計画中間年改定案について
イ その他
細野指導部長 挨拶
○事務局(説明)
「京都府部活動指導指針」について説明する。
「京都府部活動指導指針」は、平成29年7月から検討会議において議論を重ね、平成30年3月に、国の「運動部活動の在り方に関する総合的なガイドライン」の策定・公表を受け、4月に「京都府部活動指導指針」を策定し、府立学校や市町教育委員会へ通知した。
「京都府部活動指導指針」の「はじめに」では、学習指導要領における部活動の位置付けやこれまで部活動が果たしてきた意義とともに、部活動が教員の物理的、精神的な負担になっていること、更には、生徒にとっても適切な休養日もない部活動は身体的・精神的な負担になっている等の課題点を示した。
この指針は、中学校及び高校の体育系、文化系の部活動全体を対象としている。スポーツ庁のガイドラインは、運動部限定であり、今後、文化庁が文化系のガイドラインを策定予定であるが、本府では、すべての部活動を対象とした。
次に、指針のポイントについて簡単に説明する。
ポイントの1つ目は、練習時間・休養日の設定である。
本府では、指針の策定に先駆けて、昨年9月に中・高等学校における部活動休養日の設定を示し、本年1月から府立の中・高等学校においては本格実施をしている。中学校については、国のガイドラインに準拠し、休養日は、週当たり土日を含む2日以上、練習時間についても、国に準拠し、平日2時間程度、休日3時間程度とした。
国のガイドラインでは、高校においても、原則、中学校の練習時間や休養日を適用するとあり、本府においても原則は適用するとしながらも、発育発達の観点、自己管理能力の向上、また、中学校教育の基礎の上に多様な教育が行われていることや、地域や学校の実態を踏まえて、弾力的な運用とした。具体的には、休養日の下限を、週当たり1日以上、練習時間の上限を平日3時間程度、休日4時間程度とし、医科学的なエビデンスについても明記した。
ポイントの二つ目は、スキルアップコーチの活用である。
「スキルアップコーチ」とは、平成29年4月に学校教育法施行規則の改正により制度化された「部活動指導員」と従来からの「外部指導者」の総称であり、その活用について掲載した。
単独引率、単独指導ができる部活動指導員の導入は、教員の働き方改革の観点からも、勤務時間の縮減や適切な顧問体制の構築に貢献するものと期待できる。また、生徒引率はできないが、顧問とともに技術指導が出来る外部指導者の活用は、競技経験のない顧問の精神的負担軽減や指導力向上などの効果が期待できる。
ポイントの三つ目は、活動方針・活動計画の公表である。
指針の実効性を高めるために、学校の活動方針の策定と顧問が作成した年間や月間の活動計画について、学校のホームページ等で公表することを明記した。
この指針については、各府立学校や市町教育委員会に、速やかな対応をお願いしているところである。また、今回の指針が、学校現場でどのように取り組まれているのかを検証するため、「部活動の在り方検討会議」を設置し、指針の周知とフォローアップに努める予定としている。
以上で「京都府部活動指導指針」についての説明を終了する。
●説明(事務局)
「京都府スポーツ推進計画中間年改定案」を説明する前に、これまでの作成経緯について説明する。
前回の審議会の後、京都府体育協会、京都府総合型地域スポーツクラブ連絡協議会、京都障害者スポーツ振興会等から意見をいただいた上で、関係部局による検討会議を5月に2度、小委員会を6月に1度開催し、改定案作成に向けた協議をした。
また、検討会議や審議会の他、「第2期スポーツ基本計画」をはじめ、「運動部活動の在り方に関する総合的なガイドライン」「スポーツ実施率向上のための行動計画(案)」、「総合型地域スポーツクラブ育成プラン2018」、「府民のスポーツに関する実態調査」、「京都府部活動指導指針」、「京都府スポーツ観光振興構想」「障害者スポーツ振興アクションプラン」などの資料を参考にした。
今回の改定は、現行計画が、平成26年度から平成35年度までの10年計画であることから、引き続き、目標達成に向けて積極的に取り組むことを基本としている。しかしながら新たな指針がだされた施策や、5年の月日の中で本府の現状とマッチしなくなったものについては見直しを行った。
作成にあたっての主な留意点としては、①「関係機関の現行施策や重点施策、意見を重視」した。目的としては、それぞれの関係機関の立ち位置を明確にすることで、取組のずれ、意識のずれなど、計画内容と現場とが、かい離した状態を避けたいことや、それぞれの関係機関の実際の取組内容やお互いの関係性を知ることにより、それぞれの役割を認識でき、関係機関の、連携・協働体制を進めたいという狙いがある。
次に、②「現状にあわせ『スクラップ&ビルド』」を進めた。それには今後5年間で重点的に取り組むべき計画を焦点化し、具現化を加速させたいという意図がある。
また、本府の取組の現状と合っていないものについては文言の変更や内容を削除した。
最後に、③「できる限り具体的記載を心がけ、計画の『見える化』を重視」した。目標達成に向けて、「どこ」が「どういう手段・方法」で「どういう目的」で「何を」するのか、と明文化することで、府民が分かりやすい内容になるように心がけた。
それでは、改定案の主な改定点について説明する。
「はじめに」では、Ⅰ「スポーツの意義と価値」と題して、現行計画のキーワード「スポーツごころ」をもってスポーツ推進計画を展開することを述べ、その後、改定の趣旨や位置付け、期間についてふれている。
Ⅱは、「スポーツを取り巻く環境の変化」を、Ⅲは、「本府の運動スポーツに関する現状と課題」について説明を加えた。このⅢの「成人のスポーツ実施率」から「京都府のスポーツ施設整備状況の変化」の前半8項目については、現行計画の「具体的目標」の返しとなっており、後半2項目「東京2020大会の主な取組状況」と「ワールドマスターズゲームズの主な取組状況」については、間近に迫った大イベントに対してのこれまでの本府の取組状況をまとめた。
「スマートスポーツ」分野について説明する。
「障害者スポーツを通じた共生社会実現に向けた取組の推進」については、「障害者支援課」の意見を参考に記載内容を充実させた。また、「障害者スポーツ」の振興は国の重点施策の1つであることから、本府の計画でも、「共生社会の実現」をテーマに、スマートスポーツ分野に限らず、エンジョイスポーツ、チェレンジスポーツの分野においても内容を充実させた。
「総合型クラブのスポーツを核とした豊かな地域コミュニティの創造」については、総合型クラブに対する国の方針変換を受けて、京都府体育協会や京都府総合型クラブ連絡協議会と調整の上、内容を改定した。
「京都の観光資源を活かしたスポーツツーリズムの推進」については、「京都府スポーツ観光振興構想」の方針を踏まえながら、「観光政策課」「スポーツ振興課」と調整の上、改定した。
「ワールドマスターズゲームズの開催」については、機運を盛り上げるための取組や大会後のレガシー創出の視点を加え、内容を充実させた。
「エンジョイスポーツ」分野について説明する。
「運動部活動の活性化」については、国の「運動部活動の在り方に関する総合的なガイドライン」や京都府の「京都府部活動指導指針」、日本スポーツ協会の「総合型地域スポーツクラブ育成プラン2018」の方針を踏まえながら、今後取り組むべき方向性を視野に入れ、改定した。
「東京2020大会を契機としたスポーツごころを醸成する取組の推進」は今回新たに設けた項目である。ここでは、本府教育委員会が平成27年度から実施している「京都府オリンピック・パラリンピック教育推進事業」についてまとめた。
「チャレンジスポーツ」分野について説明する。
「ジュニアアスリートの発掘・育成システムの構築」については、現在、京都府競技力向上対策本部で取り組んでいる施策を中心に項目を整理した。
「障害者トップアスリートの競技力向上方策の充実」については、「障害者スポーツ振興アクションプラン」の方針や現在の障害者アスリートの発掘・育成状況に合わせ、障害者支援課と調整の上、内容を充実させた。
現行計画にある「府民に活力を与える競技スポーツの推進」については、「京都府を拠点に活躍するトップアスリートの育成」の冒頭文や「地域活性化を視点にした地域ならではの競技スポーツの推進」に統合した。
「『夢・未来』スポーツ拠点の整備」分野について説明する。
これに関しては、今後5年間の施策展開を中心に、スポーツ施設整備課と都市計画課の意見を反映して作成した。前回、指摘のあった完成した施設の利活用については、スマートスポーツ、エンジョイスポーツ、チャレンジスポーツの中に反映させた。
なお、元号については、平成31年4月30日をもって改元されることが決定していることから、改元前までの「年度」表記については、最初に西暦、その後、( )内に和暦を入れる形で統一した。改元以降、いわゆる平成31年5月1日以降は、西暦のみで統一した。
●質疑応答
〇委員(意見)
「地域スポーツをコーディネートするスポーツリーダーの育成」の項目で健康運動指導士、障がい者スポーツ指導員など各種指導資格の取得促進とあるが、健康運動指導士の資格取得はかなりハードルが高いため、京都府独自の健康を推進するための資格はできないか。そうなれば資格を取得しようとする人が出てきて、老人の健康増進への取組を指導できる人が増えるのではないか。
また、障がい者スポーツ指導員の資格取得には受講料として約1万円、更新するのに毎年3千円がかかる。助成により指導者を増やすことはできないか。大会に行くと年配の者は多いが、若者が少ないという現状があり、若者の指導者を増やすにあたって助成をするのも一つの方法ではないか。
〇事務局(回答)
個人の資格取得にどれだけの助成ができるかというかという点を踏まえながら、指導者不足という現状をどのような形で解決していくか検討していきたい。
〇委員(質問)
成人のスポーツ実施率の推移において、本府では、平成24年度と平成29年度を比較すると、週1日以上が53.6%から、今回48.7%に下がっており、週3日以上についても同じく下がっている。一方で、全国の調査では、前回との比較ではあがっている。運動・スポーツをしなかった理由としては、「年をとったから」、「仕事(家事・育児・介護等含む)が忙しい」、「機会がない」、「面倒だから」と続くと詳しく書かれているが、特に本府で顕著な理由があれば教えてほしい。また、このデータを踏まえて特に留意した施策があれば教えてほしい。
〇事務局(回答)
平成24年度調査と平成29年度では設問自体や実施方法が違うため、単純比較はできないと考えている。前回の調査では、スポーツ推進委員を通じてアンケートを配布・回収したが、今回は無作為3,000名を対象にアンケートを実施した。つまり、前回はスポーツをしている人を通じてアンケートを実施したために実施率が高くなったのではないかと推測している。ただし、実施率の目標は国も本府も65%であり、現状では全く目標に届いておらず、目標達成に向けての手立ては必要である。
京都の場合、京都女性スポーツの会などもあり、男性より女性の方が運動実施率が高くなっている。留意した施策の一つは引き続き、女性スポーツの会の活動を支援しながら、女性のスポーツ実施率を高める取組を推進していきたい。
また、もう一つ留意した点としては、実施率を高めるためにはある程度の下地が必要で、その下地に火をつけることにより実施率が高まるのではないかと考えている。今回の調査では、全国的にもそうであるが、散歩、ジョギング、体操など、一人で手軽にできる運動が支持されている。国の「FUN+WALK PROJECT」や東京都の「みんなでラジオ体操プロジェクト」はその流れで出てきたものであり、ウォーキングやラジオ体操を足掛かりに実施率を高めていきたいという考えがある。今回の計画では日常的に取り組める運動の推進という視点から、それらの取組を盛り込んでいる。本府では京都府ラジオ体操第一動画を作成しており、このような動画を活用しながら実施率を高めていきたいと考えている。
〇委員(質問)
一人で手軽にできるスポーツが支持されているということであるが、このことについて計画の中のどこかでふれているか。
〇事務局(回答)
前回の審議会の中では、調査結果報告の中でふれさせていただいたが、今回の計画の中では特に記載されていない。ただ、計画の中には実施率を高める取組として具体的に盛り込んでいる。
〇委員(質問)
先日、回覧板に、夏休みのラジオ体操を3日間実施するという案内が入っていた。私たちの頃は毎日やっていたが、このような地域で行う取組について、行政の方からアドバイスがあるのか知りたい。
別件だが、スポーツ実施率に関して、本府では女性スポーツの会もあり、女性の実施率をあげたり、女性指導者の活動の場を作られたりしている。しかし、このような女性の活動に男性も入ってもらう必要があると思うが、男性が関われる仕組みがあるのか知りたい。
〇委員(意見)
毎週日曜日に健康体操をしているが、男性は1割程度の参加で、これは私のところだけでなく、全国的な傾向であり、男性が参加できるような仕組みを考える必要がある。
先日、10月からラジオ体操を週3回しようと参加者から声が上がった。このように参加者側から声が上がるような組織でないと地域で行う活動は定着しない。トップダウンからのやり方は定着しない。
〇委員(意見)
高校生女子のスポーツ実施率が下がっている。運動部の加入率が大きく影響していると書かれているが、これは部活動の実施率だけなのかそれとも地域での活動も含まれているのか教えてほしい。
〇事務局(回答)
成人のスポーツ実施率は18歳以上の無作為アンケートで行ったものであるが、高校生のスポーツ実施率は、新体力テストに伴って行われるアンケート調査で出てきたデータである。本府では、18歳までは男性の方が実施率は高く、卒業後は女性の方が高くなっている。
この高校生女子のスポーツ実施率は、1週間の中で部活動だけでなく校外での活動を含めた実施率となっている。
〇委員(意見)
幼児期からの基本的な動きを獲得することの大切さはわかっているが、やり方がわからなかったり、知識がなかったりして、困っている幼稚園や保育園の先生が多い。幼児期からの基本的な動き獲得に向けた取組を現場にどのように指導していくか。研修機会を設けるなど、現場へのサポートが必要であると感じている。
また、民間の体操教室は、人がやっているのを待ったり見たりすることが多く、運動量が下がるというデータがある。できれば自主的な遊びの中で運動をするのがいい。
〇事務局(回答)
学校現場での研修では、運動量を確保しながら楽しいと思える指導が必要であり、低学年の先生対象に授業の工夫改善という観点で研修を実施していきたい。
〇委員(意見)
就学前の幼児期の基本的な動きの獲得が必要であると考えている。幼稚園の先生の中には運動に対して苦手意識を持っている方が多いので研修の必要性を感じる。
〇委員(意見)
障がい者スポーツ指導員資格取得のための講習会を京都学園大学で毎年開催しているが、参加者が他府県に比べると少ない。13人から15人というが現状である。大阪や東京では抽選で振り落とすと聞いている。広報もしてもらっているが、少ないので寂しく感じる。今年は講習会を2回から3回に増やしたが、さらに参加人数が少なくなった。主催側としてはもっと参加してほしいと思っている。
〇委員(質問)
講習会の案内は、各学校や支援学校にいっているのか。私自身は講習会の案内を見たことがない。
〇委員(意見)
京都市の例であるが、支援学校の学校長に聞いたところ、京都市には案内が回っていないとの回答であった。このようなところを見直していかなければいけないと感じる。
一つの情報提供であるが、6月の島津アリーナ京都で行われた障害者スポーツのつどいに230名超の障害者が集まり、そこにボランティアで同志社の学生がかなり来ていた。私たちとしては、この大学生を引き留めたいと思っている。今後は、大学のボランティアサークルへの呼びかけが必要であると感じている。そこから資格取得に結び付けていきたいと考えている。
〇議長(質問)
講習会は、どこが主体で実施しているのか。
〇事務局(回答)
障害者支援課が実施している。
〇議長(意見)
講習会の広報について意見があったことを伝えてほしい。
〇事務局(回答)
障害者支援課から広報について府体育協会に協力依頼があり、加盟団体87団体に案内を出させていただいた。資格には、取得や更新の際にお金がかかるため、せっかく取得しても、資格を喪失する方もおり、指導者確保は課題である。障害者の指導者に特化した資格となると受講者を確保することは難しいため、障害のあるないにかかわらず、障害のある人も指導できるというふうに競技団体に理解を広めていく必要がある。指導者の考え方のバリアフリーを進めることが、数を増やすには重要ではないかと考えている。
〇委員(意見)
2点言わせていただきたい。1点目であるが、この推進計画の中で出てくるスポーツの定義は、スポーツ振興法に載っているスポーツでいいのか。運動・スポーツと書いてあるが、スポーツをどのようにとらえたらいいか、教えてほしい。調査でもスポーツの捉え方によって回答は違ってくると思う。
もう1つは指導者の資格の件である。資格を持っていても自分のプラスにならないことが多い。資格を持って指導にあたると謝金が支払われるようなことがないと指導者は増えないだろうし、資格を生かすことはできないと思う。資格を取るときの補助もいいが、資格を取ってからの報酬もあっていい。
〇事務局(回答)
国が示すスポーツの定義に則っている。
〇委員(意見)
学校では、運動やスポーツを保健を含めて体育という領域でやっている。現場の教員も何がスポーツで何が運動か混雑しており、運動=スポーツと捉えている人が多いのが現実である。このような調査をするときに、運動やスポーツを分けて調査することは現実的に難しいのではないかと思う。でも定義として分けて整理することは必要であると思う。
〇委員(意見)
私もスポーツや運動やトレーニングのそれぞれの違いを考えるが、最近では身体活動だけでなく「みる」のも「ささえる」のもスポーツといわれ、そうなると観ることもボランティアすることもスポーツをしていることになる。ここでいう実施率は身体活動であると思うが、今後はそれぞれの定義をしっかりとしたうえで調査等を実施したほうがよい。
〇委員(意見)
部活動の指導指針が出て、医師会でも加熱しすぎる部活動の議論はされているが、指針がもたらす影響をどのようにお考えかお聞きしたい。まず、この指針は、府立学校が対象で、私立学校は該当しないということで理解してよろしいか。懸念するのは、京都からトップアスリートを出したいという考えも推進計画にはあるが、トップアスリートを目指す子どもは、府立学校を選ばず、私立学校を選ぶ生徒たちが増えていくのではないか。また、この指針によって部活動加入率は増えていくのか減っていくのかという点もとても気になる。これからの子どもたちが部活動で自分たちの夢を具現化するためにどのような選択肢が用意されているのか。
〇事務局(回答)
まず私立学校が対象かどうかということであるが、基本的にこの指針は府立学校と市町教育委員会におろしている。京都市は京都市独自の指針がつくられており、私立学校については文教課を通じて情報提供をしている。私立学校も設置者として本府の指針や国のガイドラインを参考に、指針を作ることになっている。
部活動加入率が低下するのではないか、ということであるが、部活動の活性化に向け効率的・効果的な部活動の展開を目指し、子どもたちのスポーツ傷害やバーンアウトの予防を目的にこの指針を策定した。当然、世界のトップアスリートを目指す生徒も出てくると思うが、国のガイドラインでも競技団体と連携をしながら別の形での強化が謳われており、今回出した指針は、あくまでも学校部活動に対しての指導指針である。
現在、少子化が進み、チームゲームが成立しない学校が増えており、合同チームの結成などを含めて中体連、高体連と連携しながら検討を進めている。簡単に答えが出せるものではないが、前向きな考えで検討を進めていることを理解願いたい。
〇委員(意見)
今回の指針は、子どもたちの部活動における疲弊感やスポーツ傷害の防止、スポーツ医科学的な見地からのアプローチ、そして教員の働き方改革など、さまざまな側面から動き出しており、特に行政の側からすると難しい局面の中で作成されている。
私たちとしては、子どもたちにスポーツごころを持って、スポーツを好きになってもらいたい、という願いがあるが、学校部活動の旧態依然とした体質から脱却できていない。トップアスリートになればなるほど、指針に基づいて休息を取り入れているが、一方で追いつき追い越せと一日も早く勝ちたいという思いが前面に出る指導者は、過度な活動を強いていることが多い。これまで、バーンアウトや部活動が続かないなど、小・中学生の発育発達段階と運動量との相関が課題であったと思う。この指針の趣旨について各学校の顧問が理解をしないと意味のないものになってしまう恐れがある。また、部活動の効果が期待できないとなると部活動加入率の低下につながることも念頭におかなければならない。一方で、競技力についても、状況をみながら第2第3の手立てを考えておく必要がある。これまで問題提起されてきたことが、今回の指針で、日本のスポーツ全体の流れが変わっていくきっかけになるのではないかと考えている。
〇委員(意見)
超高齢化社会の中で、健康寿命の延伸の重要性が言われているが、女性のスポーツへの参加が多いのは、健康寿命が女性の方が長いというのがある。そのような中、健康寿命を伸ばすには筋力維持が必要であり、フレイル予防は、若い時からの予防が重要である。推進計画の中に、栄養指導をはじめとしたコンディショニングの指導とあるが、ジュニア期から指導するというのは重要であり、併せて安全管理も取り入れていく必要がある。例えば、コンタクトスポーツで、マウスガードを取り入れるなど、安全の確保に対して考えていく必要がある。
〇委員(意見)
ワールドマスターズゲームズのあまりの認知度の低さについて、今後どのように考えているのかお聞きしたい。ただ、大会があることをみんなに知らせるだけなのか、もっと積極的に参加するように促していくのか。例えば、ボランティアなど、参加する方法はいくらでもあると思うが、認知度がほとんどない状況で、今後2年でどのように活動を展開していくのか、大変心配している。年配の方も多いため、ボランティアでの参加でもいいとは思うが、予選がなく出場できるということも知らない方がほとんどで、出場の仕方も、京都で行われる競技も、自分が取り組んでいる競技のあるなしも分からない状況であり、もう少し事細かに情報発信していただきたい。
〇事務局(回答)
言われたとおり、情報発信が大きな課題になっている。私たちも広報映像を作ってPRしてはいるが、取組が不足している。さまざまなきっかけをとらえて広報に力を入れていきたい。
〇議長(まとめ)
本日、審議会でたくさんの意見をいただいたので、事務局で整理をお願いしたい。
イ その他
●説明(事務局)
今後のスケジュールであるが、今回の審議会でいただいた意見を整理した上で、7月から10月にかけて二役、教育委員会、府議会に報告をし、11月にパブリックコメントを実施する。その後、パブリックコメントの意見を反映させたものを検討会議、小委員会ではかり、審議会で協議させていただき、3月に教育委員会で議決を受けた後、改訂版を策定する予定である。
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