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東京オリンピック・パラリンピックを契機に地域の活性化やスポーツ振興につなげ、それをオリンピックの後に継承、発展させることが重要であり、焦点化した取組が全国的にクローズアップされてきた。本府では、選手の競技力向上に向けて①女性アスリートに特化した育成支援、②トップにあるジュニアアスリートの支援など新たな事業を展開した。全国的なレベルに引き上げるまでは、京都府が継続した支援をしていく中で、国あるいは中央競技団体の指定選手につなげることに取り組んでいるところである。
これまでは、成年種別の競技力が低迷したが、今年度、天皇杯男女総合10位、皇后杯女子総合18位と昨年より総合点数を71点伸ばし、総合成績で2つ順位をあげたのは、成年層の女子の活躍が大きかった。また、陸上競技は京都国体以来となる男女総合優勝やソフトテニスの女子総合優勝をはじめ19種別、88種目において入賞。第71回冬季国体ではスケート競技の大活躍により男女総合21位の成績をあげた。
ア 京都府におけるオリンピック・パラリンピック教育について
平成27年度から今後5年間の取組として、オリンピック・パラリンピックの価値を学ぶことに加え、文化・スポーツをはじめ、国際交流などの取組を横断的に推進していくため、京都府では5つの柱を中心に筑波大学の協力のもと、小学校4校、中学校6校、高等学校14校、特別支援学校7校の計31校を推進校に認定し、スポーツの力を子どもたちに実感させる活動を展開した。
イ 女性アスリートの育成支援
岩手国体から新たに正式種目として加わる女子6競技、隔年実施競技のトライアスロンをこれまで実施されてきた女子32競技に合わせて強化支援の対象とし、伸び悩んでいる女性アスリートの総合的な競技力向上を目指すこと、また、女性アスリートを多面的にサポートできる指導者を育成するとともに、女性アスリート自身が知識を高める研修会を実施すること、競技団体に対しては、女性アスリートの強化に特化した合宿への支援を具体的に行っていきたい。
ウ 未来のメダリスト創生事業について
将来のオリンピック等のメダル獲得につなげる取組として実施するもので、国民体育大会の実施種目で、府内在住・在勤の14歳から18歳までの選手を対象に各競技団体から推薦された国内トップレベルの選手22名を指定し、日々のトレーニングを充実させ、JOC講習会等への参加や国内外での遠征、トップコーチ等による指導の強化活動への支援を行った。平成28年度も継続して実施する。
エ 京の子どもダイヤモンドプロジェクトについて
小学4年から中学3年までフェンシング、バドミントン、カヌーの3競技で6年間の選手育成に取り組むもの。京都府医師会による発達段階における医学的な視点のリサーチプログラムやスポーツドクターから障害予防と望ましい成長のためのメディカルサポートプログラムについて保護者を交え実施した。平成29年度は6学年が揃う完成年度となる。
オ 京都府民総合体育大会マスターズ部門について
関西ワールドマスターズゲームズ2021の開催決定を受け、実施種目や開催地選定の取組が進められている。京都府では、マスターズスポーツ実施に向けた土壌づくりを進めるとともにマスターズ選手のスポーツ実施率の向上に向けた新しい取組を進めている。
スポーツ施設整備等の進捗状況と平成28年度当初予算について
○丹波自然運動公園 再整備事業
○山城総合運動公園 再整備事業
○「スポーツ王国・京都」事業費
京都トレーニングセンター(仮称)及び専用球技場等について説明
○事務局説明
生涯スポーツ分野では、「府民誰もが、ライフステージやライフスタイルに応じてスポーツに親しみ健康で元気な生活を確立し、スポーツを通した地域の絆づくりを進めます。」を目標に掲げ、府民総体を含めたスポーツイベントの充実として、府民総体マスターズ部門の拡大、府民総体において中高年を対象とした新体力テストの実施、府民総体におけるグルメリレーマラソンの定着を図る等、「成人の週1回以上のスポーツ実施率を3人に2人(65%程度)、週3回以上のスポーツ実施率が3人に1人(30%程度)以上にする。」ことを具体的目標としている。
超高齢社会を迎えるにあたり、健康で自立した生活を送るためには、高齢期を迎える前から日常的な運動による健康の維持、体力の向上が必要である。そのためには、働き盛りや子育て世代にあるうちから、運動する習慣を確立させていくことが大切となる。
また、少子化や地域社会の人間関係の希薄化が進む中で、運動やスポーツを通して、「人と人とのつながり」「地域の絆」を確立し、地域が活性化することが大切となってくる。
子育て世代に向けたプログラムや中高年の身体動作の指標、障害のある人もない人も共にできるプログラム、家族でできるプログラムの作成や日常生活で安全に身体活動を行う方法の提供でスポーツ実施率は向上していくと考えている。
「成人の週1回以上のスポーツ実施率を高める手立て等」について以下の3観点から御協議いただきたい。
①生活の中の運動・スポーツの実践
②地域の活性化に重要な役割を果たす運動・スポーツ
③府民の「する」「観る」「支える」気持ちを高めるスポーツイベントの充実
○意見(委員)
中高校生は比較的クラブ活動をする生徒が多くなってきている。逆に小学校は、一つの種目にのめり込むことから燃えつき症候群になっている場合もある。高校生が社会人になって、地域でスポーツをする場所が少ない。
○意見(委員)
女子生徒のクラブ活動加入率が減少している。京都市では夜間照明を利用した施設開放を実施している。ナイター使用は1時間1,500円であるが、手続等が複雑である。
○意見(委員)
貸出し手続は体育振興会を中心に管理されている。学校施設を効率よく使用することが大事であるが、使用については、学校間での利用率や利用団体に違いもみられる。全体的には熱心に貸出しの管理運営に取り組んでもらっている。
○意見(委員)
日本では、海外のような大きなスポーツクラブがないので、スポーツする場所が学校に限られている。この課題は日本のスポーツ文化の発祥が影響している。スポーツの二極化が進む中で学校だけがスポーツをする場ではないことやモデル的な取組をつくることが大事。
○意見(委員)
スポーツの安全・安心を確保するためには、プログラムの個別化が必要であり、利用者のニーズをすべて満たすことを民間だけですることには限界がある。利用料金の問題もあり、総合型地域スポーツクラブなどの活性化が重要。
○意見(委員)
スポーツの実施率を上げるのか、スポーツを実施することによる健康増進等を目的にするのかでプログラムは変わってくると思う。しかし、今の議論はプログラムの提供よりもっと前の段階である。最初のきっかけをどうつくるかが重要。
○意見(委員)
一般の方々のスポーツへの関心は、アスリートとは違い、きっかけが必要になる。健康づくりのためにスポーツに取り組むとか、マラソンブームを契機として、親しい人とはじめるなどのきっかけがチャンスになる。
○意見(委員)
スポーツをやることとはスポーツ障害が生じるという問題がある。無理をせず、楽しんで行うという視点を大事にしてもらいたい。ケガをして痛みを我慢して将来を無駄にするケースがあり、ジュニア期は保護者を含めた理解が必要である。
○質問(委員)
地域のスポーツの活性化は指導が重要である。スポーツ推進委員は社会人から高齢者までの世代にスポーツを指導する立場にあるが、委員本人が高齢化しており、若手指導者の育成が急務である。
○回答(事務局)
スポーツに対する啓発をどのようにしていくか。府民の方にどれくらい啓発ができているのか。かつて企業が社員の健康づくりに取り組んだ時期があった。運動プログラムづくりに取り組んだが10年程度で消滅した。結局、本人の自発性がないと続かないことである。
○意見(委員)
スポーツ指導者と呼ばれるものは、日本でいうと指導者資格も持っている人を指す。総合型地域スポーツクラブなど、楽しむことを前提とするスポーツであれば指導者資格まではいらない。ブラジル・リオデジャネイロでは、総合型地域スポーツクラブで会員が1,000人を超える会員がいろんな競技を楽しめる。民間のスポーツクラブと提携したり、学校を有効活用するなど方法は考えられる。
○意見(委員)
大阪市はゲームセンターに早朝に高齢者が集まって、太鼓をたたいたり、ダンスをしたりしている。神奈川県では、万歩計を無料で貸し出し、データ管理をして登録すれば、自分の状況がリサーチできるように工夫している。発想の転換が大事。
○意見(委員)
スポーツと町づくりをコラボさせていきたい。ウォーキングコースやサイクリングコースを整備することで、スポーツ実施率を高め、健康づくりを促進し、観光にもつながる。時には、住民の仲間づくりにもつながる。
○意見(委員)
「支える」スポーツを考えるとスポーツボランティアが普及してきている。しかし、スポーツイベントなどのニーズについての情報が少なく、リピートできないのが実態である。ボランティアバンクの設立など組織化していくことが重要である。
○意見(委員)
スポーツ選手に多い酸蝕歯についての紹介。
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