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第8回(第112回)京都府スポーツ推進審議会の議事要旨

1 開催日時

 平成27年3月20日(金曜日)午後3時から同4時30分まで

2 場所

 ルビノ京都堀川「平安」の間

3 出席者

出席委員

 武田暹会長、水野加余子副会長、平田健一郎、渡邉孝、藤井博志、鈴木勉、藤田信之、岩﨑万喜子、木村祐子、河合美香、堀忠雄、西野正博、福林文孝、坂本修司 各委員

事務局

 永野指導部長、角井保健体育課長 他事務局員14名

欠席委員

 井尻利守、荒賀知子、小島則子、森洋一、梅田陽子、松永敬子 各委員

4 内容

(1)開会

 武田暹会長 挨拶

(2)報告事項

 ア.平成27年度全国高等学校総合体育大会(京都府開催種目)について
 イ.「京の子どもダイヤモンドプロジェクト」について
 ウ.京都府民総合体育大会について
 エ.「京アスナビ」(仮称)について
 オ.その他

(3)協議事項

 ア.「京都府スポーツ推進計画」の具現化について
  (ア)「遊びガイドブック」の作成について
  (イ)ジュニアアスリートの強化策について
 イ.その他

(4)閉会

 永野指導部長挨拶

審議(協議事項)内容(結果及び主な意見)

1 報告事項について(内容の要旨)

 ○事務局説明
 「京都府スポーツ推進計画」の策定に向けて、本審議会並びに「京都府におけるスポーツ推進の在り方検討小委員会」において協議いただき、昨年3月11日に当計画を策定することができた。この場を借りてお礼申し上げたい。 報告事項において今年度の京都府競技力向上対策本部事業について、また平成27年度に近畿ブロックで行われる全国インターハイについて担当から報告させていただく。

(1)平成26年度京都府競技力向上対策本部事業について

 ○事務局説明
 10月12日から22日までの11日間、長崎県諫早市において「長崎がんばらんば国体」が実施される。
 2020年東京オリパラの開催が決定し、アスリートを計画的に発掘・育成・強化することの重要性がより一層高まっている。
 平成27年度の全国高校総体は、「風になれ 今青春が走りだす」をスローガンに、和歌山県を幹事県として近畿ブロックで開催され、チラシ掲載のとおり府内各地で6競技が開催される。
競技種目と開催地の関係においては、63年京都国体において競技が開催された地域で、今なお地域のスポーツとして根付き、地域に支えられている種目となっている。
本大会の誘致においては、舞鶴市においては市体育館の空調を設置いただき、京丹波町ではみずほホッケー場を全面改修いただくなど、施設も整備していただいた。是非とも、本大会開催を契機に、競技力の向上と併せて、地域でのスポーツ熱がさらに熱くなることを期待している。

(2)「京の子どもダイヤモンドプロジェクト」について

 ○事務局説明
 11月1日・2日に初めて南北2会場において、新たにカヌー競技を加えた3種目でオーディションを実施した。南部会場106名、北部会場17名の合計123名の小学3年生が参加した。 12月13日に1次選考合格の60名で2次オーディションを実施。各種目男女各2名の4名とし、合計12名の第4期生を決定。
今年度も競技力に関わる専門プログラムのみならず、関係機関との連携、協働により、様々なプログラムを実施した。特に今年度から、府医師会に協力いただき、発達段階における医学的視点からリサーチプログラムを実施した。
目先の競技実績を追求しないとしながらも、着実に成果も見られ、10月には、フェンシングの女子が全国大会で優勝し、3月には日本代表としてドイツの大会に遠征する。バドミントン男子でも近畿で個人優勝するなど活躍が見られる。また、今年度で3年が経過し、一期生が中学に進学することから、新しいステージでの育成環境の整備を検討するとともに、これらのプログラムをロールモデルとして他競技への普及、啓発に努めてまいりたい。

(3)京都府民総合体育大会について

 ○事務局説明
 2021年の「関西ワールドマスターズゲームズ」に向けた機運の醸成を図るとともに、中高年の健康増進はもとより、スポーツを楽しみ交流する機会の拡大を目的として、マスターズ部門を設置し、試行実施した。 11競技において約2,000名に参加いただいた。次年度は13競技において実施予定とし、更なる参加者の拡大に努める。また、10月26日に福知山三段池公園において各種のスポーツイベントと併せて府民総体オープニングフェスティバルを実施し、2ページ掲載のとおり、同日に太陽が丘においてグルメリレーマラソン(約2,800名)やプロスポーツ交流会を開催し、府全域での取組となるようにした。今後も、スポーツと食、さらには文化・観光とのコラボ、企業との協働を視野に府民総体の拡充に向けて取り組みたい。

(4)「京アスナビ」(仮称)について

 ○事務局説明
 新規事業の「京都とアスをつなぐ応援サポート事業」と併せて「京アスナビ」について説明。本事業を実施するに至った経過について、簡単に説明する。
京都府では国体での総合成績8位以内入賞を目指し、府をあげて競技力向上に取り組んでいるが、今年度の第69回長崎がんばらんば国体では、前回を上回る得点を獲得しながらも12位となり、前回の11位に続き、初の二年連続二桁順位となった。(参考資料18頁参照)この結果を真摯に受け止め、本府競技力の現状を分析した。
 ジュニア層においては、育成・強化に高い実績と成果が見られ、概ね8位入賞圏内にある。
一方で成年層、特に成年女子に著しい競技力の低下が見られるなど、成年層の立て直しが急務である。具体的には、本府で育った有望なジュニア選手は、進学等で関東を中心に他県に移動すること、併せて府内企業においては経営状況等からスポーツ部門から撤退される傾向が見られ、企業スポーツが衰退していることなどが現状。そこで、一昨年来、京都アスリートクラブ構想として御協議いただいた内容を、より実態に応じた効果的な施策とするため、「京とアスをつなぐ応援サポート事業」において成年選手の獲得と府内企業を支援することとした。
関連資料5頁の下の図のとおり、「京アスナビ」は、高校・大学を卒業した後、京都府内で就職し生活基盤を安定させながら、一定の競技水準を維持し、更なる活躍を目指すアスリートと、この主旨を理解いただいた府内企業とのマッチングシステムである。
具体的には、大学や関係機関等との連携を図りながら、競技志向のある大学生とスポーツや人材育成に理解ある企業に登録いただき、説明会やお見合い会等を実施する。
雇用関係が成立した場合、活動経費を継続的に支援し、トップアスリートが府内企業に就職し、競技を継続するシステムを構築したい。なお、6頁に27年度に向けたスケジュール案を掲載している。

(5) その他について

 ○事務局説明
 「京都府スポーツ施設整備予算の推移」(別添資料参照)について説明する。
「文化環境部」から「文化スポーツ部」と名称変更となり、部名称に「スポーツ」が入るのは、全国で4つ目である。丹波自然公園においては、陸上競技場を2種公認に向け整備をする。西京極陸上競技場においては、大型映像装置・新メインゲートの設置、メインスタンド観覧席屋根実施設計を行い、福知山三段池テニスコート砂入り人工芝化を支援する予定。

2 協議事項について(内容の要旨)

(1)「京都府スポーツ推進計画」の具現化について

 議事関連資料に基づき、事務局が説明を行い、その後各分野ごとに質疑応答及び協議を行った。

 

「遊びガイドブック」の説明について

 ○事務局説明
 当計画は今後10年にわたる本府のスポーツ推進の目標とその達成に向けた方策をお示ししたもので、5年後を目処に計画に基づく施策の実施状況や成果、具体的目標の達成状況等を検証し、見直しを行う予定にしている。

 ○事務局説明
 議事関連資料6ページの具現化スケジュールは、本推進計画の4本の柱を縦軸として4段に分け、5年後の中間年改定までの進行予定を時間軸として横軸にした表となっている。各分野の目標項目に合わせ、具体的施策を矢印で示し、矢印の両端は、おおよその施策開始時期と目標達成時期を表している。
経過及び今後の予定について説明する。
今年度は、3年計画の1年目として、ガイドブックの骨子、内容等の全体像の原案を作成する年度と位置付けている。
平成27年度は、検討委員会を設置して、内容の検討と絞り込みを予定し、平成28年度完成を予定している。
平成29年度からの教育現場等での活用と啓発に取り組む。「素案」が関連資料7頁に掲載しており、以下の4つの柱で検討を進めている。
  
 ①基本的な動作に分類して紹介
 ②固定遊具等の活用
 ③伝承遊びを活用する等、親子で行う遊びを紹介
 ④生活場面の利用 以上の4本柱をもとに、現在90種類以上の遊びの内容が考案されている。

 「①の基本的な動作に分類して紹介」の中では、「走ったり跳んだりする運動遊び」などを「遊びカード」として、視覚的に表現し、遊び内容がイメージしやすいような工夫している。(配布資料2頁参照)

 ○質問(委員)
 ガイドブック作成の1年目である平成26年度基礎研究の概要を教えて欲しい。

 ○回答(事務局)
 府内小学校の低学年の動きを研究し、幼稚園での遊びの要素を取り出し、90種類の動きに分類した。

 ○意見(委員)
 長岡京市の総合型地域スポーツクラブでは、伝承遊びをしてきた。コマ回しや羽根つきが定着してきている。段や級を設定し、認定書を渡したり、コマ名人を招いたりする中、興味を持たせる工夫をしている。

 ○意見(委員)
 自分の子ども時代を思い出すと田んぼで走ったり、土をこねて団子を作ったり、投げたりして遊んだ記憶がある。今は、遊び場がなく、場所を探すところからのスタートとなる。公園では、お年寄りがグラウンドゴルフをしており、子どもたちは追い出されている。また、危険ということを理由に保護者が子どもを守ってしまう。なかなか難しい。

 ○意見(委員)
 食育を指導しているが、食育においても幼児期の指導が重要であるのと同様、運動についてもこの時期の指導が重要であると考える。3歳以降遊びの動きや食べることの大切さを教える必要がある。食育の視点も是非加味した内容にして欲しい。

 ○意見(委員)
 京都市内では、公園でのボール投げが禁止の状況があるように、公園が狭い。場所と時間の確保が必要である。

 ○意見(委員)
 羽根つきの羽根の固い部分が危険という指摘が親からあった。大変違和感を感じる。ルールを無視した状況であれば、どのような活動も危険であると考える。そのような観点も含め検討いただきたい。

 ○意見(委員)
 中学校では、運動をする者しない者が二極化している。特に女子の運動離れは顕著である。また、速く走ることはできても、ボールが蹴ることが苦手であったり、サッカーはうまいが、ボールが投げられないというように、バランスが悪い者も多い。幼少期から外遊びができていないことが原因と考える。

 ○意見(委員)
 幼い時から遊びを通じて、様々なからだの動かし方を習得させるべきだが、親が危険であるとし、止めている場面がある。

 ○意見(委員)
 現在の子どもたちは、楽しいことをするというように、頭が優先して、行動している。山村留学のように、自然環境とコミュニケーションを取る中で、からだを動かすことが楽しいと感じるように、自然に子どもを誘導することも重要である。

 ○質問(委員)
 現在の子どもは、コンピュターゲームのような室内で楽しむことが多いと思うが、スマートホンやタブレット端末から離すような踏み込んだ内容になっているのか。

 ○回答(事務局)
 御意見をしっかり受け止め、スマートホン等から離す仕組み等を検討したい。

 ○質問(委員)
 就学前の子どもへの指導が重要なことはよくわかるが、幼稚園は教育委員会の管轄であるが保育所の子どもたちへの指導は誰がするのか。またガイドブックの活用はどのようなことを考えているのか。

 ○回答(事務局)
 所管の違いで、保育所には関わりにくいが、様々な研修会において、研修ができるよう呼びかけたいと考える。また、DVDにして配布する等も検討している。

「ジュニアアスリートの強化策」について

 ○説明(事務局)
 ジュニアアスリートの強化策について、関連資料8頁を基に御説明させていただく。
 「2020年東京でオリンピック・パラリンピック」開催を見据え、メダリスト候補となるジュニア選手の養成などを重点項目に掲げ、京都府のジュニア層選手のオリンピック等国際大会でのメダル獲得を実現させ、府民に元気と子どもたちに夢を与えるスポーツ振興に努めたいと考えている。平成27年度の京都府競技力向上対策本部の予算において、東京五輪等国際大会で活躍できる有望な選手の育成について600万円の予算を計上している。
 「未来のメダリスト創生事業費」の概要を説明する。
参考資料10頁の京都府競技力向上対策本部の事業一覧を御確認いただきたい。対策本部は63年京都国体を契機に府民スポーツの一層の振興と、青少年を中心に幅広い層の競技力の向上を進める目的で設置された。
3つの大きな柱があり、その基盤となるジュニア選手育成強化事業について、国体競技40競技団体のほぼ全競技において、育成強化事業をこれまで進めてきた。これまで培ってきた、それぞれの競技の蓄積プログラムを有効活用しながら、選手強化事業により国体に向けて選手を強化する中で、国体少年種別の年代である14歳から18歳の年代で、将来オリンピックでの活躍が期待できる未来のメダリスト候補を競技団体の推薦に基づいて10名程度選出し、対策本部が指定する。
選ばれた選手に対する支援の内容は、学習プログラムとしてJOC講習会等へ派遣に係る費用の補助や、競技者が強化のために実施する定期プログラムとしてのトレーニング指導・医科学サポート等に擁する経費の支援である。
また、国内や海外から招聘したトップコーチ等による指導や交流、海外遠征や国内遠征に対する経費の補助も行う。さらに、強化支援対象が、中高生年代であることから、医科学・サポートについては保護者も支援対象とし、助言が必要な場合は、日常の指導者についても支援の対象としている。このような事業を通じて、JOCの強化指定選手に京都から一人でも多く送り出したい。また、オリンピックの開催を契機として、京都府のスポーツ振興を一層進めるため、国際大会誘致等、トップレベルの競技に触れる機会を作り、競技スポーツを支える気運の醸成を図る取組も京都府で進められている。本日は、この事業にこだわらず、世界に羽ばたくジュニア選手育成に必要なことを以下の4観点から御協議いただきたい。

 ①蓄積プログラムに関わって
 ②海外遠征・国内遠征に関わって
 ③医科学サポートに関わって
 ④国際大会誘致等気運を高める方策に関わって


 ○質問(委員)
 10人程度の候補者を指定するということだが、40競技団体から選抜するのか。種目によってメダルへの状況が異なる。競技人口の少ない競技でメダルに近いものがある。そのような種目について、どう考えているのか教えて欲しい。

 ○回答(事務局)
 40競技は国体種目ということであるが、オリンピック種目でないものもある。また、オリンピック種目でありながら、国体種目でない競技もある。世界で活躍できる可能性の高い種目で、個人競技種目を中心に競技団体と協議しながら指定をしていきたい。

 ○意見(委員)
 既存のプログラムである高等学校等運動部支援において指定を受けている選手は着実に力をつけている。中学校において力をつけた者が高校で継続していない現状が残念である。中学校と高等学校の連携が課題である。また、自分の育てた選手を最後まで指導したい気持ちから、外に出したがらずに、自分の手元に置いておきたい指導者がいることも課題である。

 ○意見(委員)
 小学校から強化しすぎて、中学校で競技を続けない者がいる。同様に中学校で高い競技実績をあげたものが高校で競技をしない者がいる。燃え尽かせずに、継続させることも重要である。また、好成績を残す種目では、指導者同士の連携がとれていることから、指導者の連携が重要であり、課題としてトップクラスの選手が他府県へ流出することがあげられる。

 ○意見(委員)
 中学校チャンピオンが高校チャンピオンになっていない。高校チャンピオンが大学や実業団で伸びていない。子どもの将来を考えて指導をしているかどうか、指導者側に大きな問題がある。学校セクトの指導をはずし、学校の枠を越えた指導が必要である。強くなっているが、もっとやりたいという気持ちにさせる育て方が重要である。

 ○意見(委員)
 現在テニスブームであるが、テニスにおいては、ジュニア育成に向けたファンドがあり、年間3人がアメリカに留学し、10年で150人のジュニアが渡米しているが、錦織選手を含め成功しているのは3人程度。成功した錦織は、マイケルチャンコーチがクローズアップされるが、現状はプロモーターがきっちり管理しており、15歳の時から長いスパンで別の一人のコーチが将来を見据えて指導している。よいコーチに指導してもらうことが重要である。

 ○意見(委員)
 国際大会を誘致し、競技スポーツを支える気運の醸成を図る取り組みについて説明されていたが、和束町においても、昨年マウンテンバイクの公認コースを設置した。オリンピック種目にもなっており、是非、選手の発掘、育成を視野に入れた取り組みをお願いしたい。中学、高校においてクラブができると嬉しい。

 ○意見(委員)
 未来のメダリスト創生事業は、将来を見据えた事業であると思うが、制度を作ったから成果が出るとは限らない。実際強化する場合には、指導者の問題等もあり、現状を踏まえ十分議論する必要があると思う。   

 ○意見(委員)
 先日、国際大会に出場している選手の歯科治療をした。歯の管理は選手本人に任されており、薬がドーピングにかからないかの問い合わせがあった。アスリートの中には虫歯の選手が多い。管理体制の構築が必要である。

 ○意見(委員)
 中学校でも朝練をするが、中学生がきちんと朝食をとっているか気になる。高校生は学生食堂等があるが、中学校では、授業の合間に物を食べられない。燃えつき症候群の原因と関係はないか等の検証をして欲しい。

 ○意見(委員)
 「京アスナビ」と「未来のメダリスト創生事業」との関連性をしっかりと作ってもらいたい。

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