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平成26年7月23日(水曜日)午後3時から同4時30分まで
ルビノ京都堀川「平安」の間
武田暹会長、水野加余子副会長、井尻利守、平田健一郎、藤井博志、河合美香、荒賀知子、森洋一、梅田陽子、木村祐子、松永敬子、藤田信之、岩﨑万喜子、西野正博、福林文孝、坂本修司 各委員
永野指導部長、角井保健体育課長 他事務局14名
渡邉孝、小島則子、鈴木勉、各委員
武田暹会長挨拶
ア.平成26年度京都府競技力向上対策本部事業について(長崎がんばらんば国体、タレント発掘育成について)
イ.平成27年度全国高校総合体育大会(京都府開催種目)について
ア.「京都府スポーツ推進計画」の具現化について
(ア)具現化に向けた計画についてイ.その他
永野指導部長挨拶
○事務局説明
「京都府スポーツ推進計画」の策定に向けて、本審議会並びに「京都府におけるスポーツ推進の在り方検討小委員会」において協議いただき、本年3月11日に当計画を策定することができた。この場を借りてお礼申し上げたい。
報告事項において今年度の京都府競技力向上対策本部事業について、また平成27年度に近畿ブロックで行われる全国インターハイについて担当から報告させていただく。
○事務局説明
10月12日から22日までの11日間、長崎県諫早市において「長崎がんばらんば国体2014」が実施される。
昨年、東京オリンピック・パラリンピック2020の開催が決定し、アスリートを計画的に発掘・育成・強化することの重要性がより一層高まっている。
日本体育協会では、東京オリンピック・パラリンピック大会に向けて、国民体育大会における「少年種別(ジュニア世代)の充実」、「女子種別の充実」を中心としたアスリートの発掘・育成・強化を促進するため、実行計画を策定した。
具体的な動きとしては、オリンピック・パラリンピックの実施競技・種目で国体において未実施の競技・種目・種別のうち、当該中央競技団体に対する調査やヒアリングの結果を踏まえた上で、競技・種目・種別を選定し、各大会の開催県及び会場地市町村との調整が整ったものをイベント事業として実施することとしている。
さらに、イベント事業として実施した競技・種目・種別のうち、一県あたりの登録競技者数が規定を上回ることや、その都道府県数など、正式競技(種目・種別)への導入条件を充たし、調整が整ったものを正式競技(種目・種別)として実施こととしている。
今年度の長崎国体では、公開競技としてトライアスロンが行われ、平成28年度の第71回岩手国体では正式競技として実施されることが決まっている。
資料3ページの表の左に国体未実施オリンピック10競技を掲載しており、トライアスロンを除く、9競技について、今後3段階で正式種目及びイベント事業として導入されることとなっている。このような国体の新規競技の導入に対して京都府としても、新たな競技力向上方策に努める必要がある。
つづいて、タレント発掘・育成事業について報告させていただく。
本事業は、ジュニア選手の発掘・育成の事業であるが、今までフェンシングとバドミントン競技で実施していたが、本年度からは、府北部の久美浜湾を拠点にカヌー競技を加え事業展開を図る予定である。
○事務局説明
来年度、和歌山県を幹事県として大会愛称「2015 君が創る 近畿総体」が開催され、本府では資料5ページのとおり6競技7種目を担当する。
カヌー開催地の京丹後市では、地元の小・中・高校が連携して選手強化をし、大会運営に向けても、町をあげて準備されている。レスリング開催の舞鶴市では、町をあげて取組み、平成27年度に女子ジュニアの全国大会であるジュニアクイーンズカップの大会誘致も決定している。ホッケー開催の京丹波町では、グリーンランドみずほホッケー場を全面改修して、「ホッケーの町」として再構築を計画されており、バドミントン、バスケットボール、水泳競技においても、大会成功に向けて、関係機関等との連携協力を図っている。
まさに、「京都府スポーツ推進計画」のサブタイトルにある「スポーツは、良き方向へと導く力」を実感できるインターハイとなるよう、しっかりと準備を進めていく。
○事務局説明
資料1ページのとおり、専用球技場整備費として、1億円を計上した。具体的には、スタジアム本体の環境保全等に配慮し、規模や配置、外観、また諸室やにぎわい施設の機能・規模、概算事業費や費用対効果などを明らかにするための基本設計を行う。
資料2ページのとおり、スポーツ国際大会等誘致に向け100万円を計上しており、東京五輪、パラリンピックの開催、マスターズ大会の開催を受け、試合や合宿地の誘致推進本部の運営等、今後市町村、競技団体等と連携し進める。
資料3ページのとおり、島津アリーナ京都(府立体育館)の使用料の改正を行った。使用時間区分を細分化し、冷暖房料金を引き下げ、広告料金等の料金設定を行った。また、トレーニング場を午前9時から午後9時のいつでも利用可能とした。
議事関連資料に基づき、事務局が説明を行い、その後各分野ごとに質疑応答及び協議を行った。
○事務局
当計画は今後10年にわたる本府のスポーツ推進の目標と目標達成にむけた方策をお示ししたもので、5年後を目処に計画に基づく施策の実施状況や成果、具体的目標の達成状況等を検証し、見直しを行う予定にしている。
議事関連資料6ページの具現化スケジュールは、本推進計画の4本の柱を縦軸として4段に分け、5年後の中間年改定までの進行予定を時間軸として横軸にした表となっている。各分野の目標項目に合わせ、具体的施策を矢印で示し、矢印の両端は、おおよその施策開始時期と目標達成時期を表している。
スマートスポーツについては「総合型地域SCと学校との連携」「スポーツイベントの充実」「障害者スポーツの普及・啓発」を前半の3年間で施策展開したいと考えている。特に、スポーツイベントについては、具体的に後ほど御説明するので協議いただきたい。
次のエンジョイスポーツでは、昨年度、体罰が重大な問題になり、府教委では指導者研修会を実施したが、更なる指導者の養成研修が喫緊の課題である。また審議会で御意見を頂いた就学前の子どもたちへ体を動かすことを好きにさせる「遊びガイドブック」の作成等の取組については、具体的に後ほど説明するので協議いただきたい。
また、チャレンジスポーツでは、2020オリンピック・パラリンピック等において活躍が期待される年代のアスリートの発掘と育成が重要である。報告事項でも説明したダイヤモンドプロジェクトの充実と普及について、後ほど具体的に説明するので、協議いただきたい。さらに、京都ゆかりの選手の国際舞台での活躍を目標にあげていることから、地域・企業・大学等が核となるトップアスリート支援体制の確立についても、前半3年間を目処にシステムの構築を考えている。後ほど御説明の後協議いただきたい。
スポーツ拠点整備では、府の方で予算立ていただいており、専用球技場の建設や、施設・設備の計画的整備が今後、進められていく予定。
計画の具現化に向けた全体スケジュールを説明させていただいたが、具現化にあたり、大切にすべき視点やアドバイス等、御意見をいただきたい。
○説明(事務局)
スポーツイベントの充実については、議事関連資料の7ページのように府民総体を中心とした施策展開を考えている。
昨年度、食と遊びを融合したスポーツイベントとして民間企業と連携し、エイドステーションに京都のご当地グルメを準備したリレー形式のマラソンを実施した。
今年度は、健康分野やレクリエーション分野のブースを設置するとともに、障害者スポーツのプログラムも組み込む予定にしている。併せて、50歳以上を参加対象としたマスターズ大会も、来年度の正式開催に向け試行として11競技において実施する予定。
さらに、来年度以降には、マスターズ大会と平行し、府スポーツ推進委員連絡協議会等と連携し高齢者を対象とした新体力テストを実施するとともに、京都府医師会に協力を依頼し、事前の健康チェックをはじめ、骨密度測定や血管年齢測定等の健康分野に関するイベントも積極的に導入したいと考えている。
○意見(委員)
マスターズ大会の導入は、すでに試行に入っているとのことであるが、健康面でのチェックが必要。安全な大会運営に向け、医師会としても早めに対応が必要と考える。
また、障害者スポーツの普及は、難しいのではないか。どのような方策を考えているのか。
○回答(事務局)
今年度は試行大会で大きな広報はしていない。高齢者への事前チェック等、医師会に御相談にあがりたい。
障害者スポーツについては、現在卓球バレーを実施しているように、障害のある人とない人との交流できるゴールボールの体験コーナー等のイベントを考えている。
また、パラリンピックも視野に入れ、競技団体、関係団体と連携しながら、障害者スポーツの普及・発展と障害者トップアスリートの育成の2分野を研究しながら進めなければならない。
○質問(委員)
障害者のトップアスリートと一般的なスポーツとを分けて考えるのか。一般の方は、健常者と一緒に楽しめるように考えて欲しい。
○回答(事務局)
障害者のトップアスリートと言っても、国内では障害者国体があるが、選抜されたトップの選手が出ているとは限らず、パラリンピックのレベルには達していない。
また、障害者の方がスポーツに親しむ機会が少ないことも現状である。スポーツの普及、サポートする方がいないなど課題が多い。今後裾野を広げることが課題である。
○意見(委員)
健康寿命を延ばすための方策として、「高齢者もたんぱく質を摂る方が良い。」「肉を食べた方が良い。」との論もあるが、肉を食べるという事は、歯科の重要性がクローズアップされる。
スポーツの分野に歯科が入ってきたのは最近だが、子どもも歯がしっかりしていなければならないので、健康分野のみならず、スポーツの面で歯科としてサポートできれば良いと考える。
○意見(委員)
協議事項関連資料7ページには、平成28年度から医師会への協力依頼とあるが、早めの段階から体力の確認、血圧測定などリスク対応に取組むのが良いのではないか。
○回答(事務局)
御意見を参考に早期に連携し、条件整備をしたい。
○意見(委員)
スマートスポーツだけでなく、障害者スポーツやマスターズスポーツ等、新たに支える人の養成がクローズアップされてきている。資料に文言として見当たらないので、スポーツボ ランティア等支える方々へのアプローチや早目の施策対応が必要ではないか。
○回答(事務局)
スポーツボランティアの養成を視野に入れ、中高生などのキャリア教育等に取り組みたい。
スポーツボランティア等の「支えるスポーツ」について追記し、改善をしたい。
○意見(委員)
様々な場面で、大学の学生ボランティアがいる。学生のスポーツボランティアを導入し、裾野を広げるようなアプローチも検討いただきたい。
○意見(委員)
議事関連資料7ページにスポーツ推進委員との協働が記されている。スポーツ推進委員は、教えるのではなく、共に学んで行くことが大切であると考えている。スポーツを通じて交流を深め、一緒に楽しむという位置づけとして行っていきたい。
○説明(事務局)
平成28年度末に、就学前の5~6歳児を対象とした「遊びのガイドブック」の作成、と配付を目指している。
今年度は、作成に向けた「基礎研究の実施時期」と位置付けており、4月から府内小学校教員1名が京都教育大学に長期研修生として派遣されており、基礎研究として、幼少期に必要な遊びや動きの研究を進めている。一方で、検討会(ワーキングチーム)設置に向けた準備を開始する予定をしている。また、府内の幼稚園から、様々な遊びの内容を試行する「協力園」の依頼も予定している。
平成27年度は、「遊び内容の原案作成時期」と位置付けている。検討会(ワーキングチーム)を設置し、年3~4回程度の会議で、協力園からのデータ収集・分析をしながら、遊び内容の原案を作成する予定である。
平成28年度は、「遊びガイドブックの作成時期」と位置付けている。検討会(ワーキングチーム)において、遊び内容、活用方法等を検討・決定し、年度末には科学的根拠に基づく「遊びのガイドブック」を作成し、平成29年度からの教育現場等での活用と啓発に取り組む予定。
昨年度の審議会で有名な選手に来ていただき、憧れを抱く取組みについて報告した。今年度は、土曜活用等もあり回数を増やしたいが、予算上のこともあり、地域のスポーツ推進委員と協力を得て今年度5回体操教室を実施した。その中で、「子どもたちの調整力が弱い。」「幼少期遊びが足らない。」と指摘を受けた。現在の子どもの遊びを見ると、サッカー、ドッジボール、バスケット等競技スポーツになり、遊びが無い。昔は「子どもは遊びの天才」というが、昨今は遊んでいない。このようなガイドブックがあると、調整力の向上に関する指導にもつながり賛成である。
○意見(委員)
運動と食欲の関係は、運動をして、食欲が沸き、体力がつき、発育するというサイクルである。
子どもの発育、発達を考えると、「遊び」と「食事」のバランスが重要。
○意見(委員)
保護者の方々には「運動をしましょう。」だけでは、わからないと思う。運動指針のような具体的な内容を示し、保護者への教育が必要である。幼い頃から「野球だけでよいか。」「サッカーだけでよいのか。」「アンバランスな成長に繋がらないか。」といった問いかけをしながら「いろいろな運動やスポーツを経験する中で、バランスよく成長し、調整力が養われる。」ということを理解してもらうことが重要。
○説明(事務局)
高校・大学を卒業した後、京都府内で職に就き、生活基盤を安定させながら、一定の競技水準を維持し、競技力の向上を目指すアスリートの効果的な支援をすすめることを目標としている。この主旨を理解いただいた企業とアスリートのマッチングができる登録制度のようなスキームとしてのアスリートクラブを作り出したいと検討している。
具体的には、JOCのトップアスリート就職支援ナビゲーション(アスナビ)の京都版を考えている。
資料9ページH28年度以降の図にお示ししたとおり、競技スポーツへの理解と支援の意向をもたれる企業、具体的には、練習時間の確保のための勤務形態等への配慮や、練習環境の保障等の支援など、強化活動に理解ある企業に登録いただく。また、国内の主要大会での活躍、世界大会出場等が見込めるアスリートで、引退後は所属する企業への貢献の強い意志があるなどセカンドキャリアへの高い意識を有する競技者が登録いただく。アスリートの登録については一定の審査基準を設ける。
そして、その企業からの練習環境や条件などを提示いただき、アスリートは、強化活動に対する思い、自己アピールを行いながら、双方の意向が合致し、利得を共に享受する関係の中で契約を行うスキームつくりを考えている。
さらに、府民の関心という点では、世界大会等、国際舞台で実績のあるより高いレベルのアスリートがクラブに登録し、企業がスポンサー契約を結び、広告塔としての役割も期待できる状況も生まれてくれば、さらによいと考えている。
構想として、今年度から競技団体、企業、大学に説明、状況やニーズを把握し、今年度後半から来年度にむけて、クラブの構成団体となる企業、大学に対しての働きかけをする予定。また、アスリートの入会基準等の検討をすすめるとともに、設立の準備を進めながら、平成28年度にクラブの設立につなげたいと考えている。
○意見(委員)
クラブを作って、支援するということか。
クラブを作らなくても、選手と企業を結びつけることはできるのではないか。
○回答(事務局)
現在は、仲介する仕組みを作るという認識でいる。
○意見(委員)
今、京都にいる選手たちに仲介するだけでよいのではないか。行政が選手を雇用してくれる企業を開拓するだけでも意味のあることだ。今はそれが全くされていない状況にある。選手を京都から他府県に出さないためには、まず受け入れ先を探す等の改革をしていただくことが先だと思う。京都国体ではあったが、それ以降できていない。
○回答(事務局)
委員が言われている形の登録バンクであり、同じ仕組みであると考えている。京都で大学後も引き続き活動したい学生と企業を結び付ける、スポーツ版のジョブパーク、アスリートクラブという名の登録バンクのイメージである。
○意見(委員)
貴重な提案である。受け入れ先が無いために競技をあきらめる者にとっては嬉しいが、専門のスタッフや指導はどこでやるのか。個々に企業から給料をもらい、クラブに所属し、クラブに指導料を支払うといった仕組みはあるが、今回の提案は、企業所属かクラブ所属か、どのようなイメージでいるのか。
○回答(事務局)
指摘いただいた点は、次の展開として考えている。まずは学生と企業の出会いを作り出す動きを始めたい。この結びつきができた後、府の競技団体としても次の段階として選手のサポートとして展開していきたい。
○意見(委員)
競技者として終わった後、どのようになるのか。引退後、企業に入り、スポーツとの携わりが無くなるのは残念。トップアスリートとして、折角人生をかけてやってきたアスリートにはその競技に何らかの形で関わりが持てる仕組みはできないか。
例えば、現役中に日本体育協会の指導者資格を取っていただく等、指導者育成の視点も大切。
また、現在アスリートには、良いスポーツトレーナーや医療関係者の情報が少ない。是非、この組織から、スポーツに特化した良い情報の提供やマッチングしてもらうことができればさらに良いと考える。
○意見(委員)
アスリートクラブのネーミングが、国が進めている拠点クラブの説明の中で誤解を招く可能性がある。
先ほどの委員の意見は重要であり、他府県においては、トップアスリートと総合型地域スポーツクラブとの協働事業や連携事業がある。是非、引退した選手が地域に根付いて指導者として貢献できる システムとなって欲しい。
「学生の街京都」の課題に沿った提案であり、今日の意見を参考に新たな仕組みを作れるとよい。
○回答(事務局)
貴重な御意見として、検討させていただく。
○説明(事務局)
今年度で3年目となり、小学4~6年生25名が取り組んでいる。第1期生が来年度は、中学校へ進学することとなり、学校生活等の変化や、部活動との関係の整理などの対応も必要となる。進学後は、各学校、中学校体育連盟に育成・強化活動について御理解いただき、地域スポーツクラブとの連携を進めより効果的な育成強化を図りたい。
また、フェンシングとバドミントン競技に特化して進めてきたが、実施地域と種目の拡大を図るため、カヌー競技を新規に組み入れ、京都府北部地域において事業の展開を準備している。
来年度には、これまでの育成プログラムの検証を総合的に行い、28年度には、国体40競技団体でプログラムの共有化を図り、これまで培われてきた各競技団体のジュニア育成の手法との融合を図る中で育成方策の相乗効果を狙い、プロジェクトの強化を図る。
○意見(委員)
中体連には、フェンシング、カヌー専門部がないので大会運営等の支援は難しい。サッカーなど地域スポーツが盛んになり、現状として、競技力の高い選手が学校体育だけではなく、地域ス ポーツから輩出されている。今後は、各スポーツ団体が行っている大会に参加しやすい環境づくりを支援したい。
スポーツ種目には成熟期が違い、バーンアウトさせない指導も考える必要がある。単一種目に絞らずに、学校体育では陸上部、地域でカヌーなどを経験することも重要である。加えて、週1回の休息を指導しながら、スポーツを嫌いにさせないよう、特に女子の運動部離れの防止を考えている。
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