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第22回京都府スポーツ推進審議会の議事要旨

 

1日時

令和4年3月11日(金曜日)午後3時から同4時30分まで

WEB会議

2出席者

(出席委員)

松井道宣、北村泰子、吉田享司、水野加余子、坂野晴男、河合美香、木村祐子、中西純司、藤林真美、松永敬子、小林千紗、池本敬博、結城正典、竹吉美公、石田洋也、植村智豪16名

(欠席委員)

久保典明、森淳、村上昌司、堀忠雄4名

(事務局)

吉村指導部長、柏木保健体育課長他事務局15名

3内容

 

【審議内容(結果及び主な意見)】議長:松井会長

(1)開会

(2)あいさつ(会長)

(3)報告事項

今年度の事業報告について

(4)協議事項

「第2期京都府スポーツ推進計画(仮)」の策定に向けて

(5)閉会あいさつ(吉村指導部長)

報告事項「本年度の事業報告」

【説明(事務局)】

今年度も、新型コロナウイルス感染症の拡大で様々な社会活動に制限がかかった。スポーツの現場においてもその影響は大きかったが、これまで2年間の経験を生かし、十分な感染対策をしたうえで昨年度よりも多くの事業を実施することができた。

まず、京都府民総合体育大会について。昨年度、新型コロナの影響で多くの競技が中止となったが、今年度は市町村対抗競技において、昨年よりも多くの競技を実施することができた。しかし、2月13日開催予定だった、駅伝競走がオミクロン株まん延のため中止となり、5競技が中止となったため、規定により市町村対抗の総合順位を争わない形となった。また、亀岡で開催予定だった、オープニングフェスティバルについても、今年度も中止となった。これで2年連続で中止となったが、来年度は山城総合運動公園での開催を予定しており、コロナ禍においても実施可能な内容の検討を進める。また、今年度、府民総体のリニューアルについて検討し、来年度から参加資格を変更し、一部の競技においては中学生から参加可能となる。このことで、様々な世代の皆様がスポーツを通じて関わり、地域を活性化できるような大会を目指す。

次に、「オリンピック・パラリンピック教育推進事業」について。本事業は、オリンピック・パラリンピック教育を通じて、スポーツの力を実感させ、豊かなスポーツごころを育み、東京大会以降のスポーツと文化の融合に繋げることを目的としており、オリンピアン、パラリンピアンによる講演会、パラスポーツ体験会、高等学校等と特別支援学校とのスポーツ交流などを実施した。資料には「京とアスをつなぐ応援サポート事業」「京のメダリスト創生事業」「トップアスリート支援」の対象選手やチームの結果を載せている。東京オリンピックや北京オリンピックといった大舞台でも活躍した。

次に、「京の子どもダイヤモンドプロジェクト・京都きっず」について報告する。今年度も多くのきっずが活躍した。また、令和4年度からスタートする京都きっずの第2.期プロジェクトではフェンシング、ボート、スポーツクライミングの3種目で種目特化型として実施する。今年度実施したオーディションには、過去最多の210名の応募があった。HP等での効果的な広報の他、やはり東京オリパラの影響も大きかった。

次に、国民体育大会関係について報告する。今年度も三重国体が中止となり、2年続けて選手の活躍の場が失われた。しかし、直前まで実施された近畿ブロック大会において、過去5大会と比較しても1位通過種目が多く、特に下降傾向だった成年種別でも1位通過種目数が増加した。これまでのデータから推定すると、本国体では1,500点程度の獲得が見込めたと考えられ、男女総合成績8位以内入賞が可能であったと推定している。また、第77回大会のスタートである冬季大会の成績についても、アイスホッケーにおいて24年ぶりに4位入賞するなど躍進が続いており、これまでの強化策が着実に成果に表れている。

次に、東京オリパラや北京大会での京都ゆかりの選手の結果、その他国内外大会での競技結果について資料に記載している。特に国外において大会が少ない状況だったが、東京オリパラでは、メダルを獲得する選手も数多く誕生するなど活躍した。今後も、選手の強化・育成を各競技団体と協力・連携し、取り組んでいく。

最後に、高校・中学の全国大会の結果等についても記載している。

オミクロン株による第6波による感染者数は減少傾向になっているが、今後も十分な感染防止対策を実施しながら、来年度に向けて準備を進めていく。

 

【質疑応答】

特になし

協議事項「第2期京都府スポーツ推進計画(仮)の策定に向けて(京都府の進捗状況・国の第3期計画等)」

【説明(事務局)】

それでは、「第2期京都府スポーツ推進計画(仮)」の策定に向けて説明する。

京都府の次期計画に大きく関係する、国の第3期スポーツ基本計画が3月末に策定される。今回はその概要や、京都府の現計画の進捗状況、今後のスケジュール等について説明する。

まず始めに、国の現計画である「第2期スポーツ基本計画」の総括について。

現行の第2期スポーツ基本計画は、平成29年度から令和3年度までの5年間を対象期間として策定された。この期間中、社会全体に大きな影響を及ぼす変化があった。まず、「新型コロナウイルス感染症」の世界的な感染拡大。このことにより、日常生活に大きな制限が生まれ、様々なスポーツイベント、大会が中止となり、スポーツ活動の機会が喪失してしまう状況となった。

次に、東京2020オリンピック・パラリンピック大会の開催。コロナ禍において、1年間の延期後、原則無観客での開催となり開催に対しても様々な議論が生まれたが、トップアスリートの熱戦が多くの人々に届けられた。

そして、その他にも様々な社会状況の変化があった。人口減少傾向が顕著となり、スポーツに参画する者や担い手の不足など問題となっている。また、様々な技術革新が急速に広がるSociety5.0時代が到来し、こうした先端技術の活用も進められている。さらに、スポーツの力を活用したSDGsなどへの貢献等の取組も進展している。

第2期計画の総括についてだが、特に、大きな目標である「スポーツ参画人口の拡大」については、成人・障害者のスポーツ実施率は策定時と比較し上昇しているが、成人の週3回以上以外は設定した目標値には届いていない。目標達成に向け、スポーツの実施頻度が週1回に満たない層や、非実施層へのアプローチの必要性を訴えている。

その他にも、「活力があり絆の強い社会の実現」については、男女や障害の有無でのスポーツ実施率の差があることを踏まえ誰もが等しくスポーツを実施できる環境の構築、「国際競技力向上に向けた人材育成・環境整備」では、東京オリパラの結果が一過性のものにならないような施策の展開、「スポーツの価値の向上」では、これまで取り組んできたスポーツ関係者へのガバナンス強化を引き続き進めていく必要性などがあった。

今回、京都府においても、京都府スポーツ推進計画「中間年改定」の進捗状況を関係部局等に依頼し関連資料のとおり、調査を行った。

現計画は令和5年度までの計画となっており、残り約2年間残っているが、中間年改定で記載している、4つの柱、生涯スポーツ分野である「スマートスポーツ」、こどもスポーツ分野の「エンジョイスポーツ」、競技スポーツ分野の「チャレンジスポーツ」、施設充実分野の「夢未来スポーツ拠点整備」について、それぞれ進捗状況を説明する。

まず、スマートスポーツについては、「1.成人の週1回以上のスポーツ実施率を3人に2人(65%程度)に、週3回以上のスポーツ実施率を3人に1人(30%程度)以上にする」については、R2年度臨時調査において週1回以上48.5%、週3回以上21.5%と目標を達成することができていない。令和4年度に正式なスポーツ実態調査を行うので、その数値にも注目する必要がある。

「2.総合型クラブの登録・認証等の制度や中間支援組織を整備する」については、令和4年度から「登録・認証制度」が運用開始となり、その中心的な役割を「広域スポーツセンター(保健体育課・府スポーツ協会)」が担う。

各項目の進捗状況をグラフにした。スマートスポーツの分野においては他の分野と比較すると、「現状通り」「不十分・未実施」の割合が高くなっている。これは、新型コロナの影響によって、特にスポーツイベント等の中止が相次いだことも大きく影響している。

次に、エンジョイスポーツについては、「1.体力テスト値をピークであった昭和60年代の数値に近づける。」では、昭和60年代と比較可能な項目では、ほぼ全てにおいて下回っている。これまでも指摘されていた「運動時間の減少」「スクリーンタイムの増加」などが、コロナ禍での様々な制限によって拍車がかかり、全国的にも体力合計点が低下している。

「2.運動・スポーツをすることが好きな子どもの割合を増加させる」では、令和元年度は増加傾向だったが、令和3年度は減少に転じてしまっていることが分かる。ここにも、新型コロナの影響による様々な活動制限が運動意識の低下に繋がっている。

「3.学校の体育の授業以外で週1日以上運動・スポーツをしている子どもの割合を増加させる」では、大きな変化はなかったが、高校生において若干増加していることから、学校での活動が制限される中、自主的に練習や運動などに取り組んでいたのではないかと考えられる。

各項目の進捗状況については、全体として、現状通りの割合が高いが、新型コロナに対応した指導なども少しづつ浸透し始めている。当初は全ての活動を停止せざる終えない状況等も多かったが、既存の「運動遊びガイドブック」等、家庭でもできる運動方法の紹介や、有効活用を呼びかけるなど、コロナ禍だからこそニーズが高まっているものも生まれている。学校や地域での運動機会については依然として厳しい状況にあるが、感染防止対策と運動機会の両立など、アフターコロナに向け新しいスタイルでの実践を模索してく必要がある。

チャレンジスポーツでは、「1.京都府ゆかりの選手が、オリンピック・パラリンピックや世界選手権をはじめとする国際大会において、毎年メダルを獲得することを目指す」とし、京都府ゆかりの選手が、東京2020オリンピックでのメダル7個、パラリンピック3個と大いに活躍した。

「2.国民体育大会において、京都府選手団が男女総合成績常時入賞(8位以内)を果たす」では、令和元年度の茨城大会において、7年ぶりの男女総合8位に入賞した。また令和2・3年度は国体が中止となったが、令和3年度の近畿ブロック大会では、8位に入賞した令和元年度以上の成績を納めており、競技力向上が着実に進んでいる。

「3.公認スポーツ指導者を10年間で、1,000名の増員。年1回以上資質向上のため研修会を受講する」では、毎年着実に増加しているが8年間で530名の増加と、目標の1000名増加は達成できていない。

各項目の進捗状況については、トップアスリート等の競技力向上は、様々な競技他団体と連携しながらすすめており着実に進展している。また、今後に向けて、既存の指導者講習会や指導者育成システムをさらに充実させ、トップアスリートだけではなく、様々なレベルの指導ができる環境や人材を育成し、競技のすそ野を広げていくことも進めていきたい。

夢・未来スポーツ拠点整備については、「1.青少年の夢やあこがれとなり、府民が誇れる専用球技場「京都府立京都スタジアム」の整備」、「2.子どもの発達、健全育成をはじめ、冬季スポーツの競技力の向上や愛好者の裾野拡大につながる京都アイスアリーナの整備」は、すでに完成し運営を開始している。また「3.子どもから高齢者まで、障害の有無や程度に関係なく、誰もが使いやすく、競技スポーツと生涯スポーツ双方の府民ニーズを踏まえた府立運動公園等の整備」は、令和元年4月に、丹波自然運動公園内に車いす駅伝・マラソンコースの整備を行っている。

各項目の進捗状況では、施設面の整備は順調に進捗している。過日実施された、北京オリンピック・フィギュアスケート女子の代表に選ばれた「河辺愛菜」さんは、完成した「木下アカデミー京都アイスアリーナ」を活動拠点としている。また、第77回冬季国体において、京都府のアイスホッケーチームが24年ぶりに4位に入賞するなど、新たな施設の誕生が競技力向上や、スポーツの実施機会の創出に繋がっている。今後は、完成した施設等の効果的な運用や活用方法についてさらに検討を進めていく必要がある。

京都府の現計画の進捗状況のまとめとしては、1.コロナの影響でスポーツイベント等が中止となるなど、日常的にスポーツに触れる機会が喪失している。2.子どもの体力の低下。今後は地域、家庭を巻き込んで運動機会を創出することの必要性。3.トップレベルの選手の育成については順調。指導者の育成や、指導体制の構築を行い、多くの競技・地域において、すそ野を拡大する。4.施設面の整備は着実に実行。今後、既存の施設の有効的な活用について検討が必要である。

これらの状況を踏まえながら、令和5年度までの現計画の目標達成に向けて継続して施策を実行していきたい。

ここからは、京都府の次期計画策定に大きく関係する、国の第3期スポーツ基本計画の、主な概要を説明する。

今回、スポーツ庁では第3期計画策定に当たって、次のように「スポーツ」の捉え方を整理している。

基本計画で取り扱う「スポーツ」とは、「する、みる、ささえるという様々な形での自発的な参画を通して、人々が感じる楽しさや喜びに本質を持つもの」としている。このことが、人々の生活をより豊かにする「well-being」の考え方につながるものであるとしている。また、新型コロナによる様々な影響が、改めてスポーツの重要性を確認するきっかけとなっている。

次に、第3期計画のポイントは、大きく分けて2つの柱がある。1つ目は「東京大会にスポーツ・レガシーの継承・発展に向けての施策」。2つ目は「新たな3つの視点」を支える施策である。今回はその中でも、新たな3つの視点について説明する。

第3期計画において国民が「する」「みる」「ささえる」を実現できる社会を目指すために必要になる視点は次の3つ。まず、「スポーツをつくる/はぐくむ」では、多様な主体が参加できるスポーツ機会の創出や、指導者の育成、デジタル技術の活用などを通して、社会の変化に応じて既存の仕組みにとらわれずに柔軟に見直し、最適なルールを考えて作り出すことを目標としている。

次に、「スポーツであつまり、ともに、つながる」は、誰もがスポーツの価値を享受できる共生社会の実現や、ガバナンス・関係団体の連携などによるスポーツ体制の強化、国際協力の推進等により、様々な立場・背景・特性を有した人組織があつまり、ともに課題に対応し、つながりを感じてスポーツを行うことを目指している。

最後に、「スポーツに「誰もがアクセス」できる」では、誰もが気軽にスポーツに親しめる場づくり等の提供、地域等に関わらず支援を受けられるよう地域機関の連携強化、スポーツを途中であきらめることがない継続的なアクセスの確保など、性別や年齢、障害、経済・地域事情の違いでスポーツの取組に差が生じない社会を実現し、機運を醸成するとしている。

それらのポイントを踏まえ、取り組む具体的施策は次の12である。大きな構造としては、「1.スポーツの振興」、「2.スポーツによる社会活性化・社会課題の解決」、「3.基盤や体制の確保」で構成されている。ここでは、主に京都府や地方の立場で、関係の大きいと考えられる施策に着目して紹介する。

まず「スポーツの振興」に関わる施策。「(1)多様な主体におけるスポーツの機会創出」については、「1.スポーツを実施する機会の創出」において、次の通りの目標を設定している。まず、成人の週1回以上のスポーツ実施率を70%、障害者は40%とするとしている。これは現計画よりも高い目標設定となっている。

また、年1回以上の実施率を100%、障害者は70%とするなど、スポーツを全くしない層をなくすことや、30分以上の運動を週2回1年以上継続している人の割合の増加なども新たな目標としており、その具体的施策についても記載されている。

京都府としても、これらの目標設定については今後新たな指標として検討していく必要があると考えており、様々な関係者と連携し取組を進めていきたい。

「2.子供・若者のスポーツ機会の充実と体力の向上」の「a運動部活動改革の推進と地域における子供・若者のスポーツ機会の充実」については、部活動の地域移行について記載されている。現在、京都府においても検討委員会を立ち上げ、部活動の在り方について検討を進めているが、基本計画での方向性や今後の動きを注視し、京都府としても部活動の地域移行等についての議論を深めていく。

「b子供・若者の日常的な運動習慣の確立と体力の向上」については、次のように新たな目標設定があった。1.1週間の総運動時間が60分未満の児童生徒の割合を半減。2.卒業後も運動・スポーツを継続したい児童生徒の割合を90%以上に増加。3.新体力テストの総合評価C以上の割合の増加。

また、達成のための具体的施策には、ICTの活用等による授業の充実や、生活スタイルを踏まえた運動機会の確保など掲げられている。その中でも、障害のある児童生徒の見学0を目指したプログラムの開発については、京都府においても目指していかなければならない視点である。

「3.女性、障害者、働く世代・子育て世代のスポーツ実施率向上」について、これまでスポーツを実施することが難しい方が、実施しやすい機会や環境の整備について記載されている。バリアフリー化などの環境の整備のみならず、今までよりもプラス10分の運動習慣作りなど、普段の生活の中におけるスポーツ実施機会の増加については、京都府としても施策を進めていく必要がある。

「(2)スポーツ界におけるDXの推進」については、具体的施策で述べられている、「地域で孤立している人や、健康上や障害等のため外出が困難な人たちもスポーツ実施に参画できるよう、リモートによる体操教室や会話など、双方向な交流の場の提供について支援」については、コロナ禍においても、必要な視点である。また、これまで、スポーツに参加する意思があるにも関わらず、断念せざるを得なかった方々にとっても、一つの解決策になり得る。

次に、「スポーツによる社会活性化・社会課題の解決」について、「(4)スポーツの国際交流・協力」のうち、「5.オリ・パラ教育の知見・経験等をいかした教育活動の展開」では、東京大会の知見・経験をレガシーとし、スポーツを通じて特色ある教育活動を推進するとしている。現在も、京都府においても「京のスポーツ夢バンク」や「夢・発見プロジェクト」などで、トップアスリートとの交流活動などは積極的に実施しているが、今後も継続して進める。

「(7)スポーツによる地方創生、まちづくり」について、「第2期まち・ひと・しごと創生総合戦略」(令和元年12月閣議決定)に従い、スポーツ・健康まちづくりに取り組む地方公共団体を表彰しているが、それらに取り組む自治体の割合を40%とするとしている。

具体的施策に記載されている、幅広い部局が連携するという点は、京都府においても必要な視点である。また、地域振興におけるスポーツを幅広くとらえるとしており、既存のスポーツイベントのみならず、身近な身体活動も施策に取り入れながら進めることや、現在ニーズの高まっているアウトドアに関しても、京都府の持つ自然資源などは、大きな可能性がある。

「(8)スポーツを通じた共生社会の実現」の、「1.障害者スポーツの推進」として、障害者スポーツ指導員資格の取得を促すや、障害者スポーツを体験する機会の創出と記載されている。

来年度より京都府民総体の市町村種目別交流大会において「ボッチャ」が新種目として入る。障害の有無に関わらず一緒に実施することのできる競技などの普及も進めながら共生社会の実現に向けた取組を進めることも可能である。

また、「2.スポーツを通じた女性の活躍促進」について、京都府においても「KYOのあけぼのプラン(第4次)-京都府男女共同参画計画-」などで様々な分野での女性の参画拡大について目標を設定しているが、今後も促進していく必要がある。

そして「基盤や体制の確保」について、「(10)スポーツ推進に不可欠な「ハード」「ソフト」「人材」」については、総合型クラブやスポーツ少年団の活性化などの取組が記載されている。

先述した部活動の地域への移行について、今後さらに注視し、地域でのスポーツ環境の構築に向けた取組を進めていく必要がある。

「3.人材の育成と活躍の場の確保」の、「c.スポーツ指導者の育成」については、年齢、障害の有無にかかわらず指導できる指導者の養成や、それが活用できる環境も整備する必要がある。京都府においても、総合型クラブの登録認証制度やスポーツ少年団等でも、指導者の資格有無等は重要なポイントとなるが、公認スポーツ指導者資格を有する指導者が活躍できる環境をこれからもつくっていく必要がある。

また、「e.スポーツ推進委員の有効活用」についても、京都府内に現在約1,000名活動しているが、その活動の広報方法などは今後さらに検討してくべき点である。

最後に、地方公共団体に期待される役割について、今回策定される第3期スポーツ基本計画を参酌し、地方スポーツ推進計画を策定するとしているが、形式的に全て踏まえる必要はなく、各地域の実情に応じて策定することとしている。その際、性別、年齢、障害の有無など多様な立場の声を取り入れ、スポーツ部局に限らず、様々な部局が連携するこが望ましいとしている。

これらの視点を重視し、京都府としても令和4年度より「第2期京都府スポーツ推進計画(仮)」の策定の準備に入る予定である。

それでは、国の第3期計画の施策内容や、京都府の現計画の進捗状況を踏まえ、新たなスポーツ推進計画の策定に向けて必要な視点を整理する。

まず、1.施策を評価するための具体的数値目標の設定。現計画の具体的数値目標は4つだが、施策を評価するにあたり、今後、データを活用したEBPM(エビデンス・ベースト・ポリシー・メイキング)の推進など、エビデンスに基づく施策の実行は、不可欠であると考える。来年度実施予定のスポーツ実態調査等のデータの活用や、次期推進計画において、数値化可能な施策に関しては、具体的な数値目標を今以上に設定する必要があると考える。

次に2.「新たな3つの視点」や、コロナ禍においても実行できる施策の検討。第3期スポーツ基本計画の「新たな3つの視点」を京都府の実態に照らし合わせながら、施策を検討する必要がある。また、withコロナ時代において、単に中止や延期するのではなく新しい方法等を検討し、様々な状況で成立する施策を模索し実行していかなければならない。

そして、3.府民がより良い変化を実感できる施策の実行は、すべての人がスポーツで人生を豊かにすることを目指し、スポーツ部局だけではなく様々な関係機関との連携や、計画した施策を効果的に届ける「広報」の方法も検討する必要がある。そのことにより、京都府としてもこれまで課題であった、スポーツ非実施者へのアプローチとなり、スポーツ実施率の向上等、府民の生活により良い影響を与えられるよう取り組む必要がある。

 

【質疑応答】

〇委員(意見)

数値目標の設定は政策決定上大事なことは理解できるが、その数値目標を「週一回以上のスポーツ実施率」などの「する」関わりだけではなく、見たり支えたりといったスポーツとの多様な関わり方をしている人がどれくらいいるのかなど、豊かなスポーツ生活といった視点から、多様なスポーツとの関わり方について上手く評価出来るような数値目標を立てることは重要な課題だと感じる。

 

委員(意見)

Well-Beingの考え方について、これまでも「スマートスポーツ」の分野で京都府独自のスタイルで展開しているので、今後その指標をどのように設定していくかなどは新たな課題になってくる。

「進捗状況調査」の表で未実施となっている項目が3カ所あるが、そこに共通しているのが経済界・産業界との接点の必要性などがある。また、策定に向けてスポーツ部局以外と連携していくのはもちろん、福祉や医療の分野など連携していく幅をもっと広げていかなければ、今ある課題は解決していかないので大きな論点であると感じる。その他には、地域格差や経済格差といった「格差」という視点も大切になってくると思うので、今後議論を進めていく上でキーワードにしていただきたい。

 

委員(意見)

我々の団体も、現在は一つの組織だけで活動している部分も多く、他の団体や組織との協力や連携といった「横のつながり」も重視していかなければ、生涯スポーツなどは広がっていかない。京都府でもボランティアの事務局等は、福祉や体育関係、行政など様々な部局にまたがっており調整などが難しい面があるが、横のつながりや縦のつながりを幅広く行い、今後もスポーツの推進に努めていきたい。

 

委員(意見)

スポーツを「見る」「ささえる」人口が増えることにより、「するスポーツ」人口も増えることが推察される。その意味でも「見る」「ささえる」という部分の調査は意義深いと考える。また、大学の活用ということで、京都府にはスポーツ分野で日本を牽引するような大学が多い。その人的・物的資源を上手く活用していけるような「横のつながり」ができると、今後の計画が上手くいくのではないかと感じる。

 

委員(意見)

京都はスポーツが盛んで、特に女性のスポーツ関係で活躍されている方々が素晴らしいパワーを持っていると感じている。新たな推進計画については、地域の実情に合わせた策定を進めていただきたい。ただ、実施率を70%にするという設定だが、「する」だけでなく「みる」「ささえる」という部分も含めてということかもしれないがかなり高いと感じる。自分自身、これまでスポーツを実践してきたのでスポーツを勧めるという立場でサポートや企画をしてきたのだが、やはり世の中には本当に嫌いな人や、機会がない人もいれば、スポーツでなくても例えば日常的に畑で体を動かしているといった人にスポーツ活動などが必要なのかとも感じる。京都府において、スポーツ実施率を70%にという目標については検討する必要がある。

 

事務局(回答)

スポーツ実施率を70%にという目標は、あくまでも国が出したものであり、今後はその数値も参酌し、来年度のスポーツ実態調査なども踏まえ、今後検討していく。

「みる」「ささえる」分野の観点についても、来年度の実態調査でそれらの関わりについて把握する質問項目の工夫なども必要であると考えている。そして、そのアンケート調査の結果によって次期計画に反映させていくべきであると考えている。

 

委員(意見)

部活動の地域移行については、福井県などは進んでいるが、その中で、経済面や現場(生徒や教員)の考え方を変えるという部分が課題となっていると聞いている。移行するにあたって、様々な問題は生じると思うが、先行している地域の情報や全国的な動きなどが分かれば、現場も動きやすいと感じている。

その他に、東京オリパラのレガシーの継承という部分で、やはり大会に関わった立場としても「何かを伝えたい」という思いがある。東京大会について成功か失敗かという議論もあるが、何を残したいのかが大切である。「する」「みる」だけではなく「ささえる」立場の方のおかげで大会が成り立っているということも伝えたい。また、京都府でも夢バンクなどの事業はあるが、東京大会に出場した選手やスタッフ

がどれだけ京都府の事業について知っているのかと考えると、おそらく少ないと感じる。京都府独自の事業なので知ってもらう工夫をして、そこから繋がりを広げていくこともできると思う。

 

委員(意見)

この間大きなスポーツイベントが終わり、国にとっても京都府にとってもスポーツに関する大きな財産が得られたのだと思う。スポーツ庁もスポーツという言葉に運動という概念も入れて、競技力向上と健康づくりの2本立てで施策を展開している。そのような視点から、現在の計画の中に、スポーツをしている人を応援しにいく、スポーツを実施している人がパフォーマンスを発揮できる環境作り等、支えるという部分について、トップアスリートだけでなくスポーツを支えている人もスポーツをしているということを、アンケートの際に「見える化」できるよう工夫して欲しい。

これまで、京都府スポーツ推進審議会において当初は、施設がないということが論議されてきたが、施設が充実してきたことで、これからは施設の有効活用について検討する必要がある。

選手を支えるとう部分での意義や価値をもう少し見直していきたい。また、コロナ禍でいかに事業を展開していけるかについて、スピードアップする必要があり、ICTを活用した事業の展開なども今後、進めていただきたい。

 

委員(意見)

他の領域においても、他職種との連携ということは言われているのでスポーツの分野でも、明確に他職種等と関われると良いかと思う。医療分野においても、部局をまたいで情報が共有できるということは、事業を進めていく原動力になる。スポーツの場面でも、実際に動かしていく際に、偏りのない情報の共有ができるようにしていただきたい。

 

委員(意見)

身体活動のレベル(運動レベル)の重要性と、スポーツとのマッチングについてこだわって研究してきたが、スポーツの捉え方を「楽しみレベル」といったことで、簡単なウォーキングや、屋外で余暇を楽しむことなど、身近なレベルでの身体活動からも活力が生まれるということも強調して計画について策定していくという視点も大事であると思う。

 

委員(意見)

部活動の地域移行について、「部活動の地域への移行の着実な実施」という文言については、受け取る側からすれば、部活動そのものを受け取らなければならないのかと、敷居が高く感じる。また、学校側としても渡しにくいのではないか。この文言は、子ども達がスポーツを楽しめる場が広がるというような表現にしなければ、浸透しにくいのではないかと思う。

総合型地域スポーツクラブの登録・認証制度について、登録制度は令和4年4月から始まるが、これは登録したクラブが安心して参加することや、より良く発展していくために重要な内容である。しかし現状、京都府において連絡協議会に加盟する全てのクラブが登録出来る状況では無く、今後各クラブが成長していけるよう行政、スポーツ推進委員の支援を期待する。

 

委員(意見)

丹波自然運動公園の陸上競技場の外周に車いすの専用レーンができたことで、選手の練習に利用することができている。

障害者スポーツについて調査をしたところ、施設としては整っているということであった。ただ、学校施設は、あまり利用されていない。種目としては、卓球バレー、グラウンドゴルフ、フライングディスク、ボッチャが多く取り組まれている。ボッチャについては最近、多くの地域で実施されている。

大会等への参加状況については、丹後、南丹地域は人数が集まらないという課題がある。障害のある方だけではなく、子どもや地域の人も巻き込んでいくこともこれから考えていく必要がある。また、丹後地域に関しては、大会等に参加するにあたり自治体のバスを利用しているが、なかなか予約がとれず利用ができないという実態がある。その他に、丹後、中丹地域において、指導者と世話をしていただける方が欲しいという意見があった。また担当職員の中には、スポーツの環境づくりに対してあまり意欲的ではない方もいる。現在、障害者スポーツ指導員の講習を府内3カ所で実施している。できれば意欲を持ってそのような資格を取得して欲しい。

見えてきた課題としては、どの地域も高齢化しているということや、自治体が合併などで広いエリアとなり今までのようにスポーツを気軽に楽しむことが難しくなっていることがある。今後も「スポーツのつどい」なども利用して、対策を考えていきたい。

 

委員(意見)

女性の活躍・躍進についてだが、京都府のスポーツ協会は女性の役員が3割強となっており、日本で1番多いということである。また、京都府スポーツ推進審議会においても、早くから女性の委員が多く参加している。その一方で、競技力向上という部分では少ないのが現状である。京都府加盟の競技団体で、昨年やっと1名女性が理事に入れたと喜んでいる団体もある。今活躍している指導者の後進を育てていくことが今後大事になってくると感じている。

協議事項「第2期京都府スポーツ推進計画(仮)の策定に向けて(スケジュール)」

【説明(事務局)】

来年度の主な審議内容については、スポーツに関する実態調査の作成、分析等になる。7月開催予定の審議会までに、スポーツ部局以外にも様々な関係部局で構成した「検討会議」の実施や、審議会のメンバーから選出する「検討小委員会」を実施し、アンケートの案を作成する。

 

【質疑応答】

特になし

 

協議事項「第2期京都府スポーツ推進計画(仮)の策定に向けて(スポーツ実態調査概要)」

【説明(事務局)】

次に令和4年度実施予定のスポーツに関する実態調査の概要について。実施時期は、10月から11月の配布回収を予定している。調査方法は、18歳以上の男女を対象に、3000名を層化二段階抽出法において抽出し実施する。また、同時に正式調査とは別に、参考調査として、インターネット上でのオープン調査も実施できればと考えている、前回令和2年臨時調査では、この方法で6000名以上の回答があった。

内容等については、第3期スポーツ基本計画の内容などを項目として追加するなど、これから検討していく。

 

【質疑応答】

特になし

 

協議事項「第2期京都府スポーツ推進計画(仮)の策定に向けて(スポーツ実態調査概要)」

【説明(事務局)】

検討小委員会の設置について、設置要綱案のとおり審議会委員の中から6名選任し、年2回程度小委員会を実施したい。メンバーについては、本審議会で承認後、依頼したい。

 

【投票機能にて出席委員全員が承認】

お問い合わせ

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京都市上京区下立売通新町西入薮ノ内町

ファックス:075-414-5863

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