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平成28年9月21日(水曜)午後2時から午後4時
ルビノ京都堀川「葵」
京都市上京区東堀川通下長者町下ル
○ 外国語版啓発リーフレットの活用状況はどうか。
● 外国籍の児童生徒がいる学校で、教員が手軽に引き出して、活用できるようにという趣旨でホームページに掲載した。具体的な活用状況については、今後、必要に応じて把握していきたい。
○ いじめ調査について、現場の先生方の感想や捉え方はどうか。例えば、判断する難しさがあるとか、逆に子どもたちとコミュニケーションがとれ、人間関係についての悩みが聞けるとか、プラス、マイナス両面あると思うが。
● 文部科学省いじめ防止対策協議会の議論で、全国的な課題として、いじめが起こることはその教員の指導力が不足しているからだという意識がなかなか抜けきらないということが言われている中で、京都府については、この調査によって、軽度のものから拾い上げるという早期発見・早期解消の取組が浸透し、自分のクラスでいじめが起こったから自分が責任を感じるとかいうことではなく、割と抵抗なく、きめ細かく拾い上げるという土壌が定着してきているのではないかと考えている。
○ いじめ調査の家庭訪問による調査者数とはどのようなものか。また、どういう場合に家庭訪問することになるのか。
● 調査者数の内、不登校の状況にあるとか、一斉に調査する時期に休んでいたりとか、何らかの事情によって学校では把握できなかったため、家にまで足を運んで調査した者の数である。それでも把握できなかった者が、未調査者となる。調査できた者の中でも気を付けるべき状況に置かれている子どもたちを内数として把握しておくという趣旨である。
○ 小学校で、昨年度と比較して、未調査者数は減っているが、家庭訪問による調査者数が増えている理由は何か。
● はっきりした分析はできないが、不登校傾向の子どもが増えてきているということと、従来は未調査に入っていた者を、これまで以上に家庭訪問でより掘り下げて状況把握した結果でないかと考える。
○ いじめの解消率が高いことや特に中学校で少年非行が減っているのは、学校に特別支援教育が浸透してきたことと関係があるのではないか。
● 解消率については、解消の定義がどうかということはあるが、京都府の場合は、1段階の早期のものが大部分を占めるため、割と早く解消するものが多いと考えられ、解消率が全国よりも高くなる傾向があるのではないかと捉えている。
○ 可能であれば、ローデータを元に、例えば男女比や外国籍の子どもの状況、家庭訪問によって調査した児童生徒のいじめの状況等について分析ができないか。いろいろな関連を分析することで、京都府のいじめ対策に資するような新たな知見を得ることができ、別の視点でいじめのデータが豊かなものになって、より実際の施策に役立つものになっていくのではないかと思う。
● 分析に関わっては、男女別や学年毎の範囲であれば研究の余地はあるが、教員の負担軽減が言われる中で、学校や担任にこれ以上の負担が増えるような調査を求めるのは困難であることは御理解願いたい。
○ 第3段階にあるものについては、中長期的な状況把握が必要ではないか。
● 該当の市町教育委員会に中長期的な状況を把握するようにしている。
○ 未調査者の中で、「保護者や児童生徒が調査に応じない」や「保護者とは接触できるが本人に会うことができず、その状況が把握できない」といった理由は、虐待等のいろんな問題が背景にあったり、子どもが教育を受けられていない状況にあるとも考えられるが、どの程度まで状況を把握できているのかが気になる。
● 昨年の川崎市での事件を受け、学校がプラットホームとなって、警察や福祉機関等の関係機関に繋げていく必要があることから、この調査を一つのきっかけとして、取り組んでいただくことが大切であると考えている。これら2つの理由については、大部分は不登校で学校にはなかなか来れなくて、担任が行ってもなかなか会ってくれないような場合もあると聞いている。ご指摘のように非常に危険な状況も想定されるので、市町村に集計の段階で確認し、危険性のある状況のものがないかは最低限把握するようにしている。引き続き、この調査を一つのツールとして、各機関との連携等に繋げていってもらえればと考えている。
○ 自殺予防の取組として、ある中学校で「命の学習」というプログラムを実施していることを知り、非常に良い取組だと感じたが、そういった取組の状況は把握しているのか。
● 自殺予防に関しては、色んな取組をしているが、それぞれの学校でも、例えば、命の大切さを講演してもらうプログラムなど、独自に取り組んでいるものもある。府教育委員会としては、9月1日に自殺が多くなることから、校長会等の会議で、夏休み中の登校日等に様子や変化を把握するよう依頼している。
● 行政的な取組としては、必ず夏休みに入る前に、通知文を出して家庭における保護者のきめ細かい見守り等の具体的な項目をあげて依頼するとともに、夏休みの終わりの時期にも自殺予防週間の通知に合わせて再度周知している。教育内容面では、道徳の時間で命の大切さを教えたり、法やルールに関する教育で人や社会とつながり共生する大切さを教えている。他にもスクールカウンセラーや心の居場所サポーターなどを配置し、気軽に相談できる体制を整えたり、いじめ調査も発見するきっかけになっている。
○ 自殺予防や命を大切にするということについては、子どもだけでなく、教員にも関わることである。教員は、いろんな調査や特別支援教育、生徒指導等で負担が重く、身を削ってやっている人が多い。生徒の命も先生の命も大切にという視点が必要ではないか。
○ いじめの定義の捉え方の違いに関わっては、ハラスメントの調査でも、当事者がどう感じたか、どんな権利を侵害されたと感じているかに依る。子ども達には発達段階や個人による捉え方の差異はあるが、教員の側から現象として分類すると差が生じてしまうのではないか。
○ 昔の定義は、継続性や力の関係性などいろんな外形的な理由を付けていたが、今はそういったものを全て取り払って、侵害された側の感じ方が中心となったが、それでも30倍もの差があることについてどうしたらいいかが議論されている。
● 法の定義はあるが、おそらく、問題行動等調査で数字として上がってくる件数の問題だと思う。京都府のいじめ調査で言えば、1段階か2段階のどちらの件数を報告するのかということ。府内でも当初は各市町村間で報告件数に大きな差があったものを文部科学省とも調整して1段階のものからあげることで統一した。各府県ではそのことが難しい状況にあるのではないかと捉えている。
○ 教職員に、いじめとして認知すると忙しくなってしまうという意識があるのか。
● 文部科学省の資料によれば、小学校低学年のものまでひらっていたらきりがないといった府県からの意見もあるが、京都府では、市町(組合)教育委員会と議論しながら、アンケートと聞き取り調査という今の枠をつくって、負担をなるべく少なくなるようシステム化しているということは言える。
○ 件数が少ない県は、生徒が答えたのに、そこから何か選別をしているのか。現象を認知する話ではないような気がする。子どもたちがこうだと言っているのであれば、その数字を同じ基準で比較しなければと考える。
● アンケートをしているかどうかも分からない。おそらく、数字の少ないところは、教員が見て、現象面として軽重を付けて、これはいじめだろうという形でカウントしていると思う。「嫌な思いをした」ということでいうなら、年間通じて千人の内2.8人しかいじめがないのはどうかという気はする。
○ 議論の行方は分からないが、昔のように定義を狭めて、いろんな状況を入れ込むという形ではなく、京都府のような、被害を受けた側の思いや気持ちを広く拾い上げることを徹底させることになるのではないかという気がする。
● 委員の一人が、文部科学省がいじめはどの学校でも起こり得る問題としているけれども、どの学校でも起きていると認識するべきであり、その視点に立って見直す必要があるのではないかと、改めて発言している。
○ 今の定義は、解消のことに触れられていないので、解消の問題をもう少し明確にしてほしい。また、重大事態に関しては、第2号の不登校事案に関して、全て調査することを原則とすることに少し疑問を感じる。また、組織的対応や情報の共有、教育委員会への報告などについて、法律や基本方針の趣旨を徹底させるということも言われており、京都府でもきっちり取り組むことが必要である。
○ 組織的対応に関して、小学校が小規模化していて、学年が単学級で、担任が若い教員一人だけというのが一番良くない状態だと思う。そういう学校が増えていると思うが、若い人はなかなか相談せずに抱え込む傾向もあり、是非、組織的に対応できるように、注意を促していただきたいと思う。
京都府いじめ防止対策推進委員会 事務局 教育庁指導部学校教育課
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