第2回京都府いじめ防止対策推進委員会の議事要旨
1 開催日時
平成26年7月23日(水曜)午後2時から午後3時15分まで
2 場所
ルビノ京都堀川2階「梅」
京都市上京区東堀川通下長者町下ル
3 出席者
- 審議会
ア 出席委員 7名
イ 欠席委員 0名
ウ 事務局 永野指導部長、丸川教育企画監、沖田学校教育課長 他
- 傍聴人 0名
4 概要
事務局からの説明
- 前回委員会の概要について
- 京都府のいじめ防止等の事業・施策について
- 京都府いじめ調査について
配付資料(PDF:356KB)
<主な意見>(○は委員、●は事務局)
説明事項
- 前回委員会の概要について
○ 「問題対応チーム」の具体的な内容を教えてほしい。
● 各学校におけるいじめ等の相談は所管課に入るが、そこで組織的対応が必要と判断した事例について協議し、状況に応じて各学校を指導していくチームである。メンバーとしては、教育企画監、担当課長等を中心に所管課の指導主事等を想定している。
- 京都府のいじめ防止等の事業・施策について
○ 「学校非公式サイト監視」について、問題ある投稿を見つけた場合、具体的にどうするのか。
● 投稿を見つけた場合、府立は直接、小・中は市町(組合)教育委員会を通じて学校に伝えている。学校は、書き込んだ本人を特定の上、指導し、本人に削除をさせる。その後、削除されていない場合があれば、その都度連絡する。
○ 虐待を発見した時に関係機関へ通報するように、医師や地域の人等第三者がいじめを見つけた場合に、学校に通報するルールやシステムについて検討してはどうか。
○ 通報システムの問題については、今後議論して提言していく必要があるのではないと思う。
○ いじめに関する事業・施策というと、どうしてもいじめという事象に着目したものになってくるが、発達の視点や自己肯定感の低い子どもをどうするかなどもっと広いところから考えていく必要がある。知事部局でも青少年の問題行動に関する事業など様々な取組がなされている。いじめの中核部分だけでなく、周辺の事業も含めて有機的につなげて「可視化」していけば良いと思う。
○ 「いじめ未然防止・早期解消支援チーム」、「いじめ危機管理チーム」の違いは何か。
● 「いじめ未然防止・早期解消支援チーム」は、教員や警察のOBや臨床心理士、社会福祉士がチームとして、いじめへの対応や解決への道筋を第三者的に見ていただくために学校に派遣するもの。「いじめ危機管理チーム」は、CCST(学校危機支援チーム)と同じもの。
○ 「豊かな心の育成」というと規範意識が中心のように思うが、もうちょっと広く、ライフスキルとかコミュニケーションスキルという視点も必要な気がする。
● 「豊かな心の育成」については、「法やルールに関する教育」において、心だけでなくそれを行動に移せる「ふるまいの教育」という概念を持って取り組んでおり、そこではコミュニケーション能力も含めてもう少し大きな捉え方をしている。
○ ある子どもが孤立していることや鬱状態になっていることを担任や顧問の先生方は気づいていたのに、その情報が共有されず、まとまった対策がとれないまま、その子が命を絶ったという例がある。いろいろな委員会やチームを作ることにも期待はするが、やはり現場で敏感に子どもの変化に気づき、その情報を共有し、迅速に対応することが大切だと思う。外からの情報も含め、学校内で迅速に動けるチームの存在が、自殺を防ぐことになると思う。
○ まさに、そのために法律で学校内に組織を設置することが義務化されている訳だが、問題はそれが機能するかどうかだ。
- 京都府いじめ調査について
○ いじめのアンケート調査は、いじめられた場合だけか、それとも他人がされているのを見た場合も書くようになっているのか。
● いじめを見た場合についても書く様式になっている。
○ 国立教育政策研究所の調査では、ほとんどの子どもが加害者あるいは被害者になっているというデータが出ている。一方で、アンケートの取り方によっては、「いじめは一件もありません」ということもある。アンケートの精度をどうやってあげていくか。その前提として、先生方に今回のいじめの定義がどれだけ浸透しているかという点は重要な問題である。
- その他
○ 被害者が特定されないといじめにならないのか。性別や人種、国籍等社会的属性に関する不特定多数への差別的な発言はいじめにならないのか。
● 基本的に、学校に在籍している児童生徒間で起こる事象が「いじめ」となる。
○ 法律の立法過程を見ても、不特定多数に対する対応を想定していないのではないか。
○ 教育的に人権侵害あるいは犯罪性を含むものであれば、いじめというフレームでは捉えられなくても、当然別のフレームで関わるべきものだと思う。ケースバイケースではないか。
確認事項
- Q2について
○ 附属機関の機能として、直接いじめ事案に入って関わるのではなく、事実関係の調査等の中で、対応や再発防止への意見や提言を行うのが、この委員会の役割ということで共通理解したい。
- Q3について
○ 条文に、「重大な被害が生じるおそれがあるときは直ちに警察に通報して適切に援助を求めなければならない。」という記述があるが、学校の中で粗暴な行動を繰り返す子どもについては、先手を打って警察に通報することを推奨しているように読める。従来からがんばっていただいていた生徒指導系の先生からするとこの点はどうなのか気になる。
● 事象に対して通報すべきかどうかという思いは確かにある。ただ、昔と比べて警察との距離感はかなり近くなっているし、連携もうまくできつつある。学校だけでは解決できないことも増えている中、家庭裁判所や鑑別所も含めて、関係機関と協力して「子どもを何とかしなければいけない」という意識を持つ状況になってきている。
○ 先生は他の生徒を守る義務がある。安全な生活が送れない以上、通報することは他の生徒を守ることにつながると思う。また、警察も生徒指導の先生方と連携しながら、教育的に対応されているので連携の効果が上がっていると思う。
○ 「おそれがある時点で直ちに」とすると、まだ重大な被害が成立していないにも関わらず通報するということになる。この点については、今後時間をかけて議論していく必要があるのではないか。
○ 法はみんなに同じように適用されることに意味がある。どういう基準で警察に通報するかしないかを学校が判断しているようだが、その基準を具体的にどうのように決めているのかが気になる。加害の子どもに対しても、当然学習支援をしなければならないだろうし。
○ 加害者への指導・支援、出席停止の受け皿、通報の範囲など本当に難しい問題である。今後、会議の中で議論を成熟させていってはどうか。
5 問い合わせ先
京都府いじめ防止対策推進委員会 事務局 教育庁指導部学校教育課
電話 075-414-5840