京都府環境審議会地球環境部会の議事要旨
1 日 時
平成21年12月21日(月曜日) 午後3時から5時まで
2 場 所
京都府公館レセプションホール
3 出席者
【部会委員】
奥原委員、汐見委員(代理:重井京都府町村会総務課長)、内藤委員、橋本委員(代理:波多野京都府市長会事務局次長)、藤田委員、星川委員(代理:黒田京都市地球温暖化対策室長)、本庄委員、山本委員
【事務局】
石野環境政策監、新井環境技術専門監、柴田環境政策課長、岸本環境管理課長、奥谷地球温暖化対策課長、その他関係職員
【報道機関】
2名
【傍聴者】
なし
4 議 題
京都府地球温暖化対策条例の見直し及び京都府低炭素社会づくり計画(仮称)の策定について
<意見交換(主な意見)>
京都府が地球温暖化対策に取り組む意義
- 温暖化対策を府県で実施する理屈としては、アメリカや中国がどうであれ、府県が率先して温暖化対策を進めることで、世界を説得することができるのではないか、という理想論的な考え方がある。
- もう一つは、「ポイント・オブ・ノーリターン=引き返せないところ」が近づいてきているということ。それは20年から30年先とされているが、その前に「社会的ポイント・オブ・ノーリターン」が来るという説があり、それはもう数年先のことである。その考え方を認めるなら、京都府はそれを「生き延びる=クリアする」社会をつくることが重要となる。
- 20世紀の多消費石油文明から脱却しなければならないことは明確であり、文明の見直しを行うことが必要。それが「社会的ポイント・オブ・ノーリターン」を生き延びることにつながる。
地球温暖化対策に関する議論の進め方
- まず温室効果ガスの削減目標を定め、その上でその目標を実現するためにどのような施策・事業を講じるべきかを議論すべきではないか。
- 京都は他の地域と比べて環境ビジネスが盛んで、温暖化をビジネスチャンスととらえ、正面から議論しようという雰囲気がある。だからこそ、温室効果ガスをどれくらい減らすのかを定め、そこまでの道筋を示していくことが重要。
- まず、どんな施策・事業を詰めていかねばならないのかを体系立てて整理し、あらゆる可能性を踏まえ、徐々に工程表として仕上げていっていただきたい。
- 2020年に向けた京都府の施策は、府が政府の方針をどう評価するかによって変わってくる。また、2050年に世界でCO2を半減する手法について、規制によるのか、技術の力でブレークスルーするのか、きちんと議論する必要がある。
- まず、国がやることと地方がやることの仕分けが必要であり、国の方針が決まらないまま京都府の方針を決めることには躊躇を覚える。
- 専ら国が推進し府が関与しにくいもの、府が独自に進めていくもの、府と国が連動するものの三つのカテゴリーに分けて議論すべきではないか。
これからの地球温暖化対策のあり方
- 今の石油消費型経済が産業構造として難しい状況にあることは否定しがたい事実であり、その中で、京都府が産業政策のあり方を示し、雇用創出に向けた仕掛けをつくっていくことが重要。
- 施策・事業の実施上の課題として、コスト上昇などが指摘されているが、何のためにそうした負担を我慢してもらうのかということを、府民に理解してもらうことが大事。
- ほとんどのメジャー産業が苦しくなっていく中で、「新しい豊かさ」をつくり出していくため、京都府がどのような産業をつくり、雇用を創出していくのか、ということが重要。
- 国のこれからの政策とも連動するが、地域の新しい交通運輸のあり方を、地域特性に応じて考えることが重要。
- 産業構造を転換していくことが必要だとは思うが、住民の理解を得ながら進めることが前提だ。
- 各地でエコ産業の芽が出始めている。新しい家づくりもビジネスとして展開され始めているし、農業も新たなビジネスモデルが出てきている。うまくいけば、府内で新しい雇用が生まれ、食料自給率もアップする。こうした芽を育んでいくシナリオを作り上げることが必要。
- 2050年に温室効果ガスを80%削減するという目標を条例に書き込むのであれば、その高い理念とアンバランスにならないよう、一歩踏み出した施策・事業が必要だ。
条例・計画に盛り込むべき施策・事業
- 小水力発電を利用している嵐山・渡月橋のライトアップのように、自然エネルギーを利用した環境にやさしいライトアップであればよいが、そうした配慮のないライトアップは自然の美しさを破壊するので、規制が必要。
- ライトアップに関しては、京都は観光都市なので、全くの暗闇でよいというわけにもいかないと思う。京都らしいライトアップのあり方を考えるべきではないか。
- ロードプライシングは都心部が中心となるので、京都府の施策としては提示しづらいかもしれない。
- 木材利用の促進は、京都府としても大事な課題である。
- 皆が一枚岩にならなければ温暖化対策は進まないので、皆が同じ方向を向くよう、キャンペーンをはってキャッチフレーズを繰り返し訴えるなど、マインドを醸成する取組が必要だ。
- 環境マネジメントシステムに関しては、取得支援よりも取得した企業との取引を促進する方がいいのではないか。