4-1道路施設の維持管理基本計画[京都の道・長寿プラン]
(1)道路施設の維持管理基本計画の策定
1.構造物毎のライフサイクルコストを把握し、適切なメンテナンス方法を確立します。
- 施設の劣化予測(注3)により、将来の維持管理費・更新費を縮減します。
- 将来推計の精度を上げるための仕組みを確立します。
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具体施策への展開
- 京都府の各地域の地域特性や構造物毎の特性に応じた、劣化予測方法を確立します。
- 施設の劣化に応じた補修工法を選定し、ライフサイクルコスト(注4)が最小となる最適補修時期を把握します。
- 実際に行われた工事の工法や費用などの工事履歴を蓄積する仕組みを検討します。
- 橋梁や舗装等の点検について、より効率的かつ確実な点検方法を検討します。
注3 劣化予測:施設の損傷が進んでいく過程を予測すること
注4 ライフサイクルコスト:ライフサイクルコスト(Lifecycle Cost)とは、施設を建設・維持・撤去・更新(構造物の一生)するための全てのコスト
2.地域特性に応じたメリハリのある維持管理計画を策定します。
- 地域に求められるニーズ、地域性を考慮したサービス水準を設定し、府民にわかりやすい形で示します。
- 限られた予算を最大限に活用する仕組みを確立します。
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具体策への展開
- 次の4つの視点から評価します。
・安全性
・補修コストの増加
・経済損失
・景観・環境
- 評価結果に基づき、対策の重要度を判断し、投資効果が最大となる『メリハリのある維持管理』が実施できる計画とします。
「施策展開イメージ」
「視点のイメージ」
「サービス水準設定方針」
- 視点ごとに複数の評価項目を設定し、被害が発生する確率と発生した場合の影響の大きさによって、サービス水準を設定します。
- 被害が発生する確率については、点検や調査により得られた施設の損傷度を評価します。
- 被害が発生した場合の影響の大きさについては、視点ごとに以下のように評価項目を設定し、サービス水準を設定します。
1. 安全性の視点については、交通量の大小、道路種別(幹線系道路、地域道路など)を評価します。
2. 補修コストの視点については、対策を先送りした場合の、ライフサイクルコストの増加額を評価します。
3. 経済損失の視点については、路線区間を規制した場合の渋滞、迂回路の有無などによる道路交通の経済損失額を評価します。
4. 環境、景観等の視点については、歴史性や周辺状況などの地域特性を評価します。
安全性のサービス水準設定例
要対策(赤):直ちに対策を実施する必要あり
対策検討(黄):必要に応じて対策を検討
継続(緑):現状の点検・監視を継続
許容可能(青):問題なし、点検頻度の低下も可能