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木版印刷は、飛鳥時代に百済(朝鮮)から仏教が伝えられた時(6世紀半ば)、一緒に伝来した経文印刷用の文字木版に端を発します。その時、添えられていた仏像の簡単な輪郭摺り用の版木がヒントになって、基礎となる木版画が生まれました。京版画は、その時代より受け継がれた、京都での木版画です。木版画には宗教・実用・美術等、様々な種類があり、多くの場所に使用されてきました。そして、後世欧米人を仰天させ、「世界芸術の殿堂」入りを果たした浮世絵木版画へと発展していきました。
出版物の中では、高名な本阿弥光悦の「嵯峨本」等が有り、デザイン本としても京版画は素晴らしい作品を残してきました。京版画の得意とする胡粉摺・雲母摺等の技術は、京版画以外の伝統工芸・芸術とともに、京都の風土に合わせ発展してきた技術です。その技術を持って最近では、岩絵具を使った木版画も作成されています。
伝統木版画では、絵師・彫師・摺師の共同作業によって制作されています。一つの道を一人が極め、三つの道が結ばれる事によって、素晴らしい作品が出来上がります。
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