平成30年度「青少年いいねット京(みやこ)フォーラム」を開催しました!
「子ども自身が考えるインターネットの光と影」をテーマに、大人と子どもが一緒になって、子どもたちのスマホとの関わり方について議論しました。
小・中・高校生が青少年のネット利用向上のために作成した「京都スマホ宣言」や、啓発用のPR動画を発表するとともに、兵庫県立大学環境人間学部准教授の竹内和雄先生をお招きし、高校生、保護者、警察官、教員とのパネルディスカッションを実施しました。
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開催概要
1日時:8月1日(水曜)午後1時~午後4時
2場所:立命館大学朱雀キャンパス5階大講義室(入場料無料)
3参加者:府内の小・中・高校生40名(高校生33名、中学生3名、小学生4名)
4コーディネーター:兵庫県立大学環境人間学部准教授 竹内和雄
助手:ソーシャルメディア研究会学生6名
内容
(1)「ネット利用アンケートの結果発表」
府内の小中高生3,452名から回答いただいた、「ネット利用に関するアンケート」の結果を発表しました。
「交際中の人(交際中の人がいない人はいるとしたら)から自分の画像を送ってくれと言われたらどうしますか?」という設問に対し、高校3年生の女子生徒のうち、「送る」が16.2%、「多分送る」が29.1%、「何度も頼まれたら送る」が17.6%と回答し、「断る」と答えた人は37.2%にとどまったという結果などを発表しました。
(2)「京都スマホ宣言」
7月14日(土曜日)に実施した事前学習会で、ネットリテラシー向上のためテーマに沿って「3つの標語」を考え、京都スマホ宣言として発表しました。
- テーマ[時間]:「ちょっとだけ」ホントにそれで止められる?
- テーマ[人間関係]:文字よりも気持ちのこもった話し合い
- テーマ[危険]:その文章仮面をかぶった悪魔かも
(3)「啓発用PR動画発表」
京都スマホ宣言をPRするための動画を発表しました。このPR動画は事前学習会に参加した小中高生が出演し、演出も手がけました。
(4)「大人も子どもも、みんなで考えよう!パネルディスカッション」
コーディネーターである竹内和雄准教授の進行により、子どもと大人が「ネット利用に関するアンケート」の結果に基づき、スマホとの関わり方についてディスカッションしました。
〈主な意見〉
子ども(高校生)
- スマートフォンを持っていないとライン等を利用することができず、クラスや部活動の日程連絡等、情報の共有ができなくなるため必要なものです。
- SNSに水着の写真を掲載する等、自分の肌を誰かに見せるということに対して抵抗が少ない子が多い。その延長線上で、交際相手から自分の画像を要求されたら抵抗なく送ってしまうのかもしれない。
- 自画撮り被害等、インターネットを通じた被害は、家庭でも学校でもなかなか教えてもらえない。子ども同士がお互いに教えあって啓発していくことが大切だと思う。
- 現実で褒めてもらう機会は減ってきているが、SNSに写真を掲載したら、「いいね」がもらえる。褒めてもらう機会が多いから、インターネットにはまってしまう子どもが多いのだと思う。
大人(保護者、警察、教員)
- 協力型ゲーム等を通じ、友人や知らない人との交際トラブルの原因にならないか不安。
- アンケート結果から、ネット接続時間が3時間を超えることに対して抵抗の少ない子供たちが多いことがわかった。家庭での時間が無くならないか不安。
- SNS等を通じて知り合った人が、若い人だと思っていたら、おじさんだったというケースは非常に多く、子供たちが犯罪に巻き込まれないか心配。
- 交際相手に自分の画像を要求されたら、「送る」、と回答した割合が特に高校3年生女子で高かったことを受け、好きな人とはいえ自分の写真を送るというのは違和感を感じるし、それが発展して児童ポルノ自画撮り被害につながりはしないか危惧している。
(参加者の感想)
子ども(高校生)
- 周りの大人や違う学校、いろんな年齢の子供の意見を聞けて良かった。
- 多様な価値観に触れられることで非常に良い経験になった。
- ネットフォーラムを通じて学んだことを学校のみんなにも伝えていきたい。
- 大人と議論する場は少ないので、良い経験になった。
大人(保護者、警察、教員)
- 子供たちを褒めてあげられる場所がインターネット空間にあって、その結果、インターネットに依存してしまう子がいることを知った。もっと子供たちを褒めてあげて、大人の私達の方から子供たちに寄り添っていきたいと感じた。
- 教員として、これから家庭内でも学校でも子供たちのいいところをたくさん見つけて、褒めてあげたい。