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青年海外緑と文化の大使レポート(ガーナ)

坂本大祐(出身:京都市) 平成19年度4次隊(職種:水資源開発)

今回は私の活動について報告します。私は配属先の水チームに所属し、水供給に関する様々な活動を行っています。ガーナ国の飲料用水普及率(定義は少し複雑なため省略)は76~90%(WHO/unicef,2006)ですが、これは平均値。私の活動地域の村落は井戸が乾季には水位低下や枯渇、故障により、利用できる水量が限られたり、そもそも井戸が存在しなかったりで、溜め池の水を飲料用として利用する住人が多いのが現状です。このような状況下、私は村落に存在する既存簡易水道施設のモニタリングや井戸修理、溜め池の水を少しでも改善する方法に関する活動に重点的に取り組んできました。以下、モニタリングと井戸修理について簡単に紹介します。

 既存簡易水道施設のモニタリングで、今、最も力を入れている施設があります。この施設は誤った動力ポンプ運転方法により、ポンプが2度故障。また、住民から集めた水道料金の不明瞭な管理。水道メーターがあるにも関わらず、水道メーターの記録がとられていないといった数多くの問題がありました。昨年10月に2度目の故障が発覚して以来、配属先がこの施設建設に関わったこともあり、上司から、「とにかく直す」という指令を受け、本当に幸運にも当施設に適した動力ポンプが入手できたこともあり、1月に約8ヶ月ぶりに施設運転を再開することが出来ました。ポンプの故障原因の把握、集められた水道料金の行方探り、地域の役所の人たちや他NGOへのヒアリング等、開発途上国ならではの困難さを味わいました。現在、この施設運営に関して、私が中心となって再構築を行ってよいとの許可を上司から得たため(同時に、3度目の故障は許されないと言われましたが)、この施設の恩恵を受ける地域住民が自主的に運営管理できるシステムを目指して、現在も運営支援や役所の方との話合いを継続しています。

 井戸修理では、他ドナーの資金提供を受け、活動地域の壊れたハンドポンプ付き井戸の修理を行いました。日本では見たことも仕事として関わったこともないハンドポンプでしたが、この仕事が開発途上国におけるハンドポンプ付き井戸の状況について学ぶ大きなきっかけになりました。この井戸修理を通して、最も痛感したのは「施設の持続性」です。ハンドポンプを有する村落住民はそれが壊れた場合、直す手段を知らず、そのまま井戸は放置され、結局、飲料水確保のために遠く離れた溜め池へ水を汲みに行かざるを得ないケースが数多くありました。住民には「井戸修理に対する支払い能力がある」と今回の仕事を通して感じたため、どのように「手段」を提供し、「持続性」を高めていくか。これについて、次の一年は取り組む予定です。


1245887680839.jpgハンドポンプ付き井戸


 ガーナでの一年、日本との生活環境や文化の差に心底驚かされたり、ガーナ国大統領選挙下での治安に緊張したり(平穏に終わりました)、間違いなく人生で最大の頭痛に3日間寝込んだり(原因は恐らく熱中症)と、本当にいろいろな事がありました。また、いまだにガーナ食に馴染めず料理嫌いのため、日本食や実家で家族と食べるご飯がたまらなく恋しい毎日です。そんな中、尊敬する建築家が27歳の頃、海外の建築を学ぶ放浪の旅に出ていられたのを最近知り、「27歳の時に海外にいる」という共通点があることを、ささいな事ですが、すごく嬉しく思ったりしています。残り一年。たくさんのストレスはあると思いますが、健康一番で仕事や日常生活での新たな出会いを楽しんでいきたいと思います。

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