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株式会社虫秘茶

蛾の幼虫の糞をお茶にする⁉「虫秘茶(ちゅうひちゃ)」

(令和6年7月9日 産業振興課 白石)

令和5年度起業支援事業費補助金を活用して起業をされた丸岡さんが、蛾の幼虫の糞を基にしたお茶を製造・販売する「株式会社虫秘茶」を立ち上げられ、商品の開発に取り組んでいらっしゃいます。

虫の糞をお茶にするとは?どんな味??

――そもそも、なぜ蛾の幼虫の糞を飲もうと思われたのですか、、、?
丸岡)私は京都大学大学院の農学研究科に所属していますが、ある日、昆虫が好きな研究室の先輩が大量に蛾の幼虫を持ち帰ってきました。その幼虫たちが出した糞を見て、先輩と「飲んでみよう」となったことがきっかけです。糞にお湯を注いで飲んでみると、味も香りも良く、これはいけるんじゃないかと思いました。

――・・・すごい勇気ですね。でも、たまたま生まれたものだったとは驚きです。
イモムシが食べた葉は、どのような仕組みでお茶になるのですか?

丸岡)虫の腸内で発酵が起き、葉が変質します。植物葉×虫の掛け合わせにより、植物の持つ香りが強く引き出されるもの、原料となる植物からは想像もつかない香味を持つものなど、様々な味のお茶を作ることができます。
今まで80種類程度試し、特徴があり商品化できそうなものは、リンゴ、桜、栗など現在10種類程度です。

chaba2ocha

――実際に試飲させていただきました。栗が原料のものはすっきりとした味、桜が原料のお茶は桜餅のような香りがします!

丸岡)さらに、後味には出汁のような感覚が残り、複雑な風味がすると思います。

また、アルコールへの風味付けも一つの方法だと考え、蒸留所とコラボしたアルコール商品を秋までに販売開始する予定です。

自分でもウォッカに糞を漬けて数種類試作をしたのですが、香りが付くだけではなく、お酒の角がとれて味わいが丸くなるという効果もありました。糞は1年間程度漬けても崩れることはないので、お酒と一緒に飲んでしまう、ということもありません。

ウォッカ

↑下に沈んでいるのが虫秘茶の茶葉となる糞

農家の副業としての導入を目指す

――ここまで経緯や味について伺ってきましたが、どのように糞を集めているのですか?

丸岡)今は自分で育成するほか、農家さんの副業として広めていきたいと考え、取組を進めています。

具体的には、農園の隣で衣装ケースほどの大きさの箱で幼虫を育成し、通常廃棄される剪定材等の植物葉を与え、糞を回収するというものです。その糞を当社で買い取ることで、省スペースかつ軽作業の副業として導入してもらえると考えています。

現在は静岡県掛川市の栗農家さんや松崎町の役場にご協力いただいて糞を回収しています。

また、令和5年度に起業支援事業費補助金に採択され、舞鶴でブルーベリーの観光農園を起業された児玉さんにもご協力いただく予定です。

――早速起業家コミュニティでの協業が行われているんですね!

丸岡)今後、ご協力いただける農家さんの輪を広げ、安定的に虫秘茶を生産できるようにしたいと考えています。ご関心のある方は、ホームページ等からぜひお問合せいただけると幸いです。

――今後の展開がとても楽しみです!

㈱虫秘茶の情報はこちらから

お問い合わせ

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