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産学公連携、産業振興の一環として、京の研究者・専門家の皆さんを紹介するページです。
(2023年5月12日、ものづくり振興課 足利・水口・須惠)
京都大学生存圏研究所生存圏未来開拓研究センターの西村裕志准教授に、少しだけお話をお聞きしました。
リグニンは、セルロース、ヘミセルロースとともに植物細胞壁を構成する主要成分です。しかし、例えばセルロースが製紙において主要な成分となるのに対し、リグニンは不要で除去対象とされ、せいぜい燃焼させてエネルギーにするしかないものでした。
そんなリグニンの「機能」を見直し、燃焼させるのではなくCO2固定にも貢献させようと、リグニンの「地位回復」を図る動きが近年起こってきています。
中でも西村先生は、立木を切り倒すところから化学品を作り出すところまでのプロセス全般を網羅されているのが特徴。
リグニンと言ってもそれは、フェノール性化合物の総称であって、自然界に様々なものが存在します。「日本では、寺社仏閣の建築においても、切り出された材木一つひとつの個性を活かして『適材適所』がなされてきた」ように、切り倒された自然界のリグニンから生かす術を研究されてきました。
プラスチックの代替品、UV吸収剤の代替品、ドラッグデリバリーなど、その可能性は大きいです。
これまで見捨てられてきたリグニンの地位回復、さらには付加価値向上というパラダイムシフトにより、2050年のカーボンニュートラル実現に寄与しようとされています。
今後新しい動きが予定されています。その件はおって!
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