「京都の出版社に聞く」開催報告(第5回)
京都府立京都学・歴彩館では、今年度、京都の出版社の方に、自社のことや刊行している出版物のこと、ご自身の日々の仕事内容等についてご講演いただく、「京都の出版社に聞く」を開催しています。第5回目として、淡交社の方をお招きして開催しました。
- 日時
平成30年11月30日(金曜日)18時30分~20時00分
- 場所
京都府立京都学・歴彩館1階 小ホール
- 参加者数
30名
- 内容
(1)講演 淡交社 編集局編集第2部部長 井上尚徳氏、編集第1部次長兼「淡交」編集長 坪倉宏行氏
淡交社は、昭和24(1949)年に設立され、来年創立70周年を迎えます。
茶道は、日本の総合文化体系であり、芸術・建築など、さまざまな日本文化と結びついています。また、家元のある京都で出版活動を行っていることから、淡交社では、茶道関係書を軸に、加えて日本の伝統文化・京都関連資料を中心に出版を行っています。
井上氏は、今年刊行された『茶室露地大事典』の編さん室に3年間所属しており、事典を作る事の苦労ややりがいをお話ししてくださりました。
裏千家淡交会の機関誌『淡交』は、平成30年10月号で創刊900号を迎えました。茶道人のための知識提供の場であり、また、家元の考えをふまえたお茶の心やありようを、誌面を通して知ってもらっています。
編集長の坪倉氏は、『淡交』は裏千家の茶人が読者の多くを占めているが、年齢も茶歴も幅広いことや、茶人は様々な日本文化を学ばなければならないことによる、紙面づくりの難しさなどもお話くださりました。
(2)展示資料自由閲覧
『茶室露地大事典』や『淡交』など、当日お話しいただいた資料、『茶道古典全集』など復刻版、茶道関連本、『京都大事典』などの京都関連本などを展示しました。
参加者は本を手に取り、講師に話を伺ったりもしながら、熱心に閲覧されていました。
- 参加者の声
「『茶室露地大事典』のような事典の編集は大変でしょうが、日本の京都の文化を残すためにも今後も出版してもらいたい」「読者層・ターゲットを定めて本を作り上げることなど様々な話が聞けてよかった」との声をいただきました。
講演の様子
展示資料閲覧の様子