○京都府産業廃棄物処理施設設置等の手続に関する条例
平成26年3月14日
京都府条例第15号
京都府産業廃棄物処理施設設置等の手続に関する条例をここに公布する。
京都府産業廃棄物処理施設設置等の手続に関する条例
(目的)
第1条 この条例は、産業廃棄物処理施設設置等を行おうとする者と関係住民等との間で円滑に合意が形成されるための手続を定めることにより、生活環境の保全を図ることを目的とする。
(1) 産業廃棄物 廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和45年法律第137号。以下「法」という。)第2条第4項に規定する産業廃棄物をいう。
(2) 産業廃棄物処理施設等 産業廃棄物の処理に関する施設であって、次に掲げるものをいう。
ア 法第14条第1項又は第14条の4第1項の規定による許可を受けようとする者が、産業廃棄物の収集又は運搬を業として行うために設置する産業廃棄物の積替え又は保管の用に供する施設
イ 法第14条第6項又は第14条の4第6項の規定による許可を受けようとする者が、産業廃棄物の処分を業として行うために設置する産業廃棄物の処分の用に供する施設
ウ 法第14条第12項に規定する産業廃棄物収集運搬業者又は法第14条の4第12項に規定する特別管理産業廃棄物収集運搬業者が、当該業を行うために設置する産業廃棄物の積替え又は保管の用に供する施設
エ 法第14条第12項に規定する産業廃棄物処分業者又は法第14条の4第12項に規定する特別管理産業廃棄物処分業者が、当該業を行うために設置する産業廃棄物の処分の用に供する施設
(3) 産業廃棄物処理施設設置等 次に掲げる行為をいう。
ア 産業廃棄物処理施設等の設置
イ 産業廃棄物処理施設等の処理能力の増大その他の規則で定める変更
(4) 周辺地域 産業廃棄物処理施設設置等により生活環境に影響が生じるおそれがある地域として規則で定める地域をいう。
(5) 関係住民等 次に掲げるものをいう。
ア 周辺地域に居住する者
イ 周辺地域に存する地方自治法(昭和22年法律第67号)第260条の2第1項に規定する地縁による団体(以下「地域団体」という。)
ウ アに掲げる者のほか、産業廃棄物処理施設設置等に関し周辺地域の生活環境の保全についての利害関係を有する者
(6) 関係市町村 周辺地域が所在する市町村をいう。
(1) 法第14条第1項又は第14条の4第1項の規定による許可(積替え又は保管を行う場合のものに限り、更新に係るものを除く。)の申請
(2) 法第14条第6項又は第14条の4第6項の規定による許可(更新に係るものを除く。)の申請
(3) 法第14条の2第1項又は第14条の5第1項の規定による許可(収集又は運搬に係るものにあっては、積替え又は保管を行う場合のものに限る。)の申請
(4) 法第14条の2第3項又は第14条の5第3項において準用する法第7条の2第3項の規定による届出に係る変更
(5) 法第15条第1項の規定による許可の申請
(6) 法第15条の2の6第1項の規定による許可の申請
ア 法第14条第5項第2号(法第14条の2第2項において準用する場合を含む。)
イ 法第14条第10項第2号(法第14条の2第2項において準用する場合を含む。)
ウ 法第14条の4第5項第2号(法第14条の5第2項において準用する場合を含む。)
エ 法第14条の4第10項第2号(法第14条の5第2項において準用する場合を含む。)
ア 法第15条の2第1項第2号(法第15条の2の6第2項において準用する場合を含む。)
イ 法第15条の2第1項第4号(法第15条の2の6第2項において準用する場合を含む。)
(事業計画書の提出)
第5条 事業者は、産業廃棄物処理施設設置等を行おうとするときは、規則で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した事業計画書(以下「事業計画書」という。)を知事に提出しなければならない。
(1) 事業者の氏名及び住所(法人にあっては、その名称、代表者の氏名及び主たる事務所の所在地)
(2) 産業廃棄物処理施設設置等の目的
(3) 産業廃棄物処理施設設置等を行おうとする場所
(4) 産業廃棄物処理施設等の処理方式及び処理する産業廃棄物の種類
(5) 産業廃棄物処理施設等の処理能力(産業廃棄物の最終処分場である場合にあっては、産業廃棄物の埋立処分の用に供される場所の面積及び埋立容量)、構造及び設備
(6) 周辺地域の生活環境の保全のための措置(法第15条第1項に規定する産業廃棄物処理施設にあっては、廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則(昭和46年厚生省令第35号)第11条第3項第1号に規定する数値及びその根拠を含む。)
(7) 前各号に掲げるもののほか、規則で定める事項
2 知事は、事業計画書(第16条第1項の規定によりその内容を変更した場合にあっては、当該変更後の事業計画書を含む。以下同じ。)の提出があったときは、速やかに、当該事業計画書の写しを関係市町村の長及び関係機関の長に送付し、期限を定めて意見を求めるものとする。
3 知事は、前項の意見に配慮して必要があると認めるときは、事業者に対し、事業計画書の補正又は再提出を求めることができる。
4 知事は、前項の規定により補正又は再提出を求める事項がないときは、事業者にその旨を通知するものとする。
5 知事は、第3項の規定により補正又は再提出を求めた場合であって、事業計画書について適正な補正又は再提出がなされたと認めるときは、その写しを関係市町村の長及び関係機関の長に送付するとともに、事業者にその旨を通知するものとする。
(周知計画書の提出)
第6条 事業者は、事業計画書の提出に併せ、規則で定めるところにより、事業計画書の内容(以下「事業計画」という。)を関係住民等に周知させるための説明会(以下「説明会」という。)の開催に関する事項その他の規則で定める事項を記載した周知計画書(以下「周知計画書」という。)を知事に提出しなければならない。
2 事業者は、前項の規定により広告を開始した日から同日から起算して30日を経過する日までの間、規則で定めるところにより、事業計画書の写しを関係住民等の縦覧に供しなければならない。
(説明会の開催等)
第8条 事業者は、規則で定めるところにより、前条第2項に規定する縦覧期間内に説明会を開催し、関係住民等に対し、事業計画を周知しなければならない。ただし、天災、交通の遮断その他の不測の事態により、縦覧期間内に説明会を開催することが著しく困難である場合は、この限りでない。
2 前項ただし書に規定する場合においては、事業者は、説明会を開催するまでの間、事業計画書の写しを関係住民等の縦覧に供するとともに、当該不測の事態が収束した後、速やかに、説明会を開催しなければならない。
(周知計画書の変更の届出等)
第9条 事業者は、周知計画書の内容を変更しようとするときは、あらかじめ、規則で定めるところにより、当該変更後の周知計画書を知事に提出しなければならない。
3 知事は、前項の規定による届出があったときは、速やかに、その写しを関係市町村の長に送付するものとする。
4 事業者は、第2項の規定による届出を行ったときは、規則で定めるところにより、速やかに、説明会の日時を変更した旨その他規則で定める事項を広告しなければならない。
(周知状況報告書の提出)
第10条 事業者は、第7条第2項に規定する縦覧期間満了の日(第8条第1項ただし書に規定する場合にあっては、同条第2項の規定により事業者が説明会を開催した日。次条第2項において同じ。)後、規則で定めるところにより、速やかに、周知計画書に記載した事項の実施状況を記載した書面(以下「周知状況報告書」という。)を知事に提出しなければならない。
2 知事は、前項の規定による周知状況報告書の提出があったときは、速やかに、その写しを関係市町村の長に送付し、その内容に関して、関係市町村の長に対し、期限を定めて意見を求めるものとする。
(意見書の提出)
第11条 関係住民等は、第7条第1項の規定により事業者が広告を開始したときは、規則で定めるところにより、事業計画書について生活環境の保全上の見地からの意見を記載した書面(以下「意見書」という。)を、知事を経由して事業者に提出することができる。
3 知事は、前項に規定する提出期間が満了したときは、速やかに、当該意見書を事業者に送付するとともに、その写しを関係市町村の長に送付するものとする。
(見解書の提出等)
第12条 事業者は、前条第1項の規定による意見書の提出があったときは、規則で定めるところにより、遅滞なく、記載された意見に配慮して、意見書に対する見解を記載した書面(以下「見解書」という。)を知事に提出しなければならない。
2 知事は、前項の規定により提出された見解書に意見書の意見に配慮した見解が記載されていないと認めるときは、事業者に対し、補正又は再提出を求めることができる。
3 知事は、見解書(前項の規定により補正又は再提出を求めた場合にあっては、補正され、又は再提出された見解書。以下同じ。)の提出があったときは、速やかに、その写しを関係市町村の長に送付し、期限を定めて意見を求めるとともに、事業者にその旨を通知するものとする。
4 知事は、前項の規定による求めに応じて関係市町村の長から意見を記載した書類の提出があったときは、速やかに、当該書類の写しを事業者に送付するものとする。
5 事業者は、第3項の規定による通知があったときは、規則で定めるところにより、速やかに、見解書を関係住民等の縦覧に供しなければならない。
6 前項の規定による見解書の縦覧は、当該縦覧を開始した日から起算して7日を経過する日までの間、行わなければならない。
7 関係住民等は、第5項の規定により事業者が縦覧を開始したときは、規則で定めるところにより、見解書について生活環境の保全上の見地からの意見を記載した書面(以下「再意見書」という。)を、知事を経由して事業者に提出することができる。
9 知事は、前項に規定する提出期間が満了したときは、速やかに、当該再意見書を事業者に送付するとともに、その写しを関係市町村の長に送付するものとする。
(修正見解書の提出等)
第13条 事業者は、前条第7項の規定による再意見書の提出があったときは、規則で定めるところにより、遅滞なく、記載された意見に配慮して、再意見書に対する見解を記載した書面(以下「修正見解書」という。)を知事に提出しなければならない。
2 知事は、前項の規定により提出された修正見解書に再意見書の意見に配慮した見解が記載されていないと認めるときは、事業者に対し、補正又は再提出を求めることができる。
3 知事は、修正見解書(前項の規定により補正又は再提出を求めた場合にあっては、補正され、又は再提出された修正見解書)の提出があったときは、速やかに、その写しを関係市町村の長に送付するとともに、事業者にその旨を通知するものとする。
4 事業者は、前項の規定による通知があったときは、規則で定めるところにより、速やかに、修正見解書を関係住民等の縦覧に供しなければならない。
5 前項の規定による修正見解書の縦覧は、当該縦覧を開始した日から起算して7日を経過する日までの間、行わなければならない。
(環境保全協定の締結)
第14条 事業者は、地域団体又は関係市町村の長との間において、産業廃棄物処理施設設置等に関し、生活環境の保全のために必要な事項に関する協定(以下「環境保全協定」という。)を締結するよう努めなければならない。
2 事業者は、環境保全協定を締結したときは、速やかに、当該環境保全協定に係る書面の写しを知事に提出しなければならない。
3 知事は、前項の規定による環境保全協定に係る書面の写しが提出された場合であって、当該環境保全協定が事業者と地域団体との間において締結されたものであるときは、速やかに、当該環境保全協定に係る書面の写しを関係市町村の長に送付するものとする。
(手続終了等の通知)
第15条 知事は、意見書の提出がなかった場合、再意見書の提出がなかった場合又は修正見解書の提出があった場合のいずれかに該当する場合であって、周知状況報告書、意見書、見解書及び環境保全協定に係る書面の写しその他の資料に基づき、次の各号のいずれにも該当しないときは、条例手続が終了した旨を事業者及び関係市町村の長に通知するとともに、規則で定めるところにより、関係住民等に周知するものとする。
(1) 条例手続に関する事業者の取組が不十分であると認めるとき。
(2) 事業計画について生活環境の保全上支障が生じるおそれがあると認めるとき。
2 知事は、前項第2号に該当するときは、事業者に対し、その旨を通知するとともに、事業計画の変更を求めるものとする。
3 知事は、前2項の規定による通知を行おうとするときは、必要に応じて生活環境の保全について専門的知識を有する者の意見を聴くことができる。
(事業計画書の変更の届出等)
第16条 事業者は、事業計画を変更しようとするときは、あらかじめ、規則で定めるところにより、当該変更後の事業計画書を知事に提出しなければならない。ただし、規則で定める軽微な変更をしようとするときは、この限りでない。
2 前項ただし書に規定する変更をした者は、規則で定めるところにより、遅滞なく、その旨を知事に届け出なければならない。
3 知事は、前項の規定による届出があったときは、速やかに、その写しを関係市町村の長に送付するものとする。
(事業計画の廃止の届出等)
第17条 事業者は、事業計画を廃止したときは、規則で定めるところにより、遅滞なく、その旨を知事に届け出なければならない。
3 知事は、第1項の規定による届出があったときは、その旨を関係市町村の長に通知するものとする。
(報告の徴収)
第18条 知事は、この条例の施行に必要な限度において、事業者又は関係住民等に対し、必要な事項について報告又は資料の提出を求めることができる。
(指導及び助言)
第19条 知事は、生活環境の保全のため必要と認めるときは、事業者又は関係住民等に対し、指導及び助言をすることができる。
(勧告)
第20条 知事は、事業者が、次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、必要な措置を講じるよう勧告することができる。
(1) 事業計画書を正当な理由なく提出せず、又は虚偽の事業計画書を提出したとき。
(2) 周知計画書を正当な理由なく提出せず、又は虚偽の周知計画書を提出したとき。
(4) 説明会を正当な理由なく開催しないとき。
(5) 第9条第2項の規定による届出を正当な理由なく行わず、又は虚偽の届出を行ったとき。
(6) 周知状況報告書を正当な理由なく提出せず、又は虚偽の周知状況報告書を提出したとき。
(7) 見解書若しくは修正見解書を正当な理由なく提出せず、又は虚偽の見解書若しくは修正見解書を提出したとき。
(9) 第16条第2項の規定による届出を正当な理由なく行わず、又は虚偽の届出を行ったとき。
(10) 知事が、前条の規定により環境保全協定の締結又はその内容に係る指導又は助言をしたにもかかわらず、環境保全協定が締結されない場合であって、その原因が事業者の著しく不当な対応にあると認められるとき。
(公表)
第21条 知事は、前条の規定による勧告を受けた者が、正当な理由なく当該勧告に従わないときは、規則で定めるところにより、その旨を公表することができる。
2 知事は、前項の規定による公表をしようとするときは、当該公表に係る者に対し、あらかじめ、その旨を通知し、その者又はその代理人の出席を求め、釈明の機会を与えるための意見の聴取を行わなければならない。
(適用除外)
第22条 次に掲げる産業廃棄物処理施設設置等については、この条例の規定は、適用しない。
(1) 廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令(昭和46年政令第300号)第27条の規定により指定都市の長等が行うこととされている事務に係るもの
(2) 環境影響評価法(平成9年法律第81号)第2条第4項又は京都府環境影響評価条例(平成10年京都府条例第17号)第2条第4号に規定する対象事業となるもの
附則