○京都府絶滅のおそれのある野生生物の保全に関する条例

平成19年10月16日

京都府条例第51号

京都府絶滅のおそれのある野生生物の保全に関する条例をここに公布する。

京都府絶滅のおそれのある野生生物の保全に関する条例

目次

第1章 総則(第1条―第10条)

第2章 個体等の取扱いに関する規制

第1節 個体等の所有者の義務等(第11条・第12条)

第2節 個体の捕獲及び個体等の譲渡し等の禁止(第13条―第20条)

第3章 生息地等の保全に関する規制

第1節 土地の所有者の義務等(第21条・第22条)

第2節 生息地等保全地区(第23条―第30条)

第4章 保全回復事業

第1節 認定保全回復事業等(第31条―第34条)

第2節 地域住民等との協働による保全回復事業(第35条―第45条)

第3節 保全回復事業の効果についての調査(第46条)

第5章 外来生物に関する施策(第47条)

第6章 推進体制の整備等(第48条―第52条)

第7章 雑則(第53条―第57条)

第8章 罰則(第58条―第62条)

附則

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、府内に生息し、又は生育する野生生物が、生態系の重要な構成要素であり、自然環境の一部として豊かな府民生活の実現に欠くことのできないものであることにかんがみ、絶滅のおそれのある野生生物を保全するために必要な事項を定め、府、府民、野生生物を保全する活動を行っている団体(以下「保全団体」という。)、事業者、国、市町村その他の関係機関等が連携し、及び協働して、絶滅のおそれのある野生生物の保全の取組を推進することにより、府内の生物の多様性を確保し、もって人と野生生物が共生する豊かな自然環境を次代に継承することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において「絶滅のおそれのある野生生物」とは、府内に生息し、又は生育する在来の野生生物の種(亜種又は変種がある種にあっては、その亜種又は変種とする。以下同じ。)及び地域個体群(地域的に孤立した個体群をいう。)であって、府内において、その存続に支障を来す程度に個体の数が著しく少ないもの、その個体の数が著しく減少しつつあるもの、その個体の主要な生息地又は生育地が消滅しつつあるもの、その個体の生息又は生育の環境が著しく悪化しつつあるものその他のその存続に支障を来す事情があるものをいう。

 この条例において「指定希少野生生物」とは、絶滅のおそれのある野生生物のうち、特に保全を図る必要があるものとして知事が指定するものをいう。

(府の責務)

第3条 府は、府内の野生生物が置かれている状況を常に把握するとともに、絶滅のおそれのある野生生物の保全に関する総合的かつ計画的な施策を策定し、及び実施するものとする。

 府は、前項の施策の策定及び実施に当たっては、府民、保全団体、事業者等と協働して取り組むとともに、国、市町村その他の関係機関と連携して、その推進に努めるものとする。

 府は、地域の開発事業その他の絶滅のおそれのある野生生物の個体の生息又は生育の環境に影響を及ぼすと認められる事業(以下「開発事業等」という。)に関する計画の策定に当たっては絶滅のおそれのある野生生物に与える影響を回避するよう努めるとともに、開発事業等の実施に当たっては絶滅のおそれのある野生生物の個体の生息又は生育の環境への影響を最小限にする工法の採用その他の必要な措置を講じるものとする。

(府民等の責務)

第4条 府民及び観光旅行者その他の滞在者は、絶滅のおそれのある野生生物の保全に努めるとともに、府が実施する絶滅のおそれのある野生生物の保全に関する施策に協力しなければならない。

(保全団体の責務)

第5条 保全団体は、絶滅のおそれのある野生生物の保全の取組の推進に努めるとともに、府が実施する絶滅のおそれのある野生生物の保全に関する施策に協力しなければならない。

(事業者の責務)

第6条 事業者は、事業活動を行うに当たっては、これに伴って生じる絶滅のおそれのある野生生物の個体の生息又は生育の環境の悪化の防止に努めるとともに、府が実施する絶滅のおそれのある野生生物の保全に関する施策に協力しなければならない。

 事業者は、開発事業等に関する計画の策定に当たっては絶滅のおそれのある野生生物に与える影響を回避するよう努めるとともに、開発事業等の実施に当たっては絶滅のおそれのある野生生物の個体の生息又は生育の環境への影響を最小限にする工法の採用その他の必要な措置を講じるよう努めなければならない。

(財産権の尊重等)

第7条 この条例の適用に当たっては、関係者の所有権その他の財産権を尊重し、府民の生活の安定及び福祉の維持向上に配慮し、並びに国土の保全その他の公益との調整に留意しなければならない。

(基本方針)

第8条 知事は、指定希少野生生物の保全のための基本方針(以下「基本方針」という。)を定めるものとする。

 基本方針には、次に掲げる事項を定めるものとする。

(1) 絶滅のおそれのある野生生物の保全に関する基本構想

(2) 指定希少野生生物の選定に関する基本的な事項

(3) 指定希少野生生物の個体(卵及び種子であって知事が別に定めるものを含む。以下同じ。)及びその器官(規則で定めるものに限る。以下同じ。)並びにこれらの加工品(規則で定めるものに限る。以下同じ。)の取扱いに関する基本的な事項

(4) 指定希少野生生物の個体の生息地又は生育地の保全に関する基本的な事項

(5) 保全回復事業(指定希少野生生物の個体の繁殖の促進、その生息地又は生育地の整備その他の指定希少野生生物の保全を図るための事業をいう。以下同じ。)に関する基本的な事項

(6) 野生生物の保全を目的とする他の法令に基づく施策との調整に関する基本的な事項

(7) 前各号に掲げるもののほか、絶滅のおそれのある野生生物の保全に関する重要事項

 知事は、基本方針を定めるに当たっては、あらかじめ、京都府環境審議会(以下「審議会」という。)の意見を聴かなければならない。

 知事は、基本方針を定めたときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。

 前2項の規定は、基本方針の変更について準用する。

 この条例の規定に基づく処分その他絶滅のおそれのある野生生物の保全に関する施策及び事業の内容は、基本方針と調和するものでなければならない。

(指定希少野生生物の指定等)

第9条 知事は、指定希少野生生物の指定(以下この条及び次条において「指定」という。)をしようとするときは、あらかじめ、審議会の意見を聴かなければならない。

 知事は、指定をしようとするときは、あらかじめ、規則で定めるところにより、その旨を公告し、公告した日から起算して14日を経過する日までの間、当該指定の案(次項及び第4項において「指定案」という。)を縦覧に供しなければならない。

 前項の規定による公告があったときは、利害関係人は、同項に規定する期間が経過する日までの間に、指定案について、知事に意見書を提出することができる。

 知事は、指定案について異議がある旨の前項の意見書の提出があったときその他指定に関し広く意見を聴く必要があると認めるときは、公聴会を開催するものとする。

 知事は、指定をするときは、規則で定めるところにより、その旨を告示しなければならない。

 指定は、前項の規定による告示によってその効力を生じる。

 知事は、指定希少野生生物の個体の生息又は生育の状況の変化その他の事情の変化により指定の必要がなくなったと認めるとき又は指定を継続することが適当でないと認めるときは、指定を解除しなければならない。

 第1項第5項及び第6項の規定は、前項の規定による指定の解除について準用する。

(府民からの提案)

第10条 府民は、規則で定めるところにより、理由を付して、指定を行うよう知事に提案することができる。

 知事は、前項の規定による提案があった場合において、指定をしたときはその旨を、指定をする必要がないと判断したときはその旨及びその理由を、遅滞なく、当該提案をした者に通知するものとする。

第2章 個体等の取扱いに関する規制

第1節 個体等の所有者の義務等

(個体等の所有者等の義務)

第11条 指定希少野生生物の個体若しくはその器官又はこれらの加工品(以下「個体等」という。)の所有者又は占有者は、指定希少野生生物を保全することの重要性を自覚し、その個体等を適切に取り扱うように努めなければならない。

(助言又は指導)

第12条 知事は、指定希少野生生物の保全のため必要があると認めるときは、指定希少野生生物の個体等の所有者又は占有者に対し、その個体等の取扱いに関し必要な助言又は指導をすることができる。

第2節 個体の捕獲及び個体等の譲渡し等の禁止

(個体の捕獲等及び巣の破壊等の禁止)

第13条 指定希少野生生物の生きている個体は、捕獲、採取、殺傷又は損傷(以下「捕獲等」という。)をしてはならない。ただし、次に掲げる場合は、この限りでない。

(1) 第16条第1項の許可を受けてその許可に係る捕獲等をする場合

(2) 生計の維持のため特に必要があり、かつ、指定希少野生生物の保全に支障を及ぼすおそれのない場合として規則で定める場合

(3) 人の生命又は身体の保護その他の規則で定めるやむを得ない事由がある場合

 知事が別に定める指定希少野生生物の巣(当該指定希少野生生物の繁殖を保護するために必要な場所として知事が別に定める場所にあるもので、知事が別に定める状態にあるものに限る。)は、繁殖行為を保護するために必要な期間として知事が別に定める期間内は、前項第2号及び第3号に掲げる場合のほか、正当な理由なく破壊又は損傷をしてはならない。

(譲渡し等の禁止)

第14条 前条第1項の規定に違反し、又は同項第1号若しくは第3号の場合に該当して捕獲等をされた指定希少野生生物の個体等は、譲渡し若しくは譲受け又は引渡し若しくは引取りをしてはならない。ただし、指定希少野生生物の保全に支障を及ぼすおそれがない場合として規則で定める場合は、この限りでない。

 前条第1項の規定に違反して捕獲等をされた指定希少野生生物の個体等は、所持をしてはならない。

(所持をしている者に対する措置命令)

第15条 知事は、指定希少野生生物の保全のため必要があると認めるときは、前条第2項の規定に違反して所持をしている者に対し、当該違反に係る個体の解放その他の必要な措置をとるべきことを命じることができる。

(捕獲等の許可)

第16条 学術研究又は繁殖の目的その他規則で定める目的で指定希少野生生物の生きている個体の捕獲等をしようとする者は、知事の許可を受けなければならない。

 前項の許可を受けようとする者は、規則で定めるところにより、知事に許可の申請をしなければならない。

 知事は、前項の申請に係る捕獲等について次の各号のいずれかに該当する事由があるときは、第1項の許可をしてはならない。

(1) 捕獲等の目的が第1項に規定する目的に適合しないこと。

(2) 捕獲等によって指定希少野生生物の保全に支障を及ぼすおそれがあること。

(3) 捕獲等をする者が適当な飼養栽培施設を有しないことその他の事由により捕獲等に係る個体を適切に取り扱うことができないと認められること。

 知事は、第1項の許可をする場合において、指定希少野生生物の保全のため必要があると認めるときは、その必要の限度において、その許可に条件を付することができる。

 知事は、第1項の許可をしたときは、規則で定めるところにより、許可証を交付しなければならない。

 第1項の許可を受けた者のうち法人であるものその他その許可に係る捕獲等に他人を従事させることについてやむを得ない事由があるものとして規則で定めるものは、規則で定めるところにより、知事に申請をして、その者の監督の下にその許可に係る捕獲等に従事する者であることを証明する従事者証の交付を受けることができる。

 第1項の許可を受けた者は、その者若しくはその者の監督の下にその許可に係る捕獲等に従事する者が第5項の許可証若しくは前項の従事者証を亡失し、又はその許可証若しくは従事者証が滅失したときは、規則で定めるところにより、知事に申請をして、その許可証又は従事者証の再交付を受けることができる。

 第1項の許可を受けた者又はその者の監督の下にその許可に係る捕獲等に従事する者は、捕獲等をするときは、第5項の許可証又は第6項の従事者証を携帯しなければならない。

 第1項の許可を受けて捕獲等をした者は、その捕獲等に係る個体を、適当な飼養栽培施設に収容することその他の規則で定める方法により適切に取り扱わなければならない。

(捕獲等許可者に対する措置命令等)

第17条 知事は、前条第1項の許可を受けた者が、同条第9項の規定に違反し、又は同条第4項の規定により付された条件に違反した場合において、指定希少野生生物の保全のため必要があると認めるときは、その者に対し、飼養栽培施設の改善その他の必要な措置をとるべきことを命じることができる。

 知事は、前条第1項の許可を受けた者がこの条例若しくはこの条例に基づく規則の規定又はこの条例に基づく処分に違反した場合において、指定希少野生生物の保全に支障を及ぼすと認めるときは、その許可を取り消すことができる。

(陳列及び広告の禁止)

第18条 第13条第1項の規定に違反し、又は同項第1号若しくは第3号の場合に該当して捕獲等をされた指定希少野生生物の個体等は、販売又は頒布をする目的で陳列をしてはならない。

 第13条第1項の規定に違反し、又は同項第1号若しくは第3号の場合に該当して捕獲等をされた指定希少野生生物の個体等については、販売又は頒布をする目的で、何人も、その広告をしてはならない。

(陳列等をしている者に対する措置命令)

第19条 知事は、前条第1項の規定に違反して陳列をし、又は同条第2項の規定に違反して広告をしている者に対し、当該陳列又は広告(以下「陳列等」という。)の中止その他の必要な措置をとるべきことを命じることができる。

(報告徴収及び立入検査)

第20条 知事は、この条例の施行に必要な限度において、第16条第1項の許可を受けている者、指定希少野生生物の個体等を所持している者又は販売若しくは頒布をする目的で指定希少野生生物の個体等の陳列等をしている者に対し、指定希少野生生物の個体等の取扱いの状況その他必要な事項について報告を求め、又はその職員に、指定希少野生生物の個体の捕獲等、所持若しくは陳列等に係る施設に立ち入り、指定希少野生生物の個体等、飼養栽培施設、書類その他の物件を検査させ、若しくは関係者に質問させることができる。

 前項の規定による立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。

 第1項の規定による権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。

第3章 生息地等の保全に関する規制

第1節 土地の所有者の義務等

(土地の所有者等の義務)

第21条 土地の所有者又は占有者は、その土地の利用に当たっては、指定希少野生生物の保全に留意しなければならない。

(助言又は指導)

第22条 知事は、指定希少野生生物の保全のため必要があると認めるときは、土地の所有者又は占有者に対し、その土地の利用の方法その他の事項に関し必要な助言又は指導をすることができる。

第2節 生息地等保全地区

(生息地等保全地区)

第23条 知事は、指定希少野生生物の保全のため必要があると認めるときは、その個体の生息地又は生育地及びこれらと一体的にその保全を図る必要がある区域であって、その個体の分布状況及び生態その他その個体の生息又は生育の状況を勘案してその指定希少野生生物の保全のため重要と認めるものを、生息地等保全地区として指定することができる。

 前項の規定による指定(以下この条において「指定」という。)は、指定の区域、指定に係る指定希少野生生物及び指定の区域の保全に関する指針を定めてするものとする。

 知事は、指定をしようとするときは、あらかじめ、審議会及び関係市町村長の意見を聴かなければならない。

 知事は、指定をしようとするときは、あらかじめ、規則で定めるところにより、その旨を公告し、公告した日から起算して14日を経過する日までの間、指定の区域、指定に係る指定希少野生生物及び指定の区域の保全に関する指針の案(次項及び第6項において「指定案」という。)を縦覧に供しなければならない。

 前項の規定による公告があったときは、指定をしようとする区域の住民及び利害関係人は、同項に規定する期間が経過する日までの間に、知事に指定案についての意見書を提出することができる。

 知事は、指定案について異議がある旨の前項の意見書の提出があったときその他指定に関し広く意見を聴く必要があると認めるときは、公聴会を開催するものとする。

 知事は、指定をするときは、その旨並びに指定の区域、指定に係る指定希少野生生物及び指定の区域の保全に関する指針を告示しなければならない。

 指定は、前項の規定による告示によってその効力を生じる。

 知事は、生息地等保全地区に係る指定希少野生生物の個体の生息又は生育の状況の変化その他の事情の変化により指定の必要がなくなったと認めるとき又は指定を継続することが適当でないと認めるときは、指定を解除しなければならない。

10 第3項第7項及び第8項の規定は、前項の規定による指定の解除について準用する。この場合において、第7項中「その旨並びに指定の区域、指定に係る指定希少野生生物及び指定の区域の保全に関する指針」とあるのは、「その旨及び解除に係る指定の区域」と読み替えるものとする。

11 生息地等保全地区の区域内(次条第4項第10号に掲げる行為については、同号に規定する湖沼又は湿原の周辺1キロメートルの区域内)において同項各号に掲げる行為をする者は、第2項の指針に留意しつつ、指定希少野生生物の保全に支障を及ぼさない方法でその行為をしなければならない。

(管理地区)

第24条 知事は、生息地等保全地区の区域内で指定希少野生生物の保全のため特に必要があると認める区域を管理地区として指定することができる。

 知事は、管理地区に係る指定希少野生生物の個体の生息又は生育の状況の変化その他の事情の変化により前項の規定による指定の必要がなくなったと認めるとき又はその指定を継続することが適当でないと認めるときは、その指定を解除しなければならない。

 前条第2項から第8項までの規定は第1項の規定による指定について、同条第3項第7項及び第8項の規定は前項の規定による指定の解除について準用する。この場合において、同条第7項中「その旨並びに指定の区域、指定に係る指定希少野生生物及び指定の区域の保全に関する指針」とあるのは、前項の規定による指定の解除については「その旨及び解除に係る指定の区域」と読み替えるものとする。

 管理地区の区域内(第10号に掲げる行為については、同号に規定する湖沼又は湿原の周辺1キロメートルの区域内。第27条第1項及び第28条第1項において同じ。)においては、次に掲げる行為(第12号から第16号までに掲げる行為については、知事が指定する区域内及びその区域ごとに指定する期間内においてするものに限る。)は、知事の許可を受けなければ、してはならない。

(1) 建築物その他の工作物を新築し、改築し、又は増築すること。

(2) 宅地を造成し、土地を開墾し、その他土地(水底を含む。)の形質を変更すること。

(3) 鉱物を採掘し、又は土石を採取すること。

(4) 水面を埋め立て、又は干拓すること。

(5) 河川、湖沼等の水位又は水量に増減を及ぼさせること。

(6) 木竹を伐採すること。

(7) 指定希少野生生物の個体の生息又は生育に必要なものとして知事が指定する野生生物の種の個体その他の物の捕獲等をすること。

(8) 野生生物に反復し、又は継続してえさを与えること。

(9) 生息地等保全地区の区域外に生息し、又は生育している当該生息地等保全地区の指定に係る指定希少野生生物と同種の個体を生息地等保全地区の区域内に放ち、又は植栽し、若しくはその種子をまくこと。

(10) 管理地区の区域内の湖沼若しくは湿原であって知事が指定するもの又はこれらに流入する水域若しくは水路に汚水又は廃水を排水設備を設けて排出すること。

(11) 道路、広場、田、畑、牧場及び宅地の区域以外の知事が指定する区域内において、車馬若しくは動力船を使用し、又は航空機を着陸させること。

(12) 第7号の規定により知事が指定した野生生物の種の個体その他の物以外の野生生物の種の個体その他の物の捕獲等をすること。

(13) 指定希少野生生物の個体の生息又は生育に支障を及ぼすおそれのある動植物その他の生物の種として知事が指定するものの個体を放ち、又は植栽し、若しくはその種子をまくこと。

(14) 指定希少野生生物の個体の生息又は生育に支障を及ぼすおそれのあるものとして知事が指定する物質を散布すること。

(15) 火入れ又はたき火をすること。

(16) 指定希少野生生物の個体の生息又は生育に支障を及ぼすおそれのある方法として知事が定める方法によりその個体を観察すること。

 前項の許可を受けようとする者は、規則で定めるところにより、知事に許可の申請をしなければならない。

 知事は、前項の申請に係る行為が第3項において準用する前条第2項の指針に適合しないものであるときは、第4項の許可をしないことができる。

 知事は、指定希少野生生物の保全のため必要があると認めるときは、その必要な限度において、第4項の許可に条件を付することができる。

 第4項の規定により同項各号に掲げる行為が規制されることとなった時において既に同項各号に掲げる行為に着手している者は、その規制されることとなった日から起算して3月を経過する日までの間に知事に規則で定める事項を届け出たときは、同項の規定にかかわらず、引き続きその行為をすることができる。

 次に掲げる行為については、第4項の規定は、適用しない。

(1) 非常災害に対する必要な応急措置としての行為

(2) 通常の管理行為又は軽易な行為で規則で定めるもの

(3) 木竹の伐採で、知事が管理地区ごとに指定する方法及び限度内においてするもの

10 前項第1号に掲げる行為であって第4項各号に掲げる行為に該当するものをした者は、その日から起算して14日を経過する日までの間に知事にその旨を届け出なければならない。

(立入制限地区)

第25条 知事は、管理地区の区域内で指定希少野生生物の個体の生息又は生育のため特にその保全を図る必要があると認める場所を、立入制限地区として指定することができる。

 知事は、前項の規定による指定をしようとするときは、その場所の土地の所有者又は占有者(正当な権原を有する者に限る。次項及び第29条第2項において同じ。)の同意を得なければならない。

 知事は、土地の所有者又は占有者が正当な理由により第1項の規定による指定を解除するよう求めたとき又はその指定の必要がなくなったと認めるときは、その指定を解除しなければならない。

 何人も、知事が定める期間内は、立入制限地区の区域内に立ち入ってはならない。ただし、次に掲げる場合は、この限りでない。

(1) 非常災害に対する必要な応急措置としての行為をするために立ち入る場合

(2) 通常の管理行為又は軽易な行為で規則で定めるものをするために立ち入る場合

(3) 前2号に掲げるもののほか、知事がやむを得ない事由があると認めて許可をした場合

 第23条第7項及び第8項の規定は第1項の規定による指定及び第3項の規定による指定の解除について、前条第5項及び第7項の規定は前項第3号の許可について準用する。この場合において、第23条第7項中「その旨並びに指定の区域、指定に係る指定希少野生生物及び指定の区域の保全に関する指針」とあるのは、第1項の規定による指定については「その旨及び指定の区域」と、第3項の規定による指定の解除については「その旨及び解除に係る指定の区域」と読み替えるものとする。

(監視地区)

第26条 生息地等保全地区の区域で管理地区の区域に属さない部分(次条第1項及び第28条第1項において「監視地区」という。)の区域内において第24条第4項第1号から第5号までに掲げる行為をしようとする者は、あらかじめ、知事に規則で定める事項を届け出なければならない。

 知事は、前項の規定による届出(以下この条において「届出」という。)があった場合において届出に係る行為が第23条第2項の指針に適合しないものであるときは、届出をした者に対し、届出に係る行為をすることを禁止し、若しくは制限し、又は必要な措置をとるべきことを命じることができる。

 前項の規定による命令は、届出があった日から起算して30日(30日を経過する日までの間に同項の規定による命令をすることができない合理的な理由があるときは、届出があった日から起算して60日を超えない範囲内で知事が定める期間)を経過した後又は第5項ただし書の規定による通知をした後は、することができない。

 知事は、前項の規定により期間を定めたときは、これに係る届出をした者に対し、遅滞なく、その旨及びその理由を通知しなければならない。

 届出をした者は、届出をした日から起算して30日(第3項の規定により知事が期間を定めたときは、その期間)を経過した後でなければ、届出に係る行為に着手してはならない。ただし、知事が指定希少野生生物の保全に支障を及ぼすおそれがないと認めてその者に通知したときは、この限りでない。

 次に掲げる行為については、第1項の規定は、適用しない。

(1) 非常災害に対する必要な応急措置としての行為

(2) 通常の管理行為又は軽易な行為で規則で定めるもの

(3) 第23条第1項の規定による指定がされた時において既に着手している行為

(措置命令等)

第27条 知事は、指定希少野生生物の保全のため必要があると認めるときは、管理地区の区域内において第24条第4項各号に掲げる行為をしている者又は監視地区の区域内において同項第1号から第5号までに掲げる行為をしている者に対し、その行為の実施方法について指示をすることができる。

 知事は、第24条第4項若しくは第25条第4項の規定に違反した者、第24条第7項(第25条第5項において準用する場合を含む。)の規定により付された条件に違反した者、前条第1項の規定による届出をしないで同項に規定する行為をした者又は同条第2項の規定による命令に違反した者がその違反行為によって指定希少野生生物の個体の生息地又は生育地の保全に支障を及ぼした場合において、指定希少野生生物の保全のため必要があると認めるときは、これらの者に対し、相当の期限を定めて、原状回復を命じ、その他指定希少野生生物の個体の生息地又は生育地の保全のため必要な措置をとるべきことを命じることができる。

(報告徴収及び立入検査等)

第28条 知事は、この条例の施行に必要な限度において、管理地区の区域内において第24条第4項各号に掲げる行為をした者又は監視地区の区域内において同項第1号から第5号までに掲げる行為をした者に対し、その行為の実施状況その他必要な事項について報告を求めることができる。

 知事は、この条例の施行に必要な限度において、その職員に、生息地等保全地区の区域内において前項に規定する者が所有し、又は占有する土地に立ち入り、その者がした行為の実施状況について検査させ、若しくは関係者に質問させ、又はその行為が指定希少野生生物の保全に及ぼす影響について調査をさせることができる。

 前項の規定による立入検査又は立入調査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。

 第1項及び第2項の規定による権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。

(実地調査)

第29条 知事は、第23条第1項第24条第1項又は第25条第1項の規定による指定をするための実地調査に必要な限度において、その職員に、他人の土地に立ち入らせることができる。

 知事は、その職員に前項の規定による立入りをさせようとするときは、あらかじめ、土地の所有者又は占有者にその旨を通知し、意見を述べる機会を与えなければならない。

 第1項の規定による立入りをする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。

 土地の所有者又は占有者は、正当な理由がない限り、第1項の規定による立入りを拒み、又は妨げてはならない。

(損失の補償)

第30条 府は、第24条第4項の許可を受けることができないため、同条第7項の規定により条件を付されたため又は第26条第2項の規定による命令をされたため損失を受けた者に対し、通常生じるべき損失の補償をする。

第4章 保全回復事業

第1節 認定保全回復事業等

(府保全回復事業計画)

第31条 知事は、保全回復事業の適正かつ効果的な実施に資するため、審議会の意見を聴いて保全回復事業の事業計画を定めるものとする。

 前項の事業計画(以下「府保全回復事業計画」という。)は、保全回復事業の対象とすべき指定希少野生生物ごとに、保全回復事業の目標、保全回復事業が行われるべき区域及び保全回復事業の内容その他保全回復事業が適正かつ効果的に実施されるために必要な事項について定めるものとする。

 知事は、府保全回復事業計画を定めたときは、その概要を告示し、かつ、その府保全回復事業計画を一般の閲覧に供しなければならない。

 第1項及び前項の規定は、府保全回復事業計画の変更について準用する。

(認定保全回復事業等)

第32条 府は、指定希少野生生物の保全のため必要があると認めるときは、保全回復事業を行うものとする。

 国及び市町村は、その行う保全回復事業であってその事業計画が府保全回復事業計画に適合するものについて、知事のその旨の確認を受けることができる。

 国及び市町村以外の者は、その行う保全回復事業について、その者がその保全回復事業を適正かつ確実に実施することができ、及びその保全回復事業の事業計画が府保全回復事業計画に適合している旨の知事の認定を受けることができる。

 知事は、前項の認定をしたときは、規則で定めるところにより、その旨を告示しなければならない。第34条第2項又は第3項の規定によりこれを取り消したときも、同様とする。

第33条 認定保全回復事業等(府の保全回復事業、前条第2項の確認を受けた保全回復事業及び同条第3項の認定を受けた保全回復事業をいう。以下この条において同じ。)は、府保全回復事業計画に即して行われなければならない。

 認定保全回復事業等として実施する行為については、第13条第1項第24条第4項及び第10項第25条第4項第26条第1項並びに第56条第2項及び第3項の規定は、適用しない。

 生息地等保全地区の区域内の土地の所有者又は占有者は、認定保全回復事業等として実施される給設備その他の保全回復事業のために必要な施設の設置に協力するように努めなければならない。

 知事は、前条第3項の認定を受けて保全回復事業を行う者に対し、その保全回復事業の実施状況その他必要な事項について報告を求めることができる。

第34条 第32条第2項の確認又は同条第3項の認定を受けて保全回復事業を行う者は、その保全回復事業を廃止したとき又はその保全回復事業を府保全回復事業計画に即して行うことができなくなったときは、その旨を知事に通知しなければならない。

 知事は、前項の規定による通知があったときは、その通知に係る第32条第2項の確認又は同条第3項の認定を取り消すものとする。

 知事は、第32条第3項の認定を受けた保全回復事業が府保全回復事業計画に即して行われていないと認めるとき又はその保全回復事業を行う者がその保全回復事業を適正かつ確実に実施することができなくなったと認めるとき若しくは前条第4項に規定する報告をせず、若しくは虚偽の報告をしたときは、その認定を取り消すことができる。

第2節 地域住民等との協働による保全回復事業

(保全団体の登録等)

第35条 保全団体は、地域住民、保全回復事業に係る土地の所有者、野生生物に関し識見を有する者、他の保全団体その他の規則で定めるもの(以下「地域住民等」という。)と協働して保全回復事業を行おうとする場合は、知事の登録を受けることができる。

 前項の規定により登録を受けようとする保全団体は、規則で定めるところにより、申請書を知事に提出しなければならない。

 知事は、前項の規定により申請書を提出した保全団体が次の各号に掲げる要件のすべてを満たしていると認めるときは、その保全団体を登録するものとする。

(1) 絶滅のおそれのある野生生物の保全のための活動の実績を有し、又はその活動を確実に遂行できる技術的能力を有していること。

(2) 府保全回復事業計画に適合した活動を安定的かつ継続的に行うことができること。

(3) 府保全回復事業計画に適合した活動を地域住民等と協働して行うものであること。

 知事は、規則で定めるところにより、前項の規定により登録した保全団体(以下「登録団体」という。)に登録証を交付するものとする。

 知事は、規則で定めるところにより、登録団体の名簿を備えて一般の閲覧に供するものとする。

 知事は、登録団体と地域住民等との協働による保全回復事業が促進されるよう、登録団体に対し、情報の提供その他の必要な支援措置を講じるものとする。

(登録の更新)

第36条 前条第1項の登録の有効期間は、3年とする。

 前項の登録の有効期間の満了後引き続き登録を受けようとする登録団体は、登録の更新を受けなければならない。

 前条第2項から第4項までの規定は、前項の登録の更新について準用する。

(登録の抹消)

第37条 知事は、登録団体が次の各号のいずれかに該当するときは、遅滞なく、当該登録団体の登録を抹消するものとする。

(1) 登録団体から、規則で定めるところにより、その登録の抹消を求める旨の届出があったとき。

(2) 登録団体が第35条第3項各号に掲げる要件のいずれかに該当しなくなったとき。

(指定希少野生生物の保全回復事業に関する協定)

第38条 第32条第3項の規定により認定を受けた保全回復事業を実施する登録団体は、当該保全回復事業をより効果的に実施するため、地域住民等と保全回復事業に関する協定を締結し、当該協定が適当である旨の知事の認定を受けることができる。

 前項の規定により認定を受けようとする登録団体は、規則で定めるところにより、申請書を知事に提出しなければならない。

 第1項の規定により知事の認定を受けようとする協定には、次に掲げる事項を定めるものとする。

(1) 保全回復事業の対象となる指定希少野生生物及び保全回復事業を行う区域

(2) 登録団体及び地域住民等が行うそれぞれの保全回復事業の内容に関する事項

(3) 保全回復事業に要する経費の負担及び保全回復事業に伴う収益の分配に関する事項

(4) 協定の有効期間

(5) 協定の当事者が当該協定に違反した場合の措置

(6) その他必要な事項

 知事は、第2項の規定により申請のあった協定が次の各号に掲げる要件のすべてを満たしていると認めるときは、その協定を認定するものとする。

(1) 協定の内容が法令の規定に違反するものでないこと。

(2) 協定の内容が第32条第3項の規定により認定を受けた保全回復事業の事業計画と整合がとれているものであること。

(3) 協定の内容が確実に実施されるものであること。

(認定協定の変更)

第39条 登録団体(前条第1項の規定により認定を受けたものに限る。以下この条から第44条までにおいて同じ。)は、前条第1項の規定による知事の認定に係る協定(以下「認定協定」という。)において定めた事項を変更しようとするときは、当該認定協定のすべての当事者の合意をもってその旨を定め、知事の認定を受けなければならない。ただし、規則で定める軽微な変更をしようとするときは、この限りでない。

 前条の規定は、前項の規定による変更の認定について準用する。

 登録団体は、第1項ただし書に規定する軽微な変更をしたときは、規則で定めるところにより、遅滞なく、その旨を知事に届け出なければならない。

(認定協定に基づく保全回復事業)

第40条 認定協定に基づいて、当該認定協定に係る登録団体以外の当事者が、保全回復事業(第32条第3項の規定により認定されたものに限る。)を当該認定協定に係る登録団体と協働で実施する場合において、当該認定協定に係る登録団体以外の当事者が実施する行為については、第13条第1項第24条第4項及び第10項第25条第4項並びに第26条第1項の規定は、適用しない。

 知事は、前項の登録団体以外の当事者に対し、前項の行為の実施状況その他必要な事項について報告を求めることができる。

(府保全回復事業計画の変更の提案)

第41条 登録団体は、当該認定協定の対象となる指定希少野生生物に係る府保全回復事業計画の変更について、知事に提案をすることができる。

 知事は、前項の規定による提案が行われたときは、遅滞なく、当該提案を踏まえて当該府保全回復事業計画の変更をする必要があるかどうかを判断し、その結果を当該提案をした登録団体に通知するものとする。

(認定協定に係る支援措置)

第42条 知事は、登録団体と地域住民等が協働して行う認定協定に基づく保全回復事業が円滑に実施されるよう、登録団体に対し、技術的な指導、助言、情報の提供その他の必要な支援措置を講じるものとする。

(市町村等との連携)

第43条 登録団体は、認定協定に基づいて行う保全回復事業の実施に当たっては、市町村その他の関係機関との連携に努めなければならない。

(認定協定の終了等)

第44条 登録団体は、認定協定に基づく保全回復事業を終了したとき又は廃止したときは、規則で定めるところにより、遅滞なく、その旨を知事に届け出なければならない。

(認定協定の認定の取消し)

第45条 知事は、登録団体の登録を抹消したとき又は認定協定の内容が第38条第4項各号のいずれかに該当しなくなったときは、当該認定協定の認定を取り消すものとする。

 知事は、前項の規定により認定協定の認定を取り消したときは、当該認定協定に基づき保全回復事業を行った登録団体に対し、必要な助言又は指導をすることができる。

第3節 保全回復事業の効果についての調査

(保全回復事業の効果についての調査)

第46条 知事は、保全回復事業が適正かつ効果的に実施されるよう、保全回復事業を行う者の協力を求め、保全回復事業による効果について、定期的に調査を実施するものとする。

 知事は、前項の調査の結果、科学的知見に基づき、保全回復事業による効果が期待できないと認められる場合には、当該保全回復事業を行う者に対し、その事業計画を見直すよう求めるものとする。

第5章 外来生物に関する施策

(外来生物に関する施策)

第47条 府は、外来生物(海外から我が国に導入されることによりその本来の生息地又は生育地の外に存することとなる生物であって、我が国にその本来の生息地又は生育地を有する生物とその性質が異なることにより生態系に係る被害を及ぼし、又は及ぼすおそれがあるものをいう。)のうち絶滅のおそれのある野生生物の存続に支障を及ぼすものの個体の数を低減し、及びその生息地又は生育地を縮小するため、当該外来生物が絶滅のおそれのある野生生物の存続に与える影響の把握、当該外来生物に関する施策を実施する市町村への助言その他の必要な措置を講じるよう努めるものとする。

第6章 推進体制の整備等

(推進体制)

第48条 府は、府民、保全団体、野生生物に関し識見を有する者、事業者、国、市町村その他の関係機関等と連携し、及び協働して絶滅のおそれのある野生生物の保全を推進するための体制を整備するものとする。

(希少野生生物保全取締員)

第49条 知事は、その職員のうちから希少野生生物保全取締員を命じ、第12条第15条第17条第1項第19条第20条第1項第22条第27条又は第28条第1項に規定する権限の一部を行わせることができる。

 前項の希少野生生物保全取締員は、その権限を行うときは、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。

(希少野生生物保全推進員)

第50条 知事は、絶滅のおそれのある野生生物の保全に関する府民の理解の促進等を図るため、野生生物の保全に関し識見を有する者のうちから、啓発、調査その他の絶滅のおそれのある野生生物の保全に関する活動を行う希少野生生物保全推進員を委嘱することができる。

 希少野生生物保全推進員が指定希少野生生物の個体に関する調査で規則で定めるもののためにする捕獲等については、第13条第1項の規定は、適用しない。

(人材の育成)

第51条 府は、絶滅のおそれのある野生生物の保全に関する府民、保全団体等の取組を推進するため、絶滅のおそれのある野生生物を保全する活動を支える人材の育成に努めるものとする。

(啓発及び普及)

第52条 府は、絶滅のおそれのある野生生物の保全について、府民、事業者等の理解を深めるため、必要な啓発及び知識の普及に努めるものとする。

第7章 雑則

(調査)

第53条 知事は、野生生物の種の個体の生息又は生育の状況、その生息地又は生育地の状況その他必要な事項について定期的に調査をし、その結果を、この条例に基づく規則の改廃、この条例に基づく指定又はその解除その他この条例の適正な運用に活用するものとする。

(財政上の措置)

第54条 府は、絶滅のおそれのある野生生物の保全に関する施策を推進するため、必要な財政上の措置を講じるものとする。

(農林漁業等への配慮)

第55条 府は、生息地等保全地区に関する規定の適用に当たっては、当該生息地等保全地区に係る住民の農林漁業等の生業の安定及び福祉の向上に配慮しなければならない。

(国等に関する特例)

第56条 国、府又は市町村が行う事務又は事業については、第12条から第14条まで、第22条第24条第4項及び第10項第25条第4項第26条第1項第27条第1項並びに第28条第1項及び第2項の規定は、適用しない。

 国、府又は市町村は、第13条第1項第2号及び第3号に掲げる場合以外の場合に指定希少野生生物の生きている個体の捕獲等をしようとするとき又は第24条第4項若しくは第25条第4項第3号の許可を受けるべき行為に該当する行為をしようとするときは、規則で定める場合を除き、あらかじめ、知事に協議しなければならない。

 国、府又は市町村は、第24条第8項の規定により届出をして引き続き同条第4項各号に掲げる行為をすることができる場合に該当する場合にその行為をするとき又は同条第10項若しくは第26条第1項の規定により届出をすべき行為に該当する行為をし、若しくはしようとするときは、規則で定める場合を除き、これらの規定による届出の例により、知事にその旨を通知しなければならない。

(規則への委任)

第57条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

第8章 罰則

(罰則)

第58条 次の各号のいずれかに該当する者は、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

(1) 第13条第1項第14条又は第24条第4項の規定に違反した者

(2) 第15条第17条第1項又は第27条第2項の規定による命令に違反した者

第59条 次の各号のいずれかに該当する者は、6月以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する。

(1) 第13条第2項又は第25条第4項の規定に違反した者

(2) 第16条第4項又は第24条第7項の規定により付された条件に違反した者

(3) 第19条の規定による命令に違反した者

第60条 次の各号のいずれかに該当する者は、30万円以下の罰金に処する。

(1) 第18条又は第26条第5項の規定に違反した者

(2) 第25条第5項において準用する第24条第7項の規定により付された条件に違反した者

(3) 第26条第1項の規定による届出をしないで同項に規定する行為をし、又は虚偽の届出をした者

(4) 第26条第2項の規定による命令に違反した者

第61条 次の各号のいずれかに該当する者は、20万円以下の罰金に処する。

(1) 第16条第8項の規定に違反して許可証又は従事者証を携帯しないで捕獲等をした者

(2) 第20条第1項に規定する報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による立入検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、若しくは質問に対して陳述をせず、若しくは虚偽の陳述をした者

(3) 第28条第1項に規定する報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同条第2項の規定による立入検査若しくは立入調査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、若しくは質問に対して陳述をせず、若しくは虚偽の陳述をした者

(4) 第29条第4項の規定に違反して、同条第1項の規定による立入りを拒み、又は妨げた者

(両罰規定)

第62条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、第58条から前条までの違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して各本条の罰金刑を科する。

この条例は、平成20年4月1日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。

(1) 第1条から第8条までの規定 公布の日

(2) 第9条及び第10条の規定 平成20年1月1日

京都府絶滅のおそれのある野生生物の保全に関する条例

平成19年10月16日 条例第51号

(平成20年4月1日施行)

体系情報
第5編 生/第11章 環境の保全等/第10節 自然環境保全
沿革情報
平成19年10月16日 条例第51号