○京都府産業廃棄物の不適正な処理を防止する条例
平成14年12月24日
京都府条例第42号
京都府産業廃棄物の不適正な処理を防止する条例をここに公布する。
京都府産業廃棄物の不適正な処理を防止する条例
目次
第1章 総則(第1条―第7条)
第2章 産業廃棄物の不適正な保管等の防止(第8条―第14条)
第3章 雑則(第15条―第17条)
第4章 罰則(第18条―第21条)
附則
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、産業廃棄物の不適正な処理が地域の環境に重大な支障を及ぼすことにかんがみ、産業廃棄物の不適正な処理を未然に防止するための手続その他所要の事項を定めることにより、地域における府民の安全、快適な生活及び自然環境を維持し、もって人と自然が共生できる良好な地域の環境を保全することを目的とする。
(定義)
第2条 この条例で使用する用語の意義は、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和45年法律第137号。以下「法」という。)で使用する用語の例によるものとする。
(事業者の責務)
第3条 事業者は、事業活動を行うに当たっては、産業廃棄物の発生抑制、再使用及び再生利用に努めなければならない。
2 事業者は、産業廃棄物の発生から最終処分までの過程を適正に管理しなければならない。
3 事業者は、府が実施する産業廃棄物の不適正な処理を防止するための施策に協力するものとする。
(産業廃棄物処理業者の責務)
第4条 産業廃棄物処理業者(産業廃棄物収集運搬業者、産業廃棄物処分業者、特別管理産業廃棄物収集運搬業者及び特別管理産業廃棄物処分業者をいう。以下同じ。)は、受託した産業廃棄物の処理を適正に行わなければならない。
2 産業廃棄物処理業者は、府が実施する産業廃棄物の不適正な処理を防止するための施策に協力するものとする。
(土地所有者等の責務)
第5条 土地の所有、占有又は管理(以下「所有等」という。)をする者(以下「土地所有者等」という。)は、他人に土地を使用させるときには、産業廃棄物の不適正な処理が行われないよう努めなければならない。
2 土地所有者等は、その所有等をする土地において産業廃棄物の不適正な処理が行われたことを知ったときは、地域の環境を保全するために必要な措置を講じるよう努めなければならない。
3 土地所有者等は、府が実施する産業廃棄物の不適正な処理を防止するための施策に協力するものとする。
(府の責務)
第6条 府は、産業廃棄物の不適正な処理を防止するため、法及びこの条例に基づく権限を的確に行使するとともに、情報提供、啓発その他必要な措置を講じるものとする。
2 府は、事業者の行う産業廃棄物の発生抑制、再使用及び再生利用に対し、技術的支援等を実施するものとする。
(監視の実施)
第7条 府は、産業廃棄物の不適正な処理を早期に発見するために必要な監視体制を整備し、事業者、府民及び市町村、隣接府県その他の関係機関と連携して、監視を行うものとする。
第2章 産業廃棄物の不適正な保管等の防止
(1) 事業者の氏名及び住所(法人にあっては、その名称、代表者の氏名及び主たる事務所の所在地)
(2) 保管用地の所在地、面積並びに所有者の氏名及び住所(法人にあっては、その名称、代表者の氏名及び主たる事務所の所在地)
(3) 保管をする産業廃棄物の種類及び数量
(4) 産業廃棄物の保管の方法
(5) 産業廃棄物の処理の計画
(6) 前各号に掲げるもののほか、規則で定める事項
2 前項の規定による届出をした者は、当該届出に係る事項を変更しようとするときは、あらかじめ、規則で定めるところにより、その旨を知事に届け出なければならない。ただし、軽微な変更であって規則で定めるものについては、この限りでない。
(保管用地の廃止)
第9条 前条第1項の規定による届出をした者は、当該届出に係る保管用地を産業廃棄物の保管の用に供しなくなったときは、遅滞なく、規則で定めるところにより、その旨を知事に届け出なければならない。
(運搬指示票)
第10条 府内に保管用地を設置した者は、自らその産業廃棄物を保管用地に搬入しようとするとき又は保管用地から搬出しようとするときは、規則で定めるところにより、当該産業廃棄物の運搬の業務に従事する者に対し、次に掲げる事項を記載した運搬指示票を交付しなければならない。
(1) 運搬する産業廃棄物の種類及び数量
(2) 産業廃棄物を搬出する事業場又は保管用地の名称及び所在地
(3) 産業廃棄物を搬入する事業場又は保管用地の名称及び所在地
(4) 前3号に掲げるもののほか、規則で定める事項
2 前項の規定により運搬指示票を交付した者は、当該運搬指示票の写しを規則で定める期間保存しなければならない。
3 第1項の規定により運搬指示票の交付を受けて産業廃棄物の運搬の業務に従事する者は、当該運搬中において、当該運搬指示票を常に携行しなければならない。
(勧告)
第11条 知事は、産業廃棄物の保管又は埋立処分(以下「保管等」という。)が行われている場合であって、地域の環境を保全するために必要があると認めるときは、当該産業廃棄物の保管等を行う者に対し、不適正な保管等を防止するために必要な措置を講じるよう勧告することができる。
(報告の徴収)
第12条 知事は、産業廃棄物又は産業廃棄物の疑いのある物(以下「産業廃棄物等」という。)の保管等が行われていると認めるときは、この条例の施行に必要な限度において、当該保管等を行う者に対し、必要な報告を求めることができる。
(立入検査)
第13条 知事は、産業廃棄物等の保管等が行われていると認めるときは、この条例の施行に必要な限度において、その職員に、当該保管等を行う者の事務所、事業場その他の場所又は収集若しくは運搬の用に供する車両に立ち入らせ、帳簿書類その他の物件を検査させ、関係人に質問させ、又は試験の用に供するために必要な限度において産業廃棄物等を無償で収去させることができる。
2 前項の規定により立入検査を行う職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人に提示しなければならない。
3 第1項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
(搬入一時停止命令)
第14条 知事は、産業廃棄物等の保管等が行われている土地への産業廃棄物等の搬入が継続されることにより、地域における府民の安全、快適な生活又は自然環境が損なわれるおそれがあると認めるときは、当該保管等をした者に対し、法又はこの条例に基づく報告の徴収又は立入検査の結果が明らかになるまでの間、当該土地への産業廃棄物等の搬入の停止を命じることができる。
第3章 雑則
(適用除外)
第15条 京都市の区域については、この条例の規定は、適用しない。
(公表)
第16条 知事は、毎年、この条例の施行状況を取りまとめ、公表するものとする。
2 知事は、法に基づく命令若しくは許可の取消し又は法若しくはこの条例の規定に違反したことを理由とする告発(以下「命令等」という。)を行ったときは、当該命令等の内容、当該命令等を受けた者の氏名その他の規則で定める事項を公表することができる。
第4章 罰則
(罰則)
第18条 第14条第1項の規定による命令に違反した者は、6月以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
第19条 次の各号のいずれかに該当する者は、30万円以下の罰金に処する。
(1) 第12条の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者
(2) 第13条第1項の規定による検査若しくは収去を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は質問に対して陳述せず、若しくは虚偽の陳述をした者
(過料)
第21条 次の各号のいずれかに該当する者は、5万円以下の過料に処する。
(2) 第9条の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者
(4) 第10条第2項の規定に違反して、運搬指示票の写しを保存しなかった者
(5) 第10条第3項の規定に違反して、運搬指示票を携行しなかった者
附則
1 この条例は、平成15年4月1日から施行する。