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6月9日付けで報告していましたとおり、センチュリー・プラントとも呼ばれるアオノリュウゼツランが、7月下旬に開花しました!
ひとつひとつは、わりと地味~な花で、花被片(花びら)はあまり開かず6個の雄蘂と1個の雌蘂が突き出ています。
これが束になって、ひとつの房に200個程度集まっているとされます。
花茎は7~8m程度あり、下から見ていては花の詳細が観察できないので、担当職員は高所作業車を使って花の写真を撮影してみました。
開花後は、この個体は枯死してしまいますので、一生に一回だけの開花を観察できるチャンスです。
30年から50年の間にたった一度だけ開花する、南米原産のリュウゼツラン科植物アオノリュウゼツラン(青の竜舌蘭)が、今夏開花しそうです!海外では100年に一度だけ咲く植物という意味で「センチュリープラント(century plant)」とも呼ばれているようです。
5月頃から花茎を伸ばし始め、まるでタケノコのようにぐんぐん高く育ってきました。本日現在の高さはおよそ5mほどになっています。
7月下旬ころには開花するのでは?と、観察しているのですが、淡黄色に咲く花の数は数千個にもなるとされます。一回結実性で、開花すると枯れてしまう植物です。
開花情報は改めて発信しますので、ぜひ観察しにご来園ください!
未来君広場北側エリアに植栽しています。
園内の樹木が展葉する前に、ヤドリギと思われる個体を高所作業車の上から観察しました。樹齢約90年のエノキの枝にあったものは、実はヤドリギではなく残念ながらテングス病にかかり、枝が異常に密集したものでした。そのため採取後、この枝を処分しました。
テングス病にかかった枝
次に針葉樹林のツガの大木(樹高25メートル)にあったヤドリギらしきものは、「マツグミ」という針葉樹に寄生する常緑性のヤドリギ科の植物でした。これは植栽したものではなく、鳥が種子を運んだものだと思われます。京都府では準絶滅危惧種に指定されている珍しい植物です。夏に開花し果実は翌年の春に赤く熟します。
植物園のものは、まだ果実が緑色でした。
普段、高所作業車は、来園者の安全を確保するための枯れ枝の除去や剪定作業に使用しますが、このように地上からは観察できない植物の観察や種子採取などにも活躍します。
新年あけましておめでとうございます。今年も1月5日から開園しております。どうかよろしくお願いします。
昨年は11月頃から最低気温が下がらず、紅葉の見頃も例年より2週間ほど遅くなり、12月上旬になりようやく美しく紅葉しました。
未来君広場で咲くパールアカシア
暖冬の影響は植物にいろいろな影響が出てきています。未来君広場では、本来なら4月に咲くパールアカシアの蕾が膨らみ12月から咲き始め、現在一斉に咲いています。
ロウバイ(写真左:梅林)とソシンロウバイ(写真右:盆栽・鉢物展示場)
ロウバイは12月上旬には咲き始めましたが、落葉しないまま開花していたため花が目立ちませんでした(1月に入り落葉が進み、やっと花が目立つようになりました)。
梅林では例年なら2月上旬に咲き出す早咲きの品種がすでに開花してきました。
今後の気象状況にもよりますが、昨年の紅葉時期からつづく温暖な気候が植物にどのように影響し、休眠や開花などフェノロジー的にどのように変化するか観察をしていき、それに対応した管理が求められます。
お問い合わせ
文化生活部文化生活総務課 植物園
京都市左京区下鴨半木町
電話番号:075-701-0141
ファックス:075-701-0142