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子どもの頃から、天狗岩には天狗の神様が住んでいると信じていました。そして、大きくなったらいつかあの山へ登ってみたいと思うようになりました。その願いがようやく叶ったのは、50歳を過ぎてからでした。
最近は、山を訪れる人がほとんどなく、あちこちで倒木が道を閉ざしていました。観光協会の人たちと、整備作業をしながらようやく登ることができました。
苦労して登った天狗岩からの展望は素晴らしく、遠くに山並みや集落が見えました。そして、天狗岩の岩の間に立派な檜が生えていること気が付きました。風雨に耐え、岩の隙間にしっかり根を張り成長を続けている檜の生命力に目を見張りました。天狗岩と檜はまるで寄り添うように一体化していました。その姿を見て「やっぱり天狗の神様はいるのかもしれない。」と思えました。天狗岩は檜の命を守りながら、山の麓の大河内の住民を守り続けているような気がしてきました。
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