事件
番号
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申立年月日
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事件の概要
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命令の概要
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命令書交付年月日
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令
和
2
年
(不)
第
2
号
命令書全文(PDF:274KB)
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令
和
2
年
12
月
23
日
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<当事者>
申立人:労働組合3組合(X1組合、X2支部、X3協議会)
被申立人:地方公共団体
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<命令の内容>
- X3協議会の組合員の賃金に係る事項についての団体交渉応諾
- その余の申立ての棄却
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令
和
4
年
6
月
1
日
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<申立ての概要>
学童保育事業運営団体の職員で組織する申立人らが、被申立人は労組法上の使用者に当たるとして団体交渉応諾等を求めたもの
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<申立人らの主張>
- 労働契約上の使用者ではなくても、労働関係に対して現実に強い影響力・支配力を有する場合は使用者と認めるべきところ、被申立人は、職員の基本給等労働条件を職員処遇要綱で詳細に定め、各事業運営団体にその遵守を求めてきた上、過去30年以上申立人らとの団体交渉に応じてきたから、使用者に当たる。
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<理由の概要>
- 団体交渉事項である基本的な労働条件等について、現実的かつ具体的に支配・決定することができる地位にある者が労組法上の使用者に当たると解すべきところ、職員処遇要綱は職員の基本給及び諸手当を具体的に規定しているが、契約書等からは各運営団体が職員処遇要綱の遵守を求められているとは認められず、同要綱が直接職員の基本給及び諸手当を拘束しているとはいえないし、過去30年にわたり毎年度被申立人と申立人らとの間で協議が行われてきたが、これは行政施策に関する協議の性格を多分に有し、組合員全体との関係では団体交渉であったとはいえない。
- しかしながら、X3協議会の組合員については、これら組合員を雇用するC1委員会が、職員処遇要綱どおりに運営する旨を明確にしており、被申立人も過去、そのような運営の在り方を容認し、C1委員会に代わって自ら申立人らとの間で団体交渉(C1委員会については毎年度の協議が団体交渉を兼ねていたと認められる。)を行い具体的な賃金の額を決定してきたのであり、平成21年以降もこのような団体交渉の実態には何らの変更もないから、被申立人は使用者であると認められる。
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<被申立人の主張>
- 雇入れ・解雇及び日常の指揮監督は契約上の雇用主である各事業運営団体が行っており、職員処遇要綱についても、各運営団体には契約上遵守義務はなく、現在では遵守するよう指導してもいない。
- 申立人らとは過去行政施策についての協議に応じてきたにすぎず、団体交渉はしていないし、各運営団体のうちC1委員会が雇用するX3協議会の組合員に限っては、過去使用者性を認めて団体交渉に応じたことはあるが、平成21年以降C1委員会が被申立人からの独立性を持つようになったから、現時点では使用者ではない。
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