京都府中小企業人材確保推進機構全体会議(令和5年3月開催)の議事要旨
京都府では、現下の雇用情勢を鑑み、経済・労働者団体等と行政が緊密に連携したオール京都体制で構成する京都府中小企業人材確保推進機構を中心に人材確保支援など府内中小企業の人手不足対策に取り組んでいます。
新型コロナウイルス感染症の感染拡大により雇用情勢にも影響が生じている中、WITHコロナ・POSTコロナに対応した新しい雇用のあり方を検討するとともに、雇用戦略を構築・推進するため、引き続き、雇用の維持と事業継続に全力で取り組むとともに、感染拡大の防止と経済の回復の両立を図るため、下記のとおり、会議を開催いたしました。
京都府中小企業人材確保推進機構
機構組織イメージ(令和元年度(PDF:1,695KB)、令和2年度(PDF:358KB)、令和3年度(PDF:151KB)、令和4年度(PDF:169KB)、令和5年度(PDF:200KB)
設置要綱(令和3年4月1日改正)(PDF:119KB)
構成団体
<経済団体等>
京都府商工会議所連合会、京都府商工会連合会、京都府中小企業団体中央会、一般社団法人京都経営者協会、一般社団法人京都経済同友会、公益社団法人京都工業会、日本労働組合総連合会京都府連合会
<学識・教育関係>
京都府助言役(参与)〔雇用創出・就業支援担当〕、公益財団法人大学コンソーシアム京都
<行政>
京都労働局、京都市、京都府市長会、京都府町村会、京都府
全体会議概要
1 日時
令和5年3月29日(水曜日)13時30分から15時00分まで
2 場所
京都ガーデンパレス「鞍馬」
3 出席団体
<経済団体等>
京都府商工会議所連合会、京都府商工会連合会、京都府中小企業団体中央会、一般社団法人京都経営者協会、一般社団法人京都経済同友会、公益社団法人京都工業会、日本労働組合総連合会京都府連合会
<学識・教育関係>
京都府助言役(参与)〔雇用創出・就業支援担当〕、公益財団法人大学コンソーシアム京都
<行政>
京都労働局、京都市、京都府市長会、京都府町村会、京都府
4 代表挨拶
- 京都の街にも活気が戻ってきているが、コロナが収束していくとともに浮かび上がってくるのが人手不足の問題である。府内のホテルをみても、人手不足で部屋の掃除ができないといった声も聞いており、おそらくどのホテルも100%稼働はできてない。
- リモートでの働き方が普及するなか、人材確保も時代の変化に応じたやり方で進めていくことが必要。今後、当機構の役割を果たしていくためにも、一段階高いレベルの議論をしていかないと問題解決に繋がらない。
- 我々の労働施策についても、企業の「人材確保」や「労働生産性向上」に向け、どう取り組んでいくかという点や、就職困難者への対応といった点について検討を重ねながら、来年度1年間かけて抜本的に見直そうと考えている。
5 主な意見
- 景気の回復の波が遅れてやってくる中小企業においては、業績が戻ってないにも関わらず、国を挙げての賃上げ圧力が高まってきており、そういった状況の中での人材確保には、大変苦労している。
- 丹後地域では、観光、宿泊、飲食業界において人手不足が深刻であり、これまでは外国人を積極的に雇用していたが、昨今の円安により外国人もなかなか集まらない中、営業時間の短縮や休日の増加により対応している。
- 中小企業が人材を確保するにあたり、中途採用は非常に有効な方策であり、大企業で経験を積まれた方々が、中小企業・小規模事業所にステージを変え、力を発揮いただけるような仕組みを構築していただきたい。
- 様々な課題があって障害者の直接雇用が難しい中小企業でも、例えば、障害者を集めて企業化されている大企業に仕事を依頼することで、障害者雇用に繋がるのではないかと感じており、そういった仕組みも検討いただきたい。
- 生産部門の人員が足りず、急激な需要回復に対応できないという声や、IT人材、DX人材の不足により、サービスの提供が滞っているという声もあり、人材確保や人材育成を経営課題とする会員が多い。
- 就労奨学金返済一体型支援事業について、継続して制度を利用する企業のうち、一定の採用実績を上げている企業や、若手の離職率が下がった企業に対し、次年度の補助額を引き上げるといったことも検討いただきたい。
- 人手不足の解消に向けては、高齢者や女性の社会進出を促していくことが必要であり、例えば、企業の中に託児スペースを設け、高齢者の方に子どもの面倒見てもらうといった事例が拡大すれば、女性や高齢者の社会進出が進むのではないか。
- 中小企業の人材確保に向けた施策を検討するにあたっては、労働供給サイドの視点を重視し、京都で仕事をしたいと思った人に、まずここに行けばという場所を1ヶ所つくること、1箇所に集中させることが重要。
- 今年度、インターンシップに参加した学生へのアンケートによると、「実習に参加した企業のイメージが良くなった」と回答した学生の割合は77.2%と非常に高く、学生に対し、企業の魅力を伝える良い機会になっている。
- 小規模自治体のみでは取組に限界もあり、DX人材の育成支援や外国人人材の円滑な受入環境整備支援など、当推進機構を中心にオール京都体制で中小企業の人手不足対策を進めていただきたい。
- 町村にも小規模でもやりがいのある企業は多く、そういった企業の魅力も発信しながら、企業の人材確保に加え、移住定住対策を進めていきたい。