京都府中小企業人材確保推進機構全体会議の議事要旨
京都府では、現下の雇用情勢を鑑み、経済・労働者団体と行政が緊密に連携したオール京都体制で構成する京都府中小企業人材確保推進機構を中心に人材確保支援など府内中小企業の人手不足対策に取り組んでいます。
この度、直面する新型コロナウイルス感染症の影響が深刻化する中、2021年新卒採用の現況等について意見交換し、オール京都体制における対策を協議するため、「全体会議」を開催しました。
京都府中小企業人材確保推進機構
機構組織イメージ(令和元年度(PDF:1,695KB)、令和2年度(PDF:358KB))
設置要綱(令和2年7月9日改正)(PDF:125KB)
構成団体
<経済団体等>
京都府商工会議所連合会、京都府商工会連合会、京都府中小企業団体中央会、一般社団法人京都経営者協会、一般社団法人京都経済同友会、公益社団法人京都工業会、日本労働組合総連合会京都府連合会
<学識・教育関係>
京都府助言役(参与)〔雇用創出・就業支援担当〕、公益財団法人大学コンソーシアム京都
<行政>
京都労働局、京都市、京都府市長会、京都府町村会、京都府
全体会議概要
1 日時
令和2年7月9日(木曜日)13時30分から15時50分まで
2 場所
ホテルルビノ京都堀川(みやこの間)
3 出席団体
<経済団体等>
京都府商工会議所連合会、京都府商工会連合会、京都府中小企業団体中央会、一般社団法人京都経営者協会、一般社団法人京都経済同友会、公益社団法人京都工業会、日本労働組合総連合会京都府連合会
<学識・教育関係>
京都府助言役(参与)〔雇用創出・就業支援担当〕、公益財団法人大学コンソーシアム京都
<行政>
京都労働局、京都市、京都府市長会、京都府町村会、京都府
<その他> *テーマ毎に招へい
株式会社マイナビ、京都中小企業家同友会、京都府立大学、京都産業大学、京都女子大学、京都文教大学
4 代表挨拶
- 最近の雇用情勢や経済情勢の変化を踏まえて、度重なる会議で皆様には議論いただいている
- 雇用調整助成金について、京都労働局(厚生労働省)に対して支給限度額の引き上げや申請手続の簡素化等を要望したところ、対応いただき感謝している
- 大卒の就職状況は、現時点で前年対比6~7%減で推移しており、有効求人倍率等からも分かるとおり、経済への影響が深刻化し、非常に気になっている
- 就職氷河期時に就職できなかったことが、今の大きな社会問題につながっている状況なので、十分配慮しながら今後の施策を引き続きオール京都で取り組んでいく必要がある
5 主な意見
(1)経済団体
- 有効求人倍率が下がってきているものの、中小企業ではまだ人材不足が続いており、採用ニーズが高いところもある
- 中小企業は新卒者の採用が難しく、中途採用に力を入れている
- 新型コロナウイルス感染症の影響で採用形態が変化しているが、中小企業や小規模事業者はWEB環境等のインフラ整備が追いついていないため、流れに乗り切れておらず、WEB環境整備への支援が必要
- 魅力ある中小企業はたくさんあるので、大学側からも学生にPRしていただきたい
- 働くことに対する学生の意識の低さが、新卒3年以内の離職率約3割という数字に繋がっていると感じている
- 「大学のまち」京都には、優秀な学生が多く在籍しているので、本人に適した職選びができるような指導や支援を行政にもお願いしたい
- WITHコロナという中で、新しい雇用のあり方や企業のあり方を考えていく必要がある
- 雇用シェアリングの活用や障害者あるいは外国人労働者の受入れの強化が課題になってくるだろう
- 中小企業からは、WEB企業説明会より、対面で説明会や面接をした方が採用に結びつく可能性が高いという声を聞いている
(2)教育関係
- 学内の調査から、現時点での就職内定率は10~15%下がっているものの、リーマンショック時のような状態にはなっていない
- コロナ禍以前から就職活動を始めていた学生は、既に内定をもらっているが、3月以降に就職活動をスタートした学生は内定まで至っておらず、極端な二極化が生じている
- 4月に授業ができなかったため、土日も授業をしている大学が多い
- 3回生は、例年7月頃からインターンシップに参加する学生が増えてくるが、今年はインターンシップを行わない企業が多い。インターンシップ受入れ企業を増やしてほしい
- 学生は、オンラインにおける授業や説明会、面接等の新しい生活スタイルに慣れつつある が、対面での就職活動ができていないことから、企業と学生のミスマッチが増えることが懸念される
- 働くことに対する意識が低いと感じることが多いため、低回生から働くことへの意識付けができる施策・取組をお願いしたい
- 新卒3年以内3割離職というが、裏返せば7割は辞めていないということ
- 企業側においても従業員がなぜ離職・転職したかを分析することが非常に大切
- ミスマッチがあっても新しいところでマッチングすればよい。適度に人材が動くことで、中小企業が中途採用できる
- 本会議のように大学と企業をつなぎ、意見交換できる場は重要
- 学生をいかに就職させる力があるか、大学の就職力というものを学生よりも学生の親が注視している。大学が生き残るためには大切
(3)労働者団体
- 小学校では職場見学等があるが、中学校、高校、大学では、職場を体験をする機会が少ない。学生には、「自分がこの企業で何をしたいのか」を自らしっかり考えて就職活動をしてほしい
- 新卒の離職率について、3割前後で推移しており、20年近くあまり変わっていない
- 一言で「離職」といっても、自らのスキルアップ、キャリアアップのための離職とそうでない離職で意味合いが変わってくる
- 京都には様々な学生がいて、そして優良な企業がたくさんある。コロナ渦の中でも、京都なら安心して就職できると言ってもらえるように努力していきたい
(4)市町村
- 高卒者の求人数は全国的に減少していると言われているが、北部地域においては、飲食業・サービス業・観光業を除いて、特段減っているわけではない
- 北部地域においては、人口の維持や労働力の確保をするために地元の高校生を地元企業に就職させることが非常に大切
- 高校生の就職活動は10月頃からだが、新型コロナウイルス感染症の影響で職場見学等できず、十分な知識が無いまま就職活動に臨まなければならない状況にある
- 中小企業では、オンライン設備が整っていないので、採用活動が進まないという声も聞いている
- WITHコロナ社会における就職活動では、オンラインによる企業説明会や面接、情報収集等への対応について、学生のみならず、企業への支援が必要だと考えている
- 学生の支援は非常に大切だが、雇用の創出にも力を入れて取り組んでいきたい
- WITHコロナ社会の中で、これまで以上に低回生からのキャリア教育が重要だと認識しており、これが学生と企業とのミスマッチを無くすことや3年以内の離職率の低減にも繋がる
- 本日の会議では、大学関係者が出席されているが、今後、高校関係者の出席も求めたい
5 まとめ
- 京都府では6月補正で教育訓練を、京都市では7月議会で新型コロナウイルス感染症の影響による離職者の採用支援を予算措置することで良い連携がとれている
- 他の市町村とも連携して失業された方や新卒の方が働いていただける環境をつくっていきたい
- 新卒者については、今回出席の4大学のみならず、府内全大学それぞれが個性を持っているので、その個性を活かした人材を輩出いただき、それに適した企業で活躍していただきたい
- これからコロナ社会における就業の形が変わるが、大半はチームプレイで働くことになると思うので、このようなところを含めて、何が変わって、どのような働き方が残るのか。また、大事にしないといけないことは何か。みなさんの意見も伺いながら形づくっていきたい