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本日の発表項目は、「第13回京都女性起業家賞(アントレプレナー賞)」の受賞者の決定についてです。
京都府では、女性の「起業」は多様な働き方のひとつであるという認識とともに、女性の視点や能力を活かしたビジネスアイデアが地域社会や経済の活性化のために重要であると考え、女性起業家の魅力発信と支援を行うビジネスコンテスト「京都女性起業家賞(アントレプレナー賞)」を実施しています。
この度、今年度の受賞者を決定しましたのでご紹介させていただきます。
京都府知事賞最優秀賞は、株式会社抹茶ツーリズム代表取締役 新条 正恵 さまです。
宇治茶の一大生産地である和束町におきまして、生産者や地域住民と連携・協力して、お茶の魅力を感じられる様々な体験を国内外の観光客に提供するなど、府南部地域の活性化に寄与する事業に取り組まれています。
この他、京都府知事賞優秀賞、子育て関連事業賞、また、2ページに記載があります近畿経済産業局及び府内経済団体や金融機関などから授与される特別賞の受賞者を合わせ、全9事業者を決定しました。
表彰式は、3月3日にホテルモントレ京都において行います。また、受賞者ピッチ&交流会を合わせて開催しますので、当日の取材及び周知についてよろしくお願いします。
私からは以上です。
先日政府が米の流通促進のために備蓄米を放出する方針を示したが、受け止めはどうか。
備蓄米については、もともと国は著しい米の不作時などに限って放出するとしていたところを、1月31日に流通が滞っていると判断した時にも放出できるように運用のルールを見直されたところです。
また、2月7日に江藤農林水産大臣が米価格の高騰を踏まえて備蓄米の早期放出の考え方を示され、今朝の大臣会見において、放出量を21万トンにする方針と、初回として放出する15万トン分の入札公告を3月初めに行う予定などの概要が示されたところです。
今回の対応については、令和6年産米が平年並みの作柄となったにも関わらず、秋以降も集荷業者の間で米の確保に向けた競争が過熱していることなどから、価格高騰が続いている状況を見ての判断であると、直接大臣から聞いたわけではありませんが、報道等で承知をしています。
いずれにしても、主食である米の価格と供給の安定化というのは、府民の暮らしだけでなく、農業者の方にとっても将来にわたって持続的な米生産に繋がる大変重要な課題であると認識していますので、今回の備蓄米の放出という対応によりまして、米の価格上昇が抑えられて消費者の負担が軽減され、また農業者の方の不安も解消されることを期待したいです。
去年の夏に米騒動などと言われ、かなり苦しんでおられる方もいらっしゃったと思うが、その時点ではなく、今の段階で放出を決めたというタイミングについてはどう思うか。
夏か秋に私も会見で聞かれましたが、直接農林水産大臣に夏前にお会いした時にお話をして、新米が出れば、しかも作柄がある程度順調だということで、需要と供給の関係で価格が落ち着くのではないかという話を聞いておりましたので、私もそれも踏まえてその旨の答弁をしていました。しかし、その後も流通の段階に出回っていないという状況があり、米の価格が高止まりというよりも若干上がっているという状況を踏まえての判断だと思います。しかも消費者だけでなく米農家の方からも不安の声が上がってるということを受けての対応だということで、今回の対応についてはやむを得ないものだと考えています。
備蓄米の放出に関連して、府として米の値段を下げるための取組は考えているか。
まず備蓄米については、米の流通が滞っているから放出するということですので、それに合わせて府で何か取組をするということはおそらくありません。
ただし、流通の末端や色々なところで、何か我々に関係する部分があれば、財政的なものというよりも、何かできることがあればお手伝いしたいと考えています。ただ、これまでからも自主的に流通されていますので、そこは円滑にいくように期待したいと思います。
また、米の値段を下げるという意味かどうかとは別に、農家の生産性を上げる、所得を向上させる取組については、従来の農業政策の中できちんと行っていきたいと考えています。
旧優生保護法に基づく障害者への人権侵害の件について、先月新たな補償を行うための法律が施行されたところであるが、先日には京都の被害者を支援する団体が会見を開かれ、京都府に対して、被害者に補償が行き届くように対応を求めたいと仰っていたが、どのように周知を行うのか。
従来から記者会見でも何度かお話しておりますが、旧優生保護法一時金に関する情報については、これまでからも「府民だより」への掲載、関係機関へのチラシ配布などにより、周知・広報に努めてきたところです。新たな法律に基づく補償金制度についても、医療機関や障害者福祉施設、在宅介護の相談対応を行う介護支援事業所など、約1,800カ所の関係機関に対してポスター、リーフレットの配布を行って周知してきました。
補償金は当事者だけでなく、配偶者や遺族、旧優生保護法に基づく人工妊娠中絶手術を受けた方も支給対象となりますので、これからも様々な機会をとらえて周知・広報を行いたいと考えております。
いずれにしても対象者の方に制度の情報が確実に届くようにすることが最も重要だと思っていますので、引き続き努力していきたいと考えています。
北陸新幹線に関して、先日、国側が京都で説明会を開催する方針を示したが、石川県の馳知事は、地下水などの様々な問題は2016年からあるもので、「何を今更」といった発言をされた。知事は説明会が開かれるタイミングについてどのように考えるか。
馳知事の発言については直接お伺いしていないので、その真意については分かりません。
タイミングということを考えると、私が知事になる前に与党において現行のルートが決まってから、事業主体である鉄道・運輸機構が法律に基づく環境アセスメントの手続きを進めてこられたというのが、これまでの一覧の手続きであり、その環境アセスメントの途中で、それ以外の動きは想定できなかったと思います。
そうした中で、昨年8月に京都駅に関する3つのルート案が出てきました。京都市内の中心部で言えば、それまで10キロ幅で環境アセスメントをやっておられたところで、より詳細なルートが複数案出てきたことによって、ある程度、次の段階に進むことになりました。12月13日には、京都からは私と松井京都市長が与党PT整備委員会に呼ばれ、ヒアリングを受け、年末には与党PT整備委員会で「北陸新幹線(敦賀・新大阪間)の取扱いに関する中間報告」を決定されました。そのような一連の動きを受けた上での動きなので、遅いかどうかは別として、タイミングとして、これまで説明会が行われなかったことが問題だとは思っていません。
西田委員長は、最終的に西脇知事と松井市長の納得を得る必要があると仰っていたが、どういう条件があれば納得できるのか。
仮定の質問にはなかなか答えにくいです。また、今の質問について言えば、私と京都市長の納得ではなく、私が特に申しているのは、府民の皆様の理解と納得や、関係市町の協力が不可欠だということです。
事業主体である鉄道・運輸機構がどういう形で理解と納得、協力という状況を作っていかれるのかについては様々な方法があります。その一環として、沿線自治体に対する説明について協力を求められたということですので、具体に何がどうなれば良いということではなくて、理解と納得が得られるために、どういう説明が必要なのかということは、事業主体においてよく考えていただきたいです。
府民が納得、理解したかどうかの判断は難しいと思うが、どのように考えているか。
それは全ての事業や施策に共通することで、首長の立場としてある程度一定の判断しなければいけない部分もあります。府民の方がどう考えておられるのかということが判断のベースになりますので、府民の理解と納得が進んでいるという状況を私が代表して表明する時には、よく把握をした上で行いたいと考えています。
色々な方が色々な声を上げることは全ての施策についてあることなので、全部の意見を含めてトータルでの判断になるだと考えています。
府として別途、府民の声を聞くことはあるのか。
まずは事業主体である鉄道・運輸機構が、どういう形で理解と納得と協力の状況を作っていかれるのかということです。我々に聞かれても、今のところは答えるベースがありません。ひょっとしたら徐々に醸成されていくのかもしれませんが、まずは鉄道・運輸機構が説明されることだと思います。
北陸新幹線について、南丹市の西村市長が、住民の理解が一定以上ない状況で着工しないでほしいという趣旨の要望書を鉄道・運輸機構に出された。
弊社でも西村市長に取材をする中で、西脇知事と同様、十分な説明がないといった話をされていたが、南丹市の動きへの受け止めはどうか。
今のご質問の中で、西村市長が私と同様に「説明がない」と話されたと言われましたが、私は「説明がない」と言ったことは一回もありません。その都度、一定の範囲で説明は受けています。
与党PT整備委員会のヒアリングや先日の西田委員長、竹内委員長代理との面会でも申し上げた「府民の理解と納得や、関係市町の協力を得ることが不可欠」だということを、違う言葉で西村市長が仰っているだけで、私が言っていることと、基本的には同じ線上にあると受け止めています。
西村市長が要望書を出されたことには理解を示しているということか。
要望書を出すことを理解しているということよりも、要望書の内容は、私が常に話しているスタンスの範囲内での要望だと受け止めたということです。
北陸新幹線の関係で2月10日に西田委員長と面会されたが、2月7日の記者会見では、「府として与党PTや国から説明したいという働きかけは水面下ではないと思う」という趣旨の発言をされていたが、10日の面会はいつ頃に打診があったのか。
面会したいという話と日程の話が両方一緒に来たのかは分かりませんが、それほど以前からではなく、比較的最近だったと思います。
年明け頃か。
もっと最近だったと思います。
面会において、知事は、府内には既に東海道新幹線が通っていることを踏まえて財源について考えてほしいと発言されていたが、今まであまり東海道新幹線を引き合いに出してこなかったと思うが、そのあたりはどうか。
12月13日の与党PT整備委員会のヒアリングでも、東海道という言葉を使ったかどうかは分かりませんが、地方負担を考える時に「既存の制度にとらわれず」と言っている意味を説明するために、例示として、既に新幹線が通っている地域と初めて新幹線が通る地域では位置づけが違うのではないかということを申し上げました。
ただ、国策上の必要性は十分認識しており、それはまさにリダンダンシーです。
色々な理屈によって地方負担が入っていますが、単に誘致や要望だけでなく、地域に一定の貢献があるということへの財政面での表現が地方負担だと考えていますので、そういう意味で言えば、新幹線が初めて通る地域と、既に新幹線が通っている地域では少しニュアンスが違うのではないかということです。
これと同様の趣旨では、福井県の杉本知事が12月に与党PT整備委員会から最初にヒアリングを受けた時にも似たような趣旨のことを言われていますし、これまでと同じ制度上でなくても良いのではないかということの例示として申し上げたということです。
10日は面会という位置づけだったが、知事が12月13日の与党PT整備委員会によるヒアリングで示した懸念に対する説明の場ではなかったということか。
懸念に対する説明の場ではありません。面会についても、まさに「会う」という趣旨でお受けしましたが、その中で関係自治体に対する説明への協力依頼がありました。
西田委員長は、「科学的知見に基づいた客観的な事実や国の取組の状況が府民に十分に伝わっていない」という趣旨の発言をされたが、この点についてどのように考えるか。
科学的知見やこれまでの調査結果については私も知らないので、それがどういった内容なのかは抜きにして答えますが、今までの流れの中で府民に十分に伝わっていないというのは西田委員長の仰るとおりで、事実だと思います。ただし、何が伝わっていないと思われているのかは、よく分かりません。
西田委員長は、今も京都市の地下ではシールド工法で下水道管の工事をしていることや、これまでも市営地下鉄や京阪、阪急は地下で工事をしていたという例を出して「(工事による地下水への影響は)そんなに不安はない」ということを言われているが、この点について知事はどう考えるか。
京都市内の地下の工事は、かなり幅広い年代に渡って色々なものが行われているので、一様には言えません。京都市営地下鉄の最初の方の工事では開削工法によって、土を掘って、上に鉄板を敷いて車が走れるようにしていましたが、その他の工事手法としてシールド工法もあります。また、下水道管の工事で言われているのは、いろは呑龍トンネルのことだと思います。
いずれにしても全て同じ対応ではなくて、深度や時期も違いますし技術の進歩等もあります。過去がこうだったから不安はないということでもないと思いますが、少なくとも大深度地下をシールド工法で掘るのは初めてだと思いますので、一概には比較できないと思います。
ちなみに、松井市長は過去に起こった様々な地下水への影響が市民の中に体感として残っているということを合わせて指摘されています。
本日14日に与党PT整備委員会が東京で行われており、財源について議論を進めていくという話が出ていたが、どう受け止めているか。
着工5条件には、「安定的な財源の確保」ということが入っていますので、いずれは財源の話になりますし、我々も地方負担について「受益に応じた負担」ということを主張していますので、財源について意識はしています。
今日の与党PT整備委員会だけでなく、以前に与党PTで報告された中間報告の中でも財源のことが書かれていたので、別段、新たなことを言われたとは思っていません。いずれ財源の問題は避けて通れないということは、松井市長が示した4つの懸念の中にも入っており、私も施工上の課題と合わせて財源の問題を主張していますので、いずれは議論になる問題だと考えています。
北陸新幹線の説明会については、具体的にどの自治体を対象に実施することを考えているか。
説明会は、京都府ではなく鉄道・運輸機構が行うものですが、範囲やスケジュールも含めた持ち方などは実務的に調整しようということになっています。もちろん鉄道・運輸機構側の意向もありますし、沿線自治体の参加意向の把握も含めて、私たちに調整してほしいと言われていますが、まずはどういう形で説明会をしたいのかなどの意向を鉄道・運輸機構からお聞きして実務的に調整していけば良いと思いますので、対象がどの範囲かについて、私に特段の考え方はありませんが、少なくともルート上の自治体は必要だと思います。
ルート上の自治体は当然として、北陸新幹線が通らない自治体への説明についてはどうか。
それは分かりません。説明したいという声があったり、説明を聞きたいという声があれば、対応しなければいけないですが、今の段階では決まったものはないのです。
説明会はいつ頃からスタートするのか。
それは聞いていません。国も国会開会中ですし、京都府内でも府議会だけでなくそれぞれの市町村議会もあります。その辺りも考慮されると思いますが、時期についても我々は聞いていないです。
一定の理解や納得、協力を得るには時間も必要だと思うが、どれくらいの時間が必要だと考えているか。
内容なく時間だけを決めることはないです。時間を限ってやるものではないということだけは言えます。
あまり長引くと、開通までに時間がかかるのではないか。
理解と納得と協力がなければ、そもそも着工できないので同じ事です。
府内の自治体から、北陸新幹線の説明会を開いてほしいという要望は聞いているか。
全てを把握しているわけではありませんが、説明会という具体的なアクションではなくても、各市町村の議会で議論が出た時に、説明を求める声を挙げている方はおられるかもしれません。ただ、10日の与党PT整備委員会との面会の動きを受けて、何かしてくださいと言われているところは、現時点で私は把握しておりません。
それは、要望書を出された南丹市も含めてか。
そうです。
先日、衆議院総務委員会で村上総務大臣が、人口減少が進んだ先の国と地方のあり方として「極端なことを言うと、県庁はいらない」という発言をされたが、知事の考えはどうか。
本日、村上総務大臣が既に釈明をされていますが、13日の衆議院総務委員会では、いくつか発言されていましたが、私は詳細な議事録を見ておらず、報道ベースになりますが、村上総務大臣は自治体の数が減り、人口が半分になることを前提としてお話されています。様々な少子化対策を国が打っていく中で、どこかで人口減少の歯止めがきくのでないかと思いますが、もし本当に人口が半分になった場合には、そうした社会の中で様々な社会経済活動や住民サービスを維持していくためには、自治体の数も含めてどういうシステムが必要なのかについて議論があるということで、そういう問題意識や議論を投げかけられたのだと思います。
「県庁はいらない」という話については、論理構成を把握していませんが、都道府県の数が減るという意味で仰っているならそうなのですが、県庁は役所としての建物と行政機能の総体を表していますので、それが要らなくなるというのは、人口減少と関係ないと思います。
また、道州制も否定されていたということで、都道府県ではなく道州にするということであれば、江戸時代の三百諸侯に戻るというような話になりますが、そういう趣旨でもないようです。
申し訳ありませんが、「県庁はいらない」という話については、なかなかコメントのしようが無いというのが正直なところです。
知事は今世紀末に人口が半減した場合でも京都府庁は必要だと考えるか。
半減させてはいけないということに尽きます。半減するということは、大都市部も地方部も含めて、我が国の社会経済構造や今までのサービスがなかなか維持できなくなるということですので、それを避けるためにこそ、様々な少子化対策や子育て対策をやっていると考えていますので、半減するという想定の上に立つこと自体が、私自身は若干問題があるかなと思います。
村上総務大臣は、将来的な話として、国と基礎自治体が直接やりとりをすればよく、中間は必要無いのでないかという趣旨の発言をしていたのは間違いないが、そのような考え方についてはどうか。
道州制の議論が始まった時には、日本のような国土がある程度狭いところでは中間の都道府県ではなく、道州と一定の数の基礎自治体で構成するという考え方がありました。その場合も色々な議論があり、基礎自治体についても、江戸時代の三百諸侯ではないですが地政学的にある程度まとまりが必要だということで、今の市町村そのものを前提としていない議論もありました。いずれにしても、地方制度全体についての議論があったということです。
ただし、その後に東日本大震災が起こり、それから新型コロナの感染拡大という大きな危機管理事象を通して、特に新型コロナの時には知事の仕事が改めてクローズアップされました。
村上総務大臣の話は、昔の道州制の議論で出ていたものに似た印象を受けました。私が知事だから言うのではありませんが、それ以後の大規模災害や新型コロナのパンデミック等を経たことで、地方自治体の位置づけが変わっているという印象を受けています。もし議論されるなら人口減少だけでなく様々な世の中の状況やそれぞれの地方で起こっていることを踏まえて、もし議論されるなら冷静に議論した方が良いと思います。
知事は村上総務大臣の考え方には賛同できないということか。
議論としてはあり得ると思いますが、私自身の考えとしては、人口が半分になった時のことを想定すると、おそらく色々なことが起こっていて、今、私が想定しているような世の中の流れの上にはないと思います。今の状況であれば、そういう考え方は取りにくいと考えています。
今週末に開催される京都マラソンについては、2012年に始まってから、かなり定着してきたと思う。大会が始まって10年以上経つが、改めて、どのような大会になってほしいと考えているか。
京都マラソンは毎回、かなりの数のボランティアの方が参加されており、多くの善意あるボランティアの方の努力で成り立っており、しかも、ここまで続けられてきたということについては、心から敬意を表したいですし、その努力に感謝したいと思います。
出場者を居住地別で見ると京都以外の方がかなり多くおられますし、海外の方も参加されています。京都のまちの魅力を理解していただけるコースになっていますので、大会を通じて京都のまちを理解してもらう契機になれば、より良いと思います。
知事は、今回出場するのか。
公式の場で言うのは初めてかどうか分かりませんが、出場を予定しておりますので、影ながらでも応援していただければありがたいです。
前回はちょっと残念な結果だったが、今回の目標はどうか。
目標は、完走することだけです。それ以外の目標はありません。
今定例府議会に「京都府人権尊重の共生社会づくり条例案」が提出された。12月に骨子案についてパブリックコメントを実施し、様々な市民団体などからインターネット上での差別禁止規定を盛り込むように指摘があったものの、方向性として当初からあまり変わっていないように見えるが、改めて提出までの検討の過程を教えてほしい。
今回の条例案を提出した背景としては、社会にはまだまだ子どもや高齢者や障害がある方への虐待やDV、部落差別やヘイトスピーチ、インターネット上の誹謗中傷など、人権を侵害する課題がたくさん存在しているということがあります。特に、コロナ禍での感染者への差別やインターネット上の誹謗中傷は、特定の属性の方に対する従来の差別と異なり、誰もが被害者にも加害者にもなり得る状況だと考えておりまして、こうした人権課題を解決していくためには、個人の尊厳や人権の尊重は全ての人に等しく保障されていなければならないということを共通の価値として社会の隅々まで浸透させていくことが必要だと考えて、「人権尊重の共生社会づくり条例」の制定を目指しています。そうした気運を醸成するための条例だとご理解いただきたいです。
いずれにしても、議会でしっかりとご審議いただいた上で、お認めいただければ、この条例によって人権尊重の共生社会の実現に向けて取り組んでいきたいと考えています。
今回の条例制定の過程でいただいたご意見だけでなく、日頃から様々な関係団体の方と意見交換しておりますので、当然、そうした意見交換でお聞きした話も踏まえて、今回制定を目指すものです。今回の条例だけについて申し上げると、先ほど申し上げた気運醸成のための条例という形で、まずはそこからスタートさせていただきたいと考えています。
中国発の生成AIである「ディープシーク」については、三重県庁や鳥取県庁ではアクセスできないようにし、政府も省庁に対して使用は慎重にするよう言っているが、京都府の対応はどうか。
ディープシークは遮断しており、業務で使えなくなっています。なお、生成AI自体は、これまでの検証を踏まえた上で、今年から一部業務で使用を始めています。
遮断した理由は、情報漏洩の観点からか。
一番の理由は情報漏洩です。
京都府としては業務には今のところ使えないということか。
そうです。
生成AIの活用については検証を行ったとのことで、先週の記者会見でも業務の効率化の観点から問題の無い範囲で生成AIを活用していくと発言していたが、それはディープシークではなく、チャットGPTなど別の生成AIを指しているのか。
そうです。
先週の記者会見以降、三重県と鳥取県では既にディープシークのアクセスを禁止しており、トヨタ自動車や三菱重工といった民間企業でもアクセスを禁止する動きが広がっているという報道もある。こうした警戒感が広がっている状況をどう考えるか。
人類は技術の進歩に合わせて、得た技術を生活や暮らしの向上に使ってきました。ただし、新しい技術には必ずデメリットや弊害もあるので、どこまで弊害を抑えて利便性の向上に繋げるかということの繰り返しでやってきたので、当然、新しい技術や制度については弊害や懸念があり、そうした動きがあるのは当然だと思います。
しかも、今回の技術の進歩は、我々が予想したよりもかなり早くAIが実用化されてきたことについては、準備が間に合っていなかったところもあると思います。普通は懸念して防御して普及していくのですが、一気に普及したので、その揺り戻しが来ていると、今の動きを把握しています。
ただ、弊害や懸念があることは間違いないので、どう克服するかということと、企業や自治体、国ごとというよりも、本来であればある程度、統一的な方針の下にしないと、元々の性格として国境を越えて情報が流出するシステムの中にいることが問題なのだと思いますので、統一的に対策した方がより早く問題の解決に繋がるのではないかと思います。
国が一定、方針を示すべきだということか。
国際的な取り決めも当然必要になると思います。ただ、そうやっている間に色んな弊害が起こっているので、まずは企業単位でやっておられるのだと思います。
昨日、京都市が観光に関する発表をしたが、京都市内の主要観光地で日本人が減少する一方、周辺観光地では増加しているとのことで、分散化が一定実現しているようだが、知事の受け止めはどうか。
元データを見てはいませんが、出ているデータのうち周辺観光地については、外国人観光客のデータがないので日本人観光客が増加したことだけが分かっています。
まず、日本人観光客の状況を見れば、1カ所だけは減っていましたが、あとは増えていたので、「とっておきの京都」として京都市が努力され、私と松井市長との間でも取り組んでいる観光の分散化について効果が出ているのかなと思います。
京都市内の主要観光地で日本人観光客が減っているということですが、京都市全体における観光入込客数について、肌感覚では日本人観光客が戻ってきていないと思っていますので、記事では外国人観光客と日本人観光客との増減比率を比較していますが、全体として、日本人観光客がどういう傾向なのかも合わせて分析しないといけないと考えています。
ただ、1点言えることは、周辺観光地で日本人観光客の数が伸びているということは、一定の取組の効果が出ていると考えています。そして、改めて外国人観光客の多さに納得しました。
府市トップミーティングにおいて、バスに乗って周遊する観光ツアーを企画し、オーバーツーリズム対策も含めて、伏見の酒造見学や和束の茶摘み体験など、京都市周辺部や京都市外での体験を打ち出した。今年度末までの目標を定めていたと思うが、現時点での実績や課題と感じていることはどうか。
9月から実施している周遊観光ツアーの申込状況は、12月末時点で1783人と聞いていますが、同時並行で既に実施されたツアーもありますので、もう少しまとめてから報告したいと考えています。
参加者からは「今まで知らなかったところに行けた」などの声を聞いており、ツアーを造成している事業者も「魅力的なツアー造成ができた」と仰っているので、施策の方向性としては間違っていなかったと考えています。
私も松井市長も言っているのは、今回、京都市周辺ということにかなりこだわったのですが、京都府の「もう一つの京都」のエリアはもっと広いので、京都市内観光と組み合わせるのであれば、周辺地域の対象をもっと広げてもいいのではないかということです。
その意味では、先ほど紹介があった報道の話も、京都市内だけでなく、京都府域全体で日本人観光客の状況がこうなったとか、今やっているツアーの状況もこうだとか、そうしたことを総合的に分析して次の施策の参考にしていくことが必要だと考えています。
京都迎賓館は、今月上旬にザンビアの大統領が来られて知事も出席されたが、今年で20年を迎える。過去には日米首脳会談などが開かれたものの、最近はそうした首脳外交の場としてはあまり使われておらず、京都のプレゼンスが下がってきているのかなと感じる。開設にあたっては、府も財界と共に要望を出されたという経緯があるが、迎賓館の現状をどのように見ているか。
京都迎賓館については、政府が20周年の記念行事を行われると聞いています。
館内の工芸品も含めてしつらえや建物も素晴らしく、よくぞ20年前に建設を英断していただいたと思っています。たくさんのハードルを超えて整備にこぎつけられたことに心から敬意を表したいと思いますし、20年間、京都迎賓館を維持・運営されてきたことに感謝申し上げます。
プレゼンスの話では、2つの意見があり、できる限りトップクラスの方に使ってもらうことでPRに繋げるべきという意見がある一方で、せっかく素晴らしい京都の工芸技術や文化の粋を集めたものなので、できる限り多くの府民、市民の皆さまに見てもらうべきだという意見もあり、一部ツアーも行われています。個人的には、両面からPRや知名度の向上ができればと考えています。
トップクラスの方に使ってもらうことについては、自治体レベルでのセールスではなく、外務省も含めた国レベルで努力をしていくものです。また、多くの方にも京都迎賓館を味わっていただきたいです。公開には手間がかかると思うのですが、できる限り多くの方の目に触れるような取組をぜひ期待したいです。
今年は大阪・関西万博が開催されますし、まだ外国の要人の方が京都に入られる日程等は聞いていないのですが、おそらく京都にもたくさん来られますので、そういう際にはできる限り京都迎賓館の活用について、文化の発信という意味からご検討いただければありがたいです。
知事から働きかけをする予定はあるか。
実は外務省の関西担当大使に今年就任された三澤康さんと会談した際、三澤さんから、京都に多くの方が来られそうということで協既に力をお願いされています。私からはその時も含め、お会いするたびに迎賓館の活用をお願いしています。また、外務省や万博担当大使にも会うたびにお願いしており、できる限り活用するのが本来の姿だと考えています。
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