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本日の発表項目は、年末の恒例の話題として、今年1年の振り返りについてです。
お配りしている資料は、優先順位を付けている訳ではなく、所管部局の建制順に並べたものです。この中から、私が印象に残っている項目について、いくつか申し上げます。
まずは、「京都府危機管理センターの運用開始」についてです。
今年は、冒頭の重大ニュースで記載させて頂いていますが、元日に能登半島地震が発生し、8月には初めて南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)が発表されました。改めて、危機管理がいかに行政における根幹的な役割であるかということを痛感した一年でした。
そうした中で、新たに整備した常設の危機管理センターにつきましては、3月に映像情報システムなどの主要な機能の運用を開始し、7月に全面運用を開始いたしました。本センターを拠点として、全ての営みの土台となります府民の皆様の安心・安全の確保に全力で取り組んでまいります。
次に、「府市トップミーティング」の開催についてです。
林田府政以降、昭和53年から年に1度、京都市長との懇談会を開催まいりましたが、今年新たに就任された松井京都市長とともにより高いレベルの府市協調を目指して開催方法も改め、「府市トップミーティング」を3回開催しました。
早速、府市連携による周遊観光「まるっと京都」の実施や、府立高校と市立高校が一堂に会し学びの成果を発表する「京都探究エキスポ」の開催、「(仮称)京都半導体バレー構想」骨格案の作成などの府市協調施策が実現しており、来年以降も「より高いレベルの府市協調」を目指して取り組んでまいります。
次に、「京都府立植物園の開園100周年」についてです。
今年1月に開園100周年を迎えた府立植物園では、1月の観覧温室「ラン室」のリニューアルを皮切りに、四季折々で様々な事業を実施しますとともに、10月には秋篠宮皇嗣同妃両殿下の御臨席の下、記念式典を挙行いたしました。
また、今月26日までで開催中の「LIGHT CYCLES KYOTO」は来場者数が、昨日までで6万6千人を超え、中でも、昼間の客層と異なり若い世代に多く御来場いただけていることから植物園の新たな魅力の発信に繋がったのではないかと考えています。そうしたことも踏まえ、来年の大阪・関西万博の時期にも開催したいと考えております。
このほか、番外編として、印象に残ったものは、今年開催されたパリ2024オリンピック・パラリンピックにおいて、京都府ゆかりの選手が大いに活躍をされたことです。
中でも、京都から世界へ羽ばたくジュニア選手を発掘・育成する京都府の事業「京の子どもダイヤモンドプロジェクト(通称:京都きっず)」の修了生である飯村一輝選手が、修了生では初めてとなるオリンピック出場、しかもフェンシング男子フルーレ団体で金メダルを獲得されるなど、選手たちの活躍に、感動や元気をいただき、スポーツの力をあらためて感じました。
最後に、この1年を振り返って、私自身が考える今年の漢字を発表させていただきます。
今年の漢字は、「協」です。
「協」は、辺の部分は十(おおい)であり、つくりの部分は3つの力(ちから)から成り、力を寄せ集める意を表します。今年の1月1日に発生しました能登半島地震では、京都府からも多くの職員を派遣いたしました。これに留まらず、国内外から様々な支援の輪が広がり、特に災害時に、人と人が協力し合う大切さを改めて実感いたしました。
また先程、印象に残っている項目でも申し上げましたが、松井京都新市長との懇談会を、今年度から、名称を「府市トップミーティング」に改め、機動的にということで、3回開催しております。様々な府市協調施策の実現に至りましたので、府市協調の「協」ということで、この漢字を選びました。
発表項目は以上となります。
最後になりますが、本年最後の記者会見になりますので、府民の皆様に、御挨拶申し上げます。
年末を迎え寒さも厳しくなり、体調を壊しやすい時期になりました。この後、担当課からもお知らせさせていただきますが、京都府では、年末年始期間中の受診可能な医療機関等についてホームページに掲載しております。
インフルエンザが早くも注意報レベルで流行しております。帰省等で人と会う機会、また大勢で集まる機会が増えますので、府民の皆様におかれましては、こまめな換気や手洗い、咳エチケットなどの基本的な感染防止対策を是非ともお願いします。
いずれにしましても府民の皆さまにおかれましては、健やかに新年を迎えられますことを心から願っております。
また、記者の皆さまにも、今年1年、大変お世話になり、ありがとうございました。皆さまにとっても、どうか良い年をお迎えいただけうよう、祈念しております。
私からは以上です。
今年の漢字は「協」ということだが、知事の個人的なものでも「協」について何かエピソードがあれば伺いたい。
まずは、やはり能登半島地震で、国の対策ももちろんありますが、自治体間の横の連携によって協力して災害対応に当たるということがだいぶ定着してきたと感じていまして、消防や警察などは緊急的に入られましたし、我々は対口支援として七尾市を支援するということで、避難所運営支援と罹災証明書の発行支援などを行いました。関西広域連合の枠組みの中で、どの府県がどの市に行くかということをトータルで調整して決め、なおかつ今回の場合は(石川県が)中部ブロックということもありまして、そことも連携しながら支援を行いました。改めて、災害対応の時には被災した市町村や都道府県だけではなく、自治体同士の支えが必要だということを思いました。
それからもう1つ大きいのは、後半に申し上げました松井京都市長との府市協調についてです。開催頻度や名称も変えましたが、私自身は特に、意見交換の持ち方について、ある程度テーマは決めておかないといけませんが、一定のテーマに基づいてお互いが考えていることを比較的自由に意見交換し、その中で、例えば、ある程度方向性が合意できればもう少し事務方に詰めてもらおうということや、より具体的に方向が決まるものは早速施策化しようということができました。3回実施しましたが、一定のテーマ設定により、フリーな意見交換の中で徐々に施策として成熟化していくというサイクルができつつあると考えています。そういう意味では京都府、京都市の政策全般について、協調していくベースができたということで、特にこの「協」という字を選ばせていただいたということです。
植物園で実施している「LIGHT CYCLES KYOTO」については、昨日までに6万6,000人の来場があったとのことだが、目標に対する達成率はどれくらいか。
開催期間・時間の最初から最後までフルで入場者がいればという仮定の上で目標を立てて、10万人としています。相当高い目標だということは十分に分かっていました。ただ、観覧温室には、一定のキャパシティがあるので、きちんと間隔を取るために並んでもらったりするなど、入場を一定コントロールしながら観覧していただいている事情もあります。
トータルとして目標を達成しないかもしれませんが、私の感覚としては、今の状況は混んでいて並んでいるということなので人気があるとは思っています。
すごく多くの人が来ていると聞く一方で、逆に土日は人が来すぎてゆっくり見られないという声も聞くが、どうか。
それは今回やってみた中で見えてきた課題です。植物保護の関係もあるので詰め込む訳にもいきません。ニンテンドーミュージアム等のように最初から抽選にするほどでもなく、色々な判断があって今の形になっていますが、これは一つの検証すべき課題だと考えています。
万博に合わせて、同趣旨のものを実施する時には、今回の課題を活かしていくということか。
今回は我々が直接運営している訳ではありませんが、それは活かした方が良いと考えています。
2024年の振り返り等も踏まえ、来年2025年に京都府で力を入れたいことや、こういう京都府にしていきたいという今の気持ちを伺いたい。
緊急的な課題という意味においては、今年は元日に能登半島地震がありましたし、既に災害の激甚化・頻発化の傾向があるので、そういう自然災害には、危機管理センターもできましたのでより万全の体制をとっていきたいですし、地震防災対策指針と同推進プランの見直しも行っているので、それも踏まえて災害の備えを万全にしておくということです。
それから物価の高騰や資材価格の高騰が続いているという中で、今年の春闘では33年ぶりの高水準の賃上げでしたが、物価高騰を上回るような賃上げが実現して経済の好循環に向かうかどうかという意味では非常に重要な年になります。政府の補正予算が通りましたので、我々もその補正予算も活用しながら、府民生活や府内の事業者の活動についてどういうことができるかという対策は考えないといけません。その上で、やはり構造的な問題である人口減少や少子高齢化についても、毎年どんどんじわじわと影響が広がっているので、それに対応しないといけないというのが課題対応です。
その中で来年は、大阪・関西万博が4月13日から半年間の期間で始まります。しかも文化庁の京都移転から3年目を迎え、万博の年(2025年)は、その文化庁の京都移転を受けて「文化首都・京都」を目指す歩みを進めていく上でのターゲットにしていましたので、そういう意味では、万博を「文化首都・京都」への歩みに是非生かしたいと考えています。
万博の8つのパビリオンのプロデューサーの方がおっしゃっていますが、万博のテーマが「いのち輝く未来社会のデザイン」ということで、命が輝くためには、もちろん衣食住や健康、様々なテクノロジーも必要ですが、やはり精神や文化といった要素も重要であるということで、「いのち輝く未来社会のデザイン」というのは、京都が担うべきテーマだと思っていますので、万博開催を通じて、京都の文化芸術や産業を国内外に発信していく絶好の機会と捉えています。
府市トップミーティングについては、今年3回実施して良いサイクルになっていると言われていたが、来年はどのようなペースで行い、どのような議論をしていきたいか。
今年2月に松井京都市長が誕生し、昨年度内の実施は多忙で難しかったのですが、なるべく早く立ち上げたいということで、4月中旬に府市トップミーティングの第一回を実施し、その後、夏前と秋にも実施しました。
テーマごとに詰めていくことがあるので、あまりたくさんやる訳にもいかず、来年いつから始めるかや、回数は考えていません。これから年明けにかけては、他のこともありますが、府市トップミーティングで色々と話し合ってきたことを具体化するために、令和7年度当初予算や令和6年度補正予算を検討する時なので、少なくとも年度内には開けないと思います。
そうしたことをある程度具体化した上で、春に、予算化したものの具体の進め方や、新しいテーマの検討について、まだ次の開催時期については決めていませんが、やりたいと考えています。
方向性を決めて具体化して施策化するというサイクルに乗るような形で進めれば良いのではないかと3回目の府市トップミーティングの時に松井市長が話され、私も全く同感だと言いましたので、その辺りはまた松井市長と進め方についても話したいと思います。
ただ当面は、令和7年度当初予算、令和6年度補正予算の編成の中で、これまでの合意事項をどう具体化していくかについて注力したいと考えています。
先ほど、北陸新幹線の与党整備委員会が開催され、その後のブリーフィングで年内の詳細ルートの決定を見送ったとの話があったが、受け止めはどうか。
私どもは、報道ベースでしか承知していないので、具体にどういうことが正式に決まったのかということについて確証があるわけではありませんが、ルートを1つに絞ることについては、先送りされたと聞いています。
ただ、整備委員会のヒアリング時に、3ルートを絞ることについてどうですかと聞かれたのですが、私は3ルートのことだけではなく、今示されている案には施工上の課題がいくつかあるということを申し上げました。そのため今回、ルートの絞り込みが見送られたといっても、それによってヒアリングに臨んだ時の私自身のスタンスが変わるものではありません。
北陸新幹線の整備に当たっては、何と言っても、府民の皆様の理解と納得、それから関係市町の協力を得ることがとても大事ですので、国と鉄道・運輸機構において、地下水をはじめとする施工上の課題に対して、きちんと検討を加えた上で慎重な調査と丁寧な地元説明に努めていただくことが必要だというスタンスについては、今回、年内のルート決定が見送られたということがあっても変更はないということです。
西田委員長はブリーフィングの中で、「地元の不安を解消して、同意を得られることを優先したい」と述べられたが、この発言への受け止めはどうか。
松井市長は「懸念」、私は「施工上の課題」という言葉を使って国に申し上げていますが、その中身についてはほとんど同じであり、西田委員長が地元に丁寧に説明するということについてコメントされたということは、私どもがヒアリングでお話したことに対する一つの回答として話されたのではないか推測しています。
来年度中の着工はきわめて厳しくなり、全線開業が遅れる可能性もあり、福井県からの反発も考えられるが、受け止めはどうか。
北陸新幹線については、日本海国土軸を形成し、東海道新幹線の代替路線としての役割を果たすという国土政策上の意義はあると考えています。
それから、北陸新幹線が敦賀まで来ている福井県や石川県、富山県の方が、一日も早く関西まで繋がってほしいという思いを持っておられることは、あらゆる機会で聞いていますので、そういう思いは分かっています。
ただ、だからこそ、事業を行うフィールドにある自治体としては、きちんとした検討をしてほしいということです。
知事としてどのような条件を満たせばこの計画に賛同できるのか。
総論で言えば、府民の皆様の理解と納得ということに尽きると考えています。それから、関係市町が協力しないと進まないので、そのための条件を整えていただくということに尽きると考えています。
先日、中野国土交通大臣が、北陸新幹線の整備に関する費用負担について、全国新幹線鉄道整備法等で定められている貸付料等を除いて国と地方が2:1で負担する仕組みを現時点で見直すことは考えていないと発言された。以前、知事は枠組みについて考え直す必要があると言われていたが、受け止めはどうか。
中野国土交通大臣が17日(火曜日)の会見で、現時点で見直すことは予定していないという発言をされたことは承知しています。私は、ヒアリングの席でも言いましたが、既存の制度にとらわれることなく受益に応じた負担となるように見直してほしいということを総論として申し上げています。
中野国土交通大臣の真意は直接確かめていませんが、法律を所管されている大臣として、「現時点で」という限定を置いた上での発言だったのかなと思います。
未来永劫見直さないとも仰っておらず、「現時点で」ということに限定して発言されたということは、ある程度慎重に発言されたのかなと、推測ですが、私は思いました。
ただ、私どもが言っている「既存の制度にとらわれない」ということは、別に法律だけの話ではなく、JRの貸付料の算定の考え方もありますし、国と地方の負担の考え方もあります。負担を決める色々な枠組みがありますので、その全部について、「この制度だからこうしかできない」ということではなく、柔軟に考えてほしいということを言っており、今回の大臣の発言により、その立場が変わることはないので、そういうことはこれからも主張していく必要があると考えています。
北陸新幹線に関するヒアリングの場で述べた6つの施工上の課題の中には、京都の文化・歴史建造物等への影響など、今まであまり知事から聞いたことがなかった懸念事項もあったが、そうした課題はどのように抽出したのか。
私も正確には記憶していませんが、3年前に与党PT整備委員会に出席した時にも施工上の課題について話しており、その中で歴史的・文化的なものへの影響については語っていました。
私自身は新しいことを言ったつもりはなくて、特に京都市内が多いのですが、京都には歴史的・文化的建造物が非常に幅広く分布しており、科学的にどうかという前に、そうした多くの施設が分布しているところに、縦に長い距離に渡って地下にトンネルが通ることについて、地下水の問題だけではなく、あまり経験のないことなので漠然とした不安があるという声も聞くので申し上げています。私としては特段新しいことを言ったつもりはありません。
東京都町田市でリニア中央新幹線のシールドトンネルの工事を進めていたところ、近くの民家から水と泡が吹き出していたことが分かった。JR東海もシールドトンネルの工事が影響したのではないかと言っているが、何か感じていることはあるか。
地下にトンネルを通すことは、大深度だけでなくて浅深度であろうと、様々な影響が出ます。できる限り影響がないように事業をするために環境アセスメントも含めた調査や検討が行われています。ただ、地下なのである程度予期せぬことが起こる場合があります。今の話にあったリニア中央新幹線だけでなく、東京外環自動車道や、京都でも地下鉄や阪急の地下工事の時に予期せぬ影響が出たことがかなりありますので、地下だからこそ慎重に事業を推進すべきだと考えています。
リニア中央新幹線の詳しい経過は分かりませんが、地下の問題は慎重に対応する必要があるということの証左であると思います。
本日の与党PT整備委員会で、東西案を外して南北案、桂川案で今後の議論を進めていくことが決まったようだが、受け止めはどうか。
私も報道だけでしか知らないので、そう決まったという前提でお答えします。
冒頭に申し上げましたが、ヒアリングの場では、3案についてどうかということを述べた訳ではなく、それも含めて事業全体について見解を申し上げました。3案から2案になったからといって、ヒアリングに臨んだ時のスタンスは別に何ら変わるものではないと思っています。
東西案について知事はどのように考えているか。
東西案は水の道を横切るということと、駅部の深さが南北案よりも深くなっていたので、そこだけを見ると、一般論で言えば影響がより大きいのかなと思っていましたが、東西案が落ちるか落ちないかについて議論の焦点になっていた訳ではありませんし、施工上の課題があるということについては、従来のスタンスから別段の変更はありません。
北陸新幹線について、詳細なルートの年内選定を見送るということは、知事としてはより慎重な検討をしてもらえるので、一定評価できると考えているのか。
評価できるかどうかということではなく、立場としては、我々がヒアリングでお話した、施工上の課題に対応していただきたいという思いは今も変わっていません。ヒアリングの過程でも、西田委員長のブリーフィングの中でも、地元に対して丁寧に対応していくということを聞いているので、いずれそれは実現していくと思います。その際には府民の皆様の理解と納得、それから関係市町の協力が不可欠なので、そうした観点に立って国と鉄道・運輸機構には対応していただきたいと考えています。
いわゆる年収の壁について、与党が103万円から123万円に引き上げる方針を固めたが、知事の受け止めはどうか。
与党の税制調査会で了承されれば、2025年度与党税制改正大綱に明記されると思うので、おそらくその数字は123万円になると思っています。
これまでから言っていますが、年収の壁問題を労働市場の活性化という観点に立てば、一定の引き上げは評価すべきだと考えています。
ただし、引き続き3党の協議が継続して、最終的には税制改正関連法案が通常国会に提出されることになりますが、その過程で修正の動きもあるのではないかと報道されており、そうしたことも踏まえると、今後の動きをきちんと注視しなければいけないと考えています。
その中で、地方財政への影響については、京都府だけでなく全ての地方自治体が心配していますので、年収の壁の問題と地方財政への影響の問題は、トータルで議論してほしいと考えています。
国と地方の協議の場で石破首相も「丁寧に対応する」と言われていますし、本日開かれている参議院本会議の質疑の中でも、「心配されている気持ちは十分に分かる」と発言されていますので、何らかの対応をされると思っています。
いずれにしても地方財政計画をはじめ、地方財政を巡る令和7年度のフレームについてはきちんと注視をして、必要があれば声を上げていかなければいけないと考えています。
このあたりの水準が適切ではないかという所見があれば、伺いたい。
それは別段ありません。
国会で選択的夫婦別姓について議論が交わされる場面があったが、知事の所見はどうか。
難しい問題ですが、令和3年の最高裁判決で「夫婦の姓を巡る制度のあり方は、国会で議論、判断されるべき」だと示されていますし、国の第5次男女共同参画基本計画でも「国民各層の意見や国会における議論の動向を注視しながら、司法の判断も踏まえ、更なる検討を進める」とされていますので、これは私がというよりも、国民の皆様がどういう形で納得されるかということを踏まえて判断されるべきものだと考えており、私自身は今のところコメントする立場にないと考えています。
知事が出席された「京都府こどもの居場所づくりトップセミナー」の資料を見ると、今年度における府内の子ども食堂の数は217件であった。校区実施率(充足率)は、約40%で全国平均を上回っているが、一方で府内の子ども食堂の約4分の3にあたる150件が京都市内に集中している。府内人口の約半数は、京都市以外にお住まいだが、地方に子ども食堂の数が少なく、一つも子ども食堂がない自治体も複数あることを確認した。こうした状態について知事はどう認識しているか。また、今後どういう対応していくべきだと考えているか。
トップセミナーの冒頭の挨拶でも申し上げましたが、子どもの居場所と子ども食堂はそれぞれ増加傾向にありますが、地域的な設置のバランスが良くないことと、最近は課題を抱えた家庭のお子さんだけでなく、地域の幅広いお子さんが利用できるような子どもの居場所のニーズがあるという課題がありました。
今の質問にお答えすると、ニーズがあるのに整備できていないところは、きちんと整備しなければいけません。ただ、コロナの時も感じましたが、地域のコミュニティとして子どもたちを見守ったり支えていく力が残っている地域もあり、ニーズに地域的な差があるので、均一的に整備が必要だということではありません。
ただ、ニーズがあるのに整備できていないということであれば、トップセミナーで湯浅誠さんが言ったように、コミュニティの中に入っていって、ニーズを把握した上で呼び水を出せば、活動に参加したがっている人もいるので、どんどん実現できるとのことでしたので、そうしたことを進められるような工夫はしたいと考えています。
ただ、私も湯浅誠さんの話を聞いて、いくつか反省すべき点がありました。それは、子ども食堂は、子ども食堂しか居場所がない人のためだけにある訳ではないということです。
我々はどうしても居場所のない人のために居場所を作ることを考えますが、居場所の数が多い子どもほど、想像力や様々な成長力があるという分析もされていました。
もう一つは、全国的に見ても、子どもだけでなく高齢者もいて多世代交流が行われているところが良いということであり、京都府では「きょうとこどもの城づくり事業」に取り組んでいますが、地域によっては子どもの施設と高齢者の施設が別でなくていいところもあり、もう少し柔軟に考えた方が良いのではないのかということを感じました。
トップセミナーだったので、私が学ぶこともありました。もう少し柔軟に、子どもの居場所を増やすことを考えたいです。
地域によって状況が異なるとのことだが、人口が増加している木津川市は小学校が増えているが、校区実施率(充足率)は一桁台ととても低い。地域のコミュニティーは必ずしも強くないと思うが、それを補完するような子ども食堂が整備されていないのは課題ではないか。
そうしたことから、今回、府内の市町村長全員に声をかけて、トップの方にそのことを学んでもらおうと思い、トップセミナーを開催しましたが、開催して良かったと思っています。
セミナーを開催された「むすびえの方」が、現地に入ってマーケットリサーチをすることもできると仰っていました。
講演では現地に専門家が入っていって、小学校区単位でアプローチするのが良いと言われていましたし、私もそうすべきだと思います。首長さんに問題意識を持ってもらわないとなかなか進まないところがありますので、私からも首長さんに問題意識を伝えたいと思います。
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