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令和6年8月30日定例知事記者会見

 

発表項目に先立ち、一言申し上げます。

ご承知のように台風10号が明日の31日から9月2日頃にかけて京都府に最も接近する見込みです。台風の中心から離れた地域で大雨や強風の影響を受けることや、影響が長時間にわたることもあります。

府民の皆様には、気象庁や市町村が発表する情報に注意し、避難が必要と判断された場合は、躊躇せず早めの避難を行っていただくようお願いします。

特に、高齢者や障害者など避難に時間を要する方につきましては、早めの避難をお願いします。

また、避難場所や避難経路、非常の用持ち出し袋の確認など、日頃からの備えを改めて確認いただきますようお願いします。

加えまして、最新の気象情報、交通情報に十分ご注意いただき、状況に応じて不要不急の外出を避けていただくようお願いいたします。

最後に、万が一の場合には、ご近所でも声かけを行うなど、助け合って避難していただくよう、よろしくお願い申し上げます。

令和6年度9月補正予算案の概要について

令和6年度9月補正予算案が概ね取りまとまりましたので、その概要を説明いたします。

議会へは9月12日の9月府議会定例会の開会日に提案する予定です。

なお、今回の台風等によって万が一被害が生じた場合につきましては、当然、災害復旧事業や被災者支援が必要になりますので、早期に必要な予算がございましたら、9月議会への提案に向けて、速やかに編成作業に着手するよう事務方に指示をしています。

予算編成の基本方針

予算編成の基本方針につきましては3点ございまして、大阪・関西万博に向けた準備、事業活動や府民生活を守る対策、府市連携の推進の3本です。

順次説明させていただきます。

1 大阪・関西万博に向けた準備

まず万博ですが、今回は府域における取組について、開催の準備経費につきまして予算を計上しています。

万博の開催まで226日になりまして、府域への誘客を図るためにフラッグシップアクションの準備に着手するなど、万博期間中に府域の魅力を高めて参りたいと考えております。

なお、フラッグシップアクションにつきましては、行政だけで考えるのではなく、各種団体等と一体となって、オール京都で知恵を出し合ったものとなっています。

1点目の「きょうとまるごとお茶の博覧会開催費」につきましては、2,000万円規模です。合わせて、債務負担行為2,000万円を設定しています。

これは万博を契機に京都を訪れる国内外の人々に京都の茶文化を発信するということで、茶文化を支えておられる茶人や茶商、生産者、茶器・茶道具の職人、様々な方がおられますけれども、そうした方々と一体となって文化の発信をしたいと考えています。

プレ・オープニング茶会を11月に北野天満宮などで実施したいと考えています。

また、お茶体験イベントとして茶摘みや茶器づくり等を考えていますが、その開催に向けた準備(に係る予算)ということで、来年4月以降に順次実施していきたいと考えています。

資料3ページ下段の「京都駅周辺エリアまるごとゲートウェイ事業費」につきましては、3,000万円規模で、合わせて債務負担行為について7,000万円を設定しています。

駅周辺を京都らしさ溢れる玄関口として、府域への誘客を推進しようというものですが、これについては4月からの実施に向けて準備に着手するということで、案内スタッフの確保・育成やプロモーション、また、エリアでのイベント企画というものに着手したいと考えています。

次に、「植物園アートナイトウォーク事業費」4,000万円規模です。

植物園とメディアアートを掛け合わせた京都の新たな魅力を世界に発信するということで、万博開催期間中に生物多様性をテーマとしたメディアアートの開催に向けた準備をするものです。今年度も、植物園100周年記念事業としてアートナイトウォークを行います。この内容については9月5日に発表したいと考えていますが、その規模を拡大させた形で万博期間中の取組として実施したいと考えていまして、それについての必要な設備整備や地元商店街との協力による機運醸成をしたいと考えています。

資料4ページ下段「Music Fusion in Kyoto音楽祭事業費」1,000万円規模です。

万博を契機に音楽が日常を彩る京都を創出したいということで、来年5月に舞鶴市で開催を予定しております事業の準備に着手するもので、今年度から練習会やリハーサルを実施予定でして、今回の補正予算に計上するものです。

以上が万博関連です。

2 事業活動や府民生活を守る対策

次は、事業活動や府民生活を守る対策ということで、1点目が「生産性向上・人手不足対策事業費」5億円規模です。

これは中小企業、更には社会福祉施設、保育所・幼稚園等の環境改善を支援するものです。

対象につきましては、今年4月に介護保険法が改正されまして、その中で福祉分野についても生産性の向上の取組を行うという努力義務規定が入ったということもございまして、今回保育所・幼稚園等についても、生産性の向上、環境改善に繋がるような取組を支援させていただくものです。事業といたしましては、勉強会やワークショップ等の開催を支援して、それに参加された事業者に対して生産性向上に資する設備導入等を支援するものです。中小企業であれば共同仕入管理、高齢者・障害者施設については、例えば入浴や移動の介助をサポートする介護ロボット、保育所や幼稚園については、見守り機能や園バスの運行管理アプリなど、ソフトとハードを組み合わせた一体的な支援によって、幅広い分野での生産性向上を図りたいと考えています。

次は「エネルギー高騰等対策事業費」2.9億円規模です。

これは、国が電気と都市ガスについては8月から10月まで支援をされますけれども、従来からLPガスについては国の支援対象とならないということで、LPガスを利用する消費者に対して、1契約当たり1,000円を上限として支援するものです。

資料7ページ下段は「耕畜連携推進事業費」5,000万円規模です。

これは堆肥等の購入・運搬に係る経費や、簡易機器の導入経費を支援するものでして、海外の原材料に依存する化学肥料の低減によって、生産コストを抑えたいと考えておりますのと、みどり認定を受ける農業者を増やしたいという思いもございまして、府内産堆肥の地産地消を推進していきたいと考えています。

3 府市連携の推進

3点目の、府市連携の推進につきましては、「京の高校生探求パートナーシップ事業費」300万円規模です。

府市連携によって高校生が学びをより深めていくための機会を創出するということで、これは京都市の松井市長とのトップミーティングで7月23日に表明した内容を、京都市も合わせてそれぞれ9月議会に補正予算を増額提案するものです。具体的には12月21日に京都国際会館を会場として予定しておりますが、成果発表会を開催したいと考えています。

当日はAI研究の第一人者である東京大学の松尾教授をお招きいたしまして、午前中は講演やパネルディスカッション、午後は京都府立高校と京都市立高校の生徒たちが日頃の探求活動の成果について発表したり、意見交換をしたりすることを通じて交流するもので、そのための経費です。

4 その他の施策

その他といたしまして、「丹後郷土資料館整備推進費」6,000万円規模です。合わせて35.7億円の債務負担行為を設定するもので、丹後郷土資料館はリニューアルに向けた取組を進めて参りましたけれども、いよいよ本体事業に着手するものです。

丹後地域の歴史文化の探訪・観光の拠点としてリニューアルしたいと考えていまして、本館につきましては存置して耐震改修やバリアフリー化を推進し、新館につきましては国宝や重要文化財を中心とした展示を行う特別展示室やアートイベントや展示会・マルシェなどにも使える多目的ホール、天橋立や丹後国分寺跡を一望できる展望テラスを設置します。

本館、新館ともに「公開承認施設」に対応しておりまして、国宝や重要文化財については、通常、公開する時に事前に文化庁長官の許可が必要ですが、「公開承認施設」の場合には公開後の届出で足りるということになります。機動的に運営するためにこれを目指し、令和8年度中のリニューアルオープンを目指しています。

予算案の規模

以上、令和6年度の現計予算は9,988億円ですが、今回の補正予算は10億円台で、令和6年度9月補正後の予算額は9,997億台です。規模の比較で言いますと、臨時創生交付金やコロナの包括交付金を除いた令和5年度の9月補正予算後のベースで比較しますと、99.5%です。

私からの説明は以上です。

質疑応答

記者

台風10号について、土日を含めて警戒を呼びかけたが、植物園や文化施設など各種公共施設の臨時休業等の対応はどうか。

知事

場所や状況によって、それぞれ個別の判断が出てきますが、府立植物園、丹後勤労者福祉会館、山城郷土資料館などでは、既に休業を予定しています。そのほか、警報が発表された場合には、休業するということを発表している施設もあります。

状況に合わせてということにはなりますが、基本的には安心・安全の確保が重要なので、そうした観点から対応を取ります。一律の対応ではありませんが、既に休業を決めている施設と、警報が発表された時に休業する施設が複数あります。

記者

気象台からの説明で、今日の夜に警報が出る可能性もあるという話があった。早めの避難を呼びかけているが、夜間の避難は危険性があるため、警報が出ていない段階でも早めに避難すべきなのか。

知事

難しいですが、昨年の台風7号の際は上陸前に被害が出たということがありました。基本的に先ほど言いました、特に高齢者や障害者など避難に時間を要する方は、自主的な判断でも(早めの避難をお願いしたいです)。ただ、避難所が開設されていない場合もありますので、知人宅(に身を寄せる)とか、建物の中での垂直避難など、色々な方法で命を守る行動をとっていただきたいです。府としてもできる限り情報は早めにとって、避難について指示をしたいと考えています。

ただし、市町村による避難所の開設との兼ね合いもありますので、我々と市町村と気象台がよく連携して、遺漏のないようにしていきたいと考えています。

最近は、線状降水帯も含めて、かなり予測精度が上がってきていると思いますので、ここは空振り覚悟で早めの対応ができるように市町村と連携していきたいと考えています。

記者

部局長連絡会議における危機管理監の説明によると、府の体制について、警報が出た場合には2号体制を配備するということだった。しかし、夜に警報が出た場合は、職員が急遽出勤するのは難しいと考えるが、その辺りの備えはどうなっているか。

知事

これはいつも同じですが、警報が出る見通しがある場合には、該当の職員には早めの出勤をしていただいています。警報が出るまで家から一歩も動かないということではないので、そこは危機管理部局の中で臨機応変に工夫して対応いたします。

2号体制を配備する基準として警報の発表時と言っていますが、これは当然予測も含めて対応することなので、万全の体制になるように対応します。

記者

現時点では何号体制なのか。

職員

今はまだ基本配備です。

記者

台風の接近が土日になるということで、宿泊施設や神社仏閣などで色々な対応が求められているが、京都府として観光客や観光施設に対する呼びかけはどうか。

知事

台風の接近については、観光面だけでなく色々な論点がありますが、観光で京都に来られている方についても、安心・安全の確保が必要です。これは南海トラフ地震臨時情報の時にも言いましたが、観光客の方も、観光に行った先での気象台や行政の様々な情報をきちんと把握していただいて、できる限り慎重な行動で身を守る努力をして、安心・安全を確保していただきたいという思いがありますので、そこはよろしくお願いしたいと思います。

あとは、特に宿泊施設を中心として、観光客を受け入れる施設の方についても、観光客が施設の方に情報を聞かれることもあると思いますので、同様に情報をきちんと把握して、観光客への的確な情報提供をお願いしたいです。

今回、台風の速度が非常に遅く、早い時期から影響があると言われていますし、台風から離れていても大雨が降っている地域もあり、予測しにくいところもありますが、できる限り的確な情報提供とそれに基づいた行動をお願いしたいです。

記者

今回の台風は速度が遅く、ホテルのキャンセルなど、観光産業への打撃が出てくると思うが、京都府としての対応はどうか。

知事

今日の段階までで、どのような影響が出ているのかについては、担当部局から報告を受けていませんが、新幹線が計画運休するとなれば、首都圏方面からの観光客に影響が出てくると思います。

ただ、今の段階では、どれくらいの影響が出るか分かりませんし、京都府が支援するレベルの影響が出てくるのかどうかについては、まずは影響を把握することが重要ですが、台風の通過が一段落するまでは、すぐに着手することができないので、一段落した後に、速やかに状況の把握に努めたいと考えています。

記者

台風の影響で一部の新幹線が止まっているが、今後は在来線が止まることも予想される。京都駅などで帰宅困難者が発生した場合への対応はどうか。

知事

京都府の防災部局が、それに直接関与することはありませんが、交通事業者も含めて様々な関係の事業者がおられて、日頃から京都府の会議にも参加していただいて、情報交換をしています。京都駅ということであればJRで万全を期されると思います。

今回は、かなり前からアナウンスされているので、準備を相当されていると思いますし、乗客の皆さんも慎重に行動されていると思いますので、駅で大量に帰宅困難者が出るとは思いませんが、混乱が生じないよう交通事業者の方には、万全の対応を取っていただきたいです。

記者

米が品薄になっている状況について、23日にホームページ上で冷静な対応の呼びかけをされたが、改めての呼びかけや対策についてはどうか。

知事

先週の段階では、スーパー等で米の品薄感から、府民からも不安の声が寄せられたということもありまして、米の需給状況や今後の見通しについての国の見解を踏まえ、安心感をもっていただくとともに冷静な消費行動を促すために、メッセージを発信させていただきました。

併せまして、国に対しましては、消費者に対する正確な需給の情報や見通しを伝えること、国においても冷静な購買行動を呼びかけること、円滑な流通・販売の働きかけを行うことなどについて、要望しております。

府内の流通状況を見てみますと、府内産コシヒカリをはじめ国内産の新米が徐々に出回り始めており、品薄の状況は、今後、順次和らいでいくと思います。余分に買ってしまいますと当然品薄になってしまいますので、引き続き必要以上の買いだめなどはせず、冷静な購買行動を行っていただきたいです。

(品薄になっているのは、)昨年に高温被害があり、令和5年産のコメが少なかった影響もあります。そのため、昨年から高温対策を充実しております。また、(台風第10号の接近に備え、)的確な時期の稲刈りや台風後も圃場の排水や病害防除をやらなければいけないと思いますので、できる限り安定した生産量と品質を確保できるよう、農業者に対して伴走支援をしたいと考えています。

農林水産大臣も27日の会見で、品薄状況が続く要因として、もともと8月は在庫が最も少ないこと、南海トラフ地震臨時情報や台風もかなり長い間報道されており、買いだめをされたということ、お盆休みで流通が停滞したことなどで品薄に拍車がかかったが、今後回復していくとおっしゃっています。

平年よりも1週間ぐらい、収穫が早まっている産地もありますので、できる限り、落ち着いた購買活動をお願いしたいです。

ただ、状況をよく見て、何かさらに必要なことがあれば対応していきたいと考えています。

記者

大阪府の吉村知事が備蓄米を放出すべきだと発言したが、知事の考えはどうか。

知事

27日の農林水産大臣の記者会見では、政府備蓄米の放出については、民間流通が基本となっている米の流通に対して様々な影響を与えるおそれがあるため、慎重に考えなければいけないということと、米の受給については、いずれ新米が出てきて、品薄感は緩和されることもあって、慎重に対応すると仰っています。

我々としても、民間流通に影響を与えるおそれがある政府備蓄米の放出について、直ちに国に対して要請しなければいけない状況にはないという認識です。

もちろん需給状況をよく見ておかなければいけませんが、大臣のその発言を踏まえて、私としては今のところ要請する状況にはないと考えています。

記者

北陸新幹線の延伸について、先日の与党PT後の記者会見で、西田昌司委員長が、自民党京都府連として、地元首長や議員を対象に説明会を開いていく方針を明らかにされたが、現時点で説明会の開催についての連絡はあったのか。

知事

西田昌司自民党京都府連会長が仰っているように、自民党として説明会を開催したいという話は伺っていますし、おそらく日程調整をされていると思います。

首長を呼びたいということで私に声が掛かっている訳ではありません。あくまで自民党としての一連の活動だと思っていますので、それについて私がコメントする立場にはありません。

斉藤大臣が言われた「沿線自治体に対する丁寧な説明」とは異なる動きの中で出てきている話で、政党としてもきちんと状況を把握したいということから出てきた話なのではないかと思います。

我々に働きかけがあれば、そこは内容を見て対応したいです。

記者

京都府は、あくまで国や鉄道・運輸機構に説明を求めたいという立場だが、自民党からの説明を拒む訳ではないということか。

知事

一つの政党だけからの説明になるので、その説明が、国にとって沿線自治体に対する丁寧な説明という位置づけになるのかというと、私は若干違うのではないかと思います。

我々に対応を求められれば対応はしますが、あくまで斉藤大臣が言われている丁寧な説明というのは、これとは別の形で行われるものであり、説明の対象は京都府だけではなく、福井県や大阪府もですので、そうした動きはいずれ出てくると思います。

記者

与党PTは、敦賀-新大阪延伸について、2025年度の着工を目指す決議をしたが、知事の受け止めはどうか。

知事

与党PTが行われて、概算要求については事項要求するということと、決議が行われたことは承知していますが、あくまでも我々の立場は、以前から申し上げているように、環境アセスメントが行われているので、慎重な調査、丁寧な地元説明、地下水や建設発生土の問題や環境への対応を含めた的確な対応が必要だという立場は変わっていません。

斉藤大臣が、沿線自治体に呼びかけるために丁寧な説明をすると仰っているので、具体的な内容を聞いた上で対応していく必要があるので、まずは説明を待ちたいと考えています。

決議が行われたことは承知していますが、与党PTが行うことによって、京都府の立場に何か影響があるとは考えていません。

記者

先日の能登半島地震復旧・復興支援本部において、政府として防災監を設置するなどの対策が示されたが、知事の受け止めはどうか。

知事

8月26日(月曜日)に能登半島地震復旧・復興支援本部が開かれ、能登半島地震の復旧・復興だけではなく、能登半島地震の教訓を踏まえて基本的な方向性が示されたと理解しています。

各省庁に災害対応要員がいますが、それに加えて内閣府の防災部局に勤務した経験のある人などに、平時から定期的に訓練や研修を行い、南海トラフ地震などの巨大地震が発生した時は、千人規模で即応できるような体制を確保することと、司令塔の機能を強化するということで、仮称ですが防災監を新設することが発表されました。

実際には内閣府の防災の勤務者というのは、色々な危機が起こった時に関係省庁から動員されていて、熊本地震の際には国土交通省からたくさん現地に派遣されていました。そうした教訓を踏まえてのことだと思いますが、今回は輪島に政府の出先機関として、私の国土交通省時代の後輩も派遣されました。

防災監の任務としては、災害対応の統括だけでなく、被災地の首長との連携ということもあり、自治体との連携強化についても言われておりますので、国や自治体、関係機関が一体となって防災対応能力が強化されるということで、全体としては期待しています。

ただし、基本的な方向性が示されただけなので、これからどのような形になるのかですが、できれば、例えば我々の防災訓練にもそうした即応部隊の人に参加してもらうとか、これは京都だけの話ではありませんが、いずれ自治体との連携の話も出てくると思います。

記者

府として対応するのは、具体的なものができてからか。

知事

災害は毎年、全都道府県で起こる訳ではなく、国が関与しなければいけない大災害がいくつか発生します。その時にできる限り効率的に即応するために、国でそうした部隊を抱えておこうということなので、まずは国で制度設計されると思います。

国でどのような組織を作られるかですが、そこに対しては、ぜひ自治体と連携してほしいという話をしていきたいです。いずれ地方6団体でもそうした動きになると思います。

記者

8月12日に福知山市で「京都版ミニ・ミュンヘン」が行われ、知事も参加されたが、感想と今後の予定はどうか。

知事

今お話しいただいたように、8月12日に福知山市で「京都版ミニ・ミュンヘン」を実施しました。

ドイツのミニ・ミュンヘンは3週間に渡って行われる大規模なものですが、まずは初めての試みとして、子ども達だけで仮設の街を作り、子ども自身が通貨や税金を決めて、街のルールを決め、選挙で市長を選んで街を運営するという取組をしました。上手くいくか不安もありましたが、私は直接、子ども市長さんや子どもの出店者、あと、子どもと一緒に取組を進めてきた大学生や親御さんから話を聞いたのですが、総論としては初めてにしては有意義な取組だったと感じています。

銀行で働いていた子どもさんに話を聞くと「銀行は重要な仕事だと気づいた」と言っておられて、その親御さんは「なぜ銀行のような堅い職業を選んだのかと思ったが、子どもが活き活きと働いていたのでよかった」と話されていました。

サポートする大学生も、「始めは子どもと交わるのは非常に不安だったが、最後は子どもを育てることも楽しいのではないかと思った」と話していたり、事前のワークショップを3回ほどやっていたので、それに関わっていた大学生や若手の経営者に会って、「子どもに声をかけてもらったことが、子育ての安心感に繋がった」と話されていた親御さんもいました。我々としてはそれなりの意義はあったのではないかと考えています。

今年度はもう一カ所、10月6日(日曜日)に八幡市で行う予定にしていますので、この二つの取組を見て、これからどう活かしていこうか考えますが、場合によっては規模を大きくしたり、開催日数を増やすことも視野に入れながら検討していきたいと考えています。

記者

9月に知事が親子誰でも通園モデル事業の視察に行くとのことだが、どのような思いか。

知事

元々、保育園に通わせるのは共働き世帯が中心でしたが、今年度から、国の方で「子ども誰でも通園制度」を試行的に始められました。

京都府では、若干進展させて「親子誰でも」ということで、親御さんも参加して、親同士の触れあいで孤立・孤独をなくすことや、子どもの接し方を学んでいただくということで、京都市内で4施設、宇治市内で9施設、4月から「親子誰でも通園モデル事業」を実施しています。

2か月経過しましたが、現場は試行錯誤だと思います。園の方でもそれなりに負担が増えますし、参加している親御さんも様々な思いで参加されていますので、どのような形になっているか、来週、宇治市のこども園で現場を見てお話を伺いたいと考えています。

あくまで国で親子誰でも通園制度をやった方がいいということを政策提案するために、我々がモデル的にやっているので、その結果を踏まえた政策提案をしたいと考えています。上手くいくようにというより、国の方に我々の意図を理解していただき、制度が拡充されればいいなと思います。

ただ、課題も色々あるので、京都府のモデル事業を通じて、それを把握したいと考えています。

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