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令和6年6月7日定例知事記者会見

京都府開庁記念日記念式典の開催について

京都府開庁記念日記念式典の開催及び京都府特別感謝状等の贈呈についてです。

京都府庁は1868年、慶応4年閏4月29日、太陽暦にしますと6月19日に開庁され、今年で156年を迎えます。

京都府では、この開庁の日を記念して、京都府の発展や府政の推進に御尽力、御協力をいただいた皆様に感謝と敬意を表し、京都の未来を築いていく決意を新たにするため、例年、記念式典を開催しており、6月19日(水曜日)に京都府開庁記念日記念式典を行います。

式典では多様な分野の方々を表彰させていただくことにしておりまして、午前の第1部が職員関係、午後の第2部が京都府民の皆様の表彰となります。

特に第2部では、長年にわたり京都府の発展に多大な貢献をし、府民福祉の増進に大きく寄与された方に対し、功績をたたえ感謝の意を表する特別感謝状を1名の方に贈呈することに決定いたしました。

特別感謝状は、一般社団法人京都山城地域振興社(お茶の京都DM)社長の脇博一さまです。

脇様は、京阪電気鉄道株式会社取締役専務執行役員や京阪バス株式会社代表取締役社長を歴任されるなど、多年にわたり地域の交通をお支えいただきますとともに、京都府の観光地域づくりの推進に力を尽くされるなど、様々な分野で京都府の発展と府民福祉の向上に大きく寄与されました。

その他にも、「市町村・地域自治功労者表彰」で個人18名と11団体、「篤志者表彰」で個人34名、50団体、さらに「あたたかい京都づくり推進特別賞」で個人1名と3団体を表彰させていただくほか、京都で勉学に励んでおられる留学生の方々13名を、京都府と世界各地域との友好の架け橋になってくださることを願って「京都府名誉友好大使」に任命させていただきますので、式典当日の取材につきましても、ご協力のほどよろしくお願いします。

私からは以上です。

京都府開庁記念日記念式典の開催について(PDF:308KB)

質疑応答

記者

本日開催される京都アリーナに関する住民説明会には定員の4倍近くの申込みがあり、急遽会場が変更された。府民の関心が非常に高い中で、当初、定員を100人に設定していたのはなぜか。100人では少ないという市民の声もあったが、広く府民に周知するつもりはなかったのか。

知事

広く府民の皆様の声を聞くつもりはなかったということは全くありません。可能な限り様々な方の意見を聞くというのが基本的なスタンスです。

会場の設定については、昨年度、向日町競輪場の基本構想に関する説明会を、中間案の策定時2回、構想策定後に2回、いずれも40人規模で開催したところ、事前に申し込まれた方が全員入れましたので、それを前提として、今回はそれよりも若干規模を大きくしましたが、参加人員の申込みが予想よりも非常に多かったです。そういう意味では関心の高さが示されたということです。最終的には申し込まれた方に幅広く意見を聞く場を設定できたということで、私自身は良かったと思っております。

記者

最初から定員を設定すべきではなかったのではないか。

知事

ある程度定員を想定しておかないと、大幅に超えた場合に追加で説明会を開くこともよくありますので、取りあえず最初に押さえた会場の都合で定員を設定したということです。多分どんな集まりでも、一応の目安としての定員を会場との関係で設定させていただいていると思います。

記者

申込状況についての担当課への取材を通して初めて、途中で定員枠をなくしたことが分かった。広く府民に周知してもらうためには、変更した時点でそのことを広報すべきだと思うが、それがなかったのはなぜか。

知事

基本的には、できるかぎり広く説明し、申し込まれた全ての方の意見を伺うと聞いていましたので、当然多くの申込みがあれば、会場を変更するなりして対応しなければいけないと指示していました。先程言いましたように、本当に物理的に不可能な場合は追加で説明会を開く形になると思うのですが、今回はたまたま全員収容可能なホールが空いていたので変更させていただいたということです。

記者

途中で最初に発表したやり方と変わっているので、そのやり方をちゃんと周知しないと、すでに定員に達していると思って諦めた府民がいるのではないか。

知事

ひょっとすると、ご指摘の点があるかもしれません。次回以降についてはぜひ配慮した形でやらせていただきたいと思います。

記者

途中の申込人数や、定員を超えているのかなどを随時担当課に確認していたが、「(受付窓口である)向日市から聞いていない」「数字を持ち合わせていない」として答えなかった。その理由を考えると、途中で「説明会に参加する人数がこれだけいる」と新たに広報して、さらに増えるのが困るから、最小限に抑えるために隠したかったのではないかと勘ぐってしまうがどうか。

知事

私自身は、隠したいとか減らしたいとかいう意図は全くないので、担当者がどう思ったかまでは分かりませんが、そういう運用をすべきではないと思います。

記者

万博について、先日、府内の首長が参加された会議の中で、小学校の児童などの万博見学について、知事自身が意向調査について言及されたが、実施するのか。

知事

その時に正確にどう発言したか確かではありませんが、最終的に参加してもらうためには、万博協会との関係で定員やスケジューリングをしなければいけないので、正式に申し込んでもらわないといけません。その前に大体どれぐらいの参加意向があるかということは、事前に把握した方がより的確に準備が進むのではないかと思いますので、どういう形でやるかは別ですが、意向調査は行った方がより準備がスムーズに進むのではないかと考えています。そういうニュアンスのことはお話したかもしれません。

記者

大阪府では、アンケートを行った際に「欠席する」という選択肢がなく、行くことを前提として調査をされていたようだが、京都府としては全員参加するという考えなのか、行かないという選択肢もあり得るのか。

知事

これは元々強制すべきことではないと考えています。ただ、予算計上をする上では、(参加いただく)機会をなるべく広く取るという前提で、全員参加いただいても大丈夫な形での債務負担行為を取っていますが、当然学校側の事情もありますし、いろいろな状況を踏まえて学校側にきちんと判断していただくことが必要です。ただし、万博協会の方でも、いろいろな学校が来た場合の調整をしなければいけないと思いますし、どういうパビリオンがあるかといった情報提供など、判断をしていただくための我々の方の環境整備をきちんとしなければいけません。ただ、あくまで最終的には学校の判断だと考えています。

大阪府のアンケートに「行かない」という選択肢がないというのは、全員に行ってもらうという意味でそうしたのかどうか私も分かりませんが、交野市がそういうことを指摘されていることは承知しています。

記者

環境整備をしないといけないということだが、長岡京市長が、バスが不足していてどうすればいいのかと懸念を示され、知事は観光バスの運転手が少ないので対策をしないといけないと発言されていた。府として対策を取ることは想定されているのか。

知事

基本的にはいろいろな交通手段があります。確か大阪府内の学校については、公共交通機関を使うことをおっしゃっている方もいますし、それぞれの学校がどういう交通手段を使われるのかというのは、それぞれの学校の選択の問題ではあると思います。

ただし、バスについて何らかの我々への協力依頼があれば、当然協力しなければいけないです。

バスの問題は、子どもたちの学校行事に使用する手段としてのバスもありますが、いろいろな場面で、例えば普通に万博会場に行く手段や、万博の時のシーズンが重なっている半年間における観光バスなど、いろいろなバス需要があると思います。

長岡京市長が発言されたのは、万博会場に行く子どもたちのバスの中での競合をおっしゃっていたかと思いますが、交通の問題はもう少し幅広く万博期間中に対応しなければいけないことがあるはずなので、それも含めて我々としてコーディネートできるところがあれば、それは是非協力しなければいけないのではないかと考えています。

記者

長岡京市長が、京都府のテーマが抽象的過ぎるので、府がリーダーシップを取ってほしいと発言されていた。滋賀は琵琶湖、福井は恐竜と、具体的なテーマを持っているが、京都府は今からテーマを具体的に変更する考えはあるか。

知事

もうコンセプトが決まっているので、パビリオンのテーマを変更するのはなかなか難しいです。

それよりも、郊外学習など学校行事として行うなら、どういうところに行けばいいかは、当然学校側としても考えなければいけない点だと思います。確か国は修学旅行を含めて120万人ぐらいの目標数値を出していますので、先日、自見大臣のところに行ったときに、どういうところに行けばいいのか、もちろん学年によって違うとは思いますが、国や博覧会協会として、できる限り早く情報を出してほしいとお願いしました。

私も、先日の総合教育会議の直前に、各国のパビリオンや企業のパビリオンがどういうテーマで展示を考えておられるのか、公表資料から情報を集めましたが、ご指摘のように、まだ情報があまり出ていません。できる限り早く情報を公表してもらうことと、学校行事にマッチするような形で示してもらうことが重要ではないかと考えています。

我々各自治体がばらばらでやってもいいのですが、できれば博覧会協会から、環境だったらこことここ、こういう組合せがあるというような形で、子どもたち向けのプログラムを出してもらえればありがたいという話を大臣ともしてきました。我々も努力はしますけれども、京都だけではなくて、多分ほかの自治体も同じニーズがあると思いますので、そういった選択肢を示してもらうことが、我々としては一番ありがたいです。このことは引き続き博覧会協会や国のほうに求めていきたいです。

記者

万博見学の意向調査は、府や教育委員会として実施するということか。

知事

どのタイミングで意向調査を実施するかです。例えば予算化していく際には、どれぐらいのニーズがあるかを把握する必要があります。ただ、あまり情報がない中で意向調査をしても、漠然としたニーズが分かるだけなので意味がありません。もう少しプログラムを示すとか、万博協会が予約システムをつくるので、例えば環境の社会課題解決なら、どこを見たらいいといった学校側が知りたい情報を提供することが必要です。今、意向調査をしても、必ず来てくれるかどうかという判断には至らないと思うので、もう少し熟度が高まってから意向調査を実施しようと考えています。

記者

既に大阪府は意向調査を実施しているが、早すぎると思うか。

知事

早いというか、大阪府はひょっとすると、また本当のニーズ調査をされるかもしれません。あれはどちらかというと、全体的な機運醸成の意味もあったかと思います。大阪府がどういう趣旨でこのタイミングで実施されたか、私自身は全く把握していないので、評価のしようがありません。

記者

はっきりと内容が決まってから意向調査を実施するのか。

知事

ある程度決まってからです。大体夏頃になればパビリオンの建物のことだけではなくて、展示内容もわかってきます。修学旅行だと多分全国から来られるので、子どもたちがどこを見にいったらいいのかが分かってきた段階でということです。

記者

予算の執行の関係もあるのか。

知事

もちろんそれもありますので、いずれにしても意向調査をしたほうがいいとは考えています。

記者

合計特殊出生率が発表され京都府は過去最低の数値となったが、知事の受け止めはどうか。

知事

昨年の京都府の合計特殊出生率は1.11で、一昨年の数値から0.07ポイント下がり、全国順位も40位から43位に低下しました。平成30年に45位だったのが、少しずつ改善してきたところでしたので、そういう意味で非常に深刻に受け止めています。

ただ、全国の数値も0.06ポイント低下しているということで、全国的にもほぼ同様の傾向だと思いますので、私自身としては、子育て環境日本一推進戦略を着実に実行することと、国に対して、少子化対策もですが、東京一極集中の是正、若者や女性の方が活躍するような環境整備などに国を挙げて取り組んでほしということも引き続き強く要望していきたいと考えています。

記者

京都府総合計画で掲げた目標では、合計特殊出生率を2040年に全国平均並みにするとしているが、達成できるのか。

知事

この間、全国的に低下傾向の中で相対的に改善していたのが、今回の発表で振り出しに戻るような形になりました。ただ、目標として掲げていますので、それに向けて努力をしていきます。今回の低下については、現時点で詳細なデータがないので分析はまだできませんし、市町村別の数値も分かりません。今後、原因の分析も含めて頑張ってまいります。

記者

出生率を上げるために府独自の事業をかなり実施している中で、子ども医療費の助成拡大や婚活イベントなどの取組の実効性をどう見ているか。

知事

子育て環境日本一推進戦略の発表の時にも言いましたが、少子化対策を狭く取ると、今、子どもをお持ちでない方に子どもを持っていただくということになります。一方で、例えばヤングケアラーなど、子どもたちが抱えている様々な課題を解消することなど、子どもを産み育てやすい環境をつくることが、直接的ではありませんが、長い目で見れば少子化対策につながるということで力を入れています。

一昨年のデータで見ると、京都は、子どもを持っている人の平均の子ども数は全国平均並みですが、結婚している女性の割合が全国の中ではかなり低位にあるので、そこは1つのターゲットだと考えています。

それから、これは何回も言っていますが、居住地選択について、子どもを持たれる若い世代が京都府外に引っ越されているのか、そもそも選択されないのかということも分析しなければいけないと考えています。これは市町村にも関わってきます。府内では、京都市が圧倒的に合計特殊出生率が低く、人口の割合も高いので、京都市とも連携して取り組まなければいけない課題だと考えています。

記者

京都の20~34歳の女性の未婚率は全国で2番目に高い。きょうと婚活応援センター設置から約10年になるが、未だ下から2番目というのは、婚活イベントなどの成果が上がっていないのではないか。抜本的な改革が必要ではないかという見方もできるがどうか。

知事

抜本的改革というのが、なかなか難しく、そもそも婚活支援自体、10年前はいろいろな議論があって、「行政の仕事なのか」とも言われたのですが、今は全国でかなりの自治体がやっておられるし、実際に募集倍率が非常に高いということはニーズがあるということです。未婚率の順位で見れば成果が上がっていないのですが、それぞれのイベントや取組へのニーズは非常に高いので、その部分での成果は上がっていると見ています。

ただ、ロットがそんなに大きくないので、全てを税金でやるのではなくて、もっと企業やいろいろな団体を巻き込んだムーブメントにしたほうがいいのではないかと考えています。もっと数字に表れるような成果が出るように新しい改革をやっていきたいです。

記者

先日、北陸新幹線に関して、京都駅大深度地下に新駅を設置する計画について言及された西田昌司参議院議員のインタビュー記事が掲載された。これについて、府としても前向きに検討しているのか。また、北陸新幹線の延伸についての考えはどうか。

知事

西田参議院議員のインタビューは報道を通じて承知しています。参議院議員として新聞取材を受けての発言なので、西田参議院議員の発言についてコメントする立場にはないと考えています。

大深度地下に新駅を設置する計画については、今の環境アセスメントの中の範囲でしか把握していません。もちろん、地上まで上がるのに時間がかかるとか、基礎的なことは分かっているつもりですが、具体的に把握していないので、コメントは差し控えさせていただきます。

北陸新幹線については、以前から言っていますように、災害時のリダンダンシーの確保として東海道新幹線の代替機能を果たし、京都だけでなく関西全体の発展につながるような国家的プロジェクトということで、現在、国と鉄道運輸機構で環境影響評価法に基づく手続きが進められています。

加えて、地下水や建設発生土など施工上の課題にどう対応したらいいかについても、北陸新幹線事業推進調査が並行して進められていると聞いていますので、そうした課題を解決することが早期整備につながると考えています。

我々としては、慎重な調査と丁寧な地元説明、それから環境の保全について適切な対応をしてくださいと従来からお願いしておりますので、引き続き求めていきたいというのが今の立場です。

記者

北陸新幹線についてのインタビューで西田参議院議員は次回の与党整備委員会で米原ルートを改めて否定すると言われた。費用負担のあり方についても、地元負担の軽減を考えていきたいと言われたが、これらについて知事の考えはどうか。

知事

米原ルートについては、元々関西広域連合で一部米原ルートの話もありましたが、与党のプロジェクトチームでの検討の過程で難しいと判断され、最終的に今のルートが平成29年3月に決められました。環境影響評価法に基づく手続きが行われているのは、今のルートなので、私としてはそのルートしかないと考えています。

西田参議院議員がそういう発言をされるということは、米原ルートを主張する声が一定程度上がっているのは事実だと思いますが、我々としては、今のルートしか手元にないので、今のルートに対応していくことが大前提だと考えています。

財源についてですが、全体の負担を減らすためには、コスト縮減や貸付け料の見直し、実質的な地方負担についても、地方債の償還期限の延長や交付税措置などがありますが、根本的に今の法律の仕組みにおいては、延伸に合わせての負担など、全体の財源枠組みの見直しも全部含めた話として、最後は受益に応じた負担しかすべきではないと考えています。

ただ、まだ事業費も明らかでない中で、財源について突っ込んだ議論をする時期ではないと考えています。

記者

国民スポーツ大会の今後の見直しについて、日本スポーツ協会が改革案をまとめる有識者会議を設置することになった。改革案への要望など、有識者会議にどのようなことを期待するか。

知事

報道によると、有識者会議はスポーツ界、経済界、全国知事会、メディアなど幅広い分野からの20~30人の規模で提言をまとめられるとのことです。課題としては、例えば競技施設に求める基準の緩和や複数の都道府県での分散開催、一部の競技については会場を固定するとか、セレモニーの簡素化などが挙がっていて、他にもあるかもしれませんが、これらが全国の都道府県知事の共通した課題認識だと考えています。遠藤会長も「聖域を設けずに、今までの形にとらわれることなく議論していただきたい」とおっしゃっていますので、それらの課題についてきちんと議論していただけたらと考えています。

私自身は、以前の会見でも申し上げているように、大会の開催には一定の意義と効果があるけれども、今のままではなくて、必要な見直しは行うべきだと考えていますので、こうして幅広い意見を聞く場ができたことは非常によかったと思います。

有識者会議には全国知事会も入っていますし、それぞれ単独の都道府県の立場もありますが、開催の主体である都道府県の立場を、どういう形でこの有識者会議、最終的には国に伝えていくのが一番いいのかを考えていきたいと思います。

まずは、今言ったような項目について、ぜひとも幅広く丁寧に議論していただきたいというのが、今のところの私の希望です。

記者

国会で少子化対策を強化する改正子ども・子育て支援法が成立した。児童手当の所得制限撤廃などの施策を盛り込んでいるが、どのように評価するか。また、京都府ではこの法律を受けて、どんな対応を考えているか。

知事

一昨日、子ども・子育て支援法等の一部を改正する法律案が参議院で可決されました。今ご紹介がありましたように、児童手当の拡充や妊婦のための支援給付の創設、子ども誰でも通園制度の創設など様々な施策が盛り込まれています。これらの内容は全て子育て環境の充実に一定程度寄与するものですので、この法案の成立自体については歓迎したいです。

私自身も今週前半、様々な大臣に要望してきましたが、我々がお願いしている子育て関係の制度の更なる充実を、引き続き、国にお願いしていきたいと考えています。特に京都が先行的・モデル的に取り組む制度、例えば「親子誰でも通園事業」、「子育てが楽しい風土づくり」などは、ぜひ国の方でも取り組んでいただきたいです。

先ほど婚活の話が出ましたが、加藤大臣には今年1月に婚活センターを視察いただき、そのあと、国会答弁も含めていろいろなところで京都の取組を高く評価していただいています。他の自治体でもそういう取組をするようにとおっしゃっていますので、我々としては、今回の法案で成立した制度以外にも、我々の取組をぜひとも取り入れてもらいたいですし、最終的には価値観や社会の構造を変えるようなことをしないといけないのではないかということを、引き続き述べていきたいと考えています。

記者

政治資金規正法の改正案が昨日衆議院で可決して参議院に送られ、今国会会期中には成立する見通しだが、野党からは実効性を疑問視する声も上がっている。知事はどう評価され、どんなところを注視しているか。

知事

国会で議論されるべき内容であり、私はコメントする立場にはないと考えています。大前提として、政治資金をめぐる様々な問題で国民の皆様の疑念や政治不信につながっていることについては非常に残念ですし、他にも国政はたくさん課題を抱えていますので、そうしたことが、国政の停滞を招かないようにぜひとも努めていただきたいです。

その上で、政治資金については、何といっても透明性の確保・担保が一番重要だと考えますので、少しでもそこにつながるような改革なり改正が行われることについては評価したいと思っています。

ただ、いろいろな意見があり、参議院でも当然審議が行われるので、そうした審議の過程を通じて、どういう課題があり、どのような意図でこの改正が行われるか、国民の理解が深まるように、より説明責任を果たしていただきたいと思います。

記者

職員の不祥事について、一昨日、懲戒処分が2件発表され、いずれも猥褻関係で公務外の事案であった。再発防止に向けた対策を立てるのはなかなか難しいかもしれないが、とはいえ対策は必要である。担当課に今後の対策について聞いても、通り一辺倒の回答だったが、知事は具体的にどうしていくべきと考えているのか。

知事

今ご指摘がありましたように、6月5日に職員の懲戒処分を2件行いました。綱紀保持については機会あるごとに注意喚起を行ってきたところですが、今回府民の皆様の信頼を損ねるような事案が相次いだことは極めて遺憾です。難しいかもしれないと言われたが、そういう問題ではなく、決してあってはならないことですし、公務員としての立場以前に、誰がやってもいけない犯罪なので、そこはきっちり対応する必要があります。

公務員には、社会的な責任や高い倫理感が当然求められていますし、それがあるからこそ、いろいろ難しい仕事も前に進んでいるというところもあるので、そういう意味も込めて、職員の綱紀保持については徹底していきます。どういう方法が最も効果があるのかは、至急考えた上で対応してまいります。

記者

バレーボールのネーションズリーグの福岡大会が大変盛り上がっているが、今秋から新たにSVリーグが立ち上がる。京都は男女ともに、高校レベルでは非常に強豪校が多いが、V1、V2、V3を含めて京都に本拠地を置くチームがない。この現状をどう考えるか。

知事

以前に、この記者会見でプロスポーツリーグの話が出て、その時はラグビーの話で、やはり京都のプロチームはないのですが、高校レベルでは強いです。バスケットボールも高校は強豪なのに、プロリーグでは低迷していますので、優秀な高校の存在とプロのスポーツチームは必ずしも直結しないと思います。

プロリーグのチームを編成して維持していくには一定の資金計画も要るので、一朝一夕にはいきません。スポンサーがいて、環境が整えば、子どもたちのスポーツの夢を育み、目標になるという意味においては、より高いレベルのプレーが間近で見られる状況はいいと思います。ただ、すぐ実現するのはなかなか大変なのではないかと思います。

記者

今計画している向日市の京都アリーナでも、SVリーグを開催できる仕様にすると仕様書に記載されている。スポンサーやVリーグ機構などに誘致を働きかける考えはあるか。

知事

今すぐにチームの誘致については考えていませんが、バレーボールの国際試合の誘致には取り組みます。

今もサッカーのサンガスタジアムでなでしこジャパンの試合をやっています。実はネーションズリーグも東京オリンピックの前哨戦として島津アリーナで開催する予定になっていたのですが、コロナで中止になりました。私は、その時、始球式を依頼されていたのでよく覚えています。

ホームチームがなくても、国際試合の誘致は結構やれるので、まずはそれを間近に見ていただくことです。元々京都は誘致の条件としては良く、もしアリーナができれば競技環境もよくなるので、まずは大会の誘致に取り組み、チームの話はその次だと私自身は考えています。

記者

本日午前中にいろは呑龍トンネルが公開された。昨年度末に調整池ができて、大枠がかなり完成したと思う。このトンネルの役割や、平成7年度からここまでたどり着いた今の状況についてどう考えるか。

知事

いろは呑龍トンネルは、かなり大規模な工事をしてきて、令和5年度末に8か所目の接続施設と調整池ができました。地権者の方も含めて工事関係者や過去に携わっていただいた方に心から感謝したいというのがまず第一点です。

地上にも雨水を調整池で貯留可能となりましたし、今まで雨水を貯めるだけであった北幹線管渠について、運用上、雨水を南の方に流せることになって、呑龍ポンプ場から桂川へ排出することができるようになり、取り込める雨水の量が大幅に増加するということで、浸水対策としての能力もかなり上がっていると考えています。

乙訓地域は長岡京から平安京に移る原因になったと言われるぐらい、よく水に浸かりましたが、この呑龍トンネルが一部でも機能したことによって、安心・安全はもちろん、駅の設置などを含めてまちづくりについても非常に寄与しています。このようにいろは呑龍トンネルは大きな効果を有しますので、あと3か所の接続施設の工事が残っておりますが、それを的確に進めて、全体の早期完成を目指したいです。

記者

桂川右岸地域では大分浸水対策が進んでいるが、府内のほかの地域でも、いろは呑龍トンネルのような大規模な浸水対策をこれから検討していくのか。

知事

元々いろは呑龍トンネルは、乙訓地域がよく水に浸かるために整備効果が非常に高く、家が張りついているため、河川の拡幅も堤防のかさ上げもできないことから地下で流す方法を採りました。この条件にぴったり合う地区は全国でもあまりないと思います。東京では環七の地下河川などがあり、山科でも一部地下に通すところはありますが、市街地で事業費に見合うほど効果が高く、河道の拡幅ができないところはなかなかないと思います。

記者

これから梅雨を迎え、府民に対して大雨に対する対策など何か呼びかけはあるか。

知事

今までとは気象の条件が変わり、災害の激甚化、頻発化と言われていますが、要は非常に大量の集中豪雨が、しかも一定の時間続くということです。そういう時は避難指示などが出ますので、行政からの情報を的確にとらえていただきたいです。水平・垂直避難など、集中豪雨、ゲリラ豪雨等に対する対応も提示していますので、日頃からそれらを確認して、避難行動タイムラインを作っていただきたいと思います。去年の台風7号でもタイムラインを作成したところは、行政の避難指示の前に避難が始まったということもありました。

これからの季節は、日頃から家族や学校で防災・減災について話し合っていただいて、常に自分の身は自分で守るということをぜひ意を用いていただきたいです。

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