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更新日:2021年8月3日

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令和3年7月30日臨時知事記者会見

京都府まん延防止等重点措置等について

新型コロナウイルス感染症対策について

まずはこの間の府民の皆様、事業者の皆様のご協力に対しまして厚くお礼申し上げますとともに、医療現場の第一線でご奮闘いただいております医療従事者の皆様にも心から感謝を申し上げます。そうした様々な方々にご努力をいただいている中ですが、感染は急拡大をしています。本日の新規感染者数は167人、一週間移動平均は113人、前週比は2.11倍になっています。また、一昨日には、感染者数が175人で過去最多となっています。夏休みに入りまして、往来が非常に増加しておりますし、感染力が強いと言われていますデルタ株への置き換わりも進んでいます。それから昨日には全国でも新規感染者数が1万人を超えるということで感染が急拡大をしています。感染減少に向けた要因が非常に少ないということで、強い警戒感を持っています。

次に、関西の状況でございますけれども、10万人当たりの感染者数の推移を見ますと、過去、第4波の時は大阪府、兵庫県はかなり高くて、2、3週後に大阪府や兵庫県の数に近づいていったということで、やはり大阪府の感染の拡大につきましては極めて警戒感を持って見ていかなければいけません。

それから年代別の感染者について構成比で見ますと、20歳代以下で5割、50歳代以下で9割ということですが、構成比だけでは実態がなかなかわからないということで、実数で示しますと、20歳代が50人、94人、242人ということで、6月の後半に比べ5倍に増えているということです。もう一つは40歳代、50歳代の重症化リスクが20歳代、30歳代よりも高いところが事数として増えてきています。高齢者の割合が低いというのは、おそらくワクチンの接種の効果が推測される訳ですが、ただ全体の感染者数が増えていくと、こういう(感染が拡大している)状況ですし、特に若い世代の感染者が多いということは活動が活発だということで、それがさらに感染拡大を招くということで非常に心配をしています。

その中で、高度重症病床の確保というのはそう簡単には確保していけないということもありまして、その影響を一番懸念しているところでありますが、第4波の時のグラフを見ていただきますと、(資料P5)棒グラフが感染者数でございますが、一般病床は感染者が増えていくと当然ある程度それに沿って増えますが、高度重症病床の使用につきましてはやや遅れて増えていくということです。現在、高齢者の感染者の比率が低いということもありまして、(重症者病床の使用は)3床ですが、過去の例から言いますと、いずれ感染者が増え、一般病床の使用率が増えていく中で高度重症者が出てくることについても極めて強い警戒感を持っています。それから人流を表すデータは様々ございますけれども、府のホームページで示しています、きょうと人混みエリアマップデータで、夜間、22時から23時の人出をまん延防止特別措置の期間にあった7月9日と、最近の比較ということで7月23日、この日は4連休の中でも比較的人出が多かった日と思っておりますけれども、四条烏丸、烏丸御池、錦市場・新京極周辺それぞれで増加をしております。これも会食の機会、若い世代の感染増加、そうしたことを通じまして感染拡大の要因になっているのではないかと思っております。それから、本部会議でも示しましたけれども、(感染事例として)一例ではございますが、会食の参加者かつ塾の職員の方が感染された後、塾関係者で感染が広がり、その中の利用者がそれぞれ同居家族に移していくということで、例えばここで一人出ますと(全体で)19人に広がるということです。必ずしも前後関係は特定できないので、科学的に因果関係はわからないのですが、連鎖していることは間違いないということです。こうしたことで感染力の強いデルタ株の場合、クラスター的なものが出てきて感染増につながっているのではないかということで、家庭内感染、職場感染、友人・知人の感染の比率が高くなっています。

そうした様々な感染状況を受けまして、今後の対応として、まず、本日の国における関西圏の感染状況の分析について、これは抜粋しておりますけれども、「京都では、新規感染者数の増加が続き、しかも夜間滞留人口の増加が続いており、感染拡大が続くと懸念」されるということでございます。こうしたことも受けまして、本日、政府におきまして、京都府のほか、北海道、石川県、兵庫県、福岡県がともに「まん延防止等重点措置を実施すべき区域」と決定された訳でございます。それとともに、「緊急事態措置を実施すべき区域」ということで、埼玉県、千葉県、神奈川県の首都圏3県と、大阪府が追加されたということでございます。
政府の方で、まさに全国的な感染拡大を受けた感染拡大防止を広域的にやっていこうという基本的対処方針が示されておりまして、この基本的対処方針に沿った対策を講じることを決定した次第でございます。

京都府まん延防止等重点措置等

それでは、措置の中身について申し上げます。

まず、期間につきましては8月31日までということで、政府の方針に従った期間ということです。実施内容は大きく分けて4つです。「感染拡大を抑制するための取組」「飲食店等に対する営業時間短縮等」「催し物(イベント等)の開催」「飲食店以外の施設に対する営業時間短縮等」ということでございます。順次説明していきます。

まず、「感染拡大を抑制するための取組」は3点ございます。

1点目の「人が集まる機会の低減」ということで、これからお盆休み、夏休みのシーズンに入ります。この機会になるべくテレワークや休暇の分散取得等によりまして、「出勤者数の7割削減」をめざすこと。飲食機会等では大人数を避け、特に会話の時はマスクを着用する等の「きょうとマナーを徹底」して欲しいということ。人が集まる恒例行事は「開催を慎重に判断」していただきたいこと。それから、事業者はバーゲンセール等に関する広報を控えるということ。路上、公園等での集団での飲酒など、感染リスクが高い行動はしないということを改めてお願いいたします。

「基本的な感染防止対策の徹底」につきましては、ワクチン接種の有無にかかわらず正しいマスクの着用、手指消毒等の徹底です。これは特に専門家会議でもワクチン接種による感染予防効果については様々意見はありますけれども、完全に感染予防ができる訳ではないということでございますし、現にワクチン接種した方の感染例も出てきておりますので、ワクチン接種をしたとしてもマスクの着用と手指消毒等は徹底していただきたいこと。特にマスクにつきましては、猛暑が続く暑い季節になっていますので、鼻が出ているとか、くしゃみのときにわざわざマスクをはずすとか、マスクについての正しい着用をぜひとも徹底してほしいという話がございました。

また、体調が悪ければ、医療機関に相談し、なるべく(外に)出ないこと。あと、同居者の感染や、休憩時間とか喫煙場所等職場での居場所の切り替わりでの感染も増えております。それから、営業時間の短縮を要請した時間以降、飲食店にみだりに出入りしないということでございます。

「移動に伴う感染リスクの低減」については、日中も含めた不要不急の外出・移動の自粛と、外出する必要がある場合にも、極力家族や普段行動をともにしている仲間と少人数でということで、これは特に今回、政府の基本的対処方針でも明確に追加されているところでございます。行く場所も混雑している場所や時間を避けること。それから、不要不急の帰省や旅行など都道府県をまたぐ往来の自粛、特に措置を実施している地域との往来の自粛、公共交通機関での会話を控えるということでございます。

飲食店等に対する営業時間短縮等

「飲食店等に対する営業時間短縮等」についてです。詳細につきましてはホームページでのご確認をお願いします。

まず、京都市域につきましては、営業時間短縮は20時まで。京都市以外の地域は21時までです。京都市域につきましては、酒類の提供は行わないこと。これは従来から言っておりますが、利用者による店内持ち込みも同様でございます。京都市以外につきましては、酒類の提供は20時30分までです。ただし、一定の要件を満たした場合に限るということで、これは従来の措置と同様でございます。

それから先ほど言いました一定の要件につきましては、従来から同じ状況ですが、京都市域については、酒類の提供を行わないということになっておりますので、この要件とは関係ない訳でございますが、京都市以外のところについてはこの要件ということでございます。

それ以外にも様々従業員に対するもの等、要請している項目がございます。詳細についてはホームページで確認していただきたいと思います。

それから協力金の支給につきましては、まん延防止等重点措置の地域で3万円、重点措置地域以外では2.5万円ということでございます。これにつきましても、ホームページで確認していただきたいと思います。

今回新たに(国から)事務連絡が来るか分かりませんが、従来ですと基本的対処方針が出た後に来ている場合もあります。そういうことも含めてこれについての変更が必要な場合につきましては、その都度速やかにお知らせしたいと思います。

それから、早期支給につきまして、まん延防止等重点措置については、従来は要請期間が終了した後に、守っていただいたかどうかの実績を確認して支給しておりましたけれども、早期支給の実施が、まん延防止等重点措置の場合にはできるということになっております。早期の支給をするためには、規則改正等の事務的な作業も必要でございます。先行して実施している事例を見てもそういうこともございますので、それにつきましては、事務的な手続きを検討し、進めるようにと指示をしております。

それから、新しく作っております認証制度についても取り組むことを改めて要請しております。

催し物(イベント等)の開催

イベント等につきましては、これも、もともと8月11日までということでしたが、終期につきましては(8月)31日に合わせておりまして、上限5000人、大声での歓声・声援等があるなしでパーセンテージを分けております。そして、21時までということで時間制限を入れております。

飲食店以外の施設に対する営業時間短縮等

それから(京都市の)飲食店等以外の施設に対する時短要請について、これについてもかなり細かいのでホームページでご確認をいただきたいと思いますが、重点措置区域である京都市につきましては、商業施設等で1000平米を超えるものについては、20時までの時短要請を行います。1000平米以下につきましては、法によらない働きかけを行うということでございます。なお、従来どおり、生活必需物資等の小売り関係、生活必需サービスを営む店舗については除くということにしております。

それから劇場映画館等の施設につきましては、21時までの営業時間短縮で、イベント開催以外の場合については20時までということでございます。1000平米を超えるものは要請、それ以下のものについては、法によらない働きかけということです。それから運動施設等につきましては20時までの営業時間短縮要請。イベントの開催の場合につきましては21時までということで、これも1000平米超は要請、(1000平米)以下については、働きかけということにさせていただいております。

飲食店等以外の施設に対する、時短要請の協力金の支給については、これも従来どおりでございますが、かなり複雑な状況になっておりますので、ホームページで是非ともご確認いただきたいと思います。

それから京都市以外につきましては、規模によらず全て法によらない働きかけでございますけれども、商業施設等について、21時までの営業時間短縮、それから劇場映画館、運動施設等につきましても21時までの営業時間短縮を働きかけてまいりたいと思っております。

医療提供体制の拡充等について

次に医療提供体制の拡充についてご説明いたします。いつも使っていますフロー図を若干簡略化しておりますが、従来どおり陽性が判明したら、保健所から入院医療コントロールセンターへ連絡が行き、そこで入院、宿泊療養、自宅療養に振り分けています。自宅療養については、自宅療養者等フォローアップ情報センターが関与していますけれども、療養施設では、健康観察、夜間医師の常駐、酸素・薬剤投与スポットを配備しています。後ほど詳細は説明いたしますが、今回入院の中に中和抗体薬の治療が始まりましたが、これは重症化を防ぐという効果がありますので、いずれ回復した場合は、療養支援病床や老健施設に移ります。老健施設については、従来80箇所でしたが、皆様のご理解を得て、107箇所まで拡充しております。その他、宿泊療養等についての陽性者外来、それから訪問診療チームについては従来とおりです。

先ほども申し上げましたが、高度重症病床の拡充が一番大変で、困難です。高度重症病床を使用しないように、その前にできる限り様々な治療を行いたいということです。口や鼻に装着してより多くの酸素を入れる高流量酸素ですが、この治療については、従来48床で、これに高度重症病床(38床)を加えた86床を厚生労働省定義の重症病床としておりましたが、ここをご協力いただきまして、40床増床しました。高度重症病床はなかなか増やせないのですが、ここを拡充することによって、高度重症病床への負荷を下げようということです。それから、中等症がこれから増えてくるだろうと想定しておりまして、そこについても、酸素投与・呼吸器症状ありという部分について、それぞれ拡充していくということです。全体として、498床から13床拡充しまして、513床の病床を確保しております。これにつきましては、これからどれくらい感染拡大が続くかということもありますけれども、できる限り従来の入院医療コントロールセンターの機能を活用して、効率的・効果的に病床・宿泊施設療養を運用してまいりたいと考えています。

中和抗体による治療についてです。対象は成人及び12歳以上かつ体重40キロ以上の小児ということです。重症化リスク因子を有し、酸素投与を要しない患者ということで、医療機関に入院し点滴を受けることになります。発症後7日以内に投与することが効果的と言われております。国の方で薬を管理しているということですので、京都府においては、入院医療コントロールセンターによる調整の仕組みによって、この投与を行います。全体的に数に限りがあるということで、しかも患者さんのご理解を得なければいけませんが、重症化を防ぐということにおいては非常に効果があると言われていますので、できる限り活用してまいりたいと考えております。

説明は以上となります。

今回のまん延防止等重点措置については、特に酒類提供の禁止ということを見ても、かなり厳しい措置になっています。従来のまん延防止等重点措置は緊急事態宣言の対象にならないためのものです。まん延防止等重点措置といえども、緊急事態措置に近い厳しい措置になっています。これは府民の皆様・事業者の皆様にはご負担をお掛けすることになりますけれども、政府が全体としてこうした措置を実施すべき区域を(全国的に)増やし、基本的対処方針の中で、相当厳しい内容の枠組みを作ったということは、やはりここで全国レベル、特に広域的に感染拡大を抑えないと今回の感染の波を乗り切れないという判断だと受け止めております。京都府としても、基本的対処方針に沿った措置内容としているところですけれども、やはり非常に厳しい措置の内容となりますので、是非とも、府民の皆様・事業者の皆様にはその趣旨をご理解いただいて、ここで感染拡大の波を減少傾向に持っていくというために、引き続きのご理解とご協力を賜りたいと考えております。特に基本的な感染防止措置については、デルタ株・変異株等においても同様の効果があるということですので、ご協力をお願いしたいと思います。

 

京都府まん延防止等重点措置等について(PDF:1,291KB)

まん延防止等重点措置期間中における行動についてのお願い(PDF:175KB)

熱海市の土石流災害を踏まえた緊急点検結果について

本日はもう1点、コロナ以外でご報告させていただきたい事項がございます。先日静岡県熱海市伊豆山地区において発生した土石流災害を踏まえ、緊急点検を実施するとご報告させていただきました。7月8日から、例えば京都府が施工している砂防工事や許認可している造成工事、砂防堰堤や大規模な農業用ため池、約384カ所において実施してまいりましたが、この度、すべて終了しいたしました。

特に大きな問題となる箇所はなく、安全が確認されましたので、ご報告いたします。一部手直しをお願いしたところはございましたが、特に大きな問題はないと報告を受けておりますので、合わせてご報告させていただきます。

 

私からの説明は以上です。よろしくお願いします。

 

質疑応答

記者

今回は知事も「非常に厳しい措置」と言われたが、特に飲食店に対して、前回のまん延防止等重点措置であれば営業時間短縮だけだったが、今回は酒類提供の禁止と相当厳しくなっている。なぜ酒類提供の禁止など特に飲食店に対して厳しい措置になったのか。

知事

基本的に京都府の措置は政府の基本的対処方針に沿ったものになっています。政府の京都府に対する評価の中でも、市中感染が増えており、夜間滞留人口が増加しているとなっています。感染リスクがある方が飲食店で集うことで更にそれが感染拡大につながるリスクがあります。実際、(感染している場面は)会食だけではないですが、会食由来となっている感染者は増加しています。一番感染リスクが高い場面での感染を抑えるために、そうした基本的対処方針になっているという理解の元に、我々も京都府における措置を決定しました。基本的対処方針の中には感染が下降局面になれば、知事の判断で措置の見直しも可能ということになっています。私としては負担をおかけしている飲食店の皆様の立場を考えて、何とか感染の拡大を減少局面に移していくことが必要だと考えております。

記者

先日知事は、今回の対策を検討する場合に「納得して守ってもらえる内容にしたい」と言われていた。ご自身の評価として、今回の措置は府民や事業者に納得して守ってもらえる内容になっていると考えているか。

知事

飲食店等に対する酒類の提供に関しては、正直かなり厳しい内容だと考えております。ただ、ここに来て(の感染者の増加は)4連休の間の医療検査体制が休みであることの一時的要因かなと思っていましたが、4連休が明けて(新規感染者数が)3日連続で150人を超え、7日間移動平均で113.00人です。しかも近隣の大阪府・兵庫県、関西全体でも増えている状況を鑑みると、ここは今、徐々に緊急事態宣言にいくよりも、より厳しい措置によって感染拡大防止をするべきだという意味でのまん延防止等重点措置ですので、何とかご理解を賜りたいと思っております。

京都府内では従来から営業時間短縮については相当きちんと守っていただいています。ご負担をおかけすることになりますが、そこは丁寧にご説明し、感染状況をご理解いただいた上で協力要請をしたいと考えています。

記者

(国分科会の)モニタリング指標によると、ほとんどの項目がステージ4.相当となっている。今回まん延防止等重点措置が適用されたが、緊急事態宣言が出てもおかしくない感染状況と思うが、知事としてはどのように考えるか。

知事

まん延防止等重点措置は、緊急事態宣言を出さなくても良い状況にするためにそこで踏み留まるための措置ということで、だからこそ法律上の様々な権能が与えられています。緊急事態宣言の目安はステージ4.になっていますが、まずはまん延防止等重点措置で一定の厳しい措置を行うことによって感染を抑えることが、大阪と兵庫、京都の関係から言っても、理解を得やすいと思っておりまして、何とかそこで留めたいという従来のまん延防止の観点に立って行われる施策だということですので、前回の「下りまん防」とは違い、まさに、まん延防止のために行われる措置だということで、政府の判断は今の感染状況に照らせば的確なものだと考えています。

記者

今回もまん延防止等重点措置の適用を要請されなかったが、今の話を聞いていると適用されるのが妥当という言われ方をされている。なぜ要請されなかったのか改めて説明いただきたい。

知事

前回のまん延防止等重点措置の時も要請をしませんでした。もちろん要請はできるのですが、あくまで国が全体として決めるものです。今回については昨日頃から国の動きを的確に掴みながら、また兵庫県ともやりとりをしながら進めていましたので、一定、まん延防止等重点措置が適用されることも前提にしながら準備は進めていました。要請したからといって適用される訳ではないということは北海道の例を見ても分かることですので、いわゆる「要請のための要請」は行う必要はないと判断しました。

記者

ということは、事前に、何かしらの情報で京都府にまん延防止等重点措置が適用されることを分かっていたということか。

知事

完全に分かっていた訳ではないですが、その動きを両にらみしながらでした。どういった措置を講じるべきかという検討はしておりましたけれども、いわゆる「要請のための要請」は必要ないと判断したということです。

記者

そうであればまん延防止等重点措置を適用されなかった場合の措置も検討されたと思うが、その場合の措置は今回のまん延防止等重点措置よりも厳しいものだったのか、そうではなかったのか、同じような内容だったのか。

知事

まん延防止等重点措置にならなければ、おそらく京都府だけでなく5つの道府県でも同じだと思いますが、例えば酒類提供の禁止等については、協力金等の財政措置も関係してきますので、財政措置がなければなかなか(酒類提供の禁止等は)要請しにくいということもあります。そこがまん延防止等重点措置の適用がなければ、これは仮定の話ですが、今回よりも厳しい、あるいは今回と同じレベルの厳しい措置は京都府独自では行いにくかったと思います。

記者

ステージ状況については、今の感染状況が進めば、早晩、病床がひっ迫すると思う。そうであっても、来週にも緊急事態宣言の要請を検討する考えはないのか。

知事

これについては常々申していますが、もちろん緊急事態宣言による効果はあると思いますが、東京の状況を見ても宣言だけでの効果は徐々に薄れてきていると思います。どういう措置を行うか(が重要)であり、冒頭申し上げましたが、他の緊急事態措置を行う地域と、今回の我々のまん延防止等重点措置について、それほど措置の内容に違いがないことも想定しておりましたので、そういうことであればまずは今日決めた措置を的確に実施することが最も重要なことだと考えています。それでだめだから緊急事態宣言となっても、ではどういう措置を講じるのかという話になると、京都府だけで決めるというより、全国である程度広域的に、感染を全体として抑えなければいけないということがあるので、当然、国との兼ね合いになりますが、今この時点では緊急事態宣言の要請は全く考えていないです。

記者

今回、要請せずにまん延防止等重点措置が適用されたが、政府からはどのような内容で京都にまん延防止等重点措置が必要だという説明を受けたのか。

知事

先ほど紹介した、関西圏における感染状況の分析として「感染拡大が続くと懸念」という文言もありますように、今の足元の感染状況は、1週間の移動平均は113.00人で前週比が2.11倍です。相当な傾きで拡大しており、4連休明けの影響をどう見るかにもよりますが、かなりの高い水準だと考えています。今回、要請を行っていた兵庫県よりも明らかに感染状況が拡大傾向にあることもあり、その辺りを勘案されて今回京都府への適用が決まったと考えています。過去においても、若干の差がある場合もありますが、最終的には関西2府1県で(一体として)判断されてきた中での今回の判断であり、だからこそ大阪府も緊急事態宣言の対象となりましたし、全体として関西で抑えていこうという意図だと聞いています。

記者

2府1県で一体となって強い措置を取る必要があるということか。

知事

はい。そういうことです。

記者

要請されなかったが、知事としては納得して今回の措置は確実に必要だという考えか。

知事

非常に厳しい措置をお願いすることについては、それなりの苦渋の決断をしなければなりませんが、今回、政府の意思は基本的対処方針を読めば、かなり明確になっています。しかもこれは政府分科会の専門家の分析を踏まえて作成されていますので、(適用が)決まったからには我々はできる限り確実に効果を上げ、できる限り拡大局面から減少局面に抑えていく努力をすべきだと決断したということです。

記者

火曜日の定例記者会見では、(まん延防止等重点措置の適用について、)「その段階ではない」と慎重な考えを示されたが、翌日に過去最多の新規感染者数を記録し、その後も増加が続いているということが一番危機感を募らせた大きな要因ということか。

知事

私の考えとしてはもちろんそうです。それと感染拡大が先行している東京都の状況を見ても、最初のうちは若い年齢層(の感染者数)が多く、高齢者が少ないのですが、全体の感染が拡大していくと、それぞれの年代別の感染者数を見ると、京都でも40~50歳代の絶対数が増えていきます。年代別の比率としては変わらなくても、全体の感染が増えれば重症化リスクのある方の感染が増えますので、そうなると最終的には医療提供体制への負荷がかかります。やはり感染者の急拡大は大変ですし、保健所業務に相当な負荷をかけ始めています。つまり、保健所が濃厚接触者を特定して抑えていく機能も弱まりますし、また療養者に対する健康観察でも負荷がかかってきますので、これだけ増えてくるとより次の段階にいくべきと考えたということです。

記者

「協力金の先払い」について、これは飲食店だけが対象で、大規模商業施設は対象ではないのか。

事務方

国の対策本部の終了後に国から詳細の事務連絡の通知がありますので、それを見てからとなりますが、今のところ営業時間短縮をお願いする飲食店を対象とする考えです。

記者

「協力金の先払い」は、まん延防止等重点措置の対象地域である京都市だけが対象なのか、あるいは府内全域が対象なのか。

事務方

国からの通知を見てからの決定になりますが、基本は両地域とも対象と考えております。

記者

26市町村すべてが対象か。

事務方

そうです。

記者

病床の拡充に関して、軽症用の病床が減って重症や中等症の病床が増えているが、病床としては元々軽症用に含まれていたところに機器などを投入してこうした対応ができるようになったということか。

知事

全体の病床数も増やしておりますので、1対1対応にはなっていないと思います。機器も必要ですけれども、それを運用するには高度な治療になるほどマンパワーも必要になりますし、特に高流量酸素は鼻や口に(器具を)付けて酸素を入れることになります。ただ、挿管していないので場合によっては着脱できる、そうした設備を増やすとか、酸素投与についてもそのためのシステムが必要です。軽症用の病床を減らしたということではなく、より高度な治療ができるように中身を拡充していただいたということです。

記者

全体の病床数の増加は13床だけなので、軽症用の病床数が177床から92床に減っているのは、元々確保していた病床を違う活用の仕方をしているということか。

知事

そういうことです。

記者

今後も病床を拡充していく考えか。

知事

これは常々、病院側にお願いをしています。できる限り拡充していくことについては交渉過程にあるということです。初期の頃に比べれば医療従事者の方も対応に慣れてきましたし、(医療従事者の)ワクチン接種も進みました。もっと厳しい状況になった時は更なる工夫をお願いしなければいけないと考えていますが、今は入院医療コントロールセンターを中心に医療提供体制のシステムを作って重症病床になるべく行かないようにして、しかも例えば中和抗体薬治療で回復した場合になるべく早く宿泊療養に戻ってもらうといったことによって、病床をなるべく空けていこうとしています。今はなるべく効率的運用で対応していこうと考えておりますが、これからの感染状況の傾向は完全には予測できませんので、仰るように、より厳しい状況になれば更なる拡充が必要だと考えています。次のステージに向けて、病院側にはある程度話しておかなければいけないので、早め早めの準備をするよう(事務方に)指示をしています。

記者

病床の拡充はいつからの予定か。

知事

8月1日からです。

記者

酒類提供の禁止について、先ほどから「リスクがある」と言われているが、経済的なリスクを考える上で酒類提供の禁止が感染対策に本当に有効性があるのか。夜間の滞留人口を抑えるということなら営業時間短縮の要請だけでもいいと思うが、酒類提供禁止の有効性について改めて伺いたい。

知事

京都府だけがそれを答えるのは重荷なので、政府の方に聞いていただきたいと思うのですが、飲食の機会が感染リスクが高いということは間違いないと考えています。しかもアルコールが入ると、例えばマスク会食をお願いしていますが、会話の時はマスクをするということも、お酒が入ると、そのうち、肩を組んで、回し飲みをするとかいうことがあります。時間を守るということについても、お酒が入ると開いている店を探して2次会に行こうとか、そういう事例はいくらでもあります。酒類の提供が感染リスクを高めるということは間違いないと思います。

ただ、仰るように厳しい措置なので、それによって何を防ぐのかということとの兼ね合いですが、現在の足元の感染状況を見ると、市中にかなり感染者がいるという感染リスクがある訳です。しかも20歳代など活動的な層で、無症状のうちに感染している人が多い状況です。これを何とか止めたいという中で、今できる厳しい措置としては酒類提供の禁止ということです。仰るように、どこまでの措置がどの場面で納得いただけるかは非常に難しい問題ですが、今回の場合、政府が一つの線を引いて統一してきましたので、京都府もその基本的対処方針に沿って、厳しい措置ではありますが、お願いさせていただきました。

記者

先日、飲食店を対象とした認証制度を設けられた。今後、例えば(認証店舗に対して)特例措置として酒類提供を認めるなど活用法があると思うが、何か考えていることはあるか。

記者

今の感染急拡大の局面ですぐに活用するということはないのですが、例えば今回の措置では、酒類提供について京都市以外の地域においては、国が言っている「一定の要件」を守ることを要件としています。大阪府では認証制度の申請を要件としていますが、京都府の認証制度には国の「一定の要件」が全部含まれていますので、(認証制度を活用することは)一つの活用方法としてはあります。ただ、今この時点では、現場では既に「一定の要件」で進んでいますので(認証制度を活用することは)難しいですが、それが一つあると思います。認証制度はこれから認証を進めていきますし、全体で公表し、ステッカーを貼りますので、府民の皆様がそうしたところであれば安心して利用できるということのメリットを感じていただきたいと考えています。いずれは何らかの活用方法を考えたいと思いますが、今すぐは(今の感染状況を鑑みると)なかなか難しいと考えています。

記者

まん延防止等重点措置の対象について、措置の内容は地域によって異なるが、府全域がまん延防止等重点措置の対象という理解でいいのか。

知事

まん延防止等重点措置は、都道府県における一定の区域で感染が急拡大しているので、そこを抑えることによって、全域への波及を抑えるというものですので、兵庫県であれば神戸・阪神間を対象としています。京都府における重点措置区域は京都市だけということです。それ以外の地域への措置は京都府独自の判断としてやっているということです。全体の措置としてはまん延防止等重点措置と言っていますが、法律の適用条文が第31条第6項と第24条第9項で分けているのはそういう趣旨です。

記者

京都市以外の地域も措置を継続するのはどういう理由か。

知事

今の感染状況として、京都市域の感染状況は、このところ100人を超えて増加傾向にありますが、それ以前から京都市以外の地域でもかなり満遍なく、府北部地域も含めて感染者が出ておりますし、感染の状況を見ても、たまたま出たひとつのクラスターというよりも様々な感染源が想定されるところで感染者がいくつか出ているということは、市中には一定の感染者がいるということだと考えております。そういう状況であれば措置を講じるべきだと考えまして、全体として感染防止対策が必要だと判断したということです。

記者

知事としては、今の府内の感染状況は第5波に入ったという認識か。

知事

完全に第5波だと考えています。

記者

酒類提供の要請について、京都市と京都市以外の地域の扱いの差が結構あると思うが、例えば京都市から宇治市等に人が流れていくことは懸念されないか。

知事

首都圏において、緊急事態宣言の対象地域とまん延防止等重点措置の対象地域の間で越境飲酒の問題がありましたので、常にその危険性はあると考えております。一方で、まん延防止等重点措置の趣旨は地域を限定して措置を講じるということで、どこかで線を引かなければいけないということですので、今回は前回のまん延防止等重点措置と同様に、京都市域とそれ以外の地域で線を引くのが取り得る方法としては最も合理的だと考えました。それから、京都市と京都市以外の感染者の状況を見ると、なかなか分析は難しいですが、飲食店由来ということであれば、圧倒的に京都市内の飲食店で感染される方が多く、京都市以外に住んでいる方も京都市の飲食店で感染することが多かったです。人を惹きつけて、より感染リスクが高くなるということから、京都市域の飲食店で一つ線を引きました。府県によってはかなりきめ細かく市町村ごとに措置を講じていますが、京都府ではどこかで線を引かなければいけないとすれば、京都市域の飲食店で線を引くのが取り得る中では一番いい方法だと考えております。

記者

祇園祭が今回の感染急拡大に影響はあったのか、どのように考えているのか。

知事

祇園祭の鉾建てが始まったところに対しては、路上飲酒や飲食店の時短の見回り隊に、その辺りも一緒に見回るよう指示をしておりました。状況から言いますと、19時になれば照明が落ちていますし音もありませんでしたので、ほとんど他のところから人がたくさん集まっているという状況はありませんでした。18時くらいに人が見られたのは、たまたまその辺りに務めている方が帰宅される際に見物されていたということでした。屋台や露店は出さないということでしたが、例えばコンビニでお酒を買った方がその周辺で飲んでいるという状況もほとんど見られなかったということです。もちろん何も無いよりは人は集まったと思いますが、その他のイベントに比べて、取り立てて祇園祭が感染リスクを高めたという認識はしておりません。

記者

それは影響がなかったのか、あるいは少なかったということか。

知事

影響がゼロかどうかと言われると、ひょっとするとあるかもしれませんが、外で、しかも集団で集まって何か行われたということではないので、私としてはどちらかと言えば影響はなかったと評価していいと考えています。心配していたよりは静かな形で全てが行われていたという印象を持っています。

記者

第4波ではアルファ株の影響により、(まん延防止等重点措置の適用から)わずかな期間で緊急事態宣言になったということがあった。今回の第5波では、デルタ株の影響により、(前回の)まん延防止等重点措置が解除されてから、すぐにまたまん延防止等重点措置が適用された。この事態についてはどのように考えるか。

知事

現在デルタ株への置き換わりが進んでいて、その他はアルファ株だと思いますので、全体として従来株に比べて感染力が高いのは間違いないという条件の下での今の感染状況だと考えています。

第4波では、まん延防止等重点措置に移ってすぐに緊急事態宣言になりましたが、今回も既にかなり急拡大しておりますし、まん延防止等重点措置と言っても、措置の中身は緊急事態宣言の状況に至らないための措置だと考えているので、アルファ株・デルタ株の違いどうこうというよりも、今の感染状況に合わせた中では、まん延防止等重点措置としても厳しい措置を講じることによって感染拡大を抑え込みたいということで今回措置を決定しました。先週の時点でデルタ株に26%置き換わっていましたが、足元ではもっと置き換わっていることも考えています。それを前提とした措置だと考えていただけたらと思います。

記者

前回のまん延防止等重点措置が解除されて以降、酒類提供が一部緩和された時期もあったが、それが感染につながっている可能性はあると考えているか。

知事

完全には分かりませんが、酒類の提供だけではなく、日常生活により近づけば感染リスクが一定上がるということです。ウイルスの性格上、人と人との接触を止めれば完全に感染を抑え込むことができますが、接触があれば拡大していきます。当然飲食の機会以外での感染もありますが、(措置が緩和されたことが)感染拡大につながっていることは間違いないと考えています。現に、会食由来の感染者も増えています。全て会食由来でなくても、先ほど示した例のように出発点が会食だということもあります。感染が拡大している局面では、飲食の機会が一定程度原因になっていることは間違いないと考えています。

記者

現在は20歳代以下の感染割合が非常に多いということだが、今後、他の世代の割合も高まっていくと考えているのか。

知事

先ほども言いましたが、60歳代以上(の感染割合)は8%程度で変動ないということは、ワクチン接種の効果があって一定になっていると考えています。一般接種が徐々に進んでいますが、年代別に接種を進めている訳ではないので、効果がどれくらい出てくるのか予測はできません。ただ言えることは、割合が増えるということはあまり意味が無くて、割合が少なくても全体の感染者が増え、40~50歳代の方が増えれば、若い人よりも重症化リスクがありますから、そこはよく注視していかなければいけません。一方で若い人の感染が増えるということは、活動量や行動によって更に感染を拡大させる危険性がありますので、是非とも行動を変容していただきたいというお願いのターゲットとしての分析はあります。病床の観点からは、やはり40~50歳代の感染者が増えていくことは、中等症、いずれは重症患者の増加につながるので非常に注視していかなければいけないと思っています。

記者

20歳代や10歳代など行動が活発な世代に向けて、改めて具体的に何か呼び掛けはあるか。

知事

ご自身は無症状だったり軽症だったりするかもしれませんが、それがいずれ家族や違う年代の方にも感染を拡げることもあります。それから、若い世代でも必ず重症化しないという訳ではありませんし、後遺症に悩まされている例も言われています。自分事としても感染しない、感染させない努力はお願いしたいですし、全体として感染拡大を止めるためには是非ともご協力をお願いしたいと思います。

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