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平成26年5月30日知事記者会見

  ■中小企業応援隊による消費税率引き上げの影響に関する調査結果(概要)について

  最初の発表項目は、京都府内の商工会議所、商工会等の経営支援員などを中心に結成された「中小企業応援隊」が実施した中小企業応援隊による消費税率引き上げの影響に関する調査結果(概要)です。261名の調査員が府内487社の企業訪問を実施し、その結果をまとめています。

 訪問先の業種は、製造業162社、卸売・小売業206社、宿泊・飲食・サービス業100社、その他46社です。

 消費税率引き上げの影響に関して、3月の駆け込み需要と4月の反動減を見ますと、全体の半数の企業が「ほとんど影響がなかった」と回答しています。

 消費税率引き上げ分の価格転嫁では、「すべて転嫁」「一部転嫁」を合わせると85.8パーセントになっており、取引先からの値下げ要請については、84.5パーセントの企業が「受けなかった」と回答しています。

 調査結果からは、増税に伴うシステム改変等の負担、消費税以外のマイナス要因として円安の影響による原材料費や燃料費等のコスト高などの声も出ており、全てが良い状況ではないと思っております。

 現時点では、大きな影響が出ているといった結果にはなっておりませんが、問題は、需要減がいつまで続くのかだと思いますので、4月に引き続き、5月、6月の状況もしっかり見て、中小企業政策に生かさなければならないと思っております。

 今日発表された有効求人倍率では、京都府も1.0を超えました。人手不足の声もあちこちから聞こえてくるようになってきましたので、施策の転換期にあるのではないかと思っております。

 現在、平成26年度6月補正予算の編成作業が最終段階に入っておりますが、先程の調査結果から明らかとなった消費税率引き上げの中小企業への影響を踏まえ、できる限り中小企業のコスト削減を実現できるような対策を講じたいと思っております。

 ■京都府立植物園「夕涼み開園」・「早朝開園」の実施について

  2点目は、京都府立植物園についてです。平成25年度の来園者数が80万人を超え、本当に嬉しく思っております。今年は開園90周年を迎え、来園者数90万人を目指した「早朝開園」「夕涼み開園」の取り組みを実施します。夏の暑い時期には、朝の涼しい時間や日が落ちてからの夕方の時間が、植物園を楽しむには一番いいのではないでしょうか。

 早朝開園は7月19日から8月17日までの30日間実施します。開園時間は午前7時半から午後5時までです。夕涼み開園は8月11日から8月31日までの21日間実施します。開園時間は午前9時から午後7時までですので、来園者の皆さんに楽しんでいただけるのではないかと思います。観覧温室内には高山植物室というクールスポットもありますので、夏の府立植物園を楽しんでいただければと思います。

 ■質疑

 記者

 京丹後市のXバンドレーダーが着工されたが、改めて知事の受け止めと、政府への要請でまだまだ実行されていないところを、今後どうされるのか。

 知事

 お願いしているのは、まず、米軍関係者の事故の未然防止について政府が責任を持ってやってほしいということです。次に環境への影響です。電磁波が配備前と配備後でどのように変わるのか。また周辺の問題はどうなるのか。農業・漁業・観光なども含め、地域に影響が及ばないようにしてほしいと要請しています。また、水の問題についても万全の対策をお願いしたい。

 さらに、米軍関係者の居住地については、地元の意向を踏まえていただきたい。警備や警察官動員のために必要な措置、道路や安全関係の予算につきましても、私と防衛大臣との確認事項になっています。その確認事項に基づいて、しっかり行っていきたいと思っています。

 同時に、地元住民の方々の不安を取り除くための住民説明や工事内容については、政府側から事前にしっかりとお知らせ願いたいと申し入れております。

  また、今後工事の進展に伴い、交通車両や騒音、居住環境などの問題が出てきます。政府には、こういったことについても、より一層地元住民の方々と十分な話し合いをしていただくよう要請していきたいと思っています。

記者

 大飯原発の問題について、舞鶴市の多々見市長が、立地自治体並みの安全協定を求めていく発言があったが、どのように考えるか。

知事

 大飯原発については、関西広域連合を通じて関西圏全体で話をしています。京都府が特別な立場にあるということではないので、他の自治体と協調しながら話を進めなければならないと思っています。関西広域連合において、京都府は鳥取県や滋賀県ともつながっています。そういった場を通じて、できるだけ安全についてものが言えるようにしていきたいと思っています。一方、高浜原発については、京都府は全国でも唯一の特別な立場にあります。原発から5キロ圏内に府域が含まれるので、立地自治体と全く変わらないのではないかという話をしています。大飯原発と高浜原発とでは、分けて対応すべきと思います。

記者

 舞鶴市は「立地自治体並みの安全協定を求めていく」という発言をされていますが、京都府としても、そのように考えていくのか。

 知事

 滋賀県や鳥取県、関西広域連合などで議論を積み重ねていかなければならないと思っています。言うことはできても、相手が受け付けてくれなければどうしようもありません。原発問題については、ばらばらに進めても仕方がないところがありますので、他の自治体との統一見解を持ち、しっかりと足並みを揃えていく必要があると思います。

 高浜原発の場合、京都府は、原発から5キロ圏内という地域を持ち、その人口密集区は福井県よりも京都府の方が多いのです。京都府の方が立地県よりも人口密集区が多いという事情は、全国でも高浜原発だけという状況です。ですので、何故、そこで立地県との違いがあるのかということであり、前々から、通報連絡協定ではなく、安全についてものが言える協定を締結したいと申し上げているわけです。

記者

 先程の京丹後市の話で、正式な通知が1日前ということで、それ以前に何らかの準備ができるような事前の連絡はあったのか。

知事

 正式ではないから発表できないということです。

記者

 その事前通告の仕方などから、国及び米軍との信頼関係は、今回、守られていると考えるか。

知事

 もう少し早い方がいいと思います。正式な通告が1日前だったことについてはどうなのかと思いますが、我々も警備体制を含め、準備はしていたということです。

 問題は、内容と影響だと思います。一番重視しているのは、先程の水など環境に対する問題や事故です。事前に云々というより、こういったことの方が重要です。

 防衛省との確認事項には、実は「事前に」という項目はないのです。しかし、京都府としては「できるだけきちんと知らせてください」という申し入れをしています。防衛大臣との確認事項ということで、我々は今、環境や事故の問題をやっている段階です。警備など事前に準備できなかったら困るといったことについては、申し入れていきます。

記者

 昨日、安倍総理大臣や政府から北朝鮮の拉致被害者について、調査をするとの発表がありました。府内にも関係者の方が何人かいらっしゃるということだが、知事はどのように受け止めるのか。

知事

 これまで打開策がなかったので、一歩進展したと受け止めたいと思います。私も4月27日のもう我慢できない。今年こそ結果を!国民大集会に参加しました。都道府県では「北朝鮮による拉致被害者を救出する知事の会」の会長である上田埼玉県知事、会長代行の泉田新潟県知事も参加されました。京都府でも拉致被害者の可能性についての事案が出ていることや、横田滋さんの奥様、横田早紀江さんが京都出身ということもあり出席しました。ただ、行方不明の人が判明したり、帰ってきたわけではないので、全てはこれからではないかと思います。しかし、最近、全く動きがなかった中で、国として動きが出たことは、期待したいと思います。

記者

 政府の交渉として、調査開始時点で一定の経済制裁を解除するということについて、カードの切り方が早いのではないかという認識もあるが。

知事

 それは交渉をしている人でなければわからないと思います。責任を持ってやっている人に任せるしかないですね。交渉の表裏を知らない者がいくら言ったところで、ピント外れになる場合もあります。我々は見守るしかないでしょう。ただし期待はしたいと思います。

記者

 中小企業応援隊の調査結果について知事の率直な受け止めと、悪影響が出ているところへの、具体的な支援策などあれば。

知事

 予測の範囲内といった感じです。要するに、消費税引き上げによって、大混乱したという話はあまり出ていません。3月に駆け込み需要があり、4月に反動減があったということですが、その比率は同程度のようですので、冷静に受け止めているのだろうと思います。

 これから5月、6月、7月になっても需要が回復しなければ、そこは少し様子を見なければなりません。

 それ以上に円安や電気料金の高騰など、中小企業を取り巻く環境は厳しいものがあります。こうした問題については、我々としても中小企業のコスト減につながる対策を講じなければいけないと思います。

 当初予算で講じた施策が好評で、予算も足りなくなっている状況ですので、実際の需要があることを捉まえて対応を検討しなければと思っています。

 消費減の対策として、福知山と京都南部で商工祭を開催し、多くの方にご参加いただきました。こういった取り組みも効果が出てくると思います。京都南部でも2日間で2万5,000人ほど来場されたので、こうした刺激策に加え、中小企業のコスト高への対策を、状況を見て行っていく必要があると思います。

記者

 好評というのは、具体的にどのような施策か。

知事

 中小企業のコスト削減のための整備や投資に対する補助です。要望額を見ると予算額を上回るところまできています。コストを削減するというのは、例えば、省エネ機器などの話で、導入すれば、恒常的に効果がありますし、地球温暖化や夏の電力対策にも効果がありますから、積極的にやっていきたいと思います。

記者

 求人倍率が回復したということで、景気回復の流れがあると思うが、京都府としても雇用拡大策が功を奏したと考えるか。

知事

 京都府の雇用拡大策は下支えとして実施してきましたので、大きな流れとしては景気回復しないといけないという側面もあります。景気は回復基調にありますが、2つ考えなければならないことがあります。1つは、我々が昨年から取り組んでいる雇用の「量から質の確保」で、正規社員に転換しなければならない。それを施策として講じていき、安定した雇用関係が作れるようにしていきます。

 もう1つは、人手不足の話です。特に飲食店などを中心に人手不足による閉店が相次いでいます。介護や福祉関係も人材のミスマッチにより人が集まっていません。京都にとっては大きな問題となるでしょう。介護関係などは全国的な問題になると思います。この辺りの対応を全国レベルそして京都府レベルでも一定講じていく必要が出てきたのではないかと思います。

記者

 Xバンドレーダーの話だが、1日前の正式通告ということについて、知事としては防衛省に対して一定の理解をするのか。

知事

 一定の理解などしないです。京都府としては「もっと早くしてください」というだけです。私はきちんと監視をして、府民の意思を伝えていくだけです。「早ければ早いほど、もっと対応はとれます。何も無かったよりはいいかもしれません」というぐらいの話です。

 正式通告の前に情報は入っていますから、それに対して、京都府としても、警備関係については警察にお願いしてやっていただきますし、府民に直接迷惑をかける事態には至っていないという感じはしています。これはどんどん検証していかなければなりませんので、そもそも理解しているという話ではありません。

記者

大飯原発において多々見舞鶴市長の安全協定に対する考え方とは、少し違っているが、今後、市長と知事との間で擦り合わせや話し合いなどはあるのか。

知事

 多々見市長とよく会いますが、特に何も聞いていませんでした。どのように具体的に行動を起こすのかという段階ですが、以前より申し上げているように、30キロまで原発事故の影響が広がると舞鶴だけの話ではありません。滋賀県の市や福井県の市でも一緒になってくるわけです。

 おそらく関西電力からすると「舞鶴市だけを特別扱いできません」という話になるのでしょう。安全についてものが言えた方がいいのは間違いないのですから、同じような立場の市町村と連携していかなければなりません。

 私どもは、関西広域連合で同じ立場にある府県と連携をしなければなりません。関西電力からすれば「京都府だけ特別扱いできません」と言われてきた歴史があります。それを突破するためにこちらも色々と工夫しながらやってきました。高浜原発のPAZ(予防的防護措置準備区域)は京都府の地域を含んでいます。この地域での応急対策は即時避難です。「京都府は立地県と同じ状況であるのに通報連絡協定だけではおかしいではないか」ということを長年言ってきて、ようやく関西電力との話が進んでいるわけです。

 言いたい事を言えるようにしたいという、多々見市長の希望は分かりますが、同じような市町村と連携して、そこから作戦や戦略を立てることが必要ではないでしょうか。私が先程申し上げたように滋賀県や鳥取県、そして関西広域連合のようなところと戦略的に話を進めていかなければならないと思います。

記者

 同じような市町村とは、30キロ圏内で、UPZ(緊急防護措置計画範囲)で大きくかかっているところか。

知事

 こういったものは相場観みたいなところがあります。全部が力を合わせて取り組まなければいけないという話です。舞鶴市長の希望は分かりますし言っていることはよくわかるけれども、それが実現できるかと言われると戦略が必要です。

記者

 大飯原発の件で、判決が出たときの知事コメントは、いずれにしても安全を求めていくということだが、判決の中身についてどのようにお考えか。

 知事

 「人格権」というもので、一気呵成にというのは少し荒っぽい感じはします。ただ、あの中で基準地震動について審査しているけれども、実際に色々な地域で大きな地震があったではありませんか。そのことについてどのように答えていくかについて、我々は注目していかなければならない立場なのだと思います。

 私どもは専門家ではありません。専門的な知識についてはよくわからないところがあります。今、大飯原発でも高浜原発でも見直されているのは、その基準地震動の加速度です。本当に難しい話ですので、我々も理解しにくい部分があります。それよりも、日本で観測された4000ガルの地震が、本当にここで「起こらない」ということについてどう考えているのだろうか。これについては、専門家である規制委員会から私どもに説明してもらいたいなということを申し上げたわけです。

 判決は国民の声だと思いますので、それに対して政府が「我々は我々の立場でやっていますから」といった話では、国民の審判に対して背を向いているのではないかと思います。そうした点では、規制委員会は専門家として「我々は、こう考えて審査をやっていますよ」ということを、説明していただくことが国民の理解や安心につながると思っています。

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