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台風15号および19号の被災地支援について
先の台風第15号および第19号による記録的な大雨と豪雨により、東北・関東・甲信越地方に、さらには先週金曜日の記録的な大雨により千葉県・福島県に甚大な被害が発生しました。お亡くなりになられた方に謹んで哀悼の意を表しますと共に心よりお悔やみ申し上げます。また、被災された方々に心からお見舞い申し上げますとともに被災地の一日も早い復旧・復興をお祈りいたします。
京都府においても、発災直後から京都府警察の広域緊急援助隊・関西広域連合の先遣隊を派遣し、10月17日には災害支援対策本部を設置し被災地支援に取り組んでいます。具体的には災害マネジメントの総括支援チーム、保健師、家屋被害の認定調査等を行う対口支援チームを福島県に派遣していますほか、今後は災害廃棄物処理をマネジメントする職員、災害査定の土木技術職員を派遣することとしております。被災者の一時入居先として府営住宅の提供や、日本赤十字社による義援金、ボランティア団体等を支援する交付金の募集を始めており、本日の夜にはボランティアバスの第1便が福島県に向けて出発することとなっております。
特に福島県では、東日本大震災の復興半ばでの被災で、8年間に渡って頑張ってこられたみなさんは非常に大きなショックを受けておられると思います。国・全国の自治体・関係機関による大規模な支援が続いておりますが、被災された方々が平常の生活に戻るためにはまだまだ時間が掛かると状況だと思いますので、粘り強い支援が必要だと思っております。今後とも国・関係機関と連携しまして被災地からの要望に応じた職員派遣等の支援に全力で取り組んでいきたいと思います。
1点目は補正予算について説明いたします。
台風第19号の被害の発生に伴い、9月第2次補正予算案をまとめました。
予算の編成方針ですが、台風第19号等の被害により、全国で死者・行方不明者が100人にのぼっており、8万戸以上の住家被害が発生するとともに、河川堤防の決壊による浸水面積も昨年の西日本豪雨を上回っているとされています。本府においても被災地支援に取り組んでいるところであり、府内の被災箇所の速やかな復旧に必要な予算と合わせ、8,500万円の補正予算を編成いたしました。
被災地支援については、家屋被害認定調査支援員、保健師チーム、災害査定のための技術職員や災害ボランティアの派遣等を実施します。ボランティアの派遣について申し上げると、本日厚生労働省から災害ボランティアが不足している16市町村が公表され、その中の一つの郡山市へ本日の夜、本府からボランティアバスが出発します。また、来週の第2便はいわき市に向かうなど、今後も被災地に寄り添った支援を続けていきます。
府内の被災状況については、台風第19号に伴う豪雨により、木津川の水位が上昇し、木造橋である上津屋橋(こうづやばし)の上部工の13連すべてが流出しました。日常生活や観光への影響を考慮し、来年の春までに復旧できるように必要な予算を計上しております。
10月9日(水曜日)に旭化成(株)名誉フェローで京都大学出身の吉野彰様に対して2019年のノーベル化学賞の受賞が決定されました。吉野様が開発されました高性能のリチウムイオン電池は、現代社会に欠かすことのできないスマートフォン、ノートパソコンなどにとどまらず、我々がこれから実現していかなければならない脱炭素社会、化石燃料の脱却になくてはならない役割を果たしていると思います。
京都議定書誕生の地と、地球環境の未来を支える技術の縁により、京都企業にもエールを送っていただいています。奥様との出会いも京都大学の考古学研究サークルであり、発言をみても京都への思いを寄せていただいていることを感じます。京都府でも、京都府の名誉を世界的に高め、広く府民に希望と力、勇気を与えていただいたということで、その栄誉を称えるために京都府特別栄誉賞を授与することとしました。今後、授与式を開催いたしますのでよろしくお願いいたします。
京都アニメーションの義援金の受付終了について
本年7月18日に発生した放火事件により多数の方が生命・身体に被害を受け、放火事件の被害者数としては平成以降最悪という甚大な被害が発生しております。亡くなられた方々のご冥福、また負傷された皆様の一日も早いご回復を心からお祈り申し上げます。また、ご遺族に対しては、改めてお悔やみを申し上げたいと思います。
京都府では、被害者の方またご遺族の皆様の支援のために税務上の取扱いについて国の関係機関の確認を得た上で、京都アニメーションの意向も踏まえながら9月9日(月曜日)から受入専用口座を開設し、義援金の受付を行っておりましたが、昨日、10月31日(木曜日)をもちまして、当初の予定通り義援金の受付を終了しました。最終的な受入金額については現在集計中ですが、取りまとめましたら改めてお知らせしたいと思います。
国内外の多くの方から義援金を寄せていただいておりまして、改めて皆様の温かいお気持ちに心から感謝を申し上げたいと思います。
集まった義援金については今後、義援金の配分委員会において、具体的な配分の基準・配分の額の検討を速やかに行い、全額を被害者やご遺族の方に責任をもって届けたいと思います。これは京都アニメーションの意向ですが、被害に遭われた京都アニメーションにとっても、事業再建に向けた第一歩になると考えております。
義援金の受付は終了しましたが、我々としては今後とも被害者やご遺族、京都アニメーションの皆様に寄り添う姿勢でご意向をしっかりと伺いながら、関係機関と連携して我々としてできる限りの対応を行って参りたいと思っておりますので、引き続きご支援とご理解を賜りたいと思います。
京都アニメーションの義援金はどれくらいになりそうか。
10月31日(木曜日)15時の暫定額としては32億6384万6212円です。
配分委員会の開催時期や今後の支援の内容は。
今集まっている分について、配分委員会を早期に開くということは、先ほど申し上げた通りです。具体的に京都アニメーションから要望を受けている訳ではありませんが、お伺いしたところによると10月31日の義援金の受付終了と、3日・4日に行われるお別れの会を一つの区切りとして、今後、事業再建に取り組んでいきたい旨を伺っております。どのようなご意向があるかを伺い、我々がどの範囲までできるか聞いて協力してまいりたいと思います。具体的な話は、お別れの会の後になると思います。
配分委員会の開催目途は。
11月中旬には開きたいと思っております。開催が決まればお知らせいたします。10月31日で閉じることで、被害者やご遺族の方になるべく早くお届けしたいというのが私の思いです。この後は、被害者・ご遺族の個別事情に入っていく作業になるので非常に大変な取り組みになると思っています。できる限り皆様に寄り添っていく姿勢を貫きながらなるべく速やかに配分したいという思いですが、具体の時期までお話ができる段階にないということです。
配分委員会は複数回になる見込みか。
具体の配分の基準についても議論いただく事になり、適正・公正な配分となるよう、具体の配分額について各論に入って話をしないといけないので、1回ということは無いと思います。忙しい方に全員にお集まりいただくのかはありますが、基本的に複数回と考えていただいていいと思います。
義援金の金額について、知事はどう思うか。
我々が配分委員会の設置を決める前からかなりの額が集まっておりました。京都アニメーションのこれまでの事業や活動に、これほど多くの方から支援される仕事をされたということに対して改めて敬意を表したいと思います。従業員を大事にし、ファンにも夢や希望を与えられた方たちがこれほど悲惨な形で命を失ったり、けがをされたことには悲しみを禁じ得ません。いろんな状況を聞くと改めてそのような思いになります。
ファンの方からの、京都アニメーションに従来のような創作活動を続けてほしい、再建してほしいという声にも応えていかないといけないと思っております。会社としては、3日・4日で一つの区切りと考えておられますので、京都アニメーションの意向に沿いながらできる限りの支援をしたいと思います。
京都スタジアムで火災があったがどのように報告を受けているか。
昨日の火災について、作業員に人的被害が出なかったこと、約30分程度の短時間で鎮火したことは幸いだったと思います。火災の場所は、スタジアムの西側メインスタンド1階、VIPホールの天井裏付近と報告を受けております。今、現場検証と施工業者が調査しています。
換気ダクトや空調や電気ケーブルが入っておりますので、どれくらいの被害かについては現場検証の調査報告を待つしかないです。短時間で鎮火しておりますが、消火活動で水を出していますので、放水でどの程度電気設備への影響が出ているのかはわかっていませんが、いずれにしても早く原因の究明と、原因によっては再発防止もあります。全体の工事に与える影響を聞いて対応を検討したいと思います。
影響次第では開業時期に影響するか。
今からそういう想定はしたくないですが、今は現場検証で入れない状況ですので、あるかないかも含め、予断をもって答弁すべきではないと思います。現場検証と施工業者の調査報告を待ってとなります。
首里城の火災があったが、京都府としてはどのように文化財を守るか。
沖縄の首里城は世界遺産ですし、沖縄の象徴であり、沖縄県民の心のよりどころだと思います。それが焼失したことは衝撃的で、深い悲しみを感じております。沖縄の皆様に心からお見舞い申し上げたいし、一日も早い復旧・復興をお祈りしております。
首里城は国定公園ですので、私が国土交通省にいた時に仕事で関係したこともあり、悲しい思いになっています。
日本の文化財は、可燃性が高い木や紙を素材としており、防火対策は非常に大きな課題です。過去にも火災の被害を受けた例もあります。常日頃から、文化財の関係者・所有者も含めて会議や研修や防火についての啓発等をしておりますが、今回は、至急に国宝・重文や国指定の文化財を持っている方々に対して、文化庁から防火体制の点検や確認を所有者・管理者に指導するように通知がありました。同日付で、我々から府内の市町村の文化財保護部局あてに点検・確認の徹底を依頼しています。昨日二条城で行われた緊急の会議に府からも参加しております。
出火原因がいずれ出てきますので、それも踏まえて京都府の指定・登録・暫定登録の文化財の所有者・関係機関に防火意識の向上や中身によっては具体の措置も含めて、注意喚起・指導をしてまいりたいと思います。いずれにしても非常に貴重なものですが、火災に弱い面がありますので細心の注意を払った管理が必要だと思います。
文化庁からの通知はどのような内容か。
文化庁から各知事や教育長あてに出ているものの項目だけ申し上げます。
題目は別として、やるべきこととして文化財の所有者・管理者に対し、火気管理を徹底すること、修理をしている現場では防火管理を徹底すること、火災発生時の初期対応ならびに延焼防止が確実にできるように改めて防火設備の点検・初期対応の体制を確認すること、関係機関と密接に連携して防火体制の確認を取ることが事務連絡として来ていました。それはそのまま市や担当者に通知をしました。文化庁から緊急としてその日のうちに来ております。
今朝、英語民間試験の延期について報道があった。知事はどのように感じるか。
仕組みについては詳細にわかっていませんが、受験生やその保護者、大学関係者から懸念の声が出ていると報道ベースで聞いています。具体の影響もさることながら、不安な気持ちを持ちながら参加することはよくないと思うので、改めて一度延期して、不安を払拭して検討するということなので、私の直感としては強行をせずに見直すということはよかったと思います。
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