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【シンガポール時事】シンガポール中心部の高級ホテル、シャングリラ・シンガポールで17日、京都府産の食材の海外販促イベントが開かれた。現地の飲食店関係者やバイヤーらを招いて行われた試食・試飲会では、京都産の食材を全面的に使った和食コースが振る舞われた。西脇隆俊知事はあいさつで、京野菜などの特産品について「『京もの』として一体的にPRしていく」と強調した。
主催したのは、京都府農林水産物・加工品輸出促進協議会。府内産の農林水産物や加工品の輸出促進を図るため、府のほかJAグループ京都や府漁業協同組合など生産団体、流通団体に加え、輸出に注力する府内の食品関連事業者などで2010年に設立された。
会場の日本料理店「銭屋」シンガポール店では、京丹後市出身の吉瀧修治料理長によるコース料理を提供。京壬生菜、九条ねぎなど京野菜のほか、丹後ぐじ(アマダイ)、伊根まぐろなどの海産物、黒毛和牛肉「雅(みやび)」といったメイン食材に加え、京丹後米、黒七味、漬物は千枚漬け・すぐき・しば漬け、デザートには丹波黒豆と、京都産の食材にこだわったメニューが考案された。同店では、このコースが「京ものフェア」用の特別メニューとして11月末まで提供される。
京都府は農林水産物の生産量は多くないものの、京野菜をはじめ特色ある食材を多く抱える強みがあり、「京もの」としてブランド化を進めている。一方で観光地としては世界的な知名度を誇っており、今後は「京もの」の知名度も同様に引き上げていくという。
府農林水産部流通・ブランド戦略課の加茂雅紀課長によると、「シンガポールでは主に飲食店での取り扱いを増やすことが目標」で、食材としての「京もの」のブランド化や知名度向上につなげたい考え。(了)
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