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子どもの身体は成長段階にあるため当然大人と比べて弱く、特に乳児はちょっと揺すぶっただけで脳に障害を起こしたり骨折することがあります。
このことが原因で重い障害を残す子どもも多く、親からみれば大丈夫と思っていても子どもにとって心身に大きな影響を及ぼすこととなります。
虐待の影響は、虐待の種類、程度、受けた期間などによって様々です。
また、虐待という状況から保護などされて逃れたとしても、子どもの頃に受けた経験は、将来その子が成長するときに大きな影響があります。
食事を与えられなかったり、栄養が偏ると、身体の発育が悪くなり、慢性的な病気や体力のない病気がちの子どもになったりします。
暴力による頭部外傷で脳に障害が生じ、運動機能や言語など知的な発達が遅れます。
親から大切にされる経験を持たずに育つと、他の人を信頼することができず、人間関係が築けなくなり、他人に攻撃的になります。
子どもは虐待の苦痛を軽減しようとして、感情や記憶を分裂させる解離(多重人格)が起こることもあります。自分が悪いから虐待されていると考えて自尊心が低くなり、自暴自棄な行動をとります。
このような情緒的に不安定な状態のままで思春期になると、非行や犯罪など反社会的な行動につながっていきます。
また、親が学校に行かせないことで学校の勉強についていけなくなったり、度重なる暴力により、学習するための集中力や意欲に欠け、学力が低下することがあります。
虐待をする親の約30%は子どもの頃に虐待を受けた経験を持っているといわれています。
子どもの頃の虐待の体験は、大人になって自分が子育てをするときに、自分の子どもを虐待するという形になって悲劇をくりかえしてしまいます。
幼少時に基本的なコミュニケーション(反応に答えてくれる)が不足していると他者との信頼関係が築けなくなります。
大人に過剰に反応したり、他の子どもを攻撃したりする行動をとります。
これがエスカレートすると非行や犯罪につながります。
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