大雨と防災についての質問とこたえ
質問
土石流を防ぐのは、砂防えんていですが、洪水や田畑の浸水などは防げるのですか?
こたえ
土石流は、集中豪雨や長雨によって山の渓流(谷)にたまっていた土砂や木が周りの岩などもまきこみながら、ものすごい勢いで一気に下流へと押し流されるもので、これをふもとの家や田畑に流れ込まないようにせき止める役割をしているのが、砂防えんていです。さらに、砂防えんていは土砂をくい止めるので、川に土砂がたまって水が流れにくくなることを防ぎ、洪水や田畑の浸水を間接的に防いでいるとは言えます。
しかし、直接的に洪水を防止する対策には、川幅を広げたり、川を深く掘り下げて、たくさんの水を流せるようにすること、堤防を丈夫なものにすること、ダムをつくって大雨を貯めるようにすることなどがあります。
質問
大雨で土砂くずれになったりしたら、どういうことをしたらいいのかを知りたい
博士のアドバイス
大雨について調べてくれるのは、うれしいですね。山の近くにいる時に大雨が降ったら、土砂くずれなどに注意しなければいけないですね。まずは、危なくなる前に、安全な場所に避難することが大切です。だけど、大雨で道に水があふれている時や、夜になってから避難所へ向かうとかえって危険な場合があります。こんな時は、土砂くずれが起きそうながけから少しでも離れた部屋や2階への移動することも命を守る避難方法の一つです。
大雨に備えて、場所雨が降っていない日に、家族で家や周りの様子を確認して相談しておくといいですね。
質問
どうして雨は降るの?
大雨はどうしてふるの?
こたえ
- 雨が降るには、雲が必要です。雲は上昇気流によって、空気中の水蒸気が水や氷になることによってできます。この雲の中で、水や氷のつぶが大きくなり、空にとどまっていられなくなると、雨となって降ってきます。
- 日本は大陸と大洋にはさまれ、季節の変わり目には梅雨前線や秋雨前線が停滞し、しばしば大雨を降らせます。また、低気圧が前線を伴って日本付近を通過するときや台風が接近・通過するときに、広い範囲に大雨を降らせることがあります。
大雨が降る時には、南よりの湿った空気が流れ込むことで、雨雲を発達させます。発達した雨雲が、長い時間にわたって雨を降らせると、大雨となります。
大雨には、狭い範囲に長い時間にわたって大雨を降らせる「集中豪雨」、短い時間に大雨を降らせる「強雨」など、さまざまな大雨があります。
(協力 京都地方気象台)
質問
梅雨の時期に雨は降りやすいのはなぜ?
なぜ台風の時に強い風だけじゃなく雨もふるの?
雨の降りやすい時間帯は?
こたえ
- 季節の変わり目には梅雨前線や秋雨前線が停滞し、しばしば大雨を降らせます。春と夏の境にあるのが梅雨前線です。梅雨前線の北側は春の空気、南側は夏の空気があり、二つの空気がぶつかり合って、雲ができやすく、雨が降りやすくなっています。南からの湿った空気が流れ込むと大雨となることがあります。
- 台風は、暖かい海(熱帯の海)からエネルギーをもらい、台風となります。そのとき、台風を取り巻く雲が発達し、大量の雨を降らせるようになります。台風は、強い風とともに大雨を降らせる、大きな特徴があります。
- 雨の降りやすい時間帯はありません。雨の降りやすい状況になれば、夜・昼区別なく、雨は降り出します。
(協力 京都地方気象台)
質問
台風はどこで発生するのですか?
こたえ
- 日本に接近する台風の多くが、フィリピンの東海上で発生します。中には、日本の南海上で熱帯低気圧が台風となることもあります。
(協力 京都地方気象台)
質問
雨の種類ってあるんですか?
こたえ
- 雨の強さによって、「やや強い雨」「強い雨」「激しい雨」「非常に激しい雨」「猛烈な雨」があります。例えば「やや強い雨」は、ザーザーと雨が降っていると感じます。地面からのはね返りで足元がぬれ、雨の音で話し声がよく聞き取れないかもしれません。1時間に10~20ミリメートルぐらいの雨で、長く続くときは注意が必要です。「猛烈な雨」は、息苦しくなるような圧迫感があり、恐怖を感じるかもしれません。このような雨は、1時間に80ミリメートル以上の雨で、大規模な災害の発生するおそれが強く、厳重な警戒が必要です。
(協力 京都地方気象台)
質問
過去におきた中で、一番雨がふったのはいつ(原因も)?
こたえ
- 京都市中京区の京都地方気象台の記録としては次ぎのとおりです。
- 10分間に、26.0ミリメートル(1980年8月26日)
日本海の低気圧からのびる前線が南下し、府内で床上浸水・床下浸水の被害が発生しました。
- 1時間に、88.0ミリメートル(1980年8月26日)
この時は京都市内では家屋の浸水や道路の浸水などの被害が発生しました。
- 1日に、288.6ミリメートル(1959年8月13日)
台風第7号と前線の影響で、桂川のはん濫や、京都市内の小さな川もはん濫しました。
- 10分間に、49.0ミリメートル(高知県の清水測候所、1946年9月13日)
- 1時間に、153ミリメートル(千葉県の香取アメダス観測所、1999年10月27日)
- 1日に、806.0ミリメートル(三重県の尾鷲測候所、1968年9月26日)
(協力 京都地方気象台)
質問
風などの災害はどうやって防ぐのですか?
こたえ
- 強い風は季節を問わず、台風や低気圧、前線の通過、積乱雲などで起こる現象です。強い風が吹くと、傘がさせない、木全体が揺れる、電線が鳴るなど、経験したことがあると思います。毎秒10~15メートルくらいの風が吹くと、私たちは風に向かって歩きにくくなります。毎秒15メートルを超えるようになると、転ぶ人がいたり、ビニールハウスが壊れ始めるようになります。
強い風の吹きやすい地域では、防風林など風の被害が少なくなるよう工夫をしていますが、強い風から自分を守ることが一番重要です。
そのために、日ごろから、家の周辺を見て、風に飛ばされそうなものは片づけておきましょう。天気予報などで強い風が吹くと予報されたら、風の弱いときに大人と一緒に、植木鉢やプランターなど風に飛ばされそうなものを家の中に入れたり、家の中に入れることのできないものは、風に飛ばされないように固定するようにしてください。
急に強い風が吹きだしたら、近くの頑丈な建物に避難してください。家の中にいるときには、カーテンを引いて、窓から離れ、家の中心に近い部屋に移動しましょう。
(協力 京都地方気象台)
質問
酸性雨って何ですか?
虹はどうしてできるのですか?
こたえ
- 酸性雨は、空から降ってくる雨に、産業活動から排出される二酸化硫黄や窒素酸化物などの酸性物質(大気汚染物質)が溶け込んで降ってくる現象です。雨には空気中の二酸化炭素が溶け込んでいるため、産業活動から排出される酸性物質が無かったとしても、雨は酸性ですので、酸性雨の目安として水素イオン濃度(pH)5.6以下とする場合が多いです。
- 虹は、太陽光が空気中の水滴で、折れ曲がったり(屈折)、はね返ったり(反射)して起きる現象です。太陽光が反射して起こる現象ですから、虹はかならず太陽を背にした方向に現れます。虹が7色に見えるのは、太陽光(可視光)が7色に分解されるためです。
(協力 京都地方気象台)
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