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京都府自然環境目録2002には淡水貝類が47種(亜種を含む)掲載されていたが,既存の標本資料からカワシンジュガイとフネドブガイが,最近の調査からヒメマルタニシとマルドブガイが確認された。今回の見直しでは,これら51種から外来種7種(国内外来種を含む)を除いた44種が評価対象となった。
レッドリストに掲載された種の総数は,前回(2002年)では18種だったが,今回は25種となり,7種増加した。前回よりランクアップしたのは12種で,ほとんどが琵琶湖・淀川水系の固有種であった。ランクダウンした種はなかったが, 7種が新規に選定された。
前回は絶滅寸前種とした5種(ナガタニシ・オウミガイ・カワネジガイ・ヒダリマキモノアラガイ・オトコタテボシガイ)は,レッドリスト公表後も新たな情報が得られず,過去50年以上の発見記録がないので,今回は絶滅種とした。絶滅寸前種には,前回の絶滅危惧種から6種がランクアップしたほか,新規に3種が選定され,結果として前回より4種増えて9種となった。一方,絶滅危惧種は新規に2種が選定されたが,差し引きで前回の9種から5種に減少した。準絶滅危惧種は新規に2種選定されて4種に,要注目種も新規に1種選定されて2種となった。
ナカセコカワニナ (旧)絶滅危惧種 → (新)絶滅寸前種
琵琶湖・淀川水系の固有種で,かつては琵琶湖から淀川下流まで分布し,京都府下では1980年頃までは疏水と宇治川に生息していた。しかし現在では滋賀県の瀬田川の一部と天瀬ダム下流の宇治川にしか生息せず,しかも分布域の縮小および個体数減少の傾向が見られる。こうした状況から,本見直しでは絶滅寸前種に選定した。 |
ヤマトカワニナ (旧)リスト外 → (新)絶滅寸前種
ナカセコカワニナと同じく琵琶湖・淀川水系の固有種で,京都府下では疏水と宇治川に生息していた。疏水では増えているという情報があったので,前回はリストに入れなかった。しかし,今回の見直しで疏水も宇治川も1990年代後半から生息が確認されていないことが明らかになったので,絶滅寸前種に選定した。 |
カワシンジュガイ (旧)リスト外 → (新)絶滅寸前種
京都府淡水産貝類リストが公表された後に,1983年に綾部市で採集されていたという情報が寄せられた。地元での聞き取り調査の結果,かつてはかなりの個体数が生息していたことが明らかになったが,最近の生息確認はできなかった。こうした状況から,本見直しでは絶滅寸前種に選定した。 |
〈 淡水産貝類 25種 〉
絶滅種(5種)
△ナガタニシ、△オウミガイ、△カワネジガイ、△ヒダリマキモノアラガイ、△オトコタテボシガイ
絶滅寸前種(9種)
△マメタニシ、○ヤマトカワニナ、○タテヒダカワニナ、△ナカセコカワニナ、
△カドヒラマキガイ、○カワシンジュガイ、△オグラヌマガイ、△イケチョウガイ、△セタシジミ
絶滅危惧種(5種)
△クロダカワニナ、オバエボシガイ、ニセマツカサガイ、カタハガイ、○マシジミ
準絶滅危惧種(4種)
マルタニシ、○オオタニシ、○モノアラガイ、マツカサガイ
要注目種(2種)
サガノミジンツボ、○ヒメマルマメタニシ
凡例
△:アップリスト種 ▽:ダウンリスト種 ○:新規掲載された種 ☆:種名などの変更 |
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