選定理由 |
石炭紀のコノドント化石産地として重要であるが、道路わきで将来の保存が危惧される。 |
分布 |
国内の石炭紀を示す地層のほとんどは石灰岩でありチャートの地層は貴重である。チャートで確実に石炭紀にまで確認されている地層は、本露頭と京都市北区大森の2ヵ所である。 |
特徴(特異性) |
石炭紀からペルム紀にかけてのチャートと炭酸塩岩が互層する府下でも珍しい露頭である。 |
現状 |
現状では主要な露頭が道路側壁の内側にある。学術的意義Isozaki and Matsuda(1980)や井本ほか(1997)が石炭紀のコノドントを産出すると報告した露頭である。石炭紀やペルム紀のフズリナやコノドントの化石層序は、主に石灰岩体の中で行われてきた。しかし、本露頭は、石灰岩とは異なり明瞭な地層を呈するチャートであり、今後詳細な層序的解析が成される可能性があり、学術的に重要である。保護の重要性石炭紀新世からペルム紀古世中期の年代を示し、北摂山地はもとより丹波帯全体においても石炭紀新世からペルム紀古世の堆積環境を推定したりする上で貴重で、教育研究上露頭の保護が必要である。 |
保存に対する脅威 |
付近は交通量が比較的多く、狭い道路から露頭付近のカーブに入るため、道路のつけ替えや拡幅に伴う工事の可能性がある。その際に露頭が失われる可能性がある。 |
必要な保全対策 |
道路計画において喪失する可能性があり、とくに立て札等で関係者に注意を促す必要がある。 |
特記事項 |
最下部のより詳細な年代や堆積環境の解析などがなされていない。 |